近年の世界的な右傾化、自国第一主義化について、その原因を生成AIと討論しながら考えた結果、そういう結論に達した、というお話。
まずトランプが未だに支持されている理由について議論したのだが、その理由はアメリカ白人低学歴層の貧困化だという。この白人貧困層は、人数的には数千万人と規模は大きいものの、人数的には増加しておらず、むしろ微減中だという。だがその貧困の程度は厳しくなっており、これが直接の原因と考えられる、のだそうだ。
次に、なぜその白人貧民層がトランプを支持するのかというと、貧困の理由として移民の増加が挙げられている。白人でも低学歴の者が移民に仕事を奪われているというのだが、これは感覚であって必ずしも正しくない。実際には、低学歴層でもできる仕事=単純労働が、いわゆる産業の空洞化によって海外に行ってしまい、彼らでもできる仕事が減っているのが原因だ。
一方で移民は何をしているのかというと、空洞化していない単純労働を白人低学歴層よりも低い賃金で担っている。だから白人がその気になれば彼らの仕事を奪えるのだが、それには安い賃金を我慢しなければならない。ここにジレンマが生じているわけだ。
ではなぜ移民が増えているのかというと、彼らの主な出身国である中南米の政情が近年不安定で経済も落ち込んでいるからだ。なぜ不安定かというと、近年彼らの国では左翼政権が興り、労働者向けのバラマキ政策をしてしまったからだという。つまり左翼政権の政策の失敗が原因なのだが、当然それを支持したのは国民である。左翼政権は労働者に甘く、必要以上に賃上げをしたりバラマキをしたりするのだが、財源がないので借金に頼り、すぐ破綻する。これによって職を失う者がアメリカに渡っているのだ。アメリカだって職が豊富にあるわけではないが、彼らの祖国での平均年収はそれでもアメリカの十分の一だったりするので、低賃金でも十分に喜んで働くのだ。
なぜ左翼政権が次々に誕生したかというと、当然国民がそれを選んだからだ。左翼政権になればそうなるということは、ちょっと考えれば分かりそうなものだが、国民の多くがそれに思い至らず支持した。ではなぜ思い至らなかったかというと、一言で言うなら知恵が回っていなかった(頭が悪かった)からなのだが、その原因は教育を満足に受けていないからだ。そしてその満足でない教育の原因は、その左翼政権ができる前の右翼政権の時代、教育を軽視する政策が取られたことだ、という。
アメリカに戻ると、トランプ政権は必ずしも左翼ではないが、移民に対する強硬策で支持を集めた。しかし移民を排斥したところで、支持層たる白人貧困層が豊かになるわけではない。相互関税にしても同じことで、関税を高くして国内に製造業が回帰するかといえばそんなに簡単ではない。もしそれが高度な製品なら白人貧困層には作れないし、低レベルの製品なら作成コストは高く、輸入品よりも高くしか作れない。低賃金で彼らが働けるかと言えば、物価が高いので無理だ。つまり相互関税も、白人貧困層には利益をもたらさない。
こんなことは少し考えれば分かることだが、白人貧困層にはそれが分からない。なぜ分からないかといえばやはり教育ができていないからであり、その教育を怠ってきたのはバイデン及びそれ以前の政権である。具体的には教育の自由化により教育格差が広がり、貧困層の知識レベルが低下した。これは中南米と全く同じ構造である。
教育の低下は、自国第一主義や強権国家をもたらす。今の国際社会において、自国第一主義は長期的に世界を貧困にするということは、少し考えれば分かることだ。何でも自国でやろうとすれば、すなわち不得意なものも自分でやらざるを得ず、高コスト低品質になってしまう。一方それを貿易でやり取りすれば、お互いに得意分野で仕事ができるから、両国にメリットがある。この程度のことは秒速で分かりそうなものだが、頭の悪い人は近視眼的・短絡的に考え、その選択ができないのだ。そして自国第一主義は当然ながら他国の反発を買うが、これをはねのけるためには強権的にならざるを得ず、これに伴ってフェイクニュースや嘘つきが正当化される。まさにトランプが今やっていることだ。
これらをまとめると、①教育の軽視、②国民の知識レベルが低下、③貧困化が加速、④現実的・長期的な政策を取る政党が敗れ、見掛け倒し・近視眼的・非現実的・感情的な政権が誕生する、⑤その政権の政策は当然功を奏せず、国民はますます貧乏になる、という負のスパイラルが完成するわけだ。
翻って日本はどうかというと、左翼政権の担当期間は極めて短く、大部分は自民党政権である。しかしその自民党の政策によって、ここ何十年もの間、国が教育に掛けるコストは低下していて、OECD加盟国では下から何番目というレベルになってしまっている。バブル以降、経済はどんどん低迷しており、現在に至るまで経済成長率は世界平均にもOECD平均にも大きく劣ったままだ。結果としてGDPは中国に抜かれ、ドイツに抜かれ、とどんどん落ち続けている。
つまり、右翼だろうが左翼だろうが、政権が教育を軽視すると、国は衰退する。中南米やアメリカですらそうなのだから、それに輪をかけて教育を軽視している日本が、彼らより更に衰退するというのは自明の理なのだ。
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