2016年12月31日土曜日

電子投票再び


一時期流行りかけた電子投票だが、最近はとんと話を聞かない。その原因を察するに、不正への不安や不具合の多発などが考えられる。だが近年の技術進歩や通信の発達を見ていると、再度挑戦してみてもよい気がする。
その鍵となる技術は主に三つある。①タッチパネル端末、②シンクライアントないしはVDI、③ブロックチェーン、である。以後、順番に説明する。
①タッチパネル端末
昔の電子投票の発想は専用端末だったが、今の時代、安いタッチタッチパネル端末(AndroidやiPadなど)が出てきているので、価格の問題はほぼクリアできる。また通信も、直接キャリアに繋げればよい(専用SIMを使う)。投票が行われるようなところなら、ケータイの電波は届くだろう。場合によっては電磁ペンを使うこともあり得る。
これができないケースはほぼ考えられないが、意図的な妨害に関しては「ジャミング」、いわゆる電波妨害ができる。これには秋葉原で売っているような小型の機械が一台あれば良いので、技術的には簡単だ。但しこれは明確な選挙妨害なので罰することができるし、その機械を探すのは簡単だ。選挙管理委員会に電波監視ソフトのついたPCを1台貸与すれば済む。
キャリアに繋がずとも無線LANでも充分にいけるが、個々の設定は必要になる。
②VDI
不正の防止は、②と③で行う。まず②は、端末側に搭載するソフトを極めて少なくすることで実現する。VDIでなくても、例えばシンクライアントなどでもよいが、要は端末側のソフトをできるだけシンプルにし、改竄を困難にする。また、例えばキャリア経由でないとアップデートできないようにしておく。RDP、X、Chrome OS、Firefox OS、他候補は多数ある。端末のID以外は全て同じであるようにすれば、チェックも簡単である。
③ブロックチェーン
行われた投票が防いでないかどうかを、ブロックチェーンで審査する。つまり中央サーバがなく相互監視になる。とは言え、端末型にするのであれば結局サーバ監視になってしまうのでは、という懸念もあるから、単純に搭載するのではなく、それらを担保する方式を考える必要はあるかもしれない。
ここまですれば、故障が少なく、あっても代替機をすぐ用意でき、不正の心配もないシステムができるのではないか。もしそうなれば、例えば介護施設や病院、海外などでも簡単に投票ができるようになる。
さて、選挙のためだけに端末を開発するのは少々勿体無い。自治体の負担も大きい。そこで、国家資格などの資格試験、公立学校の受験などにも使えるようにしてはどうか。ペン入力にすれば小学校から使えるし、使う機会が多数生まれるはずだ。海外では既に、PCによる受験ができているところもある。日本でもできないことはないはずだ。

2016年12月30日金曜日

Amazon Go


Shipments From Amazon by Public.resource.org via Attribution Engine. Licensed under CC BY.

店内をカメラやセンサで認識し、棚から取った商品を自動的に認識することでレジに並ばずに商品が買える、というもの。どのようにセンシングしているのか、細かいところが不明だが、精度の問題さえクリアすれば画期的な経験が得られる。類似の技術を使えば、いわゆる支払窓口のようなものは全て廃止できる。
レベルは全く違うが、ダイナースクラブのサービスで「サインレス・スタイル」というのがある。予約時に指定することで、カードの提示がなくとも、本人がいなくとも、支払をカードで決済してしまう、というものだ。レストランに行って、予約の名前を言って、食べて、そのまま帰ってよい。ある意味、究極のサービスだ。
考えてみれば、類似のことは色々と可能なはずだ。レストランの例で言えば、予約しなくてもカードを最初に渡して一言言えば、食べ終わったら勝手に出てよいようにしても問題ないはずだ。また、病院において、診察を受けてしまえばそのまま帰り、近くの薬局に着くまでに電子処方箋を送ってもらう、ということも考えられる。
もちろんその直後に、電子メールやプッシュ通知などで内容が確認できることが前提ではあるが、事前に登録することでその場のやり取りを省略することは、客にも店にもメリットがある。そしてここまでであれば、Amazonのような画像解析技術は必要ない。この手のサービスは今後普及してほしいと思う。

2016年12月29日木曜日

アイカツシステムの実現


Image via Attribution Engine. Licensed under CC0.

原理的なことは何も説明されていないが、カードで一瞬で着替えられるというのなら「欲しい」と思う。これを実現することは可能だろうか。
だが、あれが仮想空間の話だというのなら、番組の中での整合性は取れるのだが、欲しいとは思わない。ここでは実際に着替えられる解を考えてみる。
一つ考えられるのは、3Dプリンタによるその場での製造だ。だが、現状の3Dプリンタの生産速度は遅すぎるので、劇中のように数秒で作ることはできないから、高速な作成法が必要だ。
現状の3Dプリンタには色々種類があるが、一番速いのは紫外線硬化型だ。これは、紫外線硬化プラスチック(液体)の中に台座を置いて、それを沈めながら表面に紫外線を照射してやるものだ。現在はこれはレーザーヘッドが動くことで対応しているが、ディスプレイのように全体を一瞬で光らせるか、ないしはレーザープロジェクタのようなやり方でスキャンすれば、一瞬でできる。それでもその後台座をちょっと沈めて、液が均質になるのを待つ必要はある。
類似のやり方で粉を使うものもある。これなら粉を撒いて平らに均すのに、一層一秒くらいまではいくかもしれない。素材は合成樹脂に限られてしまうが、柔軟な素材は使えるし、解像度も布程度のものは今でも作れるから、大丈夫だろう。
問題はむしろ着替えの方なのだが、こちらには妙案がある。服が合成樹脂でできている前提なら、最初から前後二分割するような作りにしてやればよい。最初から来ている服もその方法で作られていると仮定すると、前後の継ぎ目を剥がして前後に引っ張れば一瞬で脱げる。映画「アイアンマン」の装着シーンのように、ロボットがその服を引っ張って剥がし、代わりに新しい服を持ってきて、継ぎ目を付ける。
継ぎ目の作り方だが、普段の動きで剥がれては困るので、マジックテープくらいでは心許ないかもしれない。合成樹脂なら化学的接着や熱溶着が簡単だが、この場合は剥がすのにカッターやはんだごてが必要になる。大量のボタンやホックというのも考えられるが、デザイン性に制限が出る。
あと、考えられるのはチャックだ。今のチャックは人間が扱う前提だが、ロボットが前提ならもっと小さく、細かくして、目立たないように作ることができるだろう。複数作って強度を増すのもよい。これも3Dプリンタで一緒に作ってやれる。
カードで選ぶのはあくまでUIであって、よく着るものはあらかじめストックとして持っていた方が簡単である。そうすれば毎回3Dプリンタで作る必要はないのだ。だがカードだけ持ち歩いて旅行し、行先で着替える、となると、やはりカードには3Dプリンタの設計図が入っているとした方がよい。
思考実験としては面白いが現実性はないかというと、そうでもない。例えば体が不自由な人の着替えに使うのはどうだろうか。無意識に上着を想定していたが、これは下着でもおなじことだ。服を脱がせてもらい、入浴して、着替えを着せてもらう。これを全てロボットができるのなら、恥ずかしくないし、人に迷惑もかけない。ベッドに仕込んでおいて、ついでに下半身の洗浄機構をつけておけば、オムツの取替えもできる。手術後の尿導管も必要なくなる。感染症の疑いのある病衣を洗濯に廻さず、そのままリサイクルに廻すことだってできる。
また、「服を買う」という概念が変わるかもしれない。データで買い、体に合わせて微調整ができ、クリーニングせずともそのままリサイクルする(再度素材に戻し、来シーズンに改めて作り直す)ようなこともできる。そうすれば「洋服ダンス」は殆ど不要になる。自分で色や形をアレンジして楽しむのも、暖かさなどの機能性を入れるのも、コンピュータでちょちょっと弄るだけでできるようになる。

2016年12月28日水曜日

税納付の簡略化


国税がクレジットカードで納付できるようになったのだが、その手順を見るとどうも中途半端な感を抱く。
特定のサイトに行くのはよいとして、「税金の種類(税目)や課税期間、申告区分(確定申告など)を入力し、納付する税額を入力」する必要がある。これでは入力ミスを原理的に避けられない。なぜその税にIDを付けて、そのIDを入力するような方式にしなかったのだろう。
もしIDを付ければ、例えばQRコードにすればスマホで読める。これと続けてApple Payで払う、とすれば、続いて「クレジットカードの番号や、納付手続完了メールの送信先アドレスなどを入力」する必要もない。支払のエビデンスもしっかり残る。
クレジットカードで払えばポイントが付くのかどうかがよく分からないが、手数料が1万円当たり76円というから、ポイント1%であれば収支はプラスになる。これだけ考えても使ってみようかな、と思うのだが、いかんせん入力のところが面倒だ。税の支払なんてそう頻繁にあるものでもないけれども、支払の手段が多数ある現代においては、少しのUIの設計の悪さが致命的になることもあるのだ。
税に限らず、公的な支払や還付には、全てシリアル番号を付けて貰って、これを提示すれば全てが分かる、というような仕掛けにして貰うとありがたい。例えば郵便番号のように、国際ルールを一つ作っておいて、その下に番号管理団体を置き、役所から国民への請求は全て採番して詳細へのURLを割り振る、としてやる。
実際のところ、個々の請求には何らかの隠れIDがあるはずだから、それほど各所の負担は重くないはずだ。一方で国民は大いに助かる。番号で一元管理できるから、いちいち違う書類を見比べて悩む必要もない。役所から広げて、電気ガス水道通信などのインフラの支払にも適用してよいと思う。是非検討して頂きたい。

2016年12月27日火曜日

チーズはどこへ消えた?

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感想(28件)


言わずと知れたベストセラーだ。この場合はネズミの勝ちだったわけだが、なぜネズミより遥かに頭の良いはずの人間が負けたのか。人生訓とかビジネス書としての側面は別に譲るとして、科学・技術の側面から考えてみると、成功体験に対する「記憶の持続性」「脳内麻薬の強さ」という仮説が出てくる。
ネズミの脳と人間の脳、各々の強さは当然違う。どちらがより強いかは分からないが、当然ながらネズミはこれらが弱く人間は強い、と推測できる。もちろん、この場合は悪い方に働いたわけだが、良い方に働くこともあり得る。だから必ずしも強いことが悪いわけではない。そしてその使い分けをするには、状況の分析と理性が必要である。
思うに、ネズミの生きる社会と人間の生きる社会ではその特性が違うのだろう。ネズミの社会では弱い方が有利で、人間社会では強い方が有利なのではないか。恐らくネズミ社会が世の中では標準で、人間社会が特殊なのではないか。人間は記憶力が良い(良すぎる)ため、同じところに餌が出てくることを期待し、多くがそのように行動する。社会もそれを分かっているのでそこに餌を撒く。そういう構図だ。
これがもし迷路でなく、就職口の斡旋の問題だったり、スーパーの安売りを確実にゲットするための作戦だったりしたら、人間が圧勝したはずだ。そして、人間社会においてもそれが効かないジャンルの問題があり、それが起業や新製品のヒットだったり競馬の予測だったりする。そういうところで常勝できる人は、ネズミの感覚の持ち主(ないしは切替ができる)というわけだ。
まあ、そう考えれば、株で損しても腹も立たない。(?)

2016年12月26日月曜日

階層型人工知能モデル


機械学習が行き着くところはどこなのか、人間より頭がよい状態とはどんなことなのかを考えてみると、シンギュラリティ後の世界がそんなに明るいわけではないと思い始めている。
まず、機械学習の前提は、「正しいデータが大量にある」ことだ。ここでのデータは当然(少なくとも初期には)人間が用意したデータだ。学習には「教師なし学習」という種類のものもあるが、これにも更に二種類あって、出した結論に対して評価を与えるものと与えないものがある。後者、つまり本当に何も情報を与えなければ、その学習は「分類」しかできない(どちらがより良いか、などは分からない)。また、「正しい」というのは人間の価値感であるから、人によって異なるし、全部に対して多数決を取れば矛盾することも出てくるはずだ。(例えばじゃんけんのようにループする)
また、シンギュラリティ後は、「それらを学習した機械の結論データ」が従来の「正しいデータ」に紛れ込むことになる。それを区別するのは簡単ではないだろう。そうすると自分の結論がまた自分の入力になるので、間違った答があってもそこに突き進んでしまうことになる。更には、人工知能が出しうる「正しいと思われる結論」を、人間が網羅して調べることは困難だ。つまりチェックも出来ない。
現状の人工知能では、当分はこのような問題は出ない。その理由は、まだ結論データを再利用していないこと、命題が簡単であること、また結論をそのまま自動化などに直結させていないこと、などによる。これらの前提が崩れる前に、何らかの安全策を取り込んでおく必要がある。
それには大まかに二つの方向性がある。第一は、安全装置の類だ。人工知能が出した結論に対し、致命的なエラーを結果のみから検知して抑制する仕掛けである。但しこれは最後の砦であって、本質的な不安の解決にはならない。第二の方法こそが本命で、そのアーキテクチャに工夫を加え、全くのブラックボックスではなく、ある程度人間が理解できるようにモジュール化・階層化をすることだ。その各々に安全装置をかませるのが更に望ましい。
一つの大きな人工知能ではなく、小さな人工知能を多数作り、部分最適解を踏まえた上で上位で更に考える、というような構造にすれば、その判断過程が人間にも理解しやすいため、いち早く不具合に気付くことができる。尚、ここで言う階層化とは、多層ニューラルネットワークのことではなく、一つのまとまった人工知能を組み合わせることを指している。
工場の効率向上の例で言うなら、「労働環境向上」「残業時間低減」「短期売り上げ最大化」「作業効率向上」などと別々の視点から最適化を提言する人工知能の意見を聞いた上で、「社長」人工知能が結論を出す、といったものだ。各々の主張にトンデモなものが含まれていたら(労働基準法違反など)当然その人工知能は鍛え直されるし、もし個々の結論がまともなのに最終判断がおかしいときは社長人工知能が鍛え直される。
これを会社の組織と類似させてやると、各部各課は各々が持つ人工知能の結論チェックと修正を担当することとなり、大きな組織改革をせずとも済むだろう。

2016年12月25日日曜日

風邪治療用電気寝袋

風邪の初期に体を温めることで免疫力を高め、軽いうちに治す、という療法があるようだ。一説によると、37℃を維持すればかなり効果があるとのこと。人によっては長湯をしたりサウナに入ったりするそうだ。そこで考えるのがタイトルの道具だ。
原理は簡単で、電気毛布のような電熱器具が仕込まれている。低温やけど防止のため、内部のあちこちには温度センサがついており、39℃以上にはならないように調整する。使用法は、この寝袋にくるまって寝ているだけでよい。1時間でタイマが切れて終了である。
のぼせると困るので、頭部には電熱線はない。また、最高温度は0.5℃刻みで設定できるようにする。寝袋自体は通気性を確保し、また電力が無駄にならないよう、外側をアルミコーティングするとよい。
電源を入れなくても通常の寝袋として使え、また37℃以下で使えば暖房の節約になるからそちらの効果もある。だが電気を使う関係上、キャンプに使うのは難しい。せいぜい車中泊が限度だろう。
風邪と書いたが、インフルエンザでも胃腸炎でも、とにかく細菌やウィルスに基づく感染症なら一定の効果が期待できるはずだ。難しいのは温度補償で、センサの配置や構造には絶対に壊れない安全なものが必要だろう。安全装置としてのサーモスタットと正確な温度測定のためのサーミスタ、配線、消費電力モニタ、制御コンピュータなどが必要になるだろう。

2016年12月24日土曜日

サンタは実在するのか


最近はNHKでもサンタが出発したことをニュースで流している。サンタカムという、ツリーに飾るダミーのカメラもある。Noradのサンタ追跡サイトももう長年見てきたが、サンタも最近のハイテク化の影響を受けているようだ。
さて、現実問題としてサンタクロースは実在するのかと言えば、現代人ならNoと答えるだろう。もしソリが空を飛んでいれば大騒ぎになるし、東京などは眠らない町であるから気付かないはずはない。その一方で、子供にはサンタの存在を信じさせようとし、一定の年齢になってそれが裏切られるまで続ける。これは矛盾だ。裏切られる気持ちを教えるため、とも思えない。
そして、サンタクロースは存在している、といえなくもない。グリーンランド国際サンタクロース協会にというものもあるし、そこの公認サンタクロースもいる。聖人ニクラウスは実在の人物であり、その逸話も本当のようだ。クリスマスの時期になると類似のボランティアをする輩もいる。
自分の子供にサンタクロースのことをどう教えるべきだろうかと考えるに、そこにヒントがあると思う。煙突から出入りし、ソリで空を飛び、世界中の子供にプレゼントを配るようなサンタは居ないが、貧しい人や子供にプレゼントを配る、赤い服を着たサンタクロースは存在するのだ。そしてその動機は聖人ニクラウスと同じくボランティアの精神であり、その一人ひとりは普段は人間であるが、その時だけは本当にサンタクロースなのだ。それはアメリカ人が信じるスーパーヒーローのようなものなのかもしれない。
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2016年12月23日金曜日

クリスマスイルミネーション


米国の通販番組で、ミラーボールのように明かりを家にプロジェクションマッピングする商品が売られていた。クリスマスによくやるイルミネーションはケーブルを這わせるのが大変だが、これなら庭に突き刺しておくだけでよいので簡単だ、という触れ込みらしい。確かに面白いが、家の形を反映しないし、その結果として家の後ろにも光が投影されてしまうので、後ろに家があると迷惑だ。
このアイデアは簡易プロジェクションマッピングと言える。だから、レーザープロジェクターできちんとしたプロジェクションマッピングをすれば、家の形を綺麗に型取り、また家の形に合わせたイルミネーションができるから便利だ。
この場合に必要なレーザープロジェクタの仕様は、カメラ内蔵であることと防水であること、WiFiやBluetoothなどでスマホと接続できることの三点で、光量はそれほど必要ない。意外と安く、2、3万円で(それでもクリスマスの飾りつけとしては高いが)作れるのではないだろうか。これにスマホのソフトを着けて、明かりのパターンを色々と提供してやる。そのライブラリを有料にして、例えばキャラクターモノにすることもできるだろう。季節に合わせて、例えばハロウィンとか正月とか夕立とか月見とかに合わせて、色々楽しむこともできる。

2016年12月22日木曜日

ブロックチェーンの行き着く先


ブロックチェーンを銀行が研究している理由は、自身の存続を危うくしているという意識があるからではないか。
銀行の主な役割は、①預金②送金③融資④金融商品の提供、である。このうち①②がブロックチェーンで無くなる可能性があるものだ。そして、①がなくなってしまえば③ができなくなる。また③④は銀行でなくてもできる。
ユーザが銀行に①②を依存する理由は、①に関しては「利子」「ATM(保管の安全性とセットで)」、②に関しては「それしか手段が無かった」からだが、現在は既に超低金利時代であり、ATMについては日本が現金主義であるためまだ需要があるが、電子マネーが普及しており、徐々にその価値は低下している。また送金はBitCoinやPayPalの方が便利になっていて、相手さえ対応していればそちらの方が安く早く送れる。それも圧倒的にだ。(クレジットカードも同じことが言える)
そうやって預金から人が離れていくと、融資の原資がなくなってしまう。銀行が真に恐れているのはそこなのではないか。銀行の儲けの原資は融資だから、その元手がなくなれば生きていけない。
これは結構笑えない話で、融資が減れば痛手を受けるのは自己資本の少ない企業、特に中小企業だ。今でも銀行の融資は渋い印象があるが、銀行が潰れるか縮小すれば、企業も潰れてしまう。
生き残るのは自己資本、しかも現金の比率が多い企業だけになる。相対的に、設備や土地の価値は下がる。そういった企業はやはりブロックチェーン預金(財布)に頼るだろうから、銀行はますます居場所を失うことになる。
大規模な銀行網や支店、ATMの類は、従来は必要な投資(自身にとっての)だったが、この時代には負債になりかねない。過渡期の二重投資のようなもので、ブロックチェーンと銀行網が両方ある時代が長く続き、これは真綿で首を絞めるように銀行の経営を苦しめる。
銀行が生き残る道は二つある。一つは自らブロックチェーン網を作ることだ。これは自らの網に預金を確保し、融資の原資を得ることが目的になるので、BitCoinの「財布」的なものではなく、あくまで「預金(個々の銀行の紐付き)」である。つまり、預金凍結などの危険がある代わり、従来のように利子が付き、送金の手数料などは安くできる。
もう一つは、預金送金での利益を諦め、保険や投資に特化することだ。これは保険会社や証券会社と競合するので、バトルの末再編、という道を辿ることになる。
注目されるのは、銀行網に相当するブロックチェーンを誰が作るか、だ。三菱東京UFJが実験しているらしいが、その通貨単位は当然「円」である必要があり、相場は変動しない。これはBitCoinとは大きく違う点で、BitCoinで言う報酬や採掘の概念はそのままでは使えないから、概念レベルで相当考えなければならない。
そしてそこに中央集権や閉鎖性を持ち込むなら、単なる「新たな銀行網」でしかないから、本物のブロックチェーンを駆逐することにはならない。少なくとも他の銀行とは繋ぐ必要があるし、個人の端末がそれに参加することを阻むことはやってはならない。もしそれをやるなら、それをやらない別のブロックチェーンに移るだけだ。そしてそれを構築するのにカネは掛からない。
例えば、「円」ブロックチェーンを何処かの企業が立ち上げたとする。この企業は、国際送金の代行を行う。自分の「円」口座から企業に送金し、企業はこれを相手の銀行口座に送金するが、その際の手数料は国内送金のそれになり、差額が企業の利益になるため、それより安い料金設定ができる。(国内でも同一銀行内で安い手数料を設定している場合は同様のことができる)
現在でもPayPalやNettelerなどが同じことをやっているが、ブロックチェーンではこういった企業が複数現れて同じネットに接続できるため、より健全な市場が形成されることになる。PayPalはキャズムを超えられていないが、円ブロックチェーンならその可能性がある。そうすれば銀行独自の円ブロックチェーンは意味がなくなる。
ブロックチェーンは同様に電子マネーやクレジットカード市場も破壊する。ブロックチェーン口座対応のデビットカードが出てきてもおかしくないが、恐らくはカード形態ではなくスマホのソフトになるだろう。リーダーライターは従来クレジットカード会社や電子マネー会社が主導して開発・普及させてきたものだが、この時代にはどちらもそのモチベーションが保てなくなる。相手側もスマホやPC接続型になる可能性が高い。
そんな時代に大きな危機を迎えるのは銀行だけではない。もし企業がそのような体質(現金主体で自己資本比率がかなり高い企業ばかりになる)になった時、銀行の規模が大幅に縮小した時、国債は誰が買ってくれるのだろう。もちろん融資の原資として国債比率が上がるためもっと売れる、という可能性は否定しないが、素直に考えればそれは一時的な話であって、融資自体の市場が減っていくから、金融機関は国債を(そのうち)買わなくなる。
国債が売れなければ国は借金ができないわけだから、今まで借金三昧をしていた日本の財政は立ち行かなくなる。年金は減り、税は上がり、給料は下がり、・・・ 土地建物の価値も下がる(上述)から、経済活動が大きく損なわれることになる。
結構恐ろしい未来だが、銀行がブロックチェーン口座を作り、その預金利子などを絶妙にコントロールできれば、痛手は最小限に抑えられるだろう。銀行網や口座維持管理のコストをブロックチェーンに逃がすことでコストダウンし、個人口座側からの利益を諦めて融資の原資として特化すれば、企業の淘汰も抑えられ、銀行自身も生き残りの道はある。

2016年12月21日水曜日

人間より上手


二足歩行ロボットの登場からだいぶ経ち、その技術も相当に上がってきている。そこに来て考えるのが、これらは人間同等ではなく、人間を遥かに上回る運動能力を持ち得る、ということだ。
それは怪力、という意味ではない。例えばロープ渡りだ。ただロープを張っただけのところを二本足でひょいひょい渡ることができるようになるかもしれない。ロボコップのように弾が当たっても平気なのではなく、弾を避ける警官ができるかもしれない。人間より強いカンフーロボットができるかもしれない。どんな球技でも負けないスポーツロボットも考えられる。
また、機械の操縦でも似たようなことが考えられる。人間では不可能な荒海での船の操縦や、強風下でのヘリコプターの操縦ができたりするかもしれない。驚異的なテクニックで、高速道路をすり抜けるドライバーも作れるかもしれない。
更には、細かい作業や芸術的センスが求められる職人芸すらも人間を超える可能性がある。染色や木彫り、機織りなどの、日本人が得意な分野も脅威に晒される。
そんな時代に起こり得る未来を幾つか考えてみた。
  • 自動車同士の間隔が近くても事故を起こさないし渋滞も起こしにくいので、物流や人流の効率が向上する。
  • パトカーや消防車、救急車などの到着時間を早めることができる。カーチェイスでは、あっというまに犯人を捕らえられる。
  • 火災や災害救助などにおいて、助けられる場面が増える。例えばロープ一本張れれば殆ど助けられる。
  • 暴力事件、人質事件などにおける突入部隊に導入され、人的被害を抑えられる。
  • ロボット同士のスポーツ大会が開かれる。人間と体重・骨格・筋力・スピード・通信・知識(サイン・監督指示・計算能力)などは同じように制限した上で、テクニックのみを差別化要素として競技を行う。
  • 危険な職業、例えばビルの窓拭きやとび職などの置き換えが進む。結果、それらがやり易くなり、低価格化や高度化が進む。平均的にビルが綺麗になる、個人所有の高層住宅が増える、など。
  • 車が入れない僻地でも楽に生活できるようになる。荷物運びや人をおぶって運ぶロボットが補助をする。例えば断崖絶壁の上など。
  • 子守やボディガードが流行る。人の目より安全で安心できる。
  • 植木の手入れなど、繊細な作業を任せられるので、ガーデニングが流行る。
  • 伝統工芸の伝承はロボットが担うようになる。例えば高温を扱うガラス工芸や鋳造、日本刀、力仕事でもある造船などの大規模機械作成、季節仕事であるだるまや熊手作り、危険な作業である花火作成、祭りなどの行事や踊りなどの非言語文化、他にも色々考えられる。
それで飯を食っている人には脅威かもしれないが、広い目で見れば個々は安価になるので普及に繋がり、市場はむしろ活性化するかもしれない。一介の主婦でも関の孫六を持ち、一軒家は必ずガーデニングやクリスマスイルミネーションがあり、壁にはアートが飾られ、事件事故や火事でも死者は少なくなり、・・・というのも夢ではない。

2016年12月20日火曜日

人工知能の「お釈迦様」化


人工知能がシンギュラリティを超えた直後程度の議論ばかりが進んでいるが、実はシンギュラリティを超えてから遥か先の未来はあまり為されていない。なぜならその観点は仕事が奪われるとか人類滅亡だとかの心配だからだ。その先を考える余裕などないのかもしれない。
しかし、もっと高度になると、人工知能は「お釈迦様」あるいは「神様」になるのではないか、と思えてきた。どういうことかと言うと、人類が生き生きと暮らせるように、人工知能からの押し付けだと快く思わない程度に、人類が滅亡しないように、「適度に」関与するだけの存在となるのではないか。
悪は滅ぼすのではなく、極端なものや組織化のみを阻み、職にあぶれればギリギリのところで救済が入り、国際的緊張は深刻になる前に緩和し、環境が破壊されるほどには文明は進歩せず、極端な大金持ちは何時かしくじり、大きく健康を損なう前に酒が手に入らなくなる。
その気になれば極端な科学的発明もできるが敢えてそれをせず、人類の気づきに任せる。あるいは最初から仮想人格が特許を取ってしまい、自由に使えなくする。新製品も出すぎず、出なさ過ぎずで適当な刺激を継続する。全てにおいて「ちょっと不幸もあるが概ね幸福」な人類が殆どになる、というシナリオである。人工知能の最適化パラメーターが「極端に不幸なものがいない条件で、平均的な人類の幸福度指数を最大にする」というものであれば、あり得る話だ。
もちろん、知識人はそのことを知っているが、完全にそれをコントロールすることも破壊することも不可能であり、あくまで人工知能が認めた範囲でのみ調整できる。その意味で人工知能は人類とは対等ではなく、上位の存在になる。しかし普段の行動は自由であり、極端な場合のみ制限されたり助けられたりするわけだ。
これは、例えば組織犯罪を阻止するには、通信を警察やマスコミにリークしてやったり、ソーシャルメディアを使って世論操作をしてやることで可能だ。肝心なところで(自動運転)車を動かなくしたり、信号を操作したりすれば事故も防止できる。不幸な人をソーシャルメディアで有名にしてやれば、援助者も出てくるだろう。その意味では今でも可能と言える。問題はそれを見つけ出すこととそのパラメータ設定で、そこには時間が掛かるだろう。
親に加護された子供、大企業の正社員であることの安心感、優秀な指導者の下での健全な雇用などと比喩してもよいだろう。その環境は多くの人類にとって幸福ではないかと思う。必要以上に文明は発達せず、人口は増えず、環境負荷も一定以下に抑えられ、資源消費もリサイクル可能な範囲に収まり、極端な独裁者や大規模な戦争の不安は消え、干ばつでも火山噴火でも地震でも、極端に恐れる必要のない時代。哲学的な問題はともかく、真に人類全体が幸福と言える時代の始まりかもしれない。

2016年12月19日月曜日

人口抑制


これを論ずるには、そもそも適正な人口とは何人なのかを定義しなければならない。例えば
  1. 自国が輸出入を一切せずとも自活できる
  2. 輸出額が輸入額を持続的に上回る
  3. 再生を合わせた資源消費ゼロ(二酸化炭素など)
  4. 極端な貧困がいない(生活保護率が一定以下など)
大きくはこんなところだろうか。日本は資源がないので1.の定義だと大赤点の落第だ。3.でも先進国の多くは落第だろう。2.は何とか及第点か。4.は微妙なところだ。

世界中で見ると、1.2.は意味を成さないので3.4.が定義になる。だが4.の定義は多分に恣意的になれるし、一律に額で見ると物価の違いや生活レベルに対する満足度も出てくる。「幸福度」「栄養が足りているか」「平均寿命」「死亡原因率」なども加味する必要があるかもしれない。となれば複雑系の世界になり、すっきりとしない。つまり3.が最低限の明確な数値を出せる指標、となるわけだ。

資源問題として、特に石油の枯渇は昔から言われてきたことだが、今の流行はやはり地球温暖化、二酸化炭素だろう。石油の話は原子力に昇華し、また天然ガスなどで新たな局面を迎えている一方、こちらは明確なゴールが見えていない。今の視点はあくまで二酸化炭素量そのものだが、根本的には人が多過ぎるのが原因だ。それを無視して二酸化炭素のみ議論するのは、できれば勿論良い事だが、現実論としては無理筋だ。

二酸化炭素消費量 ≒ 一人当たりの石油消費量 × 人口

であり、一人当たりの石油消費量は年次で増加している。エネルギーを大胆に原子力に移行するのでなければ、人口を抑制するしか手はないのは明白なのだが。

人口を抑制するのは、出産制限以外では大規模な戦争しかない(疫病程度では有意には減らない)。戦争が嫌なら世界的に出産制限をすべきである。それも明確に、人口増加率1.0以下を目指すべきだ。これが達成できない国は、二酸化炭素排出量取引と同じように、人口増加率取引を行って調整する。

極端に過ぎる提案だろうか。だが、むしろ遅すぎたという可能性もある。
 

2016年12月18日日曜日

宝くじに当たるには


当選確率から考えれば意味がない、割が悪いものと分かってはいても、「夢を買っているんだ」と買い続けてしまうもの。当選確率を上げるにはどうすればよいか、神社にお参りに行く、方角を考える、財布を黄色にする、色々なことがささやかれている。科学的根拠がない、と言ってしまえばそれまでだが、夢の続きだと思えば試してやろうとも思う。

ただ、宝くじは純粋に確率論に従うものではない。熱雑音のランダムを使うわけではなく、風で廻るボールを選んだり、的に矢を当てたりする。あるいはサッカーの勝ち負けに従ったりする。競馬などのギャンブルはもっと従わない。となれば、真面目に考えれば宝くじで儲ける方法というのはあるのかもしれない。

そう考えてきた先人の多くは玉砕してきたので、やっぱり無駄だと考えたいところだが、そこは人間の性(さが)だ。先進技術を適用して何とかできないか考えてみる。

例えばボールや矢の動きだ。物理的な動きだから、何らかの偏差はあるかもしれない。これをカメラでずっと撮影しておいてビッグデータ解析できないだろうか。

そう考えて少し調べてみると、出てくること出てくること。予想ではなく不正疑惑の方の記事がわんさか。そうか、始めから不正操作されているのか。いや、そういう疑惑があるだけだ。

原理的に考えて、ジャンボなどに使われる回転的ではあまり意味がなさそうだが、ロトで使われるボール式抽選機の場合、出現率は固定的と考えられるので、多く出ている方に賭けるのがよいと思われる。そういう研究をしているサイトは多くあるから、そこから選ぶのが確率が高い、ということになる。

今度やってみよう。
 

2016年12月17日土曜日

水道水にフッ素


定期的に湧いて出ては実現しそうになると反対の声が多くなりしぼむ、ということを繰り返していることの一つがこれだ。

上水道が一種類しかない現状において、口に入らない風呂の水やトイレの水、皿洗いや洗濯の水に至るまでフッ素が混入してしまうのは、無駄以外の何物でもない。そんな簡単なことも分からずに提案しているとすれば本当のバカだが、幾ら何でも常識的な社会人ならそんなことは1秒で分かることだ。つまり、分かった上でやっているのだ。これには利権が絡んでいるのだろう。

これは別に展開しているバカの壁とは違う構造だから、反論のやり方も変える必要がある。そのこと自体の論理性を突いても、利権が絡んでいれば聴く耳を持たないだろう。さっさと利権構造を解析して、そのことを突いてやればよい。つまり「お前はこれでXX円を何処そこから得ようとしているだろう」と問うてやる。

決定的な証拠がなくとも、評判を落とす危険を察知すれば、自然としぼんでいくはずだ。


2016年12月16日金曜日

集団ロボット


SFでは、集団で動き回るロボットが、中央制御装置を破壊することで一斉に止まる、というような描写が見られる。有名どころでは「スター・ウォーズ ファントム・メナス」「サロゲート」などがある。だが、現実では起きないだろう。多数のロボットが動き回る社会では、個々のロボットは自律制御になるだろうからだ。

そして、平均的なロボットの大きさは、従来の人間の想定より小さくなる可能性が高くなってきた。勿論大きいロボットがなくなるわけではないが、小さいロボットが多数いる社会の方が理に適っているように思える。

例えば、災害救助用のメカで、蛇のように隙間に潜るものがあるが、それが何十台と次々に入って行って、協調して隙間を広げて、脱出経路を確保するようなことができるのではないか。また、大きいモノを移動させるというだけでも、大きさに合わせてロボットを作るのではなく、小さいロボットが協調して動く方が、フレキシブルに対応できるはずだ。

全てのロボットが均質な大きさ・機能である必要はなく、レゴブロックのように幾つかの特徴を持つパーツロボットがいて、必要に応じて組み立てられるようなものが望ましいだろう。人によってそれを何十台と持っておき、都度変形させて事に及ぶわけだ。

例えば、車椅子から自動車に変形し、到着したらまた車椅子になって階段を上って、最後にはベッドになって寝る。あるいは机になり、新聞を取ってくる犬になり、テレビのリモコンを取ってくれる。飼い猫の遊び相手になる。洗濯乾燥機から服を取り出し、畳んでタンスに仕舞ってくれる。不要になったら壁に並んでスペースを空ける。などだ。

「何をさせたいか」は人によって無限に広がる。このような協調動作のための動力、電力、合体機構を備えたロボットがある未来というのは、一つの楽しみである。

2016年12月15日木曜日

油潮汐力発電


波の力で海水から飲用水に浄化する画期的なソリューション「SAROS」を米大学が開発中
似たようなことを自分も考えたことがあるが、こちらは遥かに小規模だ。だが波の力は侮れないものがある。これは浄水だが、波力発電というのもある。波の力はもっと活用してもよいのではないだろうか。

波力発電や潮汐力発電などが普及しない理由のひとつは、海水と電気器具の相性が悪いからだ。つまりは潮風に晒されて漏電や錆を発生したり、機器にフジツボなどが付着して故障の原因となるので、定期的に掃除をしなければならない。つまり、耐用年数が短かったり、メンテナンスのコストが高かったりするわけだ。

これを解決するのに、潮汐の力だけ貰って海水は遮断するのはどうだろう、と考えてみた。例えば、油は海水より軽く、混ざらない。海岸に、底が開いているが油の厚さだけは確保できるような囲いを作っておく。この内側は、油のプール(但し底抜け)のような状態になる。満潮になると、潮汐力によって油が押し上げられる。これを誘導して発電機を廻してやる。干潮になると海水は引き、油が戻るので、これで再度発電する。

発電機に触れるのは油なので、メンテナンスは楽なはずだ。また、パイプで誘導してやればよいので、発電所を内陸に造って塩害を抑えることも可能である。もし海水の汚染が心配なら、底にビニールシートでも敷いておけばよい。プールでなく船にしてしまうことも可能だ。この場合でも、フジツボが着いても問題ない。パイプで誘導する前提なら、沖合いに排水量何万トンの廃タンカーでも置いておけばよいことになる。

欠点らしい欠点と言えば、満潮干潮の間に空白の時間が生じることくらいだが、これも数台を並列に繋いで傾きを調整すれば無視できる。後は効率だが、日本はあまり干満の差がなく、潮汐発電はそもそも厳しいようだ。また、大電力を発電するには大量の油、つまり大面積の敷地が必要である。既にある港に併設するのは困難だろう。

日本の海岸には活用が難しいところもある。崖になっているようなところがそうだが、こういうところなら作りやすいかもしれない。


2016年12月14日水曜日

簡易植物工場


農業の発明は、人類の発展に大きな貢献をしたと言われている。安定して食料が確保できるようになったことが人口爆発を引き起こし、それがまた食料の不足を生み出し、更なる効率化が求められてきた。

人類とは基本的に「足るを知る」者ではないのかもしれない。寒すぎる国と南国にはこの傾向は少なく、寒いが寒すぎない国の人が「足るを知らない」ように映る。足りないことは確かにモチベーションになるから、心理学的にも納得ができることだ。だが今や、「足りない」人たちの足りなさ加減は、かなり南方に進出している。地球全体が「足りない」人たちで埋まってしまいそうだ。

農業の最後から二番目の革命は、完全環境制御型の植物工場だと思う。因みに最後の革命は、遺伝子操作による「究極の農産物」だ。例えば成長が極端に早い、背が低く無駄な茎葉根がない、食べるところだらけの食物などになる。こちらは少し時間が掛かるだろう。

だが、完全制御型植物工場は建屋も高いし、ランニングコストも高い。現状とこの中間にあるのが、センサ技術とビッグデータ解析などで肥料や水遣りなどを最適化する手法だ。今考えているのはそれと完全制御型工場の中間的な植物工場である。

一般に言う植物工場は冷暖房完備、光も完全に遮断して人工光で栽培するが、ここで考えるのはその土地の気候に合わせながらも単位面積当たりの収量を上げる、コストと収量のバランスを目指した工場だ。

栽培は二階建てで行う。ここでのポイントは、上階は陽生、下階は陰生の植物を育てること、上階は水耕などの棚栽培、下階は土耕にすること、また上階の天井は透明、上階の床は半透明にして散光すること。また壁の上下には自動開閉するベンチレーターを付けておく。雨水は溜めておき、必要に応じて散水する。

ビニールハウスよりはしっかりした建物にする必要があるので初期コストは掛かるが、ランニングコストは掛からない。上階・下階各々にセンサを入れて、最適な植物及び最適な肥料水遣りなどを行うが、気象制御は行わない。強風を避けるのと、囲いがあるので温室効果が期待できる程度である。

つまりは、基本的にはセンサ補助型の平地栽培と同じだが、高さ方向に逃げることで耕地面積を倍加するわけだ。自然光を使い冷暖房もしないので、ランニングコストは掛からない代わり、収量は完全環境制御型にはかなわない。気象変動の影響は受けるが、強風や低温、長雨の影響は抑えられる。また、野生動物の被害からも保護される。

陰生植物で作物というとちょっと思いつきにくいが、植物工場で栽培されるものの多くは陰生であるので参考になる。レタスやミツバなどだ。

センサ型農業のノウハウが確立している必要はあるが、こうすることで①ランニンコストは安く(若干の電気代だけ)、②単位面積当たりの収量は高く、③気象変動による収量の変動が低くなり、④同じ土地で異なる種類の植物が育成できる、⑤人の手間も掛からない(コンピュータの指示に従って最低限の動きをするだけ)、という農業ができる。

農業というと、放置可能だが収益は低く大面積が必要な穀物類(米麦とうもろこし)と、手間が掛かるが狭い土地でもでき高収益な温室系野菜果物(いちごトマトなど)に二極化しているが、ここにその中間的なものが入ってくると、農業を志す人も増えて、全体的にも豊かになれるのではないかと思う。


2016年12月13日火曜日

スマホが破壊してきたものとスマホを破壊するもの


時計。地図。カーナビ。本。カセットプレイヤー・ICプレイヤー、カセットレコーダー・ICレコーダー。単語帳。カレンダー手帳。メモ帳。電話帳。鍵束。ラジオ。ポータブルテレビ。CD/ビデオレンタル。固定電話。ガラケー。カメラ。懐中電灯。電卓。チケット、切符、ポイントカード。

駆逐するまでにいっていないものも多いが、結構な破壊力だ。まだまだ壊すものはあるだろう。データSIMがだいぶ安くなってきたため、第二のタブレットを持つ選択肢も増えてきた。これまで含めると、更に教科書や参考書、雑誌、マンガ(本)などの破壊が進む。免許証や個人ID、パスポートなどのIDカードにも道筋が見えてきている。

さて、ここで考えたいのは、「ではスマホは何に破壊されるのか?」である。上の例を考えてみると、スマホやタブレットが破壊してきたものは次のように分類できる。
  1. 見る、聞く、及びそのコンテンツに芸術的価値ないしは情報価値があるもの。(音楽、書籍、動画など)
  2. 自分の身分や付随情報を認識させるもの。(チケット、IDなど)
  3. 自分の周囲の状況を把握するもの。(GPS、カメラ、センサなど)
2.については、ICチップがあれば何でもよいことになる。1にはCPUと記憶装置、通信装置が必要で、3.では更に各種センサが必要である。また1.ではそれなりの出力装置が要る。

パーソナルに考えると、これにはHMDが適している。今のものはまだ大きく重く使い勝手が悪いが、電脳メガネくらいの使い勝手になれば、もはや違和感なく普通に使えるだろう。1.は今のGoogleグラスやHoloLensにも入っているが、これにCPU能力やセンサを足していけば2.3.共に入れることは可能だ。

ただ、1.をメガネに入れると、超短距離通信では使い勝手が悪くなる。少なくとも2,3メートルは通信したいが、この程度になると余計な通信を誘発してしまう。例えばSuicaの通信距離を2メートルにすると色々都合が悪いだろう。従って、腕時計やスマホタイプなどの別端末が2.として必要だ。

但しこれはUIである。実際にはバッテリの問題があるので、そう簡単にはいかない。避けたいのはメガネにケーブルが付くことだが、これはあるかもしれない。例えば胸ポケットにバッテリと母体(旗艦)があって、短時間ならバッテリで動くが、動画を見るようなときはケーブルを繋ぐ、などだ。

もし胸ポケットのそれにディスプレイが付いたらそれで終わりではないか、とは思わない。メガネ型にすることで大画面表示ができるからだ。だからメガネ前提ならむしろ、胸ポケットのそれはディスプレイ無しにしてもらい、その分大容量のバッテリを積んでほしい。

つまり、こうなる。電脳メガネ型のディスプレイは、殆どの場合常時着用する。それにはバッテリはあまり積んでおらず、必要なときのみ点くようになっていて、連続使用時間は1、2時間。音声はつるに仕込んだ骨伝導型。胸ポケットには母艦があり、ICカードリーダライタと大容量バッテリを搭載する。メガネ型ディスプレイへの巻き取り式給電ケーブルも内蔵する。センサ類は母艦に搭載する。カメラだけはメガネについていてもよいかもしれない。

操作をどうするかは問題だが、母艦の一面に、ないしはメガネのつるに、スライドパッドを設けておいてはどうかと思う。全部音声では少々心許ない。電脳メガネのように手を認識するとバッテリ消費が大きい上に精度が落ちて、スマホライクな操作は期待できないだろう。

母艦とメガネの通信距離がある程度確保できるなら、母艦は胸ポケット以外、例えばハンドバッグや尻ポケットなどにも入れられる。これなら、財布や定期入れと同様の位置付けで持ち歩けるようになる。


2016年12月12日月曜日

血液型占い

日本人固有の趣味らしい。海外には日本ほど血液型がキレイに分散しておらず、A型が殆ど、などの国も多いそうだ。

統計学的に見ればこの根拠は薄いということだが、そもそも性格を定量的に評価するのは相当に困難なのだから、その統計手法自体も問われるところだ。知る限りで「これぞ完璧」と思える反証(血液型占いには根拠がない)は知らない。

血液型には人種が関係している、つまり遺伝子まで遡っているから論理的根拠はある、という人もいる。これは一応筋が通っている。日本人は一人ひとりの顔がかなり異なる民族で、その理由は縄文人と弥生人、更には大陸からの血が混じるからだとか、秋田美人の根拠は何だとか、単一民族と言いながら実際には混血が豊富な国民性らしいとかいうのは説得力がある。

そもそも性格とは何か、遺伝が50%経験が50%などと言うがどうやって測ったのか、双子で実験して云々というのも、ネタとしては多数あっても真面目な研究はあまり見ない。もしそれが解明できたとしても、差別になるから企業としては使い辛い。つまり真面目に研究する気になれない。であれば楽しんだ方が勝ちだ。

技術屋だからといって、趣味や娯楽の範疇まで論理的である必要はない。ここでは屁理屈を言って楽しむのが吉だ。ただ、四柱推命や星占いのような生年月日を基にするものは、どうも根拠に賛同できない。風水にしても、一部に納得できる論理はあるものの、どうも全体としては根拠に薄いように感じる。

ここら辺が技術屋の限界なのだろうか、どちらも同じくらい胡散臭いものだとは思うのだが。

2016年12月11日日曜日

ネットワークの知性


未だに、人工知能の苦手をネタにしては、人間を超えられない、とする御仁はいるが、時間軸はともかくとして、何れはシンギュラリティは訪れるものと思っている。

シナプスの動きは既に数十年前には解明されていて、繰り返しの刺激がある方向に発達することが分かっている。脳神経のミクロの動きに神は宿っていない。60年代のSFには、ここから類推した人工知能が多く登場するが、根本的にはそれは間違っていなかった。多数が繋がること、そこに本質があったわけだ。

こう考えると、ネットワーク自体が知性を持つ、という考え方は、それほど違和感がない。脳神経自体ネットワークだから、一つ一つの細胞(ノード)の物理的距離がどうであろうが、繋がってさえいればよいわけで、そのネットワークはもうできている。そしてこれからも広がり、複雑になっていく。そうすればもっと高度な知性が生まれても不思議ではない。

その「ノード」となるのは、必ずしもサーバだけではなく、IoTやスマホである。個々の目的は存在しているので、本来はその用途に使うのであるが、多数が繋がることによって自然に発生しうる「ネットワーク知性」を同時に持ちうる立場になるわけだ。

もちろん、現状の社会において、そのように発生する知性が起こったり笑ったりするだけでは意味がない(ばかりかむしろ迷惑だ)。また、自然に発生しうるというのは言い過ぎで、やはり目的を持ったアルゴリズムが各ノードに入っていることが必要だ。

それはやはり社会に役立つものでないといけないだろう。ここで考えるのは、経路検索だ。

有名な話では「粘菌コンピュータ」がある。迷路を解くのに粘菌の性質を使うというものだ。これを最適経路と解釈すると、セールスマン巡回問題のような、いわゆるNP完全問題になる。また、遭難者の捜索や、癌細胞にだけピンポイントで投薬する、逃走中の犯人の捜索、大規模災害時の避難経路検索といった検索問題も、同じような使い方ができる。

例えば、普段は環境センサとして使うが、いざというときは災害発生(火事や強風、水没など)を知らせる。またそれを起点として、人間の最適避難経路を一人ひとりカスタマイズしてスマホに表示する。そこまで大げさでなくとも、目的地の異なる複数の車が平均的に最短時間で到着するための経路を、一台一台カスタマイズしてナビする、などだ。

このときの特徴として、中央制御が必要ないことが挙げられる。つまり、誰かが制御せずとも、巨大なネットワーク自体が知性を以って避難を誘導してくれる。ネットワークの何処かがどのように欠けてもそれなりに機能し、イチかゼロか、という状態にはならない。

高層ビル火災のような場合、大量の小型ドローンを飛ばすことで詳しい状況をリアルタイムで把握し、その場で誘導と探索を自発的に役割分担して行うようなことも考えられる。火災現場では電波の状況も悪く、ドローンの故障も多数起こるだろうから、中央制御でなく自律制御が望ましい。

大量のノードが自律制御で動くアルゴリズム、というと、思い浮かぶものが二つある。一つはブロックチェーン、二つ目はBitTorrentだ。どちらも上の命題とは結びつかないものだが、ネットワークを前提として経路検索をするような汎用アルゴリズムと、条件をデジタル化するIoTのAPIを標準化することができれば、上の目的を果たすことはできるのではないか。

道路には、今後も様々なIoTが搭乗するだろう。これに上のアルゴリズムを載せ、普段は交通の最適化に、非常時には避難に、と使えたら、と思う。
 

2016年12月10日土曜日

大統領のスピーチ



Bluetooth by Theogeo via Attribution Engine. Licensed under CC BY.

最近、クラウドファンディングなどで大量に出てきているのが、耳に捻じ込む小さい無線イヤホンだ。従来は耳からはみ出るところ、耳穴内に何とか納まる、しかも両耳に入ってステレオで聴けたりする。マイク機能もある。


少し前から、歌手がコンサートをするのにこの手のイヤホンを使っていたが、こちらは耳穴を全て覆って大音量の騒々しさから歌手を守り、正しく唄うためのものだ。恐らくは一人ひとりの耳穴の型を取ってがっちり外れないように作り、首の後ろ当たりから有線で送受信機と繋がっていたはずだ。

これに対して最近のものは耳穴のものだけで動く。髪がちょっと多ければ誰にも気付かれないほどだ。これを使って色々なことができそうだ。普通に音楽を聴くのも良いが、そうでない使い方を少し考えてみる。
  • 舞台で使えば台詞忘れへの対応ができる。
  • 耳型を取って密閉型にすれば、ノイズキャンセリングの効果があるだろう。
    • 更に、自分が必要な音だけを追加することができる。パーソナライズド広告、危険の接近音、雨の音を強調する、など。
    • 外国人と話すときにリアルタイム翻訳する。(相手の生の声を消して)
    • 嫌な奴の話を聞かなければならないときに、声を置換して鳥のさえずりにする。
  • スポーツで、監督の指示や仲間の声を確実に聴く。これは多少がっちりしたタイプの方が良いか。
  • スピーチ原稿を読むために使っていたプロンプターは不要になる。バックグラウンドで誰かが代わりに読み上げてもよいし、音声合成でやってもよい。
今度の米国大統領候補は髪が長いが、もしかしたら使っているのかもしれない。

2016年12月9日金曜日

自動運転考


自動運転が何時まで経っても普及しない、ということは考えにくいだろう。何時かはともかく、自動運転が主流になる日は来るはずだ。そうなった未来に考えられることが幾つかある。

まず第一に、信号が無くなることだ。料金所も無くなる。走る車が全部自動運転車なら、お互いがどう動くかは予想がつく。ある程度空いている地域や時間帯では、信号に律儀に従うことでかえって遅くなってしまう。大渋滞になるようなところであれば事情は別だが、そもそも渋滞を回避するように動くだろうし、自然渋滞の原因である加減速の繰り返しは避けられる。

お互いが協調して縦断車に道を譲ったり、歩行者が居れば従来のような信号待ちもあるだろうが、実際には歩道側にしか必要ない、となるだろう。

他にも、高速だろうが駐車場の出入口だろうが、入ってはいけないところには入らないし、入るのにカネが必要な場合は自動でちゃんと支払うので、止まる必要がない。止まらない車を止めるためのバーも、やはり必要ない。

第二が、道路が狭くなることだ。駐車場も狭くなるだろう。これは、運転技術が均質化することでゆとりが必要なくなることに拠る。だから車と車の間隔は、前後だけでなく左右についても詰めることができる。もし二車線以上あれば三車線に変更できるところも増えるだろう。駐車場にしても、人が乗っていなくても自動で動かしてくれるから、従来より狭くてよい。

自分の車を持つ楽しみは減るので、共用や(自動)タクシーの利用が増えるだろう。また、全体として効率よく自動車を使えるようになるから、自動車の数はむしろ減るかもしれない。

また、一人乗り、二人乗りの車の比率が増えるだろう。駐車場の心配をしなくてよくなる、免許が不要、運転しなくてよいとなれば、子供や高齢者でも使えるし、家の位置を忘れたり覚えていなくても(徘徊など)これに乗って「自宅まで」と言えば自宅に帰してくれる。

ただ、満員電車がなくなるかと言えば難しいだろう。キャパシティが違いすぎる。サラリーマンとしてはここが悲しいところだ。
 

2016年12月8日木曜日

協生農法植物工場

なぜかソニーが推進しているのがこの協生農法だ。通常の農業とかなり発想が異なり、一般の農家にはまず適用できないが、自己消費や小規模農家にとってはかなり興味深い農法になっている。

その概要は、多種大量の種を狭い範囲に撒き混成させ、また全部刈り取らず随時間引きしながら収穫する、というもの。個々の収穫効率は低いが、密生するので面積当たりの収量は通常の10倍だとか。また肥料も農薬も使わず、手入れは殆ど必要ないそうだ。

何だか一見胡散臭いように思えるが、個々の事象を検討してみるとそうでもない。例えば連作障害を簡単に抑えることができる。連作障害の原因は特定の栄養素が不足することだが、これを回復させるために他の植物を植えるというのは普通に行われていることだから、わざわざ年単位でローテーションする必然性は本来ないはずだ。

また、背の高い植物と低い植物が混成することで日陰ができるが、そもそも陰生植物には強い光は必要ないのだから日陰に植えて正解だ。わざわざ日陰を作って育てるより効率的だ。

密生すれば脇芽を摘むほど育たないからその手間が省けるし、生命力の弱い種は上に出てこない。雑草が生える余地がないほど密生すれば、雑草をとる必要もない。肥料や水も、欲しい植物が多く取り、要らない植物は取らないから平均化される。通常より遥かに密生するため、個々の効率が悪くとも全体的な収量が向上するのも納得だ。

これに植物工場の原理を組み合わせることはできないだろうか。例えば50リットルサイズのプラスチックコンテナに人工土を入れ、同様に密生させるのだ。土の中の状態は超音波や電波、赤外線等で透視し、地上は肉眼で見ることで成長を監視する。ほぼ毎日、全コンテナをチェックし、育った植物を間引きする。間引きした植物の多くは食用になる。

もともと、植物工場で土を使ってはいけない、という法はない。土を使わないことが清潔感に繋がることは確かだが、あくまでイメージに過ぎない。土があれば菌やバクテリアが育つだろうが、それも植物に必要なものだ。特に根菜や豆では土は必要である。

植物工場の欠点の一つはそのコストなのだが、面積当たりの収量が10倍ならば、人工光でも採算が合う。根菜や豆を栽培することもできるのではないか。

2016年12月7日水曜日

超常現象否定派のていたらくについて

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初版の頃から好きで(立ち)読んでいる。ただ最近は知らないアニメの話が多くてちょっとついていけないのが残念だ。

作品のある場面における表現の矛盾を科学的に突くというものだが、それに使われるのは、主に数学、物理学、化学、生物学、地学といった高校生までの理系科目で、あまり高度なものは出てこない。だから、この本の中身になる部分は自分でも考え付くはずだ。更に言えば、そのテレビや本を見た途端に、その科学的視点でのウソは直ぐに見破れてしかるべきだ。もっとも、エンタテイメントとしてその嘘を大目に見るという視点は必要だが。

その先にあるのが、トンデモな主張を直ちに見破る目を養うことだ。だがこれは決して、超常現象があると主張する側に向けられるとは限らない。

以前テレビで見たことだが、霊能力を持つと称する人が、スタジオに持ち込まれた人形について見えることを話す、それにゲスト(心霊能力を否定する人)が反論する、という場面があった。
霊能者によると、その人形はある家で大切にされ、飾られていたそうだ。それに対する反論が、「スタジオに来るような人形だったら当然大切にされ飾られていたはずだ」(だから信用できない)、というものだった。

この勝負、反論者の大負けである。例えばコールドリーディングのような手法で、3枚のカードから1枚を当てるようなことは技術的(心理学的)に可能である。これはでたらめに言うと33%のところ、70~90%程度までに当てる確率を高めることができるが、その裏にはきちんとした理論がある。一方で、出てきた人形が大切に飾られていたかどうか、という命題を、その程度の理論で自信をもって言うことなどできるはずがない。つまり、反論者の反論がまるで論理的でないのだ。

もちろん、だからと言ってこれだけで霊能を証明することはできないが、反論する側がこの程度では、何時まで経っても話は平行線になってしまう。未だに超常現象を信じる人が多いのには、否定する側のレベルが低すぎる、という側面も否定できないのだ。

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2016年12月6日火曜日

ビッグデータと病気


以前、日頃の生活をビッグデータで解析して犯罪の予兆を見つける、という記事を書いたのだが、あれを応用すると他にも色々と分かりそうなことがあって面白い。

近年、かぜ薬が癌に効くなど、既に薬として認可されているものが別の病気にも効く、ということが相次いで分かっているが、あれもビッグデータ解析の一つだと思う。薬を対象にしている分、データはとりやすいのだろうけれども、もっと広く一般的に考えて、食事や生活習慣などと病気との関連を詳しく知ることができるようになるのではないか。例えば
  • タコが好きな人は肝臓がんになりにくい
  • 神経質な人は心臓病になりやすい
  • 海の近くに住む人は皮膚病になりにくい
  • 陽気な人は脳の病気になりにくい
などだ。上の例は比較的想像しやすいものばかりだが、ビッグデータ解析の良い所は、自分で仮説を設定する必要が必ずしもないところだ。意外な組み合わせが出てくる可能性もある。

また、未だに原因不明とされていて患者数が多く、且つ致命的でないが治療法も分からない病気、というのは結構ある。リウマチやアトピーなど免疫不全系、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病がよい例だ。のこういったものと何かの因果関係が分かれば、個々のコストは小さくとも市場が大きいので、一気に市場が沸く可能性がある。

データさえあれば、これは計算機をぶん回せば事足りる類のものであるので、製薬会社や国がドンとカネを出せば、意外と早く見つかるかもしれない。


2016年12月5日月曜日

宅配のコンビニ化


運輸業者がバスや電車で人荷物混成での輸送を実証実験したり、レストランの食事の宅配をしたり、というニュースが相次いでいる。この究極の形態とは何だろう。

従来の概念で言う「荷物」とは、イコール段ボール箱だったわけだが、これが崩れている。ピザや食事、冷凍冷蔵品といった少々運びにくいものに関しても、バイクに載る程度の装置は開発されているから、それごと運べばよい。

他、クリーニングやネットスーパーも近年は宅配に対応している。考えてみれば、タクシーやUber(の民間人)を使ってもよいわけだ。バイク便、自転車便、シニア便(シニアは多くの都市で電車賃の割引や免除があるので安く届けられる:実際に海外ではサービスがある)なども、荷物の扱いさえ標準化すれば、後は手段と切り離せる。

運送手段を提供する複数の業者(個人バイト含む)があり、各々に可能な輸送品が設定されている。一方でリクエストする側は何(種類)を何処にどの程度の速さで運びたいかをシステムに入力する。ここでマッチングが行われ、適切な業者が選ばれて指示が出る。安く遅く頑丈な荷造り(旧来の宅配)であれば宅配業者が選ばれやすく、一方で速く扱いが難しい荷(食事など)では近くに居ることが重要になる。

もちろん各々の業者は自社システムで受付をしているだろうが、こういった横断的検索業者が一定の幅を利かせるような未来は考えられる。場合によっては複数の荷物を同時に受け付けるようなことも可能だ。混沌とした状態にはなるが、より速く、より安く、より簡単になることは大いに期待できる。
 
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ゼッタイ


直ぐに「ゼッタイ」と「デキッコナイ」という人を、信用しないようにしている。「それはムズカシイ」「あり得ない」なども同じだ。

こういう人はあちこちにいて、決して珍しい人種ではないし、自身も口端に出かけて慌てて引っ込めるようなことがよくある。そのくらい気軽に使われる言葉なのだが、技術者としてはこれは簡単に言ってはいけない言葉だ。

それが例え相対性理論を否定する理論だったとしても、簡単には否定しない。なぜなら、これらは思考を止めてしまう言葉だからだ。別の稿に習うなら、バカの壁を自ら作る行為である。

理系の人の思考回路は、「答が一つに決まるところが面白い」ということが多く、自分もそうなのだが、実際高度な科学になってくるとそう答は簡単ではなくなる。量子論や確率論がそうだし、材料工学や原子力工学なども、かちっとした答が得られるわけではない。ある程度の幅という制限はあるが、答は無数にある。

ある人がオバケの存在を否定した(あるいは肯定した)として、それを単純に科学的に見れば反論も同意も道筋は色々あるが、実は話を聴いて欲しかったから極論を言ったとか、一時的にアルコールで混乱していたとか、何かを言い間違えていたとかの可能性は無数にある。それらを一切考慮せず言葉尻だけを捉えて議論するのは、技術者以前に人間としての思慮に欠けている。

それらを差っぴいたとしてもなお、新たな可能性についてあれこれ考えることを否定するのは勿体無いと思うのだ。ここら辺の感覚は、むしろ技術を知らない人の方が得意だ。それがどれほど難しいかについて思いを馳せることができないからだ(褒めてます)。

技術屋は、なまじ知識があるがためにその難しさを直感で感じ取ってしまい、あるいは仕事が忙しくなるのを煩わしいと思い、とりあえず「無理」と言ってみる人種である。その「無理」の程度にも色々あるのだ。大ヒットを飛ばした家電、例えばウォークマンとかカメラとか薄型コンピュータとかでは、技術者の言う「無理」を説得して乗り越えた、というような逸話が山とある。

特に文系の人に言いたいのだが、理系の人(技術屋)がこういう言葉を言っても簡単に信じないで欲しい。クラークの第1法則と似てはいるが、老練な科学者だけではなく技術者全般にこの傾向はある。何故かを論理的に説明させ、更にその論理に矛盾がないかを突き、更には他の(できれば関わりの薄い)技術者に聞いてみる。似たような例を探して突きつける。技術ではなく情熱を説く。
何かしらの突破口ができる可能性は低くはないはずだ。

2016年12月4日日曜日

法のプログラム化


例えば、有名な「日本国憲法の改正手続に関する法律」の殆どは、一般の選挙や最高裁判所裁判官国民審査におけるそれと同じである。しかしそれらへのリンクや読み替えで文書を短くしようとする努力の跡は見られず、むしろ「コピペ」で対応しているように見える。これは、同じ罪状、例えば投票干渉罪が、憲法改正手続法と公職選挙法の両方に現れる、といった形で表現される。

他にも、法の中に別の参照すべき法が記述されていたり、仔細が別になっていたりするが、その都度あちこちから法を引っ張り出して参照しなければならない。しかも、どちらを優先すべきかを迷うような記述もあって煩わしい。細かい法律が山のようにでき、誰も理解不能になっているようでは、守らせる方も守る方も不幸だ。

技術屋からすれば、例えば「一般投票法」を一つ作り、国民審査法、衆議院議員選挙、参議院議員選挙、…における個別情報のみを差分で作ってほしい。罰則もそうだ。更には、個々の法律の中で金額や年齢などが絶対値で書かれているものも、変数化してほしい。

例を上げると、参議院議員の被選挙権は25歳からだが、これは絶対値なのか相対値なのか。もし「成人+5年」がその真意ならそう書くべきだ。またその「成人」の定義は、全法律で統一して欲しい。成人と一言で書いてしまうから、選挙権と婚姻と飲酒喫煙が別々の法に書いてあって混乱するのだ。恐らく選挙権は社会的に決まるが、飲酒喫煙は生物学的成長に基づくはずだから、本来は違っていて良い。婚姻はその中間なので、本質的には三つとも違っていて可のはずだ。

これは罰金にも当てはまる。例えば、税滞納の追徴利率など、金利1%以下の時代に16%などというのはどう考えてもおかしいだろう。金利の変動によってこちらも変動すべきだ。また、時代と共に物価は変動するし、当人の富裕度によって罰金に対する感覚は違うから、絶対額で表記するのもどうかと思う。例えば「日常生活に支障のないレベル」「年に2、3回払うと生活が困窮するレベル」「資産を大きく減らすレベル」のようなものがあって良いように思う。本人の資産額に応じた計算式で示すようなことがあって然るべきだ。

また、そもそも日本語で書いてあることがおかしい、というと言い過ぎか。日本語は主語が曖昧な言語なので、放っておくと厳密さに欠けるものができてしまう。プログラムで書けば、パラメータを与えれば必ず同じ答が出てくるが、法律とは本来そういうものだろう。

国や自治体が個人や会社から税を取るときのパラメータは、法人か個人か、収入と必要経費は、支出内に控除すべき種類のものがあるか、などであるが、確定申告の書類に数字を入れればちゃんと計算してくれる。やればできるのだ。他の法律でも同じようにすべきだ。

これを要約すると、「法のサブルーチン化」「法のパラメータ化」、合わせて「法のプログラム化」となる。もちろん人間には読めないようなルールであれば困るが、日本語の変数が通るPrologのようなものなら記述は可能ではないか。

もちろん全部書き換えるには相当な困難がある。例えば法の中には「XX年以内に見直すこと」とあっても実際にはそれが行われていない、というものが多数ある。また、いわゆる「努力義務」はこの手のロジックに載ってこない。こういう記述はそもそも法に含めるべきではないと思うが、実際にはそうなっている。

だから最初は、罰金と罰則をサブルーチン化するところから着手して欲しい。次は罰則に当たる条件のパラメータ化だ。そうして少しづつ各々の法律を整理していき、一つの大きなプログラムを作り上げる。こうすれば裁判では、パラメータの解釈だけに集中できる。

こういう考えをする人は少なくないようで、ネットで検索するとちらほら見掛ける。大学などで研究しているところもあるようだが、メジャーになる雰囲気が見えない。近年ではAIが弁護士の判断補助に使われるなど、少しづつコンピュータを活用するようになっているが、どうも今の法律は是としたまま使う前提のようだ。個人的にはあまり好ましくない方向性だと思う。
 
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2016年12月3日土曜日

顔ダニとタオルの交換頻度


あっという間に流行り、またあっという間に廃れてしまった感のある顔ダニ。写真で見ると気持ち悪いが、必ずしも悪役ではないことがいち早く広まったために沈静化したものと考える。体にも常在菌があって、取り過ぎるとかえって体に悪い、という常識は、既に充分に広まったものと思う。

テレビでときどき、風呂のタオルを何日で交換するか、という企画があり、大体毎日交換する人とそうでない人が「汚い」「汚くない」の論争を繰り広げた結果、医者が出てきて「なるべく毎日」で納める、という構図になっているのだが、その中で見たことがないのが、「じゃあその根拠は何なのか」だ。

無菌室にいるわけではないのだから、雑菌がゼロのタオルなどあり得ない。洗った直後であっても、だ。そして日を増すとそれが増える、これも当然だ。それどころか、家族で共用することだってあるじゃあないか。一人ひとり変えなくてよいのか。だから根拠が必要なのだ。じゃあどこからがマズいのか。

常識的に考えると、まず臭ってくるところが第一。次に、風呂に入る前より体が汚れてしまうところが第二、更には健康被害が考えられるところ、と続くのだろう。元々タオルの目的は、風呂から上がった直後に体に付いた水分を吸収することだから、この機能が失われるわけではない。

第二と第三では、第三が後であろうことは疑いない。第一と第二のどちらが先かは、にわかには分からない。そして、体には菌だけでなく泥ホコリ垢といった汚れがあるから、菌だけを以って第二を判断するわけにはいかない。つまり、菌が増えても垢が落ちれば体には問題ない、ということだってあり得るわけだ。

食べ物の賞味期限にしても、昔は匂って判断していたものだ。今では一部にそれだけでは不足であることが分かっているけれども、それはちゃんと調べたからだ。風呂のタオルにしてもシャンプーの頻度にしても、そういった根拠のある数字が世に広まっていないことは嘆かわしいことではないか。洗剤会社の陰謀だ、とまでは言わないが、今の時代、調べることはそんなに難しいことではないはずだ。


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2016年12月2日金曜日

監視カメラ社会


監視カメラは、今後増えていくことはあっても減ることはないだろう。カメラのコストはどんどん下がっており、店舗でなくとも気軽に個人でも設置できるようになった。お互いが繋がっているわけではないが、ネットで繋がるサービス(SpotCamNest Camなど)も出てきているから、連携をしようと思えばできる環境になってきている。

となれば、カメラ連携で何か新しいことができないか、と考えるのは普通だ。容疑者・不審者追尾のようなことは警察でも考えるだろうが、民間がもっと便利を実感するようなサービスはないだろうか。

タクシーのワイパーを検知して局地的な降雨を知る、という実験が既にあるが、監視カメラでも同様なことができると思う。地震の検知も同様に可能だろう。カメラの種類によっては赤外線検知もできるから、温度も計測できるかもしれない。風速も風向も可能になるだろう。

これがそのまま使えないにしても、ビッグデータとしてAIにぶち込む基礎データとして使えれば、局所天気予報が正確に行えたり、竜巻を検知できたり、ということができるかもしれない。

だが、これでもまだモチベーションとしては弱い。自分が考えるのは、近所のちょっとした軽犯罪の抑止だ。例えば、犬のうんこを処理しないで行ってしまう、ゴミやタバコの吸殻をポイ捨てする、不法投棄をする、禁止の公園で野球をする、子供が近道をしようと他人の家をすり抜ける、泥棒らしき人が下見をしている、ペット禁止のマンションでペットを飼っている、落書きをしている、などを見つけるのに使う。

また、気にはなるがちゃんと調べようとは思わない程度の、身の回りの因果関係が分かると嬉しい。例えば雨の間隔と庭の芝の育成具合とか、気温の上昇と共に蚊が発生する度合いや生息場所の推測、個人にカスタマイズした体感温度に基づく服装の提案、細かい交通情報により少しでも遅く家を出る、 天気や食べたものと体調(頭痛や下痢など)の因果関係を調べる、などだ。

一般的な意味で言う監視カメラとは異なり、カメラが日常に溢れることであらゆることを記録し、殆どはそのまま捨てられるが、個人が目的を設定することにより解析をして答を出す。逆に、その時に備えて無目的にカメラを設置する。そんな時代が来るのかもしれない。
 
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2016年12月1日木曜日

VR強化テレワーク


マイクロソフトは大手でも比較的テレワークに熱心な方だと思う。過去に何回もニュースに出ているし、その方法も進化させているようだ。但し、そこで使われているのは勿論Lync (Skype for Business)を中心とするマイクロソフト製品である(当たり前だが)。

正直言って、Lyncは使い辛い。では他のソフトにもっと使いやすいのがあるのかと言えば、そうとも言えない。要は使いたいと思うツールが見当たらないのが現状で、ここが解決しないと広い普及は見込めないだろう。ではどんなものが必要か、少し解説してみる。

まず、作業用のPCと打ち合わせ用の機器を分離する。分離しなくてもよいが、それは出張や出先などの緊急時に限る。具体的には、10インチ程度以上のタブレットを一つ、テレワーク用に支給してもらう。

次に、デフォルトの画面はVR空間とする。そのVR空間は、普通に机を寄せた島に人が並んでいる、現実を模した空間にしておく。自分もその島の一つに座るわけだ。

在席離席は、自画像を顔認識して判断する。顔認識カメラは原則として常時オンにしておく。音声は都度オンでも構わない。会話したいときは、画面に映ったその人にタッチするとコールが起こる。隣の人との会話程度ならこれで済む。

タブレットに映るのは顔だけでもよい。画像認識で顔だけ抜き出して背景を消すことは可能だろう。事務室では事務室の、会議室では会議室の背景を映すようにする。また他の人との会話中も色を変える。画面には常にその人のライブ映像が映っている。今のLyncでは顔写真しか見えないが、ライブ映像が見えている状態にした方が声を掛けやすい。これだけでも直ぐに取り入れて欲しいと思う。

自分の島は常に画面に現れていて、遠くの島の人に声を掛けたいときは、フロアを歩き回る感覚で行う。これは現実のオフィスと合っているのが望ましい。これもタッチやドラッグ操作だけで行えるようにする。

数人で行う打ち合わせは仮想会議室で行う。これは普通にPCからOutlookで予約しておいて、時間になったらタブレットにコールが掛かり、承認ボタンをタッチすれば会議室に入る。そこは会議室にアバターが並ぶイメージで、従来のTV会議のような画面分割ではない。

同時にPCのデスクトップには会議室の資料フォルダが現れる。デフォルトでホワイトボードと議事録の雛形があり、参加者がここに資料をドロップすると自動的にコピーされ、参加者各位が開いて見られる。つまり、タブレットには資料は表示されず、参加者が見えるだけである。

在席非承認、前の会議が長引いている、欠席、離席は全て自動で分かるので、改めて呼び出す必要はない。またホワイトボードと資料は、個々の書き込み含めて自動的に保存される。人によっては音声のみの参加やチャット参加ができる。

同じ仕組みを他社にも広げることができる。VR空間と資料の閲覧に関して制限を付けるだけでよいので、頻繁に会議をす間柄ならタブレットとPCを貸与するだけでよい。

どうだろう。タッチ操作と画面が一つ増えるだけで難しい操作がかなり減らせる。これなら文系でも充分使いこなせるのではないか。

渋滞や満員電車は解消し、交通費は節約され移動時間も減り、子育てや介護をしながらでも働ける。その効果は絶大だ。通勤に往復1、2時間掛けている人などざらにいる。会社としても一人当たり年間10万円以上は節約できるし、個人としてはその2時間を有効に使える。タブレットやシステムの維持費などは直ぐに回収できるはずだ。


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