2025年7月13日日曜日

たつき諒の予言は外れた


実は前日に書いているのでたぶん、だけれども、「たつき諒の予言は外れる、という私の予言」は当たった。

ただこの間、トカラ列島で群発地震が起こり、最大震度6弱が1回、5強・5弱も複数回発生した。

トカラ列島で最大震度6弱含む1700回超の群発地震 収束見通せず今後も警戒が必要(Science Portal) - Yahoo!ニュース

私の予言を改めて書くと、

2025年7月5日を中心とした前後1週間(計2週間+1日)の間に、日本の太平洋岸を震源とする、最大震度6強以上の地震は、起きない。

というものになるのだが、ここで6強と6弱は1段階しか違わないから当たらずとも遠からずだったのでは、という人もいるかも知れない。だが、前も書いた通り、地震予知の3原則では規模をしっかり規定することが必要だ。震度6弱と6強では揺れ方に雲泥の差があり、もちろん地震エネルギーも天地ほど違う。

また、私の予言の文言には書いていないが、たつき氏の予言は「東北大震災の3倍以上の津波」とされているところ、トカラ列島の地震では津波警報すら出なかった。

改めて書くと、地震予知の3原則は①地域の特定②時期の特定③強度の特定、何れも満たしている必要がある。そもそもたつき氏の予言は①は広すぎ、②だけ正確、③も曖昧、と、最初から予言の体をなしていないのだ。それを最大限に拾って定義したのが私の予言で、それすらも外したのだから、もう言い訳はできない。明確にハズレである。

そして、曖昧な言い方をするのは自称(ウソツキ)預言者の常套手段である。地震に限らず、たとえばノストラダムスの大予言でもそうなのだが、1999年7月に降ってくるのは「恐怖の大王」であって、隕石とか核爆弾とかとは明記していない。曖昧な表現だと、それを様々に解釈して、たとえば単なる酸性雨でもアタリと主張する輩が出てくる。曖昧な表現は、予言の「アタリ確率」を上げる手段なので、預言者はこれを常用するわけだ。

そしてその程度(量的視点)なのだが、たとえば震度を曖昧にすると、その「アタリ確率」は大幅に上昇する。

以下は、生成AIに作らせた、1926年(昭和元年)から2024年までの約99年間を対象に概算した、震度別の年平均発生件数である。

 震度7        約0.1回/年
震度6強    約0.4回/年
震度6弱    約0.8回/年
震度5強    約5〜7回/年
震度5弱    約10〜15回/年
震度4        約150〜200回/年

ここは各々の震度で計算しているので、たとえば震度6強以上の地震は0.5回/年、というように足して考える。

私の予言は「震度6強以上」だったが、これは0.5回。もしこれを「6弱以上」とすると、1.3回となる。つまり震度が1段階違えば「アタリ確率」は3倍弱になるのだ。地域も同じように掛け合わせると、曖昧さによる「アタリ確率」は大きく増大する。たとえば海域別に発生件数を調べてみると(これも生成AI)、

太平洋沖(東日本〜南海トラフ)   約500〜600件/年
日本海沖                                                    約100〜150件/年
東シナ海・南西諸島海域                     約150〜200件/年

となる。今回起こった悪石島は「東シナ海・南西諸島海域」になるのだが、南海トラフは当然ながら太平洋沖に分類される。私は「太平洋岸」と書いたが、普通は「太平洋沖」を想像するだろう。この意味でも今回はハズレていたわけだ。

自称預言者はこのこと(発言を曖昧にすればするほどアタリと思ってくれる)をわかっているから曖昧にするのだ。

また、「これは予言ではない」などと予防線を張るのも自称預言者がよくやる手段だ。たつき氏も「夢で見たもの」などと言って予言と明言していないが、これはあらかじめ逃げ道を作るためのものであって、件の本の中を読んでいれば、それが予言であることは明らかである。もちろん当たればそれを声高に主張するのも、自称預言者の常套手段である。

当たると評判の預言者も、よく調べてみるとこれらの法則に当てはまることが多い。というか、当てはまらない人を見たことがない。それでも(その緩い)「アタリ確率」が高い人はいるのだろうけど、そこまで調べるほど興味もないし、ヒマでもない。

結局、この手の(曖昧な)予言に振り回されるのは止めようよ、と思うのだけれども、今回は中国などで旅行が取り止めになるなど国際的な事態にも発展してしまった。そしてこれは心理学で説明できてしまう。

曖昧な表現を予言と結びつけてしまう心理学的効果として、「後知恵バイアス」というものがある。


他にも確証バイアスなどいろいろあるが、こういうものを知った上で、その予言が聞くに値するものなのかを個々の人が判断すべきだ。

以前にも情報リテラシーをもっと勉強すべきだと主張したことがあったが、その多くにはこういった心理学的要素があるのだ。人はもっと心理学を勉強すべきだろう。

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