2019年4月30日火曜日

ホームシェアレディの自宅


民泊は下火になったが、ワンルームマンションよりも更に安い部屋貸しが求められる時代になっている。世の中が貧乏になってきた証拠とも言えるが、子供が出て行った後の老夫婦が小銭を稼ぐにはちょうどよい。しかし、それでもセキュリティは心配だろう。

かつては、ライフスタイルの変化に合わせて間仕切りを変えられる家、というのは提案されていた。そうではなく、将来的に子供部屋をルームシェア用に切り替えられるように、と考えると、部屋の作りも変わって来て良いはずだ。

例えば、夫婦用の簡易キッチン・トイレ・風呂・冷蔵庫/洗濯機スペースを寝室に確保する、各部屋に鍵を着ける、玄関から各部屋までの間の動線を考え直す、などだ。荷物や新聞の受け取りなどにも配慮が必要かもしれない。

これらは間仕切りの変更が不要であるなど、高齢者にとって力仕事が必要でない点も嬉しい。子供云々というよりは、最初から子供も含めてルームシェアの余計な部屋を作るという発想もあるだろう。これは土地の有効活用にも繋がる。個人会社として税金も節約できそうだ。

そういう「ルームシェアレディ」あるいは「ホームシェアレディ」の家を、始めから考えて建てておく、というのは、これからの自宅建築に置いて考えてよいてもよいのではないだろうか。

2019年4月29日月曜日

全部全天球カメラ


全天球カメラ、即ちあらゆる方向を一度で全部映してしまうカメラが、少し前から出回っている。まあキワモノだろうと思っていたのだが、先日とあるニュースを見て考えが変わった。そのニュースとは、これだ。

https://gigazine.net/news/20190325-star-trek-ds9-full-hd/

元々NTSC(480p)画質で撮影されたテレビ映画を、AIを使って擬似的にフルHDに変換する技術である。つまり、それほど解像度が高くない映像でも、とりあえず全天球で撮影しておけば、後から解像度含め幾らでも再現できるのではないか、と思ったわけだ。

元々、全天球映像は、画像処理が不可欠だから、「正しい画」は撮れないのだが、今の時代、どんなカメラでも画像処理はしている。監視カメラだからダメとか映画だからダメとかいうことはないだろう。素材だけ撮っておけば、後はいかようにも加工できる。

このカメラは小さく目立たないから、監視カメラとしても、ドローンに搭載しても、映画の撮影においても、幾らでも設置しておける。オマケに電池で長時間駆動可能だ。

監視カメラを全天球カメラにすることも含め、世の中の全てが全天球カメラになる未来、というのも、考えられなくはない。



2019年4月28日日曜日

完全無給電ワイヤレスマウス


充電式のワイヤレスマウスはあるが、完全無給電のものはない。マウスがそれほど大電力を消費するとは思えないから、これを実現することは可能ではないかと思う。

方法として考えられることはいくつかある。まず、昔ながらのボール式に戻して、この回転をエネルギーに変える方法。中にコイルと鉄棒を仕込んでおいて、振ることで発電する方法。太陽電池。体温電池(温度差発電)。握ることで発電するもの。

効率が計算できていないが、上手くすればこれが標準になるかもしれない。サンコーあたりで考えてくれないだろうか。

2019年4月27日土曜日

COMPが全て


過去何回か、完全栄養食「COMP」を紹介してきた。先行者としてSoylentはあったものの国内発売はされず輸入も困難な中、同じコンセプトにより国内で開発されたものだ。その後、BASE FOOD社がパスタとパンを作り、この業界を活性化してきている。

ただ、COMPにしてもBASE PASTAにしても、全く同様の困難とその解決アプローチがされていて、それは「同じものを食べ続けると飽きる」という問題だ。これを避けるために、「他のものと混ぜる、合わせて食べる」ということが提案されているのだが、その「別のもの」の栄養が偏っているがために、結局バランスが崩れてしまう、カロリー計算が困難になる、という新たな問題が出てしまう。

そこに来て、このニュースを見た。

https://www.moguravr.com/ar-ramen-yakisoba/

そうめんを食べながら、ARでラーメンや焼きそばを食べているかのような映像を見せることで、ラーメンや焼きそばの味になる、という実験だ。

これを見て思ったのだが、COMPを大量に積んでおいて、形だけ3Dプリンタで加工し、ARで色々な味を楽しめるなら、閉鎖空間(南極基地、宇宙船)の食糧問題はほぼ解決するのではないだろうか。

通常の肉野菜は保存期間が短く、冷凍など電力消費もあるが、COMPは粉なので、キチンと密閉して窒素置換すれば、数十年単位で保管できるはずだ。栄養のバランスも取れているから、栄養学的にはそれだけ食べていても問題ない。もしそうでないなら、混ぜる前の粉を各々保管しておいて、直前に混ぜる比率を変えれば良い。

以前の提案では、これに味の要素を加えないとダメだ、と思い込んでいた。しかし、このARの要素を加えられるなら、味の要素は不要、ないしは最低限で良いことになる。食感の問題がARで解決するかはまだ不明だが、もしそうならなくても、その程度を大いに低減できる可能性は高いだろう。

本物の食料を冷凍で持って行くことは否定しないにしても、大げさな植物工場や動物飼育をしない、ないしは最低限にして、大部分をCOMPにすることは可能かもしれない。あるいは非常食と位置付け、それを快適に食べる手段としても良いかもしれない。

この「非常食を快適に」という考えは、大規模自然災害にも適用可能だ。非常食の賞味期限を大幅に伸ばせれば、また保管が簡単になれば、栄養バランスが完璧になれば、多少の不便を補う効果はあると思う。

2019年4月26日金曜日

GGGGGJapan


00000Japan(ファイブゼロジャパン)というのを聞いたことがあるだろうか。大地震などの非常時に、街の無線LANを無償開放するための仕掛けだ。普段はdocomoWiFiだったりするものが、その時には00000Japanと名を変え、無償で使えるようになる。

行政手続きの電子化においてネックになっているのが、「誰でもがスマホやPCをもっているわけではない」というものだ。これを是としたまま走ろうとするから、電子化と紙の手続きが何時までも平行して進み、効率化できない。完全に電子化することのメリットは大きく、それこそ何割というコストを削減できる。

そこで考えるのが、00000Japanの仕掛けを流用したGGGGGJapan、というわけだ。つまり、役所の手続きに限り無償で使えるWiFiスポットである。これなら携帯電話回線を契約していない端末が使えるから、例えば役所で中古品を多数買っておいて貸与するとか、携帯電話より安い価格でリースすることができる。

もちろん、「行政手続きにだけ繋がる無償SIM」でも良い。こちらだと使える場所が広がるので助かるが、普段からスマホに触っていないような人が自宅で処理を完結できるかどうかは若干疑問であり、SIMの盗難や解析が行われると厄介である。WiFiの方が良かろう。

大規模施設や公民館、市役所の会議室、サテライトなどにWiFiを設置しておき、そこに対象者を集めて説明がてら手続きをさせれば、職員側としても効率が良いだろう。目の悪い人にはタブレットを用意しよう。投票にも応用できそうだ。訪問や浮浪者対応ですら、職員がルーターを持っていけば同じ操作でできる。

00000Japanはセキュリティがないのが問題になっているが、こんなことはちょっとの技術的工夫で回避できる。なんならそれを00000Japanにフィードバックしてやってもよい。

これ、結構良さげなんですけど。

2019年4月25日木曜日

天井収納


体育館の照明とか、舞台の垂れ幕とかには、天井からロープが釣り下がっていて、それがモーターで上下するような仕掛けがある。類似の仕掛けを使って、天井に収納しておいたものをリモコンで下ろして使う、取り出すといったことは、難しいことではないだろう。吊り下げた棚なら転倒することはないので、地震対策としてうってつけではないだろうか。

もちろん、全ての棚をこれにせよというのではない。建築基準法によると、天井の高さは2.1m以上である必要があり、標準的には2.4mなのだそうだ。これより、2.4mの天井から1.2mだけ降りる吊戸棚を壁面に設置してやると、普段の家具は全て1.2m以下となり、転倒しても大きな危険は無くなる。

この吊戸棚は天井に収納できるようにする。そうすると上半分はスクリーンになり、大画面をプロジェクタで投影できる。

また、これはストック戸棚にするというのもよい。1.2mの棚を二つ横に並べ、上に同じく1.2mの棚を一つ置く。もう一つの棚は吊戸棚とする。季節が変わったら、吊戸棚を挙げ、上の棚をずらし、空いたところの吊戸棚を下ろす。こうすると衣替えが完了する。

天井には、1.2mの空間が空くわけであるが、戸棚は周辺部にしか配置されず、中央が無駄な空間になる。これを避けるため、立体駐車場のように棚が移動できるようにしておくと、「選んだ棚を周囲に配置して降ろす」ということができるため、空間を有効に使うことができる。

今回はたまたま1.2mで提案しているが、2.4m全部でも構わない。降ろす位置や数を自在に制御できればレイアウト変更も簡単だし、引越しの際も、荷物サイズが決まっている分、簡単にできるように思う。これはぜひ、ハウスメーカーに検討して頂きたい。

2019年4月24日水曜日

シーリングライトコンセントだらけ


過去、何回か提案してきたように、シーリングライトを活用して様々な機能を提供するのは有望だ。ここに来て、これを実証するかのような機器が登場している。ひとつは「popIn Aladdin」で、これはシーリングライトにプロジェクタを内蔵したもの。もうひとつは「シャープのシーリングライト一体型空気清浄機」だ。

規格化なども提案しているが、もしかしたらこれは適切ではなくて、シーリングライトコンセント自体をただ多数設置することのみを推進すればよいのかもしれない、と思い始めた。シーリングライトコンセントはシーリングライトのためだけではなく、ただ天井に機器を設置し且つ固定するためだけに存在する、と考えるなら、空気清浄機もプロジェクタも、単独で存在していて良いはずだ。

他に考えられるものとしては、小型プロジェクタ多数(ポップアップなどで、カレンダー、インターフォン、緊急地震速報、テレビ電話などを表示するもの)、スマートスピーカー、リモコン、ガスセンサ(都市ガス用、環境モニタ用)、監視カメラ(防犯防災)、人感センサ(転倒・急病等通知)、スポットライト、電源(壁コンセント代替)、リフト(自動昇降棚)などがある。

シーリングライトはある程度の重さのものを吊るす強度が確保されているから、それさえ守れば色々な応用が可能である。空気清浄機などは床に置くと邪魔になるから、天井にあることは有用だ。これからはもっと天井を使うことを考えてもよい時代ではないか。そのためにはシーリングライトコンセントというのは重要な位置付けになるような気がする。

2019年4月23日火曜日

AIによる企業評価


国から企業への規制としては、各種許可認可や課税などがあるが、これらはプリミティブに過ぎる、と考えるようになってきた。もっと何か緩い大雑把な、しかし普遍的な指標によるべきではないだろうか。

例えばそれは、世界XX指標、のようなものだ。大きく言えば①従業員幸福度、②環境負荷、③社会への貢献度、のような指標を設け、それが一定の指標に納まっていないと経営陣への責任を問う、といった仕掛けである。

例えば、突発的な残業があったり給料が安くても、やりがいがあり従業員が皆笑顔であるならば良し、逆に高給取りでもストレスが大きいならダメ、などである。定期健康診断でコルチゾール値を計るなどといった、簡単な指標でできるものもあるだろう。

指標は企業規模や業種毎に調整しても良いが、その調整の匙加減は国家戦略でもあるため、国がどの方向を向いているか、有能なのかが一目で分かる。子供に厳しいとか環境意識が低いとかいったことが、国同士の比較でも一目瞭然だ。

指標の作り方自体は難しいだろうが、これは経済学者が喧々諤々するよりも、AIがスパッと決めてくれた方が公平感があってよさそうだ。測定もAIが行えばよろしい。無論企業が情報を公開しなければ測定できないし、そこに誤魔化しがある可能性は否定できないが、それは走りながら考えればよいことだと思う。

まずは出してみる。それでも考えるきっかけとしては十分であり、大いに効果はあると思う。

2019年4月22日月曜日

状態指向プログラミング


今のシステムは相当に複雑である。しかしその中身は、DBやミドルの仕様に引っ張られているとか、可用性や負荷対策とか、セキュリティとか、本来やりたいこととは違うところでの苦労だ。現在、巨大なシステムが全てSIerに任されている原因の一端はここにあり、システムのモジュール化の仕方がアーキテクチャ寄りになり過ぎているのが原因だと思う。

システムは、もっと「状態指向」に書くべきである。つまり、あるべき状態をまず記述し、そこからはみ出た時にはどう直すか、そのためにはどんな動きをするか、更にはそのスピードや故障対応等のいわゆる非機能要件、最後にインプリメンテーション。こういう階層で書くべきなのだ。また、この階層は、できるだけ分離して書くべきだ。

この背後には、高度な負荷分散・可用性維持・セキュリティ・状態監視システムを含んだ並列実行環境が必要だが、逆に言えばこれはシステムによって異なることはなく、SIはその規模のみに依存し、知識は共通である。並列実行環境のSIer・メンテナーは上位システムには感知しないし、もし不具合が起きてもシステムに依存せず代替機種を用意して移植できる。

この環境に一番近いのが、AWS Lambdaなどのようなサーバーレスコンピューティングだ。しかしまだ足りないところがあって、Lambdaは関数ベースであり状態指向ではないこと、非機能要件の記述ができないところなどがある。ここら辺は計算機言語学に属するのだろうが、そういう体系をAWSが作れるのかは注目するところだ。

2019年4月21日日曜日

ストリートビューをデジタルツインにする


別の提案で、街の人たちの協力で、ストリートビューのリアルタイム性を高める、撮影範囲を広げる、という提案をした。これを応用したアプリケーションが、多く考えられるからだ。そうすると、ストリートビューはアプリケーションでなくAPIである、という考え方もできるようになる。

その応用の一つとして考えられるのが、あらゆるカメラの映像をリアルタイムで記録するプラットフォーム、というものだ。例えば、監視カメラ、マンナビ中の映像、自動車の自動運転、Googleフォトに保存された写真・動画などである。

こういった大量の画像から、街中の「デジタルツイン」を作る、というのがその主旨である。今でもGoogle Earthは似たようなことをやっているが、これを①プライバシー処理をせずに②時系列で③精密に、作る。もちろん外に出すときにはそれなりの処理をして出すのであるが、犯罪捜査などではそれも制限される。

こういった大量の画像データの取得に関して最初から契約で了承を得ておき、何かを知りたくなったときに、その周りの画像データを時系列で集め、デジタルツインを構築する、というのが最初のソリューションになる。そこには雨粒も人物もペットも、鳥でさえも映っている。特定の人物にマーカーを付ければ、その人がその前後でどう移動したかも追跡できる。

画像の加工でなくデジタルツインにすることで、不要な人物や動物、信号、電柱、樹木などを消し去ったり、関係ないモノ・場所を灰色にする、などは簡単にできる。これによって、より使いやすい、プライバシーに考慮したソリューションが可能になるだろう。

こういったものは、通常は監視カメラをベースに、警察などが考えることだ。しかし警察だけではその規模は小さく、満足な結果は得られないだろう。一旦Googleにデータを集約して汎用とした上で、そこから改めて多くの応用の一つとして使わせてもらえば、その利便性は何十倍にも広がるはずだ。

想像するにすさまじい計算量と記憶量が必要だが、ある程度安くなれば、警察だけでなく弁護側が使ったり、AIによる解析と合わせて自動通報(火事、事件、事故、異常気象)したり、もっと単純には逃げたペットを追う、迷子や徘徊老人を探す、などにも使える。イベントなどではドローンを飛ばしてリアルタイム監視をすることもできるだろう。

こういったインフラベースのシステムは、組織縦割りでは困難だし、お上主体だとプライバシー懸念がある。Googleのような民間企業が前に立った方が、抵抗も少ないのではないか。

2019年4月20日土曜日

みんなで作るGoogle Map


https://japan.googleblog.com/2019/03/GoogleMapsRefresh.html

Google Mapで実験的な機能がテストされている。カメラをかざすと、そこにARで方向表示がされる、というものだ。これならVRゴーグルをかぶらずとも簡単にナビゲーションが見れるので、大変便利だ。

だが、これにはもう一つの利点がある。その時にかざした画像データは、そのままストリートビューに使える、という事実である。町の移り変わりは早いが、Google自身がストリートビューカーで巡回するのには、時間もカネも掛かる。そこにいるユーザがちょっとカメラを回してくれれば、それが(審査加工の上)ストリートビューに反映されるのなら、その更新はずっと早くなるはずだ。

更に、それに謝礼を入れるならば、あるいは店の宣伝にも使えるとなれば、皆はこぞってそれを使うはずだ。そうすれば今まで入れなかった細かい場所にもカメラが入ることになる。

そうすると、おおよそ人が行ける所は全て、ストリートビューが可能、ということになる。大きなショッピングモールなどでは既にあるが、これがもっと細かくなり、待ちの居酒屋や個人宅まで可能になるわけだ。

そうすると、ストリートビューには色々な応用アプリケーションが考えられることになる。プライバシーや提供範囲・時間などといった、新しいパラメータは必要になるものの、こういったものへの可能性は無限大だ。色々考えてみると面白そうだ。
  1. 消防が、火事の時の進入経路や脱出経路をあらかじめ探しておくことができる。
  2. 警察が、犯罪現場への突入で(以下同様)
  3. 広告の入っていない店舗の安売り情報を知ることができる。
  4. レストランの「本日のお勧め」が自動で入ってくる。
  5. 更には細かく、タイムセールをリアルタイムで拾ってくれる。
  6. 美容院や病院の混雑状況を知ることができる。
  7. マンナビが、より細かいところまで案内できるようになる。建物だけでなく、その中のどこ、例えば何階の、何売り場の、多くある試着室のひとつの前、など。
  8. 指定した人にだけ公開する、秘密の部屋などを、店が演出できる。
別に提案するが、これらとこれらのためのプラットフォームは、結構面白そうだ。

2019年4月19日金曜日

超スマートVRゴーグル


メガネやコンタクトレンズをつけずともピントが合い、今のものよりずっと小さく軽くスマートで、立体感が出せ、視線追跡もしなくてよい、というVRゴーグルがあるとしたら、どうだろう。高精度の3Dプリンタと、今流行の曲がるディスプレイを組み合わせると、それができるかもしれない。

まず、水泳のゴーグルのように、片目づつを個別に覆う空間を作る。目の周囲は半球状のカップとして、5mm程度の厚みの遮光板で完全に覆う。そしてこの遮光板には、目の中心から放射状になるように、細い穴を無数に開ける。実際には、遮光性の材質と透明な材質と使い、3Dプリンタで作る。

半球カップの外側には、カップのサイズに合わせたディスプレイを設置する。半球の外側に出た「穴」と、ディスプレイのドットが対応するように、更に3Dプリンタで隙間を埋める。もちろん、遮光性の物質と透明な物質を使って誘導することになる。

こうすることにより、カップの内側にある「穴」の一つ一つには、ディスプレイのドットが対応するようになる。またその穴は方向性があるので、レーザー投影と同じ効果があり、目が悪くともボケずに網膜に達することができる。

また、この「穴」の作り方の工夫により、中心視野を高解像度に、周辺視野を低解像度にすることが、簡単にできる。ディスプレイが単一解像度であっても、「穴」からの誘導経路や穴の大きさを変えれば良いからだ。これは特殊なディスプレイを作らずに済むので、経済的だ。

結果、このゴーグルは、従来のVRゴーグルより原理的に簡単で、消費電力も小さく軽く、価格も安くできる。また、視野角も広く、位置調整も簡単で、メガネもコンタクトも要らない。

今のところ懸念となるのは解像度と明るさだ。が、詳細設計をしてみる価値はあると思う。

2019年4月18日木曜日

仕様書AI


システムを開発するには仕様書が必要であるが、たいていは膨大な文書で提供される。そうではなくて、仕様書AIが提供される、という形態を考えてみた。

従来の意味での仕様書は電子書籍として内部に保持しており、これをデータをして上でAIが動いているもので、言うなれば「仕様のことなら何でも知っている人」である。問い合わせ形式は自然言語で良い。また、問い合わせられたことや、誰に何時答えたかなども覚えている。勿論それらをログとして、あるいは大元の仕様書を吐き出すことは可能である。

このAIに疑問を問い合わせると、仕様書から読み取れることを自動で出力する。曖昧な点は自動で作成元に問い合わせ、その解釈は仕様書に自動で付け加わる。また、最初から仕様に不具合があれば、それも自動で作成元に問い合わせる。仕様書自身に矛盾があれば、それも作成元に問い合わせる。問い合わせや回答はシステムに記録される。こうすることで、その仕様書AIの中身は常に最新に保たれる。

このレベルはAIの賢さによって異なるので、差別化ポイントになる。また、これ自体が証跡管理になり、例えば仕様決定の遅れなどはBIで常に閲覧でき、これを最初から契約に盛り込むこと(納期の延長や費用の再調整等)も可能になるだろう。また、常にこれを動かすことで、よくある「仕様書と実態が異なる」という事態は軽減できる。

理想的にはシステムの一部としてこのAIが動いており、改修があればその回収が何に基づくものかを紐付けしてくれれば嬉しい。システム自身が、認識していない改修を拒絶したり、改修の履歴を完璧に覚えていれば、将来的な保守や移植はずいぶん楽になるに違いない。これは「仕様書AI」というよりは証跡管理、改修履歴管理を兼ねたような、もっと高度なAIであっても良いかもしれない。

2019年4月17日水曜日

公的タブレット


以前から何回か提案しているが、Chromebookのようなシンクライアントで汎用のものがあれば、新たな標準として勧められるのになあ、と思う。これを少し考えてみる。

シンクライアントとすれば、機器の複雑さはある程度抑えられるので、先日の中国製製品にあったようなデータ盗聴疑惑がもしあったとしても検証は簡単になる。もし不安なら、検証がやりやすいようにハードウェアを構成する。

I/Oは全てBluetooth接続とし、通信暗号化もデフォルトとする。今のI/O機器のペアリングはちょっといい加減なところがあるので、ここだけは厳密にした方が良いだろう。ペアリング自体も、機器そのものではなく、後述するマイナンバーポータルで設定するようにする。

Chromebookはもはや複雑になりすぎているので、もっとシンプルなブラウザを使うべきだ。複雑な処理は直接ではなくクラウド側で対処すればよい。そうすればバージョンアップは基本的にバグ対応だけで済む。一時期試みられた、ブラウザOSのようなものだ。

後は、必ずGoogleアカウントに繋がろうとする、というところだけを変えればよい。ベンダロックインは避けたいだろうから、ここは国が認定機関を作り、そこで集中管理するべきだろう。これは日本ならマイナンバーでよいはずだ。つまり、マイナンバーをIDとして、生体認証でパスするようにすればよい。

Googleや、企業の認証システムにログインしたいと思えば、URLをそこに登録するだけでよい。そうすれば次からは接続先リストが出てきて、それを選ぶとそのシステムの認証画面が出てくるようにする。

通信方式には配慮が必要になる。ログインしない状態でも使える通信は制限すべきだし、それに課金があるならなおさらだ。これもマイナンバーポータルで選べば、機器が自動的にそれを読み込んで設定する。これはローミングにもなっている。

この端末は、例えばATMの画面にも使えるし、自治体窓口にも置ける。一家に数台あってもよい。Chromebookの代わりにも使えるようにする。企業内端末にもなるし、営業の持ち歩き端末にもなる。コア部分だけを使って組み込みにも使えるだろう。

この機器の用途として重大なのは、この端末を提供することで、公的な通知を完全に電子化できる、とすることだ。従来の通知は全て郵送か訪問によっていたわけだが、端末が無料、通信料が無料として生活保護世帯に配ることなどにより、郵送や訪問が不要になることが期待できる。

ここまでくれば、もうこれはWindowsやAndroidにも匹敵する新しいプラットフォームになりうると思う。

2019年4月16日火曜日

スモークフレーバーニコチンガム


喫煙者の形見が狭くなる時代は、当分続きそうだ。2020年の東京オリンピックに向け、屋外や店舗での喫煙は、更に風当たりが強くなると見込まれる。この件に関して自分がどうしても解せないのは、なぜJTは「煙を出さないタバコ」に注力しないのか、ということだ。

嫌煙者の多くは、副流煙を嫌っている。医療費高騰まで言及する人もいるだろうが、割合としては僅かだろう。既にニコチンパッチやニコチンタブレットは存在しているし、嗅ぎタバコや噛みタバコだってある。このうち噛みタバコだけは唾を吐く必要があるので敬遠されるだろうが、そうしなくても良いものを開発することだって可能なはずだ。

これらは何れも体験として随分違うので、嗜好品としての位置付けは「別物」になるのだが、それは新しい体験でもある。それに煙が出ないから、禁煙(電子タバコでもダメ)のところで使えるわけだ。そして、それを緩和するのに煙の「味」を添加することは可能だろう。

単純な話、Amazonで市販されている「燻製液」というものがある。卵を漬ければ燻製卵になる、などといったものだ。もちろんこれは食べる目的のものなので味が合わないだろうが、これを改良して練り込むなどは簡単だろう。

種類としては色々考えられるが、ガム状のものが一番簡単だろう。色々なフレーバーを練りこんで個性を出す。噛んで柔らかくしたら嗅ぎタバコと同様に上唇の裏に挟み、効果が弱くなったらまた噛んで、再度貼り付ける、ということを繰り返す。これならガムと変わらないし、噛み続ける必要もないので、場所の制限は事実上ないはずだ。

こう言うと、「過剰摂取に繋がる」とか「子供が噛んでいても分からない」「喫煙習慣を増長する」などと言い出す御仁が出てくるだろうが、何れも口がタバコ臭くなるから直ぐに分かるし、値段で調整するのも良い。今までだってやる奴はやっていたし、そもそもタールが入る余地が無いので、従来より健康的だろう。

これはぜひ検討して頂きたい。

2019年4月15日月曜日

全部掛かりつけ医で


今の医療系情報サービスや、国・自治体の医療情報連携サービスなどには、大きな視点の欠如があると思う。それは、ユーザ体験は今までも変わらない前提だ、というところだ。つまり、複数の医者に掛かることは変わらない。その時間も交通費も、患者持ちだ。

日本人は総合病院が好きだが、その大きな理由は、複数の診療科に一度に掛かることができる点だろう。だが、そもそも何で病院内部で連携して、診察は一度に纏めてもらえないのだろうか。つまり、最初に診察室に入ったら、まあ検査と処置は別の部屋でするにしても、ずっと同じ医師と話したいのだが。

今、できない理由は簡単で、その医師は全ての診療科の専門家ではない、ということだ。だが、複数の医者に掛かれば当然齟齬は起きるはずで、薬の重複などは都度話し合いで決められる。そのための生身の人間(医師)同士の話はまた必要であり、更にはその病院ではないところで出た薬も考慮しなければならない。

しかし、そんなことは、インターフェースとしての総合医が前に出て、背後で連携してくれれば良い話ではないだろうか。その方が医者にとっても患者にとっても好ましいことではないか。それにハイテクが必要なら、投入すればよい。そしてその総合医=町医者、掛かりつけの医者であるべきではないだろうか。

総合医の手元にはタブレットがあり、専門医ネットワークに繋がっている。総合医はタブレットを見ながら問診し、触診視診など簡単なものはその場で行い、その情報をアップする。そして専門医から必要な追加検査のアドバイスを得る。その場でできる検査、できない検査については、あらかじめそこに登録されている。検査が終わればそれをまたアップし、専門医の意見を総合して、総合医が診断を下す。それに基づき、また必要な処置のアドバイスを得、処置を行う。もちろん、専門医に診せるべきとなればその旨伝え、紹介状も電子で送ればよい。

この、背後にいる専門医は、AIでも良いし、遠隔地の24時間センターなどでもよい。このサービスを受けることで、総合医は従来よりも広い目で患者を診ることができる。総合病院の一区画でこのサービスを提供すれば、従来よりも楽に儲けることができるだろう。患者の待ち時間も短縮できる。

この、背後に入る専門医ネットワークだが、極端な話、LINEでも良いわけだ。まあもう少しセキュリティやデータのやり取り、証跡管理、課金などは欲しいからもう少し高級にするにしても、Slackに毛の生えたようなものでも良いかもしれない。責任分解点は最終的に総合医だが、緊急時や遠隔医療ではその総合医自体もサービスとして立てて、末端の患者との対峙はインターンや看護師だけでもよい、ということも将来的に考えられるだろう。

電子カルテがどうとかお薬手帳がこうとかビッグデータがそうとか、そういうカネのたんまり掛かるものは別に考えるとして、こっちの方を先に何とかして欲しいと思うのだが。

2019年4月14日日曜日

標準監視カメラ


別項「監視カメラビジネス」の中で、汎用の標準監視カメラを考えてみた。

主な用途は防犯だが、他と異なるのは、その画像を用途や相手を選んで「売る」ことができる点だ。また、設置を極限まで簡単にするために、単純なカメラではなく、スマホに匹敵する計算機を内蔵している。

その特徴は、スマホと連動した設定だろう。その機器のIDはクラウドに既に登録されており、添付されている登録者カードに基づいてクラウドにログインすることで設定が変更できる。

まず、機器の通信料プランと支払の設定。そして接続を許可するクラウドサービスの選択である。機器には既にeSIMが内蔵されており、プランが設定されると即使えるようになる。また、クラウドサービスの一つには、自分向けの監視カメラサービスがデフォルトで入っている。

この監視カメラサービスは通常のそれと変わらず、画像解析で異常を検知した時に通報すると共に、クラウドにその画像を保存するものだ。これもプランにより、三日で捨てるものから永久保管まで色々選べる。通知をきっかけにした通報も選べる。

それ以外のサービスは、例えば気象庁の気象情報解析とか警察の逃走者追跡などで、一定の審査基準によりプライバシーや用途の公益性が認められたものが並んでいる。モノによっては報酬が得られるので、基本的には全部OKにしておけばよい。例外は個人の室内などで、これは防犯以外はオフにしておくべきだろう。

画像は直接そのサービスに届けられるのではなく、クラウドサービスにまず送られ、そこから各サービスに転送される。もちろんカメラとクラウドサービス間の通信は暗号化される。

基本的には電源さえあればどこでも設置できる。電源も、USBの5Vとしておけば汎用性があるだろう。ただ、防水コネクタである必要がある。

さて、ここまで書いてみると、従来の防犯カメラとの差は紙一重であることが分かる。明日にでもこのサービスを発表する業者が出てきても、驚くことはない。

2019年4月13日土曜日

所得格差は知的格差か


http://bunshun.jp/articles/-/10714

日本人の3分の1は日本語が読めない、但しそれでも世界の中では上位、とのこと。この記事の最後のほうでは、所得格差は知識(知恵)の差である可能性が示唆されている。

最近強く思うようになったのは、普段は知的レベルが揃っている人たちとしか会話しない、また他人と会話するときは雑談しかしないから気付かないけれども、世の中の人たちの知的レベルの分布というのは、思っている以上に開きがあるのではないか、ということだ。

小学4年の読解力がない人を働かせようと思えば、働かせる方もかなり苦労するはずだ。その手順を小学校4年生でも理解できるように分解し、マニュアルを作らなければならないし、高度な判断が一切できないのであれば、その都度マネージャーが出てこなくてはならない。それが知的レベル上位1/3の仕事だ、というのでは、才能の無駄遣いだ。AIにさせた方が早い。

知的レベルの格差が所得格差に繋がること自体は仕方が無いことではないだろうか。その差が、生きていくのに支障があるほどであるのであれば別の意味で問題だが、これはある意味生存競争であり、淘汰であると言えるのではないか。

そう考えると、知的レベル下位1/3の人たちを無理に働かせるのではなく、生活保護にしてしまった方が話が早いかもしれない。その人たちに与える仕事は、社会全体で見れば毒にも薬にもならないようなことだが、見た目のやりがいはあるようなもので、日々楽しく生きてくれれば良い、というようなものだ。但し子供は作りづらいような制度にする。緩い自然淘汰だ。

結構恐ろしい未来だが、そんなに非現実的とも思えない。それもまた恐ろしい。

2019年4月12日金曜日

マイナンバーカードと献血手帳


マイナンバーカードを保険証として使えるようにする動きがあるそうだ。だが個人的な意見を言わせてもらうならば、献血手帳との連動を急ぐべきだと思う。

その理由は簡単だ。本人が怪我をして輸血が必要な時、また希少な血液型の人を迅速に探し出したいとき、マイナンバーとの紐付けは有用だからだ。

そんなこと言ったら何だってそうじゃん、というのはその通りだ。だが、そもそも保険証として使おうとするのはなぜか。医療健康というのは個人情報であるが、何でも隠せばよいというものではなく、病院や薬剤師の間では連携が望まれるものだからではないだろうか。であれば、献血手帳や臓器提供意思カードなど医療に関連するものなら、その可能性はあってよいと思う。

今の保険証の動きは、マイナンバーカードをもっと使ってもらうため、という不純な動機なので、こうなってしまうのだろう。国民の利便性を考えるなら、保険証だけでなく、もっと色々なものを一挙に載せるべきなのだ。そうしないと、医療機関側でもICカードリーダーやPCを導入しようとする動機が弱く、結局普及しなくなる可能性が高い。

2019年4月11日木曜日

AI/RPAによる業務効率化は今までと何が違うのか


業務効率化は、コンピュータの導入によって、多くは可能になるはずだが、現実ではそうなっていない。AIやRPAが導入されたからといって、そう簡単に解決するものだろうか。
今までできなかった理由とは、以下のようなものだろう。
  1. コンピュータ化のコストの問題。
    1. 初期コストが高い。ランニングコストが安くても、これが怖くて着手できない。
    2. アナログな部分が多い。
    3. イレギュラー処理が多い。
    4. しょっちゅう業務が変わる。
    5. 現場のITリテラシーが低い。
    6. 膨大な現状把握が必要。
  2. 技術以外の「大人の事情」がある。
    1. 法改正が必要。
    2. 他社、他人のシステムの改修や情報取得が必要で、そこに拒否されている。
    3. 人減らしへの警戒。
    4. 上長や職場の関心が薄い。
こう並べてみれば、AIやRPAが導入されたとしても、上手くいくケースはほんの一部である、ということが良く分かる。

極端な話、会社内に全く同じ業務内容ながら全てのシステムを一から構築するような新会社を作って、徐々に業務を移管していくようなやり方の方が、上手くいくのではないだろうか。そしてその時には、AIやRPAは不要であり、全てが既存のSaaSに乗るようなことにもなっているのではないか。

今の時代、経理や総務のアウトソーシングもあるし、ビジネスツールも全部ネットで完結するものも多い。むしろ取引先のアナログに引っ張られる部分の方が多いのではないだろうか。であれば、そういった「デジタル~アナログ相互接続サービス」を立ち上げて仕事にする、というのも考えられるだろう。自社でAIやRPAを入れる必要はない。

となると、AIやRPAの用途が見えなくなってくる。既存のシステムをちょっとだけ改善することはできても、むしろ根本的な改善はできなくなり、深みにはまってしまう、というわけだ。

放っておけばそうなるだろうが、多分誰も止められない。

2019年4月10日水曜日

5GのVDI時代


今の時代、営業なら会社携帯は持っているだろう。これに内線を別に持つのではなく、仕事は全てこれで行っているところも多いのではないだろうか。出張が全くない内勤が少々いたとしても、もはや内線を会社携帯と別に持つよりも、トータルでは全部携帯にした方が安い時代だろう。

これと同じことが、社用PCにも言えるのではないだろうか。オフィスに有線LAN/無線LANを整備するのではなく、5GのVDIやリモートデスクトップで全部つなげてしまう方が、トータルコストでは低いのではないか、ということだ。

営業がPCやタブレットを用いているところも多いだろう。そういうところはもうVPNで社内システムに繋いでいるはずだ。そういう人が多数いる前提で、わざわざ社内にLANを這わせメンテするコストよりも、全部5G+VPNにしてしまった方がシンプルだし安い、というわけだ。

こうなると、社内にサーバーを立てる意味も無く、AWSに全部乗っけてしまえ、ということも考えられる。そうすると、社内のハードウェアとの接続、例えばスキャナやプリンタ、工場のIoTなども、そういう方向性になるのではないか。IoTは全部LPWAになるとか、プリンタも5Gが乗っている、などだ。

そうなれば、G Suiteのような仕掛けの導入も有用である。であれば、そのままGoogle CloudとG Suiteにしてしまう、ということは、面倒がなくてよい。Amazonにはこういう仕掛けが無いので、MSやGoogleがここで逆転する可能性はある。

今のところLTE内蔵のChromebookは殆どないが、5Gを契機にこれが増えてくるということも、考えられるのではないだろうか。

2019年4月9日火曜日

マイナンバーCBT


CBTといっても色々あるが、ここで言うのはComputer-Based Testing、つまり資格などの試験である。

CBTはだんだん普及してきているが、システムはバラバラだ。ここら辺で認証と試験方式、課金について統一してはどうかと思う。今はCBTは民間中心だが、例えば学校の定期試験でも使えるような柔軟性を持たせれば、一挙に普及が見込めるように思う。

今のCBTは、クライアントにWindowsを使っているようだ。まずこれをシンクライアントにする。Chromebookを見習うべきだが、そのままでは一企業に依存することになるので望ましくない。IDと認証はマイナンバーにして、マイナンバーポータルをデフォルトにすれば簡単だ。そこからはWebベースでやればよいだけだ。

このシステムは試験に限らずあらゆすシステムに応用可能だ。例えば投票端末にもできるだろうし、もう一つのCBT(Computer-Based Training)にも使える。つまり授業にも使えるわけだ。単にタブレットを入れましょうとか電子教科書がどうこうも良いけれども、まずここを考えてはどうかと思う。これに慣れた国民が増えれば、将来的にもICTリテラシはこれをベースに増えていくはずだ。

2019年4月8日月曜日

ミドルクライアント


サーバー系のコンピューティングは、シンクライアントとリッチクライアントの両極端を、時代と共に行き来してきた。そろそろ中間的なクライアントに落ち着くようなブームが来ても良さそうに思うのだが、どうだろう。

従来のリッチクライアントというのは、できるだけ処理をクライアント側でしてしまう、というものだ。シンクライアントはこの逆で、できるだけサーバ側で行う。これらに対して提案するミドルクライアントは、サーバの負荷とクライアントの能力によって、どちらで処理するかを最適化する。クライアントは基本的にゼロ知識で動かすところは一緒だ。

例えばこんな感じだ。Webページを表示すると、クライアントサイドJavaScriptをダウンロードするところまでは同じだが、このJavaScriptは単純にクライアントで動かすものではない。その内部には、まずクライアントのスペックと負荷をサーバに返す仕掛けがある。単純にメモリやCPUの有無だけでなくて、例えばAIチップの有無やGPUの使用可否などが含まれている。これをサーバ側が判断して、可能な処理はクライアントで行わせ、自らは残りを処理する、というわけだ。

この仕掛けが上手くいけば、PCでもスマホでもレスポンスがほぼ変わらない、端末を変えても体感が変わらない、という経験が得られる。それでは端末を新しくするモチベーションにはならないのでは、というと、通信量は減るのと、ローカルでの学習結果の精度が上がるといったメリットは出る。出先で止むを得ない時はスマホで、普段はPCやChromebookで、などの使い分けは、成立するわけだ。

これは、サーバ側の開発ツールに新たなライブラリなりフレームワークなりが増えるだけでよく、クライアントは従来通りWebサーバでよい。これで新しいサーバクライアントコンピューティングの流れができないだろうか、と思う。

2019年4月7日日曜日

みんなフリーランス


個人で仕事を引き受ける、フリーランスやワーキングシェアなどの仕事の形態が広がっているようだ。

会社組織が非正規ばかり雇うようになると、非正規側としても対策が生まれる。あまりにブラックなら他に移るよ、という土壌ができれば、市場は健全化する。一方で会社の方も、例えば経理や総務を外注化するような動きが出てきている。これがもっと進めば、本業も分解されて、各々が外注されるような形態ができていき、大きな会社(売上ではなく人数)は減っていく。その先には、外面としての会社はあっても、中は個人事業者が寄せ集めになっているだけ、つまり殆どがフリーランスである、というような形態が出てきてもおかしくない。

ちょうど、ポケモンGoのようなものだ。ヒットしてもしなくてもソースは一緒で、クラウドのスケールアウトで対応する、というようなものの人間版、と考えればよい。

そんな会社は、ファンクション型よりもオブジェクト指向型になるような気がする。つまり全知全能の神は存在せず、各々がプロである。社長が一人だけいて、プロジェクト毎に外注をして、そのプロジェクトはまた実務と企画と経理と総務を外注して、・・・という形だ。

この手の組織で難しいのは、コストセンターだ。例えば企画部の成果と給料をどう判断するか、である。しかし全部がフリーランスなら、嫌ならすげ替えればよいのだ。優秀な企画がいれば逆に高給を払うことになる。もちろん囲い込みはできないので、引き抜きも考えられる。

社長は気を抜けないが、市場は健全である。もちろん個々のフリーランスもブラックになることはない。こういう社会がくると、世の中は面白くなるのではないか。

2019年4月6日土曜日

消防警察救急統合情報システム


何かのインシデント(事故、事件)が起きた時に、周囲の監視カメラ映像はじめ近隣情報を一手に収集するシステムを考えてみた。その第一の目的は、迅速な情報収集である。第二の目的は、必要な機関への迅速な連携と情報提供だ。

従来のシステムでは、通報者が音声で状況を説明しなければならなかった。今ではGPSの情報が飛んで位置までは特定できるが、そこに誰かが行かなければ更なる詳細な情報は得ようがなかった。しかし、既に監視カメラはあちこちに存在しているし、AEDの設置場所の地図も存在しているなど、やろうと思えばオンラインで直ちに入手可能な情報はまだある。それを通報と同時に先に収集しておけば、その後の展開も早くなる。事件なら早く解決し、事故なら生存率が上がるだろう。

第二の目的の方は、事前に情報連携の口を設けておいてデータを送ればよいだけなので、それほど問題は無いだろう。従って、詳しく考えるべきなのは第一のほうだろう。
システムの構成としては、以下のようなものになるだろう。
  1. インシデントの位置を特定する手段。単純には通報者のGPSだろうが、それ以外にもオペレーターがオンライン地図の任意の位置をタップするとか、監視カメラの画像解析で火事や事故を自動検出するなども考えられる。
  2. その位置を中心として適当な範囲の中にある、情報の収集手段。監視カメラやAEDマップはまずそうだろうし、周辺の人の携帯電話の情報や、警察署、消防署の位置、更には署員の位置(業務用の端末を持っていてGPS内蔵など)、天気などの気象データ、近隣の駅や自治体の連絡先(電話番号等)、ガス水道電気の管轄情報など、様々なものが考えられる。またこれは適宜拡大するだろう。
  3. 情報を収集したら、そこから更に二次情報を検索する。周辺の人の携帯電話から人物を特定して医療情報を集めておくと、その中の一人が事故の当事者(被害者)かもしれないので役に立つ。事件の被疑者になったら追跡もできるようになるだろう。
  4. 関連機関への連絡先を呼び出し、その情報を共有する手段。イメージとしては新しくSlackのグループを立てて、そこに全情報をブチ込むようなものになる。
1.2.3.は、地道に開拓していく必要があるし、継続的に増えていく性格のものだ。従って最初は貧弱でもあまり気にする必要はない。まずは基盤を作り、連携の基礎を固めておくことが重要だ。

2019年4月5日金曜日

通報初動システム


110、118、119通報をしてきた相手がスマホだった場合、そのスマホを通じた情報提供が可能となるシステムを考えてみた。
  1. 通報を受け付け、局側が操作すると、以後切断するまで通信料・通話料が局持ちになる。
  2. GPS情報が以後定期的に局に通知される。
  3. テレビ電話が自動でONになる。この際、外向きカメラと内向きカメラは両方ONになる。映像は自動で局側に記録される。
  4. 通報者は、オペレーターの指示に従って、状況を動画で送る。
  5. GPSの情報を基に、局側はドローンを飛ばす。ドローンが到着したら、以後は状況通信はドローンが引き継ぐ。(ドローンがある場合)
  6. GPSの情報を基に、局側は人を派遣する。人が到着したら、以後は状況通信は人が引き継ぐ。ここで通報者はお役御免となる。
  7. 映像はリアルタイムで関係者に共有される。警察、病院などだ。
それが交通事故だった場合、被害者の怪我の程度や身元の確認などをできる範囲で行えれば、それだけ迅速な処理ができる。例えば車ならナンバープレートを撮影するように依頼すると、そこから車両情報が検索できる。身分証明書の類が提示可能ならそれを映せばよい。携帯電話を持っているならそこから110番すれば、電話番号が分かる。そこから契約者を割り出すことも可能だ。怪我の程度を撮影すれば、受け入れ先病院の判断材料にもなる。

このシステムは、主なキャリアがデフォルトでスマホに入れておいても良いのではないか、と思う。

2019年4月4日木曜日

予約・順番調整機


近年感じるのは、病院がいつも混んでいる、ということ。予約しないと受診できない、予約しても何時までも待たされる、それも1時間2時間というのはザラだ。予約はもちろん早いもの順だが、それでも予約だけしてキャンセルせずバックレるということもよく起こる。順番待ち自体にもまた待たなければならない。これらに公平な、あるいは不満感の少ない「待ち」を提供する、というのが、このシステムの目的だ。

まず、予約可能時間は、診察開始前1時間~30分の間は全て受け付け、この間の順番はランダムにする。30分前以降は早いもの順である。こうすることで殺到が避けられる。また、キャンセルせずに現れない事態を避けるため、チャージを入れておく。例えば予約の時点で千円をチャージされ、呼び出し前にキャンセルしないと没収される。

この予約は、スマホの専用アプリから行われる。この時点で個人は特定され、受付が為されたのと同等の処理が行われる。つまり診察券は不要であり、それに相当するIDや情報はアプリで管理される。受付書類に相当する情報は、この時に既に記入しておくと、自動送信される。

次に、本人の携帯電話のGPSをONにすることで特典が得られるものとする。つまり、徒歩5分圏内にいる場合は、本人が希望することで直前まで外で過ごせるようにする。3人前程度にアラームを出し、15秒以内に応答すればその待ち行列に入れるようにする。10分圏であれば5人前、それ以上であれば10人前、などと、数段階設定できる。この「応答する」というところが肝で、これがないと再度後回しにされる。

そして窓口に現れてスマホをタッチすれば、受付は完了である。

スマホを持っていない予約者への配慮は必要だが、今や大部分がスマホを持っているご時勢、結構使い物になるのではないかと考える。

2019年4月3日水曜日

GAFAの「イノベーションのジレンマ」


既に持っている技術が仇になって、新しい技術への対応が遅れ、後発に追い抜かれる。これがイノベーションのジレンマだ。近年ではコダックのデジカメ対応の遅れなんてのは有名だ。一時期絶好調だったマイクロソフトもGAFAに抜かれたが、これもクラウドやモバイルへの対応が甘かったのが一因である。

ではそのGAFAがイノベーションのジレンマに陥る危険はあるのだろうか。
  • Google
  • Amazon
  • Facebook
  • Apple
こう書くと、Facebookが一番危険だ。この中で一本足打法なのはFacebookだけだからだ。次の新しいソーシャルサービスに乗っ取られる、という危険は十分にあるだろう。

Appleは、新製品が継続的に出ないとしぼんでいく。Apple Musicのようなクラウドサービスはあまり順調に見えず、個人情報ビジネスを否定しているため、基本は機器の売上に依存している。

Amazonは、そろそろ殿様商売に法的な規制が忍び寄りつつある。それでもAWSは安泰で、直ぐに萎むことはないだろう。Googleも同じだ。しかし、これらが警戒すべきなのは、新しいコンピューティングプラットフォームだろう。

AWSやGoogle Cloudのベースとなっているのは、世界中にある大量のサーバ群だ。これが負の資産に転じたとき、世界はひっくり返る。そのキーとなるのは何かと考えると、二つ考え付いた。①IoT、②オンプレミスコンピューティング、③強力な法による統制、である。最後はまあ良いとして、前二つはなぜそうなるのか。

膨大な計算が今後も必要になるということは、今後も変わりない。問題はそれを誰がするのか、である。今はサーバ集約型だが、これがまたユーザや現地に分散したときに、イノベーションが起こる。分散する理由として考えられるのは二つ。ひとつは分散コンピューティング、もうひとつはセキュリティである。

一つの例がブロックチェーンである。この真の脅威とは、中央のない完全分散コンピューティングである、というところだ。要はサーバが要らないのである。ユーザがどうしても持たなければならないスマホやタブレットの、あるいはセンサなどIoT機器の、ほんの少しの領域をそれに使う。例えばこれで検索機能を作ったとすると、その制御はGoogleにもできないし、業務システムならAWSに頼らなくても良い、ということになるのだ。

あれ、後者は正しいのかな、と気付いた読者は賢い。AWSの利点は、気軽に借り、直ぐに止められる点にもある。しかし世の中のAWSの使い方はポケモンGoのようなものばかりではない。例えば納税管理や住民情報システムなどは、負荷の急変動はないし、求められるセキュリティは高い。可用性(決して止まらない)も重要だ。AWSがフォーナインやシックスナインクラスの可用性を提供するとしても、分散コンピューティングの方が上、ということはあり得ることだ。

また、負荷変動があるとしても、スマートコントラクトでは余剰の計算力を収入に活かせる利点もある。むしろゆとりを持って揃え、そちらで稼ぐということも考えられるわけだ。総額で考えても、SIもUPSや非常用発電機も不要だから、こちらの方が安くなる可能性もある。

もう一つの、オンプレミスコンピューティングも、似たような考え方だ。AWSはAWS Outpostsを、GoogleはGKE On-Premを発表しているが、結局これはKubernetesがあれば下は何でも良いというモデルなので、OpenStack辺りがアプライアンスを設定するかもしれない。そうなれば使い勝手はAWSだし、余剰計算力は貸し出せばよいし、何よりセキュリティが高い。

更には、ある日量子コンピュータが実用化したとして、それがクラウドに乗ったままだと、既存の認証系は全滅になる。AIの急速な発達も、不安要素だろう。これが現実になったとき、これを防ぐにはオンプレミスで入り口を遮断し、とりあえずは乗っ取りを防がなければならないし、対策をするにしても入り口で行うことが検討可能だ。そういった「未知の恐怖への不安」は、オンプレミスへの指向を加速させる。

まあそれでも、いきなり死ぬということはないし、GAFAと言えどもバカではないから対策はするだろう。しかし今のような巨大ではいられなくなる可能性は、まだ考えられる。

2019年4月2日火曜日

データレイク+AI


データレイクとかデータウェアハウスとかビッグデータとかBIとか、似たようで微妙に違う言葉が並ぶ分析業界。これらはもっとAIでスッキリするべきだろう。

これらの分析の目的はただひとつ、「分類」「相関分析」だ。人間がやろうとしていたこれらの試行錯誤をAIが勝手にやり、成果(特徴的な結果)が出たときに通知してくれる。そういうAIを作ることは可能だと思う。

とりあえずなんとなく分類できた、相関が見えてきた、あるいはその相関に変化が出てきた、となれば、施設管理ソフトのごとくアラームを出す。人間がおもむろに出てきてその意味を取捨選択する。こういう基盤があれば、経営者はずいぶん楽になるはずだ。

AIは汎用でよいので、ノウハウが必要なのはデータをぶち込むところとクレンジングだけだ。これもそこそこ自動でできるだろうから、後は本当に経営者だけの仕事になる。

データさえ揃えられれば後は実働者と経営者だけの会社。そんな未来も案外近いのではないか。

2019年4月1日月曜日

全部定額


先日、ラーメン屋が定額食べ放題サービスを開始したというニュースを見た。考えてみると、家は定額、電車の定期券も定額だ。食べ物が定額になったら、と考えてもおかしくない。

例えば定食屋だ。5時以降に限り食べ放題だとして、月に1万円だとする。一食あたり333円だ。じゃあ10日は飲み会とか、別の用があったとすると、それでも500円。これなら加入したいと思うだろう。もちろん最初はドカ食いするかも知れないが、毎日であればそれはあり得ない。せいぜい昼を抜いて多めに食べるとか、夜と夜食と二度食べるとかいう輩が多少出てくる程度で納まるはずだ。

またこうすれば、雨や雪の日でも一定の客数が望めるから、店にとっては食材が無駄にならずに済む。他の店に取られる心配もないので、広告費も安くて済むだろう。その分味に力を注げば、客にも喜ばれる。

もし定食屋では飽きるというのなら、フードコートや食堂街で共通券にしてしまえばよい。あるいは、一人までゲストが呼べて、その人は3割引、というモデルでも面白い。何れにしてもその人は真の固定客となるため、店にとっては大いにリスクが減る上客である。

こうなれば、人によっては自炊を完全に止めてしまうかもしれない。そうすれば冷蔵庫も食器も鍋も不要だし、コンロも台所も不要となる。その分のコストダウンを見込めば、中途半端に自炊するよりも、全部外食の方が安い状態にすることも可能だろう。

同じような原理で、クリーニングやコインランドリーを定額にできれば、人は洗濯機を捨ててしまうかもしれない。もっと極端に、修理・クリーニング込みの服のリースにしてしまうという考えもある。こうなれば人は余計な服を持たなくなり、大きな収納スペースは不要になる。これも人の生活コストを下げることに繋がる。

ある程度大きな団地でこれを実験してみると面白い。需要供給の調整が難しいが、ここにはAIに活躍してもらおう。このモデルが成功すれば、更なる効率化した社会が実現することが期待できる。

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