2018年1月31日水曜日

部屋ローミング


個室に入るなりスマホを壁の指定の位置に貼り付けると、その部屋が自分の部屋になる。そのような部屋のローミングを考えてみた。

ホテルに入ると、ドアのすぐそばに照明のスイッチがある。ここにスマホ台を設置する。これは充電台にもなっているが、近接通信ができるようになっている。例えばNFCだ。BluetoothやWiFiではないので通信を分離でき、セキュリティも掛けられる。

これを通じて、部屋はスマホ(ないしはオンライン)の特定の情報にアクセスできる。その情報とは、部屋に関する環境情報だ。簡単に言えば、温度湿度照度色合いなどに関する好みを、スマホを通じてフィードバックできる。

普段から自宅にスマホを置いて温度湿度照明を調節していると、スマホにもセンサがあるから、それを各人の好みとして認識する。その情報を用いて、新しい部屋でも同じような環境になるように自動調節する、というわけだ。もちろんそこには誤差が生じるから、スマホから微調整することはできる。スマホ台に設置すると、その部屋のコントローラが自動的にダウンロードされ、表示可能になる。充電が終われば台から外して、引き続き操作ができるようになる。

これは、他にも音楽再生と連動する。スマホで音楽再生をするとき、部屋のテレビや天井スピーカーから流すようにできる。オプションとしてあればアロマを焚いたり、習慣的に見るテレビがあるなら自動で点けたり、寝る時刻になると照明を暗くしたり、自宅で見ている有料放送(Netflixなど)をローミングで見ることもできる。Amazon Echoがなくても、自宅のAmazon Echoと連動して、天気予報や予定を聞くことができる。

これらはスマホとは本質的に関係のない情報連携ではあるが、スマホという物理的媒体と連動することで分かりやすくなる。他にもマイナンバーカードやスマートウォッチと連動する、という案も考えたが、スマホがいちばんすっきりくる。

2018年1月30日火曜日

監視カメラインフラ


監視カメラ応用については幾つか書いているが、さまざまな応用が可能になってきた今、あるいは近い将来のために、監視カメラは汎用化すべきではないだろうか。

つまりはこうだ。世の中はそのうち監視カメラだらけになる。だがそれらは基本的に設置者の所有であり、カメラの用途やセキュリティは設置者の技量や意図に左右される。カメラの場所や性能、向き、所有者を把握した上で個別にお願いしないと、映像を使うことはできない。

しかし、監視カメラの用途は今や泥棒避けだけではない。通り魔のような犯罪は当然だが、天気や自然災害、しかもその予兆まで含めた監視分析から通りの交通調査まで、さまざまな応用が考えられ、その多くは設置者ですら予測不可能だ。匿名化した上で、第三者の分析にも使えるようにすることは、社会にとっても有益なはずだ。

従って、そういった共通インフラに乗せることを前提として安価ないしは無償でカメラを設置し、その使用許可は一定のポリシーに従って自動で認めるようにする。場合によっては通知や謝礼が届くが、多くの場合は必要ない。また自分もそのサービスを使うことができる。例えば徘徊老人を一瞬で探すことができる。そういった相互利用のインフラを広めていくのだ。

そのインフラに乗る限り、カメラのセキュリティはインフラ業者が自動で行い、必要に応じてメンテナンスも行う。自宅の無線LANとつなぐ、電源を拝借する、くらいは必要だが、基本的には管理不要だ。

当然監視カメラとして使えるのだが、それもインフラのパワーでさまざまなランクで使える。例えば動体監視アラーム程度が今までのものだとしたら、怪しさ加減の判定や指名手配者との自動照合、警察への自動通報まで、さまざまなグレードが選べる。それも、近所の物騒さ加減に応じて自動で推奨してくれる。最悪泥棒に入られたら自動通報、自動追跡までしてくれる。過去にさかのぼって、泥棒の自宅まで突き止められる。

ここまで便利になるなら、多少のセキュリティとプライバシーの不安があったとしても、賛同してくれる人は多く出てくるのではないか。

2018年1月29日月曜日

クローキング技術の応用


http://japanese.engadget.com/2017/10/20/cloak/

写真にある邪魔なものを消す技術というのは既に存在しているが、それを自動で、さらには動画にも対応して、となると、なかなか面白い。記事にもあるように、VRや360°撮影では必須の技術とも言え、将来的な発展が楽しみな技術だ。

スタートレックでは、クローキングといえば宇宙船を見えなくする技術なのだが、その頃の宇宙船が望遠鏡を使っているはずもない。何かしらの撮像素子からコンピュータで作っているはずだ。そこにクラックで入り込んで自分を消す、というのを思いついた。これなら今でもできそうだ。そして面白いことに、意外と今でも活用方法があるのだ。

普段はカメラを通してしか見れない、というものの代表例は、監視カメラだろう。とここまで書けばもうお分かりかと思うが、監視カメラをクラックして別の映像を見せるのではなく、対象となる人物だけを消すことで、人通りの多い場所でも人を消すことができる。複数のアングルで捉えた映像であっても各々で消すことにより、死角を作り出すことができるのだ。

他に思いつくのは、運動会で自分の子の前にいる子を全て消す、監視カメラでターゲット以外の人物を消す、映画で普通に撮影しつつ電柱や電線や関係ない通行人を消す、などが考えられる。こうすると余計な人払いが必要なくなるため、ロケもスムーズになるだろうし、撮影場所を確保するのに苦労することもない。

完全に消すことができるのなら半透明にもできるはずだ、色も形も変えられるはずだ、と考えると、必要なところを強調したり、関係ない人を棒人形にしたり、犬を猫に変えたりということも可能なはずだ。今の写真加工ソフトと同じように、動画加工ソフトがそういったフィルターを多数揃え、更に適用まで自動化して、Googleフォトに勝手に落とし込むような未来を考えるのは楽しい。

2018年1月28日日曜日

宅配ロボットと自動倉庫の融合


使わない荷物を預かってくれるサービスがいくつか出てきている。これと宅配を結びつけることは十分に考えられることだろう。Amazon.comがやっているような、家の中に勝手に入るよりはよほど安心できる。

このサービスは大きくは二種類ある。ある程度の大きさの倉庫をレンタルして、そこに自分で荷物を出し入れするもの。もう一つは、段ボールを宅配便で送受するものだ。前者は定額で最大容量制限あり、また自宅の近くであり、自分の都合で何時でも出し入れできる。後者は段ボールの数に比例する従量課金で、出し入れは宅配便に依存するので時間と受け取りの手間が掛かる。

どちらでも可能だが、ここでは後者を考えてみる。すると、こんな仕掛けになる。

個人は自動倉庫に荷物を預けられる契約をしている。そこを配送先に指定すると、宅配業者はその個人の荷物として荷物を自動倉庫に預け、通知をする。個人はその通知を見て、好きなときに荷物を出す。直ぐ出す気がないならそのまま放っておく。例えば季節モノの服をクリーニングに出して、そのまましまってもらうなどだ。

これを更に便利にするのがロボットだ。荷物を指定して、自動倉庫連動で荷物を出し、自宅に届けてくれる。人間の宅配業者と違ってセキュリティの心配がないし、自動倉庫と連動で費用も安く設定できるだろう。ロボットだから在宅のタイミングも勝手に調節してくれる。

現在はこのロボットがなく、ダンボール一個二百円/月だが出し入れは宅配便のため、頻繁に出し入れするには向いていなかった。全工程をロボット前提にしてここを大幅に安くしてやれば、気軽に出し入れをすることが可能になる。例えばダンボール二十個まで、出し入れ月十回までで月1万円の定額としたら、だいぶ普及しそうではないか。

このシステムが発達すると、大部分の荷物は倉庫に出し、屋内は必要最低限のものとする生活が可能になる。季節の服はその代表的なものだが、他にも記念の品(学校で作った作品や賞状、旅行土産など)が入る。

また、個人のものとリース、更には購入前の品との境目が曖昧になっていくことが考えられる。例えば服なら、自分のものとして保管するよりも、初めからリースにしてしまうとか、シーズンオフや流行遅れのものを他人に貸すような仕掛けが生まれるかもしれない。買い物にしても、最初から自動倉庫に保管しておいて、購入すると同じ仕掛けで送られてくるようにできる。

買い物画面と自分のものの画面、リースの画面が一体化して、引き出すときにカネが掛かるか掛からないかという違いしかないのだとすると、所有欲はぐっと減るかもしれない。また、クリーニングや修理などがここを経由することで、小型家電や本もこの仕掛けに入っていくことが考えられる。

自動倉庫自体も仮想化され、実際には遠くの巨大倉庫と近場の分散倉庫がロボットで連携しているような状態になっていて、需要が見込まれるものをあらかじめ分散倉庫に移動するなどの最適化が行われることも想像できる。

こうなると、人は余計なモノを買わなくなり、モノの使用効率も高くなる。同時にスペースの使用効率が高くなる。端的には、狭い家が許容されるようになる。結果としてこれは、人がより少ないモノで生きていけることになる。

2018年1月27日土曜日

AIにのっとられない職業


AIにのっとられない職業として巷が考えていることの殆どは、自分としては信用していない。自分が考える、安定してAIにのっとられることのない、AI全盛期の人間の職業とはただひとつ。それは、「AI化がまだされていないところをAI化するための技術者、コンサルタント」である。

AI化が先にされるのは、当然AI化が簡単で効果が高いところからだから、そうでないところはAI化が難しく効果が低いところであるはずだ。この「難しい」「効果が低い」は相関関係にあり、技術的に簡単になれば効果も高くなる。そこに商機がある。

一般的なソリューションと異なり、AIは横展開が比較的容易である。自分で学習できるので、人間が手を煩わすところが少ないからだ。このため、その適用先は分野毎となり、一度入ればあっというまに横展開で大儲けできる(但し一時的に)はずだ。

どんな職業がAI化しにくいだろうか、というのは想像も可能だが、実際にAIが進んでみないと分からない部分は多い。また、AI化は即ち価格破壊と失業を誘発するため、意図的に業界として避けようとする業種があるかもしれない。それでも、一人裏切り者が出ればもうおしまいだ。その一人に取り込むことができれば、上手くいく。

そして、全ての職業にAIが導入されたとしても、それらを突き合わせた最適化の余地はまだ残っている。その後は勢力争いへの加担。だがそれも長く続かないだろう。そうしてついに全ての職業はAI化され、自分も含めた全人類は失業することになる。

2018年1月26日金曜日

AIでバグを取る


Windows10になってから、その不安定さには辟易としている。アップデートも頻繁にあるが、勝手に再起動するのは何とかしてほしい。まあそれはともかくとして、実機での動作確認にRPAを使うというのは考えられることだが、それ以上にAIに働いてほしいものだと思う。

このバグ検知機構は、サーバではよく見られるようなリモート操作の仕掛けが使われる。即ち、一つのPCの中に二台のPCがあって、独立して動作する。そのうち一つは従来の意味でのPCであり、もう一つはそのPCを操作し、その様子を記録するだけのPCだ。自動テスト機ないしはRPAの一種と言ってもよいが、機能は若干違う。(従来で言う)テストデータの自動生成とも少し違う。

バグテスター(仮名)の役割は、OS(ないしはアプリ)のバグを発見することだ。このためにはユーザのあらゆる操作をシミュレーションしなければならない。自動テストにおけるテストデータは、操作と期待値がセットになっていたが、こちらは操作をランダムに行うため、期待値が存在しない。

ある操作をしたときにコンピュータがどう振舞うかを事前に計算することはできないので、強化学習の手法は使えないはずなのだが、実はそうでもないのだ。「同じようなソフトのバージョン違い」との比較、という手段が残されている。

バージョンが少ししか違わないなら、その差分については検出されるはずだし、そうでないところは同じ(差分がない)はずだ。これを用いて、いわゆるデグレードや、ランダム(に見える)エラーが検出できるはずだ。

また、教師付き学習としておき、エラーを出したときに人間が正否判定をしてやることで、例えばWindows7と10のように画面が大きく変わる場合でも、同様のことをすることができる。

何れにしても、こういった仕掛けを普通のPCにも入れておくことは色々と便利だ。それは結局RDPの変形なのだろうからリモートにも応用できるし、操作が重くなったり操作不能になったりしたときでも回復の道がある。

一つ残念なのは、このテストには膨大な工数が掛かることだ。このため分割・結合といった従来のテスト法と組み合わせたり、操作のランダムさ加減に一定の制限を掛けるなどして効率化をすることが必須で、そこには従来のテスト法と同じ苦労が発生する。

2018年1月25日木曜日

ロボット自給自足


ロボットが自分自身を生産・修理できて、またその材料と自ら動くためのエネルギーを自己調達できるなら、ロボットに掛かるコストは画期的に下がる。今はバラバラに研究されているものを、この軸で統合して研究を助成するのは、良い方針だと思う。

エネルギーの自己調達としては、自然エネルギー発電所の無人(ロボットによる)運用が考えられる。自らの生産修理も、工場の無人運営が考えられるのだが、問題はその材料だ。必要な部材をただ買ってくるのであれば、あまりコストは下がらない。

この問題の解決には、二つの方法がある。一つは材料を自ら生産すること。もう一つは故障したロボットを分解してリサイクル・リユースすることだ。これについて掘り下げて考えてみる。

別項で、ボディが樹脂製のロボットを考えている。樹脂は植物から作ることができるし、植物そのものを構造材とすることも可能だ。またモーターも植物から(なんとか)作ることができる。畑や森で育つ植物を計画的に伐採して使うことは可能だし、必要なら植物工場を運営すればよい。

そこで問題にしているのが、半導体(コンピュータ、センサ)とバッテリである。バッテリに関しては、空気アルミニウム電池など、原材料がシンプルで、他の材料を使わずエネルギーだけで再生できるものが有望である。その代わり、今の電池のように便利ではない。起電力は低く寿命も短い。

最後は半導体だ。電子回路を印刷するような技術は存在するが、必要な集積度がまるで違う。知る限りでは半導体はリサイクルに向いていない。金は回収できるが、シリコン自体は安価なもので、わざわざICから抜き取る必要がない。また、半導体の製造にはシリコンや金だけでなく、様々な化学薬品や設備が必要である。現状では半導体までを完全にリサイクルすることは困難だ。

というわけで、ボディとモーターを植物性樹脂で、バッテリはリサイクルで作るようにすれば、ロボットの大部分は自前で作られることになる。

ボディを金属で作ってリサイクルする方向性も勿論考えられるが、この場合モーターを全部鉄で作るか、鉄と樹脂のみで作るか、ということを考えなければならない。もちろん分解してからリサイクルでも良いのだが、ちょっと効率が悪い気がする。

2018年1月24日水曜日

ロボットによる直接生活支援


ロボットが人の労働を奪う問題について、その最大の問題とは、ロボットに代替される程度の仕事しかできない人の割合が増えていくことである。つまり、その人に幾ら労働意欲があろうとも、能力がロボットに劣るために働くことができない、という問題だ。

現在でも、生活保護水準以下の給料で働いている人は多くいるが、例えば生活保護が月20万なら18万、16万というレベルだ。これが5万になってしまうと、さすがに生きて行けない。それも、国民の半数がそういう状態になってしまう、という危険にさらされているわけだ。

この5万という数字は、ロボットならそのくらいのコストでできる、という意味であり、ロボットが進化すれば数字はどんどん下がっていく。その下がり具合は単純な予測が困難だ。今、大丈夫であったとしても、3年後に失業することが考え得る世界になる。

さすがにここまでくると、保護せざるを得なくなるはずだ。生活保護水準との差分を支給する生活支援制度として設計される。ここで問題なのは、現行の生活保護対象の捕捉率は日本の場合で20%程度なのだそうだ。この制度が発足するような時代では、先ほどの19万、18万という世代は軒並み5万になるので、捕捉されない≒死であるため、捕捉率自体も急激に上がることになる。

現状を確認しておくと、社会保障費全体で32兆円、生活保護費はそのうち3兆円、対象者は200万人。生活保護捕捉率を4倍として12兆円、新たな生活支援制度の対象者を10倍の2000万人として支給額を生活保護の7割とすると21兆円、合わせて33兆円。予算は10倍、30兆円増となり、社会保障費全体では62兆円となる。これは現行の国家予算100兆円の6割に当たる。

100兆円が130兆円になって、そのうち62兆円が社会保障費、現状でも42兆円を国債に頼っているところ、72兆円が国債になる。これでは国家も破綻してしまう。これを何とかする手段の第一は高額所得者(企業含む)への増税だが、これは反発も大きいだろうし、海外へ逃げられる危険がある。何よりも絶対額として足りない。少なくともこれだけでは収まらない。

他にも色々選択肢はある。その中で、ロボットによる直接生活支援というのは考えてほしいところだ。

従来の生活支援は「カネ」で行われてきた。行政が生活支援に掛けられる人的資源は限られているから、カネに頼るしかなかった。しかし監視ができなければ利権や搾取が生まれる。AIやロボットの発達は、直接支援としつつも人的資源を割かずに済む希望だ。

これは、一言で言えばロボットメイドである。ロボットが一家に一台、ないしは巡回で支給される。ロボットにできることは何でも頼んでよい。多くの場合は介護介助や買い物、話し相手遊び相手、家事に使われる。また、一定量の公的支給品があり、それには衣類と食料、家電製品が含まれる。ロボットは食料を調理し、衣類を洗濯する。

生活支援から(自由に使える)カネが無くなることはないが、カネと合わせてとりあえずは困窮せずに生きることができる。給与が一定以上になれば、これらは段階的に有料になるが、使えなくなることはない。

今まで現物支給ができなかった理由は、現金化や不正受給、あるいは食料を支給されても調理できない(有効活用できない)、といった問題があったからだが、そこに(公的機関直轄の)ロボットがいれば、有効に使用し且つ不正使用を監視することができる。今までは「カネだけ」という大雑把な支援だったものがきめ細かくなり、結果として効率は向上する。

もちろん、高度な(高額な)ロボットを大量に支給することは現状では無理だ。だからロボット自体も安く作れるようにしなければならない。これに関しては別に議論することとする。

2018年1月23日火曜日

救急車はなくなる


自動運転車が普及することにより、救急車がなくなるかもしれない。

タクシーにTV電話と簡易診察キットと簡易救命キットを付けた、準救急タクシーを準備する。これは119番で呼ぶことはできない。意識が明確な人が、救急案件か迷ったときに使うものだ。そして呼ばれたら救急車と同様、サイレンを鳴らし、信号を無視し、他の自動運転車には強制的に道を譲らせて到着する。ここまでは無人だ。

そしてユーザが乗り込んだら、まず簡易診察を受ける。もしそれで救急搬送相当と判断されたら、タクシーは以後救急車の扱いとなる。TV電話の先で搬送先を見つけたら、そこからは自動で搬送される。

もし救急案件ではないと判断されたら、そこまでの(若干割り増しの)料金が既にチャージされたタクシーと同じ扱いになる。自分で病院を指定しそこに行くが、そこまでは普通のタクシーと同じ扱いになる。つまり信号は守らなければならない。

また、これと同時に本来の救急車は原則有料とし、救急搬送相当と判断された場合にのみ支払いを免除されるようにする。ここで、準救急タクシーよりも救急車の方が有意に高い料金に設定する。

こうすることで救急車の出動回数は減り、準救急タクシーが大部分の運用となる。救急車が完全にゼロになることはないだろうが、町で見るのは殆どが準救急タクシー、という時代が来るかもしれない。

2018年1月22日月曜日

オール樹脂製ロボット


ロボットは不燃ごみだろうか、とふと考えた。

動かなくなったロボットは複雑な部品の塊だから、車のように潰してスクラップにして、とは簡単にはいかないのではないか。自動車工場の溶接ロボットならともかく、将来的に街中に溢れるであろう、人と共存するロボットに関しては、そうはいかないだろう。

そこで、リサイクル・リユースしやすいロボットはないものだろうかと考えてみた。これには二つの意味がある。一つには資源の節約。もう一つは、ロボット自身がロボットを作り修理できるようになること。これで、ロボットの作成コストは大いに下がる可能性がある。

このためには、ロボットの構造を根本的に見直す必要がある。使う部品の原材料を野放図に拡大せずに厳選することがまず第一だ。ここで問題になるのは、アクチュエータとコンピュータ、センサ、そして配線(ないしは配管)である。

体を全て燃えるごみに出そうと思えば、ボディはプラスチックで作るにしても、四肢のアクチュエータは燃える素材で作る必要がある。通常の電気モーターでは無理だから、炭素繊維を練りこんだ導電性樹脂を使って3Dプリンタで作る、という方法が考えられる。永久磁石を使わず、フェライトコアも使わず、コイルだけで動くものだ。配線も導電性樹脂で行う。

効率は極めて悪くなるが、こうすることで、少なくともバッテリと制御部とセンサ以外は燃えるごみに出せる。バッテリと制御部を胴体に作るものとして、簡単に取り外せるようにしておけば、リサイクルも簡単だ。

センサ類としては、視覚・聴覚、スピーカー、嗅覚(ガスセンサ)がある。また、モーター負荷の測定、触覚は全身にばら撒く必要がある。これも、全て燃える素材でできるかどうかが問題だ。

触覚センサは、弾性体と電気的接点の組み合わせで実現できるから、全てを燃える素材で作ることは可能だろう。モーターの負荷は触覚センサと同じ原理で可能。スピーカーはモーターと同じくコイルを導電性樹脂で作れば可能。聴覚はスピーカーと同じ原理で可能。

残るは視覚と嗅覚だが、これはどちらも燃える素材だけでは難しい。そこで、胴体ユニットとセットにしてやる。但し、頭に目がないのはちょっと変だから、光ファイバーで誘導してやればよい。これもプラスチックのものがある。

胴体に残るのはバッテリと半導体の塊だ。このうちバッテリは消耗するが、半導体は相当に頑丈だ。そこで、ボディ、バッテリ、半導体を各々独立したパーツとして構成する。バッテリはリサイクル、ボディは燃えるごみ、半導体はデータコピーの上交換。こんな感じで、ロボットは半永久的に生き永らえることができる。

2018年1月21日日曜日

民間にもHCIを


HCIとは、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ、の略だ。舌を噛みそうな名前だが、やりたいことはシンプルだ。結局それは、プライベートクラウドの物理構成をシンプルにしよう、というものになる。

外から見るとプライベートクラウドに見える。つまり、管理画面と多数の仮想マシンの束だ。ハードはSAN(ストレージ)とサーバ群、それを繋ぐ高速回線(FibreChannelなど)から構成されている。更にサーバは管理用と仮想マシン用に分かれ、管理用サーバはクラスタ等で多重化されているのが一般的だ。管理用サーバは仮想マシン用サーバとは構成が異なる。

この構成を、ソフトウェアの力を借りてシンプルにする、というのがHCIだ。具体的にはサーバ(とネットワーク)だけを準備すればよく、SANやFibreChannelが不要になる。サーバの区別は特になく、ただ増設すれば性能が上がっていく。

現状のHCIはまだ複雑だが、将来的には中小企業や個人に落ちてくるものと思われる。そのときに必要になるのは、管理ソフトをとてつもなくカンタンにすることだ。また、現状ではUPSの扱いはHCIには入っていない。これはHCIが原則としてデータセンタに収まる前提だからだが、もし中小や個人に展開するのなら、UPSはサーバ筐体内にデフォルトで内蔵されているようにするべきだ。

まず、ハードウェアサーバに搭載されているソフトは「ない」ことが必要である。つまりネットワークブート前提でなくてはならない。これは1台目とて例外ではない(例外を作ると構成が複雑になる)。1台目はUSBメモリブートにする。2台目以降は参加するネットワークが管理する。

また、可能な限り判断は自動化する必要がある。UIはGUIであり、難解な用語が入り込んではならない。そこにはさまざまなポリシーの葛藤があるはずだ。また、筐体のデザインにしても、ラックマウントありきではなく、積み重ねるなどの工夫も欲しくなる。

これに、更にオンラインバックアップとの接続、UPSの存在を前提とした、バックアップ/リストア、電源断~起動シークエンスについても、自動化・簡易化の範囲とする。

ハードとしてはUSBメモリと単一の(UPS内蔵)サーバ(とHUB、LANケーブル)があればよく、サーバをストックとして持つこともできるし、故障した時にも買うサーバは決まっている。売る側としても多種揃えなくて良いので便利だ。

これを最低2~3台構成として売り込む。また、リファービッシュを前提とした下取りプログラムや、故障修理時の代替機貸し出しサービスなどと組み合わせることで、低価格に提供できる。

リファービッシュはストレージ交換、UPSバッテリ交換、掃除が主流となり、それを見越したハードウェア構成(掃除しやすい、なるべく半田付けなど)もあり得るだろう。

ソフトウェアによる自動化・隠蔽の範囲は多様であり、また電源オンオフや構成の変更、故障やバグ対応が主となるため、そのハードルは低くない。しかしそれが出来上がった際には、中小や個人のプライベートクラウドが花開くことになる。

2018年1月20日土曜日

企業通貨


ブロックチェーンを使った仮想通貨は、ビットコイン以外にも多数出ている。知る限りでは独立系ばかりだが、もしこれを世界規模の企業が作ったらどうなるだろう、と考えてみた。

すると、結構面白い結論になる。ビットコインのように発掘に対価を与えるかどうかはひとつの選択肢だが、結果的にこの通貨は、この企業の株と同等の地位を占めることになるのだ。

外からこの通貨を買おうと思えば、既存の通貨を持っている者から買うしかない。これはその企業専用の取引所で行う。最初の通貨は当然その企業が全部持っているが、これはネットワーク形成の時点では無価値で、取引所で売ることによって企業に相応の収入が発生する。

一度その通貨を買った者は、内部の他の者と取引所を通じて売買できるが、ここには相場が発生する。当然人気が高いほど高くなる。換金はやはり取引所で行うが、この場合は新たに参入する者が現金で買い、売る者がそれを得ることになる。新たに参入する者が支払う額が高い=相場が高い、ということで、これが株と同等の機能になる。

通貨所有者には通貨所有優待があるように設定できるが、なくても構わない。取引所は東証のような公のものではないので、上場廃止や取引制限などの規制がない。単一の企業だけでなく複数の企業を扱えば、もう株と区別が付かないくらいだ。

ここまでくれば新たな法規制が検討されるだろうが、ブロックチェーンは技術的には幾らでも自由に作れる。これは裏社会への資金流入にも使えるものになる。こちらには規制は関係ないだろうから、従来のブラックマーケットよりはるかに巨大な資金流入が考えられる。

裏社会用のブロックチェーン通貨を上手くチューニングして流布した者が巨万の富を得る、という日も、近いのかもしれない。

2018年1月19日金曜日

自動再構築BPMS


BPMSやコード自動生成ツールを使ったシステム開発は、まだ本格的に流行っているようには見えない。だがこれらは大いに将来性があると考えている。今流行っていないのは、それがまだシステムとして未熟だからだろうと思う。

どこが未熟なのかと言うと、アウトプットがスケールアウトモデルになっていないところだ。単純な話、出力がAmazon Lambdaになれば良いのではないか。それが極端だというなら、OpenStackに吐くようにしてはどうだろう。

BPMSやコード自動生成ツールにおける「ソース」は、ほぼ仕様そのものだ。これに合わせて実装の仕様たる「非機能要件」があるが、これも別にソースとして定義してやる。実装は全て後者に集約するようにすれば、仕様が分からずに移植できない、ベンダを変えられない、などということはないはずだ。

もちろん、大規模システムにおいてはそう簡単にはいかないだろう。システムの融通も利かないかもしれない。例えば、オンプレミスのリソースを食い尽くしてしまって他のシステムに迷惑を掛けるとか、必要以上に高速処理をする一方でアイドル時間の多い、無駄飯喰らいを構成してしまうかもしれない。

ここは「非機能要件」を使用した最適化ということになるのだが、将来的にここはAIが活躍する場となる可能性がある。

ある仕様を満足するために必要なシステム構成には、非常に多数の選択肢がある。そのどれを選ぶかは、一応目安はあるものの、SEの経験と勘が効くエリアだ。そこで、コード自動生成によるスクラップ&ビルドが可能な環境とAIが組み合わさることで、思わぬ最適化ができる可能性がある、というわけだ。

これは副次効果もあって、例えばパブリッククラウドだったら、システムトラフィックの変化や新しい料金体系が出来たなどの細かいタイミングで自動的に見直すことができる。オンプレミスであっても自動構築が可能なので、ハードウェアリプレイスや故障対応などでも最適化ができる。

もちろんDR(災害時の対応)にもこれは発揮される。どうしても足りないときにはパブリッククラウドを借りるなど、一時的にポリシーを変更しても再構築が自動にできるから、システムを止めることなく運用できる。

そのためなら、予算ギリギリにしてオンプレミスでカリカリチューンするよりは、トータルでは上手く廻るのではないか、と思う。

2018年1月18日木曜日

UIとしての撮影


Amazon Echoなど、音声UIが普及している。だがその前に、SNS-UIとでも言うべきものもデビューしているというのは、あまり知られていないようだ。

LINEでつぶやくとピザが買える、というのがそれだ。考えてみれば音声認識後の処理の流れとさして変わらないから、音声でできるのならLINEでできたって不思議ではない。であれば、何らかのテキスト化が可能ならば、音でないUIとしてカメラはどうだ、というのは自然な考えだ。

例えば、今のスマホはバーコードスキャナの機能を有することができるが、カメラを起動すればそうなるのではなく、専用のスキャナアプリからカメラ機能を呼び出す。そうではなく、フロントエンドはあくまでカメラアプリであって、映り込んだものを認識して必要な処理をする、という流れになる。

例えば、事故事件が映っていたら、シャッターを押す前でも警告してくれる機能はあったら嬉しいだろう。セルフィーを撮ったらインスタグラムの下書きを作ってくれるというのは、人によってはありがたい。このような応用は多数考えられるはずだ。
  1. バスの時刻表を撮ったら文字認識して表にした上で、OneNoteに貼り付けてくれる。
  2. 観光地や運動会であることを認識して、自動でアルバムを生成する。ついでに祖父母へメールする。
  3. 商品を撮ると、Amazonで検索して欲しい物リストに入れる。
  4. 撮ったものの情報を検索して、音声やメモなどに入れる。これは個人的な情報も含まれる。(誕生日などイベントが近い、最近会ってない、など)
  5. 宅配伝票が映るように荷物を撮ったら、集荷依頼をしてくれる。
  6. 返品伝票を撮ったら、返品の手続きをしてくれる。
  7. 宝くじを撮ったら、当選確認をしてくれる。
  8. 家電の故障・不具合の状態を撮ったら、修理依頼ないしは修正手順を調べてくれる。
  9. ライブカメラで季節の変化を纏めて楽しむ。(だんだん花が咲いていく、など)
音声やGPSとの組み合わせで、話は更に広がる。
  1. 事故事件を撮ったら警察と報道機関に送る。火事なら消防に。
  2. 何かつぶやきながら撮ったらtwitterの下書きを自動生成する。
  3. 天気が映っていたら、そこだけ切り取って、ウェザーニューズに投稿する。
  4. 動画撮影との組み合わせで、撮影対象の位置・速度・方向を推定する。飛行機なら便名を推定する。
こんな時代では、だれもが何かあればカメラを向ける。また、ライフカメラが復活するかもしれない。監視カメラも、防犯以外の用途でいろいろと使えるようになる。プライバシーの心配はあるが、こんな世界も楽しいかもしれない。

2018年1月17日水曜日

スマートスピーカーと超音波


Amazon Echoをはじめとするスマートスピーカーには、マイクに工夫があって、話者の方向を特定できる。これにより、多人数で同時にしゃべったときでも間違うことなく、音声を認識できる。

それができるのなら、発声もその人だけに向けてやれば良いのに、と思った。今の技術ならそれができる。超指向性スピーカーを使えばよい。超指向性スピーカーは世に既に存在しており、技術開発はそれほど難しいものではないはずだ。

これには、特定の人に特定のメッセージを届けられるというだけでなく、距離を勘案して声の大きさを制御できるという特徴がある。遠くの人には大きな声で、という当たり前のことだ。

こうすれば、ソファに並んでテレビを見ている人の間で自分だけが関係ない音楽を聴いている、などという芸当が可能になる。他にも、ご飯ですよコールを、近くの人にうるさがられずにするなど、様々な応用が可能になるはずだ。

個人的には、選挙宣伝車に搭載してほしい。3D画像やレーザー測距などを駆使して、歩いている人や住居の窓だけを認識し、距離に応じて適切な音量で音を出してくれるものだ。

うるさ過ぎないちょうどよい大きさでしてくれれば腹も立たないし、赤ん坊を抱えている人には小さな声にするなどの配慮もできるだろう。もうそれだけで、投票してやろうかという気分になること間違いない。

2018年1月16日火曜日

写真にデータを載せる方法


Amazon Driveの容量無制限プランが終了した。容量無制限を謳うサービスが軒並みつぶれる中、Amazon様なら何とか、と期待していたわけだが、やはりそうなってしまったか、と残念である。

一方で、写真と動画は無制限のままだ。よって、これを使ってデータを動画ファイルに変えて保管すれば良いのではないか、と考えてみた。

実は、写真や動画にデータを隠す方法は既に存在している。だがこの方法は言わば裏技で、写真の解像度とデータ量が乖離してしまうので、違法性が高いと言える。だからこの方法は使わない。

制限として、①画像の見た目(解像度、色数)とデータ量が乖離しない、②唯のノイズにしか見えないようななものではなく、意味のある画像に見える、という条件を課すことにする。

容量無制限なのであれば、多少圧縮効率が低くても良いと考えると、こんなことが考えられる。

まず、基本は動画である。30分以内の動画として、解像度はフルハイビジョン、フルカラーとする。動画の内容はCGで作成する。また、一つ一つは、少しづつではなく、明らかに内容が異なるようにする。

映像に情報を埋め込むためには、まずは元となる、それ専用の動画を作る。この動画は、MPEGなどの圧縮アルゴリズムの特性を利用して、極端にデータ量を圧縮できるように作る。具体的には動きや画面転換が少なく、色が単調なものだ。意図的に作れば、最高の圧縮率に近いものが簡単にできる。

次に、これにいわば「透かし」として情報を入れる。この場合、通常の透かしと違ってコピーを警戒する必要はないので、劣化耐性は気にしなくて良い。思いっきり詰め込むことで、圧縮効率ゼロに近いファイルが出来上がる。それでも規格内なので、異常検出には引っかかりにくい。

これは、画像がちらついて見えるような感じになるはずで、画像としては成立しているが見にくい動画になるはずだ。オリジナルのファイルがある以上はその容量以下しか入れられないが、何せファイル数制限はないので、用途は達せられるだろう。

2018年1月15日月曜日

ブロックチェーンソーシャル


便利なグループウェアやソーシャルメディアが出てくるたびに、「もうメールの時代は終わりだ」と言われてきたが、未だにメールはなくならない。ではこれがなくなるときは来るのかと考えていて、今のソーシャルメディア系の延長が続く限りはなくならない、という結論になった。

その理由は、メール以外で流行っているそれらは全て、一社が提供している、という事実だ。特定のベンダに依存しているサービスを、例えば競合他社が使うはずがない。この手の連絡手段は多数のベンダが相互接続するか、ブロックチェーンのように広域分散型でないとダメだ。

ソーシャルメディアの外枠は、だいぶ完成されてきている。それなりのフロントエンドがあれば、一般人ならバックグラウンドのシステムが何であろうが気にするまい。ただ、SNSはその必要ストレージ容量がかなり大きく、ブロックチェーンをそのまま使うのは困難だ。少し工夫が必要となる。

その方法としては、大きく二つが考えられる。一つは、全データを保持するのではなく、限定されたデータのみを保持すること。例えば、自分と関わったIDと、もうワンステップ先のIDに関するデータのみにする、というものだ。もう一つは、ある程度古いデータは捨てること。

従来のtwitterクライアントなどに比べると、必要容量は大きくなる。その代わり中央サーバがないので、サーバ停止などによる不具合は発生しにくくなる。言論統制なども事実上は困難で、逆に言えばヘイトやフェイクニュースの規制はできなくなる。

こうなると、ブロックチェーンというよりは中途半端な分散化に見えてしまうかもしれない。また、SNSでなくメールでも同様のことができるから、汎用のメッセージ通信プロトコルをベースとして両対応にすることもできるだろう。

この考えではドメインが作り辛い。また「本物ユーザー」もやりにくい。これに対する技術的な対策は考えられるから、従来のSNSとは少し異なり、ややメール寄りの、第三のメッセージングツールになるかもしれない。

2018年1月14日日曜日

電車バス内での化粧は


マナー違反か、というのでたびたび議論があるのだが、ある調査では95%の人がそれを目撃したことがあるのだそうだ。では自分の考えはどうかというと、ずばり明確なマナー違反である。

化粧は本来化粧室でするものだ。自宅においてもせいぜい寝室。極めてプライベートな行為である。化粧をしていない顔を他人に見せるのは失礼、という意識があるのなら、化粧をする前、自宅から電車までの間と、電車の中で化粧の過程を見させられてしまう人は、いったい何なのだろう。風景なのか。人以下なのか。

自分の場合、こういう人を見ると「自分は人として見られていないのだなあ」と思う。欧米の場合はもっと徹底していて、はみ出たシャツをズボンにしまうのもトイレでする、食事の後の口紅の塗り直しも人前では見せない、公共の場ではガムもかまない、という人までいる。

匂いが気になるとか道具が目に突き刺さらないか心配とかいうのはもちろんあるだろうが、それ以前の問題として、この行為は「失礼」なのだ。個人的には議論になるレベルではなく、明確にアウトだ。

かつてのヨーロッパでは、人前で化粧を直す行為は、娼婦が客引きをする合図だったという。まあそれは都市伝説らしいが、つまりは普通なら人前でしないことをしているレベルの低い人、ということだ。叩き出されるほどではなくとも、軽蔑されている、冷たい目で見られている、ということは、覚えておいた方が良い。

2018年1月13日土曜日

LPWAによる機器認証とローミング設定


新しい機器へのローミングをする際、その機器が正しく本人のものであることが認証できないと、セキュリティ上の穴になる。だがローミングはオンラインでやるものなので、そのためにはどうしてもネットワーク接続が必要で、そのネットワーク接続にはどうしてもIDパスワードが必要だ。これが社内イントラであれスマホテザリングであれ、その瞬間のセキュリティ上の懸念は発生する。

これを緩和するものとして、本番のネットワークとは異なる別のネットワークを用意しておいて、最初に機器認証とセキュリティチェック(ウィルススキャンなど)を行う、という手順が考えられる。このための「別のネットワーク」として、LPWAネットワークを使ってはどうか、というのが提案の主旨になる。

LPWAはPCのセキュリティチップと接続していて、UEFIレベルでネット接続を提供するが、これはインターネットではなく専用の認証用ネットワークである、とする。勿論どこかでインターネットとゲートウェイ接続はしていて、外部からLPWA接続機器とローミングIDの接続を指示することで、LPWA側からネット接続のための必要情報がOS側に流れる、という次第だ。

まるでネットワークのブートストラップのように、OSのブートストラップと連携して安全なネット接続が徐々に立ち上がるというのは、コンピュータ機器としては非常に有用であると考える。他にも、ネット接続自体のモニターにも使えば、複数の(実用)ネットワークの切り替え状態をそれらに依存せずに把握できるなど、使い勝手もよろしい。

これは認証だけでなく、例えばスマホの最初の開通の時のトラブルシューティングにもなるし、家電の故障や異常検知をスマホにフィードバックするなどにも使える。特に、ネットワーク機器自体の不具合や設定ミス等においては、常につながっている別のネットワークがあるというのは心強い。このように、全ての機器にLPWAを用意する意義は相当にあるものと思われる。

2018年1月12日金曜日

AIの持つ知見同士を付き合わせる技術


学習済みのAIに質問を投げ掛けると、何%の確率でどうだ、という答えを返してくる。しかし、その知識を全てひけらかすことは原理的にできない。こういったAIが複数あるとき、その知見同士を結びつけることはできるのだろうか。

これは、データと学習という観点でも興味深い。例えば市役所は市民のデータを持っていて、市民の行動に関するAIが動いていたとする。一方で、近所のスーパーマーケットは当然購買データを持っていて、買い物に関するAIが動いている。ここで、このAIを付き合わせるとどうなるか。

本来なら、データを両方とも持ってきて、一つの巨大なAIに食わせることになる。だがそうするのではなく、学習済みのAIを付き合わせることで同じ効果が出るのであれば、データ(プライバシーや企業秘密)を出すことなく新しい知見が得られるのではないか。

例えば、スーパーと市役所のAIが協力して、スーパーマーケットの顧客リストに対して新たに精度の高いDMを打つ、という具合になる。但し、スーパーマーケットが納税額を知ることはできないし、市役所が購買履歴を知ることもできないようにする。

これを抽象化して考えると、ある人物Aが行動Bをとる確率について、組織Cと組織Dが各々推測するものとする。組織CとDは、各々人物Aの属性をある程度知っているが、その属性は組織固有のものであり、共通するものがあるかどうかも含めてお互いに知らないものとする。そうして各々の組織が出した結論のみを、互いに突合せる。

当然、双方の結論は異なり、また人物によって、結論の差異は大きかったり小さかったりするはずだ。ここで、お互いの結論と最終的な結果がフィードバックできれば、相手の結論が自分の推論マシンにとって有益かどうかが分かる。そうすると、協力した方がよい(悪い)という判断ができるようになる。そしてもし「よい」という結論なら、その後も継続して協力することになるだろう。

この協力関係は、たまには一方的(Cには有益だがDには無益)だったり、またマトリクスになるので一週回って役に立つようなこともあり得る。更には双方の組織自体を匿名化したり、貢献のない組織をはじき出したりする仕掛けも考えられる。

こうなると、このマトリクスは市場取引のように価値が出て、相場でやり取りするようなものになるのかもしれない。

2018年1月11日木曜日

成長するAI脳


機械学習における興味として、将来的に機能性能を向上したくなった場合に、アーキテクチャをどう拡大したらよいのか、という問題がある。これには二つの側面があり、ひとつは単純に処理性能を増やしたいとき。これは簡単で、学習済みのマシンをコピーして複数並べ、前段で負荷分散すればよい。問題はもうひとつの側面で、より知識を増やしたいときにどうするか、だ。

今はあまり問題になっていないが、アーキテクチャが固定でデータをどんどん投入していくだけ、とはならないはずだ。難しいことを考えれば考えるほど、求める結論が多いほど、きめ細かいほど、元データが多いほど、より大きなアーキテクチャが必要になるはずだ、と考えるのが自然だ。そして往々にして、要求は時間と共にエスカレートするものだ。

ノード数や層数を増やして新しく学習し直す、というのなら話は簡単なのだが、これではその度に学習成果がリセットしてしまう。実験ならともかく、実用マシンでこれを行うのは困難だ。そこで、既存の学習結果を残したまま、アーキテクチャを拡張するためにはどうするか、という学問(技術)が生まれ、検討されるようになるだろう。これを考えてみる。

マクロで考えると、これはスケールアップとスケールアウトということになる。前者は、既存の学習マシンにノードを付け加え、結合を弄る、という考え方になる。後者は、既存の学習マシンはそのままに、別の学習マシンを新たに立て、これを結合する、という考え方になる。だが既存のそれのように単純には行くまい。

まず、スケールアップに関して考えると、学習済みの学習マシンに未学習のノードを付け加えることで、既存の知識が消えたり不具合が出たりする可能性がある。これを防ぎ、更に性能を上げるには、どのような構造にしたらよいか。後者は、そもそもAI同士をどう結合したらよいのかが分かっていないし、新たにつなぐマシンはまっさらだから、繋いだ後にどうデータを流したらよいかも分からない。

前者についてはアイデアがあって、既存のノード1つを2つ、3つと増やし、結合先結合元自体は層に応じて増やし、その初期パラメータを既存の学習結果と同じになるように設定する、というものだ。これを少し解説する。

例えば、既存の学習マシンの中間層のノード各々を全て二つに増やす、と考える。そして、全ての結合は既存のノードに準じたつなぎにする。例えば、既存のノードA1の先にノードB1がつながっているとすると、既存のノードはA1ひとつからA1とA2の二つになり、接続先はB1とB2の二つになる。このとき、A1-B1は既存の接続であるが、この他にA1-B2、A2-B1、A2-B2の接続ができる。この際、新たな三つの接続における影響係数を全てゼロにする。

こうすることにより、新たにこのマシンにデータが流されてきたときに出てくる答えは、既存のマシンが出す答えと同じになる。しかしこれは実働フェーズでの話であって、学習フェーズにおいては全てのノードに公平にフィードバックされるから、新たな学習においてはゼロだった係数は変化していく、というものだ。

後者は更に難しい。まず目的が問題だ。同じデータを使って別の種類の結論を出したい、というのであれば、入力は同じで出力は独立している、お互いのマシンは干渉しない、という形態になる。例えば手書き文字認識において、文字を特定するマシンと、その文字を書いた人物を推定するマシンを並べる、というイメージだ。これは比較的簡単な部類になる。

では、こんなものはどうか。診察結果から病名を診断する「医師マシン」において、今までは掛かりつけ医レベルだったものを総合病院レベルにしたい、と考えたとする。つまり、従来は一人の医者(マシン)だったところ、多くの診療科医(マシン)の集団にして、どの診療科が診るかをまず決めて、あるいは最終的にどの診療科医の結論を尊重するかを決めて診断をする、という形に変えたい。その場合はどのようにすればよいのだろう。

既存の(汎用)医者マシンが出す結論(病名)は、病名+確率のリストである。病名毎に診療科を割り当て、診察結果と医者マシンの結論を診療科医マシンに入力する、という形になる。この際、診療科医マシンには他の診療科の病名は入力されない。

こうすると、初期においては診療科医マシンと医者マシンの結論は同じであるが、学習が進むことで診療科医の診断の方が精度が高くなっていく、ということが考えられる。

もちろんこの他にも考えられるアーキテクチャはごまんとあり、用途目的によって使い分けられることになるのだろう。重要なのは学習し直しが発生しないことで、こうすることによって、アーキテクチャが変わった時期から急激に精度が上がっている、などという効果が期待できる。

2018年1月10日水曜日

究極の植物工場


穀類の人工光型植物工場は実用域に達していない。果物、豆類、イモ類もそうだ。その理由のひとつは、体積効率の悪さにある。

今の植物工場で商業的に成功しているのは葉物だけだが、これは体積効率が良い。葉がそのまま食べ物になる。だが果物や穀類、豆類、芋類はそうではない。葉や茎は最終的には捨てるもので、その占有面積も広く、特に穀類は背も高い。他にも理由はあるが、まずこれを解消しなくてはならない。

究極のそれとは、こういった植物の可食部のみを育て、人工の茎に接続して必要な栄養素交換を行う、というものだ。いわば実を騙すわけだ。

この工場は、従来の植物工場とも異なり、光合成も不要であり、可食部を個別に密閉容器などに保管できるため、環境調節の範囲も非常に小さくて済むなど、稼動コストは低くなる。その代わり、植物が本来行う光合成ができないから、栄養素を直接購入して供給する必要があり、ここの分析や供給コストは未知数だ。

何より、何時どんなタイミングでどのような供給が行われれば良いのかが全く分かっていない。まじめに研究しているところも心当たりがない。だがそれほど難しいとも思えない。まじめに取り組めば比較的簡単に分かり、あっという間にできてしまう可能性は十分にあると思う。

その栄養素の購入コストが高いからやっぱり光合成でしよう、と思った場合であっても、体積効率の高い光合成ができる藻を使うなど、全体として効率を向上する手段はあると思う。そうなると、藻が隣の部屋で人工光を浴びて24時間栄養を作り続け、こちらでは穀物の穂先だけが育っている、というような、シュールな光景が完成する。

2018年1月9日火曜日

機械縫製の新技術


縫製は未だに機械では難しい技術の一つで、自動縫製機械はまだ世の中にはあまり出ていない。一部のベンチャーではそういうロボットが活躍しているが、まだジーンズなどが対象であり、薄い布を複雑に組み合わせるなど、手縫いを代替するにはほど遠いようだ。

機械縫製が難しい理由ははっきりしている。布が伸び、曲がり、しなる存在だからだ。上の自動ロボットは、それを補正する能力がある。だが欠点として、布を保持するためのアームは多数の点で必要であり、その制御も難しいから、どうしても価格は高くなり、速度は遅くなる。

これを解決する手段として、布を硬くすることを提案する。つまり、糊で固めてしまうのだ。糊なら後で水にさらせば溶ける。同様に、揮発油で溶ける固定剤を開発することも考えられる。こうすれば布は薄い板と同じになるので、しわや伸びによる誤差を気にせず、保持するアームも少なくできるし、型に押し当てて変形状態を作り、立体的な縫製をすることも簡単になる。これによって、縫製機械の設計が大幅に楽になる。

欠点として考えられるのは、一度水ないしは揮発油で洗う必要があることにより、例えば飾りが多いものや水・油に弱い素材・染料などは使えない。また洗って乾かす手間は掛かるだろう。その分のコストは当然上昇する。

2018年1月8日月曜日

AIロボット兵士の是非


https://www.newscientist.com/article/mg23631512-900-letting-robots-kill-without-human-supervision-could-save-lives/amp/

Google翻訳で読んでみても大体のことは分かるが、まあ興味深いことだ。将来導入されるであろう、人間の指示を待たずに自分で判断して敵を殺す軍事ロボットの脅威に関し、人(兵士)が判断して殺すよりも信頼できるのではないか、自動運転の方が人の運転より信頼できるように、というのが主旨のようだ。

確かに、裏切りやら極限の精神状態での判断やらといったヒューマンエラーの要素をロボットが持つことはないので、一見正しいように見える。おそらくこれは、建物が入り組んだ市街地で、敵兵士と民間人が入り乱れているような状態において、敵のみを殺す用途には向いている、との主張だろう。

だが、これには二つの問題点がある。第一は、そもそも敵を定義する人間の間違いや恣意悪意を正すことはできない、ということ。二つ目は、ロボットは人間よりも安価で大量に導入できる、ということだ。

敵をどう定義するかをAI的に考えてみると、自分(ロボット)を攻撃してきたら敵、と単純に言えるだろうか。あるいは爆弾を抱えていたら敵か。何れも判断は単純ではない。ロボットが民間人の見方とは限らないし、人質爆弾の可能性もある。相手が持っているものが武器かどうかの判断も、やはりそう簡単ではない。よって当分の間、敵の定義は一律ではなく、都度インプットすべきものだ。

例えば人質救出作戦において、人質の情報が曖昧だった場合、犯人と人質をどう区別すればよいのか。間違って人質を殺してしまったら問題だし、犯人をかばってもやはり問題になる。人質の重要度によって判断基準を変えることも考えられる。

その判断基準を打ち込むのはAIプログラマだ。なぜならその基準設定は単純にスイッチやボリュームで設定できるような単純なものではないからだ。その結果作戦が失敗したとして、プログラマに責任を押し付けることができるのか。

また、市街地でのゲリラ戦において、一人のAIプログラマが千台のロボットに同じ命令を与えて町全部を攻撃したとする。結果として数千人のゲリラと数百人の民間人を殺したとする。そのプログラマ一人の判断が全ての(成功と)間違いの原因を作ったわけだ。つまり、一人の間違いが、ロボットの投入数に比例して増大する。

白兵戦であれば、どんな歴戦の勇士でも、一回の戦闘で何百人も殺すことは不可能だ。だがロボットならそれができてしまう。戦争を単純にゲームとして見れば効率の高さは善だが、それは核ボタンを持ち歩くような重責にもなる。

それでも、ロボットの判断システムが素晴らしく優秀になってくれれば話は別だ。テロ集団が人間の盾を使ったり民間人に偽装していたりしても、全て見つけ出して綺麗に殺してくれるのなら、民間人は安心して日常生活を続けることができる。遥か遠い将来のことではあるが、そこに行き着く過程として、上のような過渡期は存在せざるを得ない。その狭間で(試行錯誤の糧として)殺される人は、たまったものではない。

技術的には正論だが心情的に受け付けない。こんなところも戦争のまどろっこしいところだ。

2018年1月7日日曜日

護美道


上下水道、ガス、電気、通信の次に考える新しいインフラとして、護美道を考えてみる。

名前からご想像の通り、ゴミを自動で輸送する仕掛けだ。だが、共同溝を通るパイプがひとつ増えるようなものとは少し違う。陸上をロボットカーで輸送するものだ。

単純に言えば、ゴミ箱をロボット対応にする。これを護美箱と仮称する。これは単純に外形と蓋の開閉を規格化するだけだ。一方でロボットは二種類あり、従来のゴミ集積車に相当するロボットカーと、従来の作業員に相当するアームロボットからなる。これらがペアを組む。

ロボットペアは、ゴミ集積場のゴミの溜まり具合を過去の実績から推測しながら回収計画を立て、巡回する。ゴミ集積場に着いたら、アームロボットが降車して、必要に応じて集積場のドアを解錠するなどして中に入り、護美箱を持ち出してゴミをロボットカーに移し、護美箱を元に戻す。護美箱の正確な位置は、アームロボットがカメラで確認する。

一見、今までのゴミ回収と何が違うのだろうと思うかもしれない。大きく違うのはその量的規模と回収頻度だ。

想定するのは、ロボットカーは軽バン程度(背は高くてもよい)、アームロボットはASIMOより小さいもの、護美箱の大きさは70リットルだ。台数や頻度は現在の数倍。不燃ゴミや資源ゴミも含めて毎日一回は回収され、年末年始の休みもない。また、家庭のゴミ箱から護美箱へのゴミの移送も、自家用のアームロボットを使う。

生ゴミを含め毎日自動で捨てられるのなら、誰もゴミの回収日を気にしなくなる。一方でロボットを使えば回収コストは下がるから、その分頻度を上げればサービス向上になる。ロボットカーの大きさが小さくなれば、よりきめ細かい回収ができるから、設置できる集積場の数は増え、利便性も上がる。

ロボットカーを幹線、アームロボットを支線と考えると、他の用途も考えられる。自家用アームロボットと支線アームロボットが通信できるのなら、アームロボット同士で荷物の受け渡しが可能になるかもしれない。そうなると、宅配・郵便・クリーニングなどの受け渡し、LPガスボンベの交換、灯油の補給、上水の補給などが可能になる。

これは、コンパクトシティ化が進む都市周辺部でのインフラ補完として、十分に期待できるように思う。ゴミと荷物を一緒に回収するのはどうかと思うが、複数台走らせればよい話だし、この「道路をロボットカーが走り、家との間もロボットがやり取りする」スキームというのは、色々と考えてみても良いのではないだろうか。

2018年1月6日土曜日

地球温暖化の風


http://news.mynavi.jp/news/2017/11/08/174/

猛烈な台風の増加と温暖化の関係についての研究の記事だが、さほど驚きはない。たぶんそうだろう、やっぱりそうだった、というのが大方の見解だろうと思う。

ここでは風速59m以上などという話も出ているのだが、考えてみれば風速は人の都合で決まるわけではないのだから、地球環境が変われば気候も変わって当然だ。それが人類が快適に生きる限度を超えるかどうかなど、地球は知ったこっちゃない。

金星では秒速100mの風だって普通に吹いている。もちろん条件は違うからそのままでは当てはまらないが、地球の規模に比べれば人間なんてのは体の上を這い回っている微生物みたいなもので、ちょっとかゆくなればゴシゴシこすって排除されてしまう。地球様に生きさせてもらっている、合理的な理由がなくとも大量に殺される可能性は常にあることを自覚しておく必要がある。

例えば、今のエアコンの多くは、気温が50℃を超えると機能しなくなるが、実際地球上に既に気温50℃以上のところは存在している。寒い方は部屋を断熱して電熱などで対処できるにしても、暑い方はこれでは対処できない。風速にしても、59mどころか30mでも、常時吹くのであれば対応が必要だし、59mともなれば建物自体、根本的に考え直さなければならない。

地球温暖化への対応は待ったなしだが、今直ぐに対処したとしても直ぐには止まらない。今からでも、気温50℃に対応するエアコンの開発や、風速60mでも普通に行き来できる地下街(商店街ではなく住宅街+学校、職場など)の建設などが求められるのではないだろうか。

2018年1月5日金曜日

視線追跡高低解像度ディスプレイ


5G通信の用途として、建築作業機械の遠隔操作が挙げられている。先日の展示会では、5枚のディスプレイを用いたデモが行われていた。確かに建築現場では、周辺視野まで利用して周囲の状況を常に把握する必要がある。今のVRディスプレイでは視野が狭いので使えない。これは大変な通信容量を必要とする。5Gの用途としては一見適切に思える。

ここで、多人数が見るディスプレイとは違い、操縦者は一人だ。人間の視野には中央視野と周辺視野があり、周辺視野の解像度は低い。広い範囲が見えているようでも、実は目を細かく動かして脳内合成している。また、5Gは低遅延であり、当然ながら双方向だ。この条件の下で、画期的に通信量を減らすアイデアがある。

まあここまで言えば言わずもがなではあるが、アイトラッカーすなわち視線追跡装置を使って操縦者の視線を追跡し、中央視野をリアルタイムで推定しながらそれを建築作業機械のカメラに送る。カメラはその情報を基に、中央視野のみ高解像度、周辺視野を低解像度にした画像を送るのである。

こうすれば、全体が高解像度であるかのような錯覚を起こしつつも、通信レートを大幅に下げることができる。上手くすればそのレートは1/5以下、あるいはもっといけるかもしれない。

逆説的であるが、こうなると5Gの「大容量」という特性は使わないで済む。ただ低遅延は必要なので、5Gを使うこと自体は一緒だ。恐らく容量課金になるので、費用低減には貢献できる。

2018年1月4日木曜日

オンライン音声サービス


従来の音声サービスといえば電話の延長だったが、Webやソーシャルメディア上での音声サービスが出てくるのではないか、というのが今回の夢想だ。

Amazon EchoやGoogle Homeの普及によって、機械に向かって何か話すことへの抵抗が少なくなってくると、音声を使ったサービスが更に膨らんでいく。今でも音声でピザを頼むことができるが、これが進展していけば、多くのオンラインサービスに音声インターフェースが付くことは容易に予想できる。

その初期のものは、ドミノピザの延長にあるオンラインショッピングだ。例えばネットスーパーで、「にんじんと、たまねぎと、だいこんと、・・・ちょっと待って、だいこんは止めて、・・・」などと話していくと、リストがどんどん更新されていく、というのはどうだろう。買い物カゴに入れるだけなら費用負担はないから、最後の承認だけタッチですれば、音声認識の精度なども含めて問題ないだろう。
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iwtterへのつぶやきを音声で行う、などはもう実用域だと思うが、LINEでつぶやくことで商用サービスにつながるものが既にあるから、音声でこことつながればそのまま実行できる。こうするとWeb画面すら必要ない。

これも複雑になればWeb画面で確認することになるが、簡単なものなら音声応答だけで確認できるだろう。例えば宅配便の再配達受付などは、ピザよりは複雑でネットスーパーよりは簡単だが、こんなところから入っていくのがよいと思う。

Web画面自体も変化が出てくるかもしれない。音声入力における、相手の意図を推測して適切な情報を引き出す仕掛けは、Webにおける単純なキーワード検索よりも優れている。Web検索がこれを逆に取り込むことで、単純なキーワード入力だけでも、より適切なページを表示できるわけだ。その適切さが一定のレベルを超えると、いわゆるメニュー階層を工夫する意味が薄れ、全てを検索で表示させるような方向性に向かうかもしれない。

もしそうなれば、余計な情報(レイアウトの工夫や広告など)を表示されるとかえって迷惑だし、ベンダ横並びでの比較検索なども簡単に可能になる。通販サイト同士で価格を比較したり、同じジャンルのソフトで機能を比較したり、自治体サイトで行政サービスの優劣を比較したりできる。これは企業にとってはけっこう怖いところだ。

例えば、「牛乳を一番安いところから買って」と言えば、通販サイト自体を気にすることなく目的を達せられる。画面での広告宣伝はもはや効果がない。従来広告に多額を割いていた企業も、モノの出来や価格に重点を置くことを迫られ、結果としては望ましい社会になるということもあり得る。必要な情報だけをシンプルに載せる、データベースに毛が生えたようなWebだらけになるかもしれない。

そしてそうなると圧倒的に困るのが広告モデルで、できれば絶対にやってほしくないのが音声による広告。今で言うならSpotifyのフリープランが30分に1回CMを入れてくるが、あれがやっている作業毎のターゲット広告になったりしたら嫌だ。「バナナを買って」「バナナなら今XXスーパーが特売中ですよ!XXスーパーから買うことをお勧めします・・・一番安いのは○○スーパーです」なんてね。

でも出るんだろうなあ。

2018年1月3日水曜日

快適なAI電話営業


ときどき掛かってくる迷惑電話に思うのは、あれでは幾ら時間があっても費用対効果は悪いのではないか、ということだ。実際にはそうではないのだろうが、それは明らかに悪意を持って高額商品を売りつけようとするなどの意思があって、初めて成立するものだ。つまり、もっと普通の意思があるのなら、効率の良い迷惑電話(?)というのはあってよいはずだ。

それは、今で言うなら高度に教育された電話販売員なのだが、これは将来的にAIに移る可能性が否定できない。今までのような単調な自動応答自動音声ではなく、相手の受け答えに反応して適切に次の言葉を選ぶような、洗練されたAI販売員だ。

相手が切らなければ何とでも応答して、買わない理由を聞き出しては否定し、世間話や冗談まで交えて心を開かせる。背後にある知識は豊富であり、ライバルの欠点も冷静に指摘し、自社製品の欠点は過少に思わせる。なんとしても売らんかなではなく、好意まで利用して売り込む。更には買った後も、継続的な関係まで築いてくれる。電話でしか対応できない点を除けば、人間より優秀だったりする。

技術的にどの程度難しいかは分からないが、今のAIの進歩を見ていると、結構早い時期にできそうな気がする。そして中未来ではTV電話対応し、遠未来ではアンドロイドができるようになり、これで営業は完成する。アンドロイドになれば接待ゴルフや飲みにまで嫌な顔せず付き合い、相手をいい気分にさせる。この時点で営業は人間の仕事ではなくなるだろう。アンドロイドの教育係くらいはできるかもしれない。

2018年1月2日火曜日

ロボット三原則の実現法


多くの人にとって、最近のロボットの発達に伴う、事故や軍事ロボット、殺人ロボットなどの懸念の多くは、曖昧模糊としたものだ。可能性としてあり得る、絶対にないということはない、という程度のことは分かっても、ではどのくらいか、どの程度心配すればよいのかは未知数だ。

ロボット三原則というとえらく抽象的なものに見えるが、実際のところ、これはセキュリティや安全装置として長らく考えられてきたもの延長だから、基本的には徐々に発達していく類のものだ。おそらく今なら自動運転車のソフトウェア構造として、相応に研究されているものと思う。

もちろん、緊急停止ボタンのようなハードウェア的な手法は前提とするものとして、それは基本的に、多くのモジュールがグループや層(レイヤー)を成す構成になる。上位ほど権限が強く、下位の層に絶対的な指示を出せるものになっている。最上位は「システムが正常に動いていることを常に確認する」という層で、次は「安全を確保する」ための層だ。ロボット三原則はここに相当する部分で実装される。

緊急停止ボタンや既存の(産業用の)ロボットなどの場合、その判断は至極簡単だった。ボタンは押せば全電源が切れるだけだったし、ロボットなら最大動作範囲を規定して、そこを柵で囲い、柵の出入り口にスイッチを付ける、というものだった。だがこれではロボットと握手できない。かと言って、当たっても大丈夫なように出力を制限すると、今度は重いものを持ってもらえない。

ロボット三原則のような高度な判断は、多分にAI的な手法で計測され、単純なオンオフではなく0~1の浮動小数点数、といった形で表現される。その指標は独立して複数のモジュールがリアルタイム計測し、更には多数決システムやnバージョンプログラミングなどで確実性を保証した上で、複数の指標を総合して行動制限判断をする、という流れになる。
そして恐らく、業界標準が徐々に形成されてそれを国なりが承認する、ないしは認定認定代行の仕組みを形成する、という流れになるものと思われる。

このためには、現在は無制御で研究されているAIプログラミングに、一定の標準化や評価指標が加わり、検査を受ける必要が出る。その過程で、いつもの標準化抗争があり、日本が負けて、・・・などということが起きるのだろう。

ここで興味があるのは、その実際のモジュール構成やレイヤーがどのようなものになるのか、だ。例えば三原則には多くのあいまい性や矛盾があり、それが小説のネタになったりするほどなので、実際の判断が機器(ロボット)によって分かれたり、ベンダ毎に特徴が出たりする可能性がある。それをどう評価したらよいのだろう。

あるいは、クラックに対する耐性は、相当な複雑性を帯びるはずだ。ネットワーク越しにアタックであっても、相当に様々な抜け道があるはずだから、システムの不具合によるのか悪意のクラックによるのかは、かなりの専門家でも分析困難だ。単純にウィルスチェックを走らせればよい、というものではないことは確かなので、その保証にもあいまい性や信頼性にレベルが出るはずだ。

そうなれば、試験の方法も相当に高度なものになるはずだ。例えば、人間を人間として認識することができるかどうかの試験では、形や動きの他に、モーターの動力音(アンドロイドとの識別)を使ったり、手足のない重傷患者を認識できるか、低体温と遺体を区別できるか、などが問われるはずだ。

また、危険度の判断にしても、伝染病の疑いを正しく判断できないと、菌を撒き散らすことになる。服の下の火傷、遠目からは分からない心室細動、蛇に噛まれた、蜂に刺された、過去の頭部への強い衝撃、単なるいびきと脳溢血のいびきの区別、剥離骨折の判断、危険作業と自殺の区別、ガス中毒など、その線引きはかなり難しい。

更には、特に初期にはその基準はどんどん進歩していくはずだ。建築で言う既存不適格のような状態は常に起こり得る。それにどう対処するか。車検のように、定期的に検査ができたとしても、不適格のそれをソフトのバージョンアップだけで適格にできる保証はない。

かといって、絶対に安全なものだけを認可するという手法では、普及は見込めない。例えば今でもPepperは市販されているが、あれとても赤ちゃんの上に転倒すれば相当に大ごとになるはずだ。少なくとも初期のロボットは、安全性が低いまま販売される可能性が高い。そんな中で事故が起こり、規制が増え、・・・となっていき、また欧米と日本ではその進み具合が異なり、というのもいつものパターンだろう。

やはり最終的には、人間よりかなり体重が重く(百~百五十キロ)、身長は同等で、体力が成人男性の数倍程度のロボットが、常に従者として付き添ってくれるような未来を想像したい。本気で喧嘩をすれば絶対勝てないが、自分には持てない荷物を軽々と持ってくれるような頼もしい存在だ。

このために必要なのはやはりロボット三原則だが、多少の修正は必要である。例えば、そのロボットの所有者と他人では所有者を優先するとか、その優先度の度合いをどうするか、危害の程度をどう判断するか、非常停止スイッチに相当するキーワードの登録、通常時と緊急時で最大出力を変えることとその判断基準、などだ。

個人的にはいろいろ思うところはあるのだが、これらは基本的に社会的な合意形成が必要なので、ここは問題提起や視点の提供に止めることにしておく。

2018年1月1日月曜日

未来カルテが示すもの


http://opossum.jpn.org/

大学の研究プロジェクトが纏めた、都道府県別の各種統計情報のシミュレーションだ。ざっと見させてもらったが、なかなか面白いことが分かった。
  1. 2020~2030年の間に、ほとんどの都道府県(自治体)は財政赤字になる。これは東京大阪も含めて、だ。
    1. インフラや建造物の一人当たりの費用負担は、どんどん増えていく。
    2. 国からの補助が増え、例えば年金が減らされるなどの措置が取られる可能性は高い。またこれにより、自治体から自治権の委譲・剥奪が進むだろう。
  2. 人口が減ること、高齢化が進むことはおおむね予想通りだが、男性の比率がかなり高くなる。
    1. 実は東京は女性のほうが多かったのだなあ。それもイコールになってくるが。
    2. 逆に、福岡は男が多かったところ、均等化していく。
    3. 沖縄は今でも若者の町だった。高齢化してない。これからはしてくるが。
  3. 特に農業人口が大きく減り、地方では半分になるなど極端な県も出てくる。
    1. まあ、どの職業も減っていくのだが。
    2. 農家一人当たりの耕地面積は、どこでも順調に増えている。
他にも、詳しく見てみれば色々と分かるだろう。このプロジェクトでは、具体的な数値や傾向が見えてきたことによって、自治体が何をやるべきかが検討しやすくなったという点で、大きく評価に値すると思う。

ここから考えられることは、例えば近郊野菜や漁業人口が大きく減ることで、食料が不足する可能性だ。これに対応するには輸入しかないが、これはに国家レベルでは単純に支出(純損)になる。この対抗には、従来の漸次的な改良ではなく画期的な、例えば生産性を二倍にするような改革が必要になる。それもこの十年程度の時間レンジで、だ。

この道筋は既にあって、IoT活用、農業会社、水産業界の再編(大規模船舶を持つ会社化、ICT技術の導入など)、などが考えられる。問題は推進の規模、スピードだけだ。

また、財政赤字を抑えるためにインフラを節約するにはコンパクトシティ化しかないが、これもせいぜい二十年の間に人口の2/3を都市に集める、といった、極端な施策が必要である。もちろん集めた先はインフラ整備を放棄することになる。そのためには様々な法整備も必要になるだろう。

それでも土木関係の予算はそう簡単には減らないから、情報インフラ系に関しては強いコスト低減圧力が掛かるはずだ。これはクラウド化、共同利用化、パッケージ化によってなされる。つまり、従来あった地域間の特色は減って均質化が進む。鬼太郎の住民票とか特別な控除の仕掛けなどは衰退し、逆にどこに行っても同じ行政サービスが受けられるようになる。当然職員の数は減り、行政施策の多くはオンラインで閉じるものが増えていくだろう。

女性比率が少なくなることはなぜなのか疑問だったが、よく考えてみれば元々出生率は男性の方が高い。平和が続いたことで(戦争に行かないから)男性が死ななくなったことによるものと推測できる。この均衡をつけるために、男性の冷遇(女性の優遇)は政策として必要かもしれない。例えば男女で年金に差をつけるとか、医療費やその控除に差をつけるなどだ。

地方交付税交付金は、今後頼りにならなくなる。頼みの綱の東京が落ちぶれるからだ。これで地方は海外に目を向けざるを得なくなる。地方が直接外貨を獲得する手段としては、農産品などの輸出と観光誘致しかないが、そのどちらかないしは両方を極端に強化する必要がある。これも何%レベルではなく何10%、何倍、というレベルである。また、観光誘致に関しては、人口が減っているヨーロッパやアメリカではなく、人口が増加し若さがあるアジアを主戦場にする必要がある。

働き方改革で可能になる効率化はせいぜい数%だろうから、全く不足である。行政が無策であればこの先は国民総貧民化が待っている。大胆な行政改革を期待する。

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