大きな野外コンサートでは、多数のスピーカーを設置するのが普通だ。そうしないと音が遅れるし、一つのスピーカーで大音量を出すと近くが迷惑だからだ。しかし、遠くのスピーカーの音が聞こえなくなるわけではないので、やはり遠くでは複数の音が入り混じって聞こえにくい。
これを解決するのに、超指向性スピーカーを使うというのはアリだと思う。つまり手前では手前のスピーカーの音しか聞こえず、遠くでは遠くのスピーカーの音しか聞こえないようにする。超指向性スピーカーとは言っても、実際には干渉縞を自在に制御できるから、直線状に配置する必要はない。スピーカーの位置をGPSやカメラ等で把握してコンピュータ制御することで、スピーカー内のどこでも快適な音場を生成することができる。
これは、複数の超音波トランスデューサの干渉縞で会場をスキャンする、といったやり方になる。トランスデューサの干渉縞が会場をくまなくスキャンできるように、超音波(搬送波)の周波数や位相を都度最適化してやるわけだ。このこと自体は、スピーカーの位置(距離と角度)の関係さえ分かれば計算できる。
このシステムを使えば、必要以上に大音量にする必要はない。ロックフェスだけでなく、ポピュラーやクラシックでも使われるようになれば、それはそれで文化的な生活を促進できるだろう。
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