2018年3月31日土曜日

非常食にはガムを


毎年9月になると防災用品の宣伝が始まる。9月1日が関東大震災の起こった日だからだが、その後も阪神淡路や東北など、大きい地震は起きている。非常食を用意している家庭も多いだろう。だが、最初は意気込んで買い込むにしても、その後放置してしまい、賞味期限を過ぎてしまう失敗をする人も多いのではないか。

最近では、Googleカレンダーに入れておいたり、Evernoteに記録しておいたりということも考えられるが、そもそも非常食は割高だし、味も良くないものが多い。なるべく安く、栄養のバランスが良く、栄養価自体が高く、美味しく、そして賞味期限が長いものを選びたいところだ。

世の中には賞味期限が長いどころか「ない」ものも存在して、その代表的なものが塩、砂糖、蜂蜜、ガム、強い酒類(ウィスキー、泡盛など)だ。このうち塩砂糖は袋が弱く湿気る恐れがあるため、別の意味で賞味期限があるが、それ以外については非常食として考えてもよいと思う。

一般論として、塩分や糖分が極端に多い食品は腐らない。イギリスの伝統菓子であるクリスマスプディングや梅干し(最近の低塩や蜂蜜漬けのものはダメ)、佃煮などがそうだ。乾燥したもの、干物なども腐りにくい。だが、概ねこういったものは買ってくる場合の賞味期限は大したことがない。

大きくは二つの理由があると考えられる。一つは、保存方法が正しく守られる保証がない中で、ベンダとして期限を明示してしまうことへの躊躇。例えば冷暗所と指定していても、事実上は車のダッシュボードに入っていたとしたらどうか。もう一つは法律の壁だ。つまり賞味期限を書く義務がないものは限られている。

蜂蜜は、事実上は賞味期限がない。またガムには法的な表示義務もない。このため、蜂蜜とガムはランニングストックとして置いておくことを検討すべきだと思う。

ガムは嗜好品としても、また噛むことによってストレス軽減の効果を狙って、特に子供には効果があると考えられる。但し最近のガムは甘味料がキシリトールに替わっていて、栄養価視点ではあまり期待できない。また当然、板ガムや、粒ガムでも携帯用の包み紙タイプは湿気に耐えられないので、アルミパウチかボトルガムにする必要がある。

一方で蜂蜜は、シロップを混ぜた紛い物があるので注意が必要だ。シロップの水分が多いと保存に影響が出る。未開封の小型のものを避難袋に入れておけば、直接口につけて舐めることができる。

蜂蜜の中に「マヌカハニー」というのがあって、これには強力な殺菌作用があるそうだ。これもやはり賞味期限はないので、普段は健康のため、非常時にはカロリー摂取や怪我の殺菌(塗る)を兼ねて、ということも考えられる。

まあマヌカハニーはともかく、普通の蜂蜜の小型の未開封のものとボトルガムを、非常袋に入れておくというのは良いアイデアだと思う。実践をお勧めする。

2018年3月30日金曜日

VR時代のUI開発の注意点


今のところ、VR用の汎用OSと言えるものは、Oculus Homeくらいだろう。他にないこともないが、普及の度合いとしてはレベルが違う。しかしそれとて視線でカーソルを合わせてクリックする、カーソルを操作する、というレベルでしか使っていない。OSと言えるような代物ではない。

今はいきなり全てをコンテンツに丸投げしているようなものだが、もう少し経ては小品も出てくるはずだ。すなわち他のアプリやOSの機能と連動して効率を上げたり、複数の種類の異なるアプリを別々に並列に使うようなことが必要になるだろう。そんなときには「OS」は必要だ。

そして、それらがプラットフォーム毎に異なっていることは、ユーザの混乱を招く。従来のOSと違って歩き回りながら使うものだから、互換性や暗喩のポリシーには今まで以上に真剣に擦り合わせて貰いたいものだと思う。少なくとも緊急時の危機回避は統一してほしい。

特定の緊急事態に関しては、通常のOSをオーバーライドして警告を出すような仕掛けをぜひ導入してほしい。つまりはじめからOSは複数の独立空間で動く専用のものが幾つか動いていて、最上位のものは全てに割り込めるようにする。それはバッテリの異常過熱、自動車などの接近、緊急地震速報、津波、火山噴火などの警告、線路に落ちそう、道路に飛び出しそう、などといった、秒単位の危険に対する警告である。

次に統一してほしいのは、本人が、周囲を確認しないと危険な場所にいたり、移動している場合の認識と、その認識に邪魔な部分に表示をしない機能だ。例えば歩きながら見える町の情報を知りたいとしても、歩行者にぶつかりそうだったらそこを避けて表示しなければならない、無理なら表示を一時抑制しなければならない、などだ。

視線認識の有無は今のところばらばらだが、これも同様に、注視しなければならないものを注視していないと警告が出るような機能もほしい。例えば信号が変わったのに確認していない、などだ。

アプリやファイルマネージャーの操作法統一などは、これらに比べればずっと重要度が低い。どこかが真剣に考えているのだろうか、ないならぜひ考えてほしいものだ。

2018年3月29日木曜日

スキンディスプレイ


http://japanese.engadget.com/2018/02/20/skin-display/

皮膚に貼り付け可能な電子回路やセンサは幾つか見てきたが、ディスプレイというのは面白い。それに耐久性もあり、実用化には近い位置にあるそうだ。材質はゴムシートらしいから、作り方にもよるが防水性を備えることはできるだろう。無線給電によって接点なしに作ることも可能だ。

この技術の肝は、硬いLEDと柔らかい配線の接合負荷軽減技術にあるそうだ。すると当然、LEDではなくセンサやICチップでも同じ技術が使えるはずだ、と考えられる。すなわち、センサや計算機能も搭載可能である。

ただ、実際のところ、スマホや腕時計、指輪などに仕込めば済むことだ。皮膚に貼り付ける必然性がある用途は限られている。それはどのようなものになるのだろうか。

その一つは、温泉やプールだ。多くのプールでは腕時計不可だが、その理由は周りの人を傷つけないためだ。だがこれならゴム素材だからその心配はない。もし時刻と着信表示だけでも可能な軟質の手の甲(ないしは腕時計型)ディスプレイがあったら、認められるようになるかもしれない。

ただ、着信表示をするには携帯電話相当の半導体と電池が必要であり、ほぼ不可能だ。そこで考えるのが、LPWAを使った携帯電話~ディスプレイ間通信である。LPWAチップなら小さく作れ、消費電力も少なくてよい。携帯電話をロッカーに預けた状態でも操作可能で、ついでに携帯電話の盗難防止にもなる。

試作では数日皮膚に貼っておいても問題なかったそうだ。であれば24時間監視の何か、例えば生体モニタ的な用途にも使えることになる。心電図だと大げさだが、異常検知(心室細動や卒倒、異常低体温、てんかん症状など)、熱中症警戒、一酸化炭素中毒警報、などは考えられることだ。

肌に貼らずとも衣服に付けることを考えるなら、スポーツ選手には色々と応用ができそうだ。単純にゼッケンやスポンサー広告を流したりするのはその一つだろう。他にはラップタイムやルール判定(タッチ、ラインアウト、ペナルティなど)を表示することもあり得る。単純に鬼ごっこの鬼(タッチされたら入れ替わる)などにも使えそうだ。

手のひらに携帯電話を埋めるというのは「トータル・リコール(リメイク)」の描写だが、手の甲に貼り付けるディスプレイというのは結構普及するかもしれない。

2018年3月28日水曜日

パーソナルコミューターの安全策


別項で、自動運転の普及に伴う社会の変化を考えている。その中のひとつで、専用車両の開発、専用の運用形態、について取り上げてみる。

例えば、運転席は原則不要になるはずだ。また、乗降頻度が多く、街を走る台数が多く、・・・という形態に対して、今のセダン系よりもワンボックス系が増えるのではないか、軽自動車などの小型車が増えるのではないか、などはあり得ることだ。

その中でも、1~3人程度しか乗れない「パーソナルコミューター」の出現について、もっと真剣に検討してほしいものだと思う。4m道路に二台並んで走れる程度の幅、荷物は買い物かご程度、雨風はしのげ冷暖房はあり、速度は30km/h程度に制限、(指定要だが)ある程度大きな建物ならそのまま入って可、というのがその主なスペックだ。

目的は、近所へのちょっとしたお出かけだ。普段の買い物、塾通い、駅への通勤、ぶらっと本屋やコンビニへ行く、散歩、など等。自動運転だから降りたら車は戻せるし、乗りたくなったら呼び出して乗る。駐車スペースの心配は無用だ。

別稿では外形スペック統一の重要性を訴えているが、実際にはそう簡単には行くまい。むしろ法整備や道路整備の方が問題だ。こちらをまず考えなければならない。

これが高速道路に入れない(入れなくて良い)というのは合意だろう。問題は一般道路にどの程度入り込むのか、だ。小さいから当然耐衝撃性は弱く、こちらが速度を幾ら規制しても相手のスピードが速ければ危険は免れない。普通の自動運転車のようにセンサをゴリゴリに付けて、耐衝撃に分厚い装甲板やクッションを入れていては省スペースにならない。かといって一般道路全てを禁止にすれば殆ど意味がない。ヘルメット義務化もなんだか本末転倒だ。

ここで考えるのは、自動運転ならではのアイデアだ。衝突の直前検知機能、及び不可避の衝突に対する衝撃緩和運転だ。要するに、まずできるだけ相対衝突速度を軽減する、つまり「逃げる方向に動く」のと、当たる角度を調節する、つまり上手く力が逃げるような角度で当たること、更にはその「当たり所」としての大型可動(直前に大きくなって効果を倍増する)バンパー、これらを義務化する。

また、高速道路の他、自動車専用道路も不可にすると共に、交通量の多い(平均速度の速い)幹線道路でも新たに走行禁止にする(例えば40km以下道路のみ可)ような措置が必要になるかもしれない。

どうせ新しい交通法規は必要になるのだから、パーソナルコミューターが普及しやすくなるような規制緩和が起きてほしいものだと思う。

2018年3月27日火曜日

自動運転小型バス網


自動運転はバスにとっても脅威になるはずだ。特に閑散としたバスの運営にはダメージになる。そこで大型バスを廃止し、小型自動運転バスに切り替える、ということは十分に考えられることだ。恐らくそのバスはせいぜい10人乗りで、2×5mクラスだが背丈は従来並み、という、ややノッポのものになるのだろう。

時刻表を廃止すると共に停留所にLPWAボタンを設置しておき、路線毎にボタンを押すとバスが呼ばれるようにしておくと共に、バスもAIを使って予測配置し、客を待たせない工夫をする。ボタンが押されたときのバスの配置によって、既に向かっているバスがあればそれを示し、いずれにしても到着予想時間を表示できるとよい。人数が多ければ当然バスは複数台で連なってくることになる。人が多いバス停では、監視カメラを併用することでそれに対応する。

アプリを配布することで、バスの呼び出しをスマホからできるようにしたり、あらかじめ降りる停留所を指定しておくと降車を促してくれたり、乗り継ぎを知らせてくれたり、という工夫も出てくるだろう。それらはマーケティング情報としてバス会社の役に立つだろう。

ここまで仕掛けが作られると、バスは運営できる路線が変わってくるから、統廃合も拡張もできるようになる。路線同士の接続が売りになることもあるし、狭い路地もバスルートにすることができる。ちょっと改造するだけで、病院バスやイベントバスなどにも転用が可能である。

これは自動運転タクシーにとって強力なライバルになる。善き切磋琢磨が見られることを望む。

2018年3月26日月曜日

自動運転とQUICPay


自動運転の発達によってタクシーが自動化する、バスが無人になる、というのはよく言われることだ。だが実際のところもしそうなったとして、タクシーやバスの形状や運用形態がどう変わるかまでをまじめに検討し、ビジネス化するかというのはまだ未開発の領域ではないかと思う。

その中で注目しているのが、支払いがポストペイカード主流になるのではないか、ということだ。

プリペイドの場合は残高を確認してそれ以上行けないようにもできるが、ユーザ体験としてはちょっとバツが悪い。クレジットカードだと本人認証(サイン、暗証番号)と通信が必要なのでこれもちょっと間が悪い。もちろん現金は危険だし、両替のための機構は面倒になる。トラブルを避けるには、ポストペイに統一するのが無難だ。

流通している電子マネーライクな支払い手段の中で、ポストペイに対応しているものは少ない。その中でもQUICPayは、子供でも持てる(もちろん親のバックアップは必要)点で有望だ。自動運転タクシーは、乗車の際にタッチして有効であることを確認することにして、ポストペイ型決済手段を持っていないとダメ、という事実が広まることで、現在交通系と商業施設系(nanaco、waon)が主流だったところ、第三の勢力として躍進する可能性がある。

ということで、QUICKPayの株を買っておいたら上がるかもしれないゾ。

2018年3月25日日曜日

不燃燃料液配管


インフラ整備で一番問題になるのは上下水だ。つまりは液体を通す配管が必要である。これと電線の相性は悪い。同じ技術が使えないからだ。もし同じ技術を使おうと思ったら、電線側に揃えることは不可能だから、上下水側に揃えるしかない。

第一は燃料配管とすること。つまり燃料電池を前提として燃料を各家庭に配管することだ。これは今なら都市ガス管が相当するが、当然可燃性なので同じ扱いにはならない。

もう一つは、レドックスフローなどのフロー電池に使う媒体を使う方式だ。レドックスフロー電池ではバナジウム溶液が代表的なものになる。これは20Wh/L程度必要なので、例えば一般家庭1か月当たり300kWhとすると、15kLあればよいという計算になる。一日当たりでは500Lだ。これは大きめの風呂を溜めるのと同程度であり、配管としてはそれほど非現実的な量ではない。ただ、バナジウム溶液を上水と同じように配管を張り巡らせて流すのは、バナジウムの希少性からしてあり得ない。

そこで考えるのが、第三の方法だ。これは燃料配管の一種だが、流す液は液化ガスなどではない。ノルマルパラフィンエマルションだ。

これは、潜熱型蓄熱材、つまり冷暖房用の媒体としてよく利用される液体で、牛乳のような、水の中にごく細かいパラフィンの粒が大量に漂っているものだ。それだけで燃えることはなく、安全だが、このパラフィンは文字通り固体油で、ろ過して水を切って熱を加えることで液体油になる。一方の水は浄水して上水になる。

つまり、ろ過分離装置が必要にはなるが、ノルマルパラフィンエマルション管があれば、上水管と電気配管は不要になる。また面白いことに、本来の冷暖房用媒体としても当然使用可能、つまり地域冷暖房にも使える。

ろ過分離装置を前提とするということは、上水に強い圧力を加える必要はなく、また需要の幅も穏やかになる。殺菌も緩くてよい。配管技術は上水より若干易しい程度で十分になり、電柱は不要になる。通信はこの際無線で閉じてもらおう。

エマルションの混入率をどうするかが分からないが、上手くいけばインフラの経費を大幅に減らすポテンシャルがある。検討に値するのではないか。

2018年3月24日土曜日

着るマットレス


バックパックには大抵、背中の蒸れを防止するためのクッションが入っている。ウルトラライトハイキング用になるとこれはなくなるかわり、寝具としてのクッションマットを丸めて背中に当てている例が多いようだ。これでは形状が背中に合わず、通気性もないので蒸れる。

以前、偶然に発見したのだが、百均で売っている折り畳みの座布団、例えば

http://kokolog.net/56.html

を4つ買ってきて、頭、背中、尻、ふくらはぎに各々敷くことで、地面が冷たいタイルでも、ほぼ完璧に熱を遮り、寝心地の良い状態を作ることができる。これをアウトドアでも応用できないか、と考えてみた。

こういう、ピンポイントでしか体を支えないアウトドア用マットは存在する。例えば

https://www.amazon.co.jp/KLYMIT-%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2-X%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88-12376/dp/B0079VHU1K/ref=sr_1_99?s=sports&ie=UTF8&qid=1505791773&sr=1-99
https://www.amazon.co.jp/KLYMIT-INERTIA-zone%EF%BC%88%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3-Sleeping-%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%89/dp/B00MHVL0U4/ref=pd_cp_200_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=YRE84S042N2GN9NMKEWE

などだが、これらは何れも空気で膨らませるタイプで、従って寝るとき専用である。バッグのクッションには使えない。

ここで提案するのは、バックパックのクッションと寝袋のマットを兼用することだが、その提案は二種類ある。一つは至極単純で、バックパックの背面のクッションをマジックテープ止めなどにしておいて、寝るときに外して寝袋の内側、ないしは服の背中側に貼り付けるものだ。このクッションはウレタン製で、寝袋の内側や服の背中側には当然ダウンなどは不要になる。

二つ目の説明の前に、ある商品を紹介しておく。空調服の関連商品で、スペーサーをもったベストがある。

https://item.rakuten.co.jp/pc2b/1016979/

同じ素材でベッドの上に敷くシーツもある

https://item.rakuten.co.jp/pc2b/10000573/

位だから、スペーサーの強度は問題ないだろう。シーツを持ち歩くのははばかられるが、スペーサーベストなら普段から背負ってもよく、これがあればバックパックのクッションはいらないことになる。ウルトラライト用のバックパックでも背中が蒸れないし、クッションがなくてもそのまま寝転ぶことができる。

背中だけでは足りないだろうから、尻パッドとふくらはぎにも同じものを仕込んでおく。ドライレイヤーやコンプレッションウェアの上にこれを装着し、その上に普通の服を着込めば殆ど分からないはずだ。

これは、寝るときもおきて活動するときもずっと着けていられる。このため見かけ上は荷物が軽くなる。

ただし寝返りは打てない。

2018年3月23日金曜日

ドローンで植林


http://www.excite.co.jp/News/odd/Karapaia_52245844.html

ドローンで植林、という記事を見て、そうか、ドローンが田植えをするように穴を掘って・・・と勘違いしたのだが、単にポッドを投下するだけのようで、ちょっと失望した。

もしドローンに腕が生えていて、ずぶずぶと幼木を「植える」ことができるのなら、この定着率はもっと高くなるはずだ。そしてそれができるなら、田植えだって苗植えだってできるだろう。田植え機がなくても、ドローンが自動でやってくれるのなら、ピストン輸送で何時間掛けてくれてもよい。その費用対効果は圧倒的になるはずだ。

更に、これなら芽掻き、雑草取り、収穫までドローンでできることになる。そうすると、とんでもない利点が出る。人が行けない崖なども、畑にできる、というところだ。また普通の畑でも、人が歩く通路を確保しなくて良いから密生できる。

ドイツのブドウ畑のような急斜面でも平地と変わらないコストで生産できるなら、むしろ固定資産が安い分、利益率が高いということもあり得る。鳥はともかく陸地の動物にも狙われにくい、盗難にも会い難い、なども考えられる。普段人が通らないようなところなら、ドローンによる警戒も簡単にできるだろう。他、飛び地や山奥の道がない土地などにも応用できる。

これは実効農地面積を広げ効率を向上する効果があるので、奨励策をとってもよいくらいのアイデアだと思う。

2018年3月22日木曜日

SDGsと国家フェロー制


貧困や教育などの地球規模での均質化においては、国家レベルで庇護される者とする者が現れ、それも当面の間固定化される。一般論として言えば先進国はもっぱら庇護する側、新興国はされる側だ。現在の状況が良くないというのであれば、この庇護の規模はもっと大きくならなければならない、ということになる。これでは先進国のモチベーションは上がらない。

新興国が新興国のままである理由は、歴史的なものも大きいが、地政学的なところも無視できない。先進国の多くが亜寒帯~温帯に属しているのは偶然ではない。要は先進国はそもそも住みやすく、新興国は住みにくい土地柄なのだ。

そこで提案するのが、国家フェロー制だ。地理的条件の良い先進国一国に対し、条件の悪い新興国数国を割り当て、その国に対してだけ強い責任を持たせるのだ。もちろんその責任とは「貧困の撲滅」「教育の平等」「差別撤廃」など、SDGsの目的に沿ったものにする。具体的目標はそのまま当てはめる。

国の実力に応じて国数は調整してよいし、早い者勝ちで争奪戦をしてもよい。もちろんそれ以外の国に対して更に貧困を押し付けるような政策は許されない。(そこには別のフェローがいる)

フェロー国間は条約により、関税や通貨・言語・軍事協定などに一定の自由を認める。フェローである期間は「SDGsが実現するまで」で、その後のフェロー条約は続けても破棄しても構わない。

具体的な国の設定を工夫すれば周辺国も巻き込めるし、紛争を抑える効果もできる。大国の領土争いとは異なり地理的に不利益なので、無用な争いも減るはずだ。大国間の競争も、フェローを巻き込んだ総合的なものになる(相手のフェロー対象国の調子が悪いとツッコめる)ので、それも良い意味の競争になる。

2018年3月21日水曜日

ドローン漁


現代の漁業はハイテクだが、ドローンを積極的に使ったものはまだ少ないだろう。それを考えてみる。
  1. 潜水ドローンと魚群探知機を併用して、魚を牧羊犬のように仕掛けに追いやる。
  2. 複数のドローンで網を持って追いかけ、魚が引っ掛かったら漁船に連絡して引っ張りあげる。
  3. 魚群探知機で検知できない深海まで潜って魚を探すドローン。
  4. 大きい魚にわざと飲み込まれて、しばらくしたら暴れて吐き出され、その際に針を引っ掛けて漁船に向かうドローン。
  5. 多数放たれ、希望する種類・大きさの魚だけを捕まえて帰ってくるドローン。
  6. 単純な無人漁船。多数出港し、他と情報を交換しつつ漁場を探し、協調して1隻を満杯にして戻ってくることを繰り返す。
  7. 主に夜活動するドローン。夜の魚を主に捕獲する。
今は何れも笑い話レベルだが、そのうち人間が乗る漁船というものはなくなり、空母ならぬドローン母で出港して、漁獲自体は全てドローンが行う、という光景も夢ではない。

2018年3月20日火曜日

ビジネスオーナーの時代


職業の種類は増えているのか減っているのかと問えば、恐らくは増えているのだろう。だが、一つ一つの職業について考えると、労働時間当たりの利益(可処分所得)は減っているのではないかと思う。

その理由は、その職業に価値がなくなってきているからだ。なぜなくなっているのかと言えば、その職業についていない人でもそれなりにできるようになってきている、ということなのだと思う。その技能に関する知識が増え、広まり、道具やコンピュータが便利になってきている。

例えば農業だ。単位面積当たりの収量が増え、味が向上し、天候に左右されないような作り方が広まれば、誰もがそれを作ろうとし、ノウハウの価値は下がる。マクドナルドやディズニーリゾートの接客マニュアルが漏れてしまえば、その高度な接客術は街の喫茶店でも手に入ってしまう。このこと自体は避けられないことだ。

そのような時代、人々が目指すべきは「ビジネスオーナー」になることではないか。つまり、機能としてはAIやロボットが「できる」としても、具体的にその土地でどの商売(機能)を働かせるかを判断し、投資し、それらの機能を「買って」、実際にそのビジネスを行う、という存在だ。例えばタクシー運転手になるのではなく、ロボットタクシーのオーナーになるのだ。

酪農家の例で言えば、牛の体調管理、繁殖、死亡時の後片付け、非常時(病気の蔓延や地震家事など)の対処、飼料の購買手続きまでロボットでできるようになって、更には電気代水道代の支払い、納税までが自動になり、オーナーが地球の裏側で一年中バカンスをしていても問題ない、となれば、人は遊んで暮らせることになる。

今のところ、これに近いことができるのは、株の自動取引のような、全てオンラインで完結するものだけだ。だが、例えば家事代行サービスのような「酪農代行サービス」があって、そこに発注するだけでよいのであれば、似たようなことはできるだろう。そこが人手でやろうがロボットでやろうが関係ない、という世界だ。

更に、酪農においても個々のサービスを分解して、別の専門会社に発注するということもありうる。健康管理はA社、搾乳と回収販売はB社、掃除やメンテナンスはC社、などだ。各々はロボットを使うだろうから、自分でやるより安くなるかもしれない。

自分は一切働かないで済むのなら、利益率が低くても問題ない。数を増やせばよいからだ。投資は借金で行い、その返済も利益率計算に組み込めばよい。初期投資が不安なら、フランチャイズやパッケージビジネスという手がある。それを専門にする会社も出てくるだろう。場所の限定も受けないから、世界中あちこちで薄く広く利益を掠め取るようなことも可能なはずだ。

殆どの人が働かずサービスも安価に受けられる時代というのは、世の中の殆どの人が実業ではなくビジネスオーナーである時代、なのかもしれない。

2018年3月19日月曜日

オンラインゴージャス窓口


銀行や郵便局、役所などに行くと、カウンターがあって、その奥には事務所が見えているのが普通だった。だがコンピュータが発達して事務作業が減ると、この「後ろの人達」がそこにいる必然性はなくなる。ではこの人達を首にするのかというとそういうわけにもいくまい。

そこで考えるのは、カウンターではなくサロン型にして、顧客スペースをゆったりと作り、また数を増やして待ち時間を減らすことだろう。これはサービスの向上であるので言い訳も効く。少子高齢化、コンピュータ化の行き着く先は、こういった過剰(?)接客サービスなのかも知れない。

ただこの場合、(業務処理能力が高くとも)接客能力の低い人材を上手く使わなければならない。そこにはAIの支援が必要になる。あるいは対面ではなくアバターを操り、オンライン接客を主に担当するようなこともあるかもしれない。そちらにしても、今までの(効率優先の)簡素なものから、(接客優先の)ゴージャスなものに変わっていくはずだ。

例えば、顧客のPCを全画面にしてもらい、全てを受け側が操作して表示する。声紋・虹彩・顔骨格認識等で本人認定して、入力も音声で行い、操作と会話の過程は全て電子証明書付きで記録することで、顧客にキーボードを一切触らせないで仕事が完結する、といったものだ。

背景としての技術も多く必要になる。例えば相手PCがウィルス汚染されていても、あるいは悪意を排除して安全な取引ができるような仕掛けができるだろうか。PCやタブレットの低解像度カメラで虹彩認識ができるだろうか。通信路の暗号化はできるとして、大量のビデオ通話の保管は容量的に大丈夫か。など等。だが、何れは通る道、とも思える。そしてこれが確立すれば、かなり明るい未来が待っていることにもなる。

窓口とオンラインの違いが事実上なくなること、ユーザ体験がこれ以上ないほど簡単になること、この二つだ。もちろんケータイの故障など、物理的なモノのやり取りがある時もあるから、窓口が無くなるわけではないが、オンライン対応の質が対面とほぼ変わりなくなれば、ユーザと企業双方の効率と満足度は両方向上する。

特にユーザの満足度向上は重要だ。対面が今まで生き残ってきた理由の多くは操作の面倒さだが、これがなくなればオンラインへの移行は大きく進むだろう。

ここでキーとなるのは音声認識と言語認識で、従来より更に高度なものが求められ、補助ではなくメインで使える精度が必要になる。最初からここを目指すには、ただの認識技術ではなく、音声で確認してから先に進むような会話術を含めた開発が必要である。

例えば、特定のフォームを埋める、という作業一つとっても、そこが空白だったり間違った情報を入れられないように音声で内容を伺う、というのは結構高度な技だ。耳の遠い高齢者や思考のゆっくりした個性、勘違いに対応するのは、プログラムというよりはAIの仕事だろう。このような技術はまだ殆ど研究されていないはずだ。そしてこれが満たされれば、またAIは一段と実用的になるだろう。

2018年3月18日日曜日

自動車低床化と低床対応指定道路


自動運転車が主流になってくると、自動運転車が運転しやすい道路へと、もっと道路側が寄り添ってくる可能性が考えられる。非常に単純な話、エッジマーカーがそうだ。道路端を画像認識しやすいように、特定パターンで縁取りしてやるのである。

他にも、信号機を可視光通信対応にすれば道路標識を見落とすことはなくなるし、臨時の交通規制も即時に把握できる。大きな落下物の通報と、それを拾いに来る自動運転車の連動も可能になるだろう。

そんな中で対応頂きたいのが、自動車の低床化だ。電車では既に規格があるが、登坂能力や道路の傾き・凹凸などを規格化して、その範囲でできるだけ床を低くする。

なぜそう思うのかというと、今の自動車の使い方は「移動だけ」が基本なのだが、自動運転車が主流になると、そうでない時間、つまり止まっている時間でも自動車を使う時間が長くなるからだ。つまり中で立って、歩いている時間が長くなる。そうするともっと背の高い車が欲しくなるが、単純に高くすると威圧感が出るからだ。

例えば2×5mの一般駐車場サイズに入る車の高さを3mにするとかなり違和感がある。これをせめて2.5mにできないか。そうすれば何とか立って歩け、且つ威圧感を低減できる。しかしそうすると、床高はせいぜい15~20cmが限界だ。しかしそれで今の道路を走るのは危険だ。そこで、の妥協策である。

初期の低床車には一時的な車高調整機能が付くだろうから、最初は無理せずとも良い。走っている間は上げ、停車中は下げる。そして停車中でも普段使いする。例えばリビングの延長にしたり、シアタールームにする。

もちろん旅先ではコンビニの普通の駐車場に止まって買い物をして休憩をして、みやげ物もそのまま車に積んで帰り、着いたら荷解きせず直ぐにシャワーに行く、といったように、実にリラックスした移動が可能になるはずだ。

床高が調節できれば多少の坂でも水平を取れるだろうし、床が低いほど重心が低く、高速走行に有利になる。乗り降りも楽になる。不利になるのは悪路や道路のゴミ・段差、急な坂などだろうが、たぶん、全ての生活道路が高速道路並みに整備されるようになれば、多くの場合は大丈夫になるだろう。

2018年3月17日土曜日

発電機内蔵AED


AEDには電池が入っているので、放電し切ってしまうと使えない。ただ設置しただけではダメで、定期的な点検が必要だ。長いもので5年の寿命があるが、もちろんその分高額になる。

この問題を解決する方法として考えられるのが、発電機を内蔵するAEDだ。そうすれば、何年でもメンテ不要で、いざというときに使い物になる。

この発電機は、必ずしもハンドルを廻すというものでなくてもよい。他に考えられるものは、原子力電池、水電池(アルミパウチの水と同梱)、燃料電池(アルミパウチの燃料と同梱)、などがある。但し発電容量から考えればハンドル式は望み薄で、この中で言えば水電池が最も可能性が高いだろう。

メンテが必要な理由は、バッテリー以外にももう一つあって、体に貼るパッドの寿命だ。これはシップのような粘着剤がついているため、やはりアルミパウチされている。もし水電池が採用可能ならば、パッドは乾式にしておいて、その時に濡らしてやるという方法が考えられる。これなら同じ水を使えるため、メンテフリーにできそうだ。

この方式の問題点は、手順が一つ増える(水を供給する必要)ところだ。懸念事項としては故障率、また使い捨て(一度使ってしまえば終わり)というところになる。利点はメンテフリーの他に、従来のものより小型軽量になる可能性が高いところだろう。もしこれで安価にできるのなら、もっと普及させることが可能になる。AEDマップなども必要ないくらい普及すれば、一定の使命は果たしたことになる。

2018年3月16日金曜日

BMIとAI


BMI(Brain Machine Interface)とAIに関する研究が進んでいる。

ここで、従来はAIと人間のインターフェースは主に言語で行われてきたのだが、もしかしたらネットワークの状態そのものを何となく転送するような技術が開発されるかもしれない、と考えてみた。

画像認識におけるAIの共通フォーマット(これが猫だ、というような)を見ると、どうもぼやっとしていて人間の脳の発光パターンのように思えてならない。考えてみれば脳もネットワークの一種であるから、同じネットであればいちいち言語化しなくても直接やり取りできるのではないか、と考えるのも自然だ。

従来のAI研究では、ニューラルネットの内部がどのようになっているかを知ることへの興味はなかった(結果に興味があった)のだが、例えば学習を終えたAlphaGoZeroのニューラルネットの発火係数をグラフにしてみたら、美しい星図のような絵が書けた、というようなこともありうるのではないか。だとしたら逆に、ネットに最初からこのパターンの絵を描いておく、というパターンが、望む知識毎に分かるかもしれない。

更にはそれを実際の脳に展開して、電気刺激だけで記憶を操るようなことができるようになるのではないか。ただ、そのときにはちょっとした懸念がある。

それは、そのパターンのほんのちょっとした誤差が、大きな誤解を生む可能性だ。卵を買いに行ってタンスを買ってきてしまうようなことが起きないのか、起き得るとしてどの程度の確率なのか、その確率はパターン毎に一定の範囲に収束するのか、というのがその問題だ。

これは今のところ全く未知数だ。更には人によって全く異なるかも知れないし、馬鹿と天才は本当に紙一重かもしれない。精度を上げたとしても時系列でどんどん変わっていくかも知れず、特定個人にしか適用できないとか、少しギアを外していた(計測を中断していた)だけで使い物にならなくなるかもしれない。

それらには一々対抗策を検討する必要があるが、そもそもどういう現象が起き得るのかが分からなければ対策もしようがない。そこは早急に検討してほしいものだ。そしてそこに目処がつけば、例えば脳波でなくとも脊髄とか、別の神経を見るだけでも類似のことが可能になるかもしれない。

さすれば、特定の訓練をすることによって、「思うだけで機械を動かす」ことは可能になるだろう。ただその時は、「キーボードを頭に思い浮かべてタイプする」とか、「特定の色と形をした標準的なアイコンを多数覚えておいて、それを一つ一つ思い浮かべる」とかいった、かなり特殊な思考法が必要になるかもしれない。今のフリック入力でも人間の脳は相当にヘンな能力を身に着けてしまっているが、そのレベルである程度成功してしまうとBMIはそれで標準化してしまう恐れもあり、ちょっと心配だ。

2018年3月15日木曜日

自家用車はなくなる?


https://www.businessinsider.jp/post-106911

20年後に自家用車を持っている人はいない、自動運転になるから。という記事だ。
確かに、自動運転の方が人間より安全になるという未来はすぐそこまで来ていると思う。

だが、ちょっと疑問なのは、自動運転というのは目的地を先に設定しなければならない。とりあえず乗って、発進して、という今までの思考パターンが通用しない。タクシーや、常に運転手がいる金持ちのようなイメージだろうか。

また、近年はdカーシェアのような基本料金無料のカーシェアが出てきているが、15分でも220円取られるような完全従量制だと、かえって近所へ車で行く機会が減るかもしれない。正確に言えばガソリン代は掛かるが、自家用車を持っている人の感覚は「定額」だろうからだ。

ドライブを楽しみたい、走るルートを変えたい、もっとゆっくり走ってほしい、などというリクエスト自体は、自動運転でもそこそこかなえられるだろうが、もっと急いでほしい、追い越し車線をずっとまっすぐ走ってほしい、などという、安全以上、危険運転未満のような走り方は拒絶されるかもしれない。それがストレスになる可能性もある。

あるいは、渋滞でトイレが我慢できず道路に下りたくても高速道路だとできないとか、自動運転車の想定外(怪獣が出てきた、やくざにあおられているなど)などの場合もどうすればよいのだろう。

そういった事態に対し、自動運転を何時でもリアルタイムに解除できる、あるいはハンドルを握らせつも安全のみ確保する半自動運転のようなことも考えられるのではないだろうか。あるいは、そういった類の好みを個別に反映させることは、自家用車の方が有利ではないか。車の形状が変われば好みの反映にも影響が出るからだ。

そういったことも全部含めて(悪いところは受け入れて)、全部自動運転車にしてしまえ、という発想は、それはそれでアリだと思う。運転がレジャーではなく完全に移動手段の提供だけになってしまう、電車の亜種、のような事態は、当然あってよい。

その場合、運転はサーキットだけで行う、あるいはシミュレーターの中でだけ行うような、完全なレジャーになってしまうのかもしれない。

2018年3月14日水曜日

見えないものを見るカメラ


https://techable.jp/archives/71361

カメラに並列に置いたレーザー照射光を観測することで、死角になっている物体を認識するカメラや、雪の下や霧の向こうにある物体を認識するカメラが紹介されている。単一画素イメージングシステムと呼ばれているらしい。他にも、体内を撮影する応用などが考えられているようだ。

現在計画されている自動運転車のシステムで、物陰に隠れた人や動物などの飛び出しを、別の車やカメラが別の角度から撮影したものを伝える、というものがあるのだが、これはもちろんその車なりカメラがその位置を撮影していなければならない。このためどの交差点でもくまなく、というわけにはいかない。しかし当然このシステムなら自己完結するので確実に分かる。当分はまだ実験室レベルだろうが、何れ使われるようになれば、自動運転システムには取り入れられ、より安全になること間違いない。

また、霧に強くなることは、あらゆる交通手段にとって有利になる。ヘリコプターや航空機に取り付けることで、霧の多い地域で空港が新たに建設されたり、ドローンによる貨物輸送が簡単になったりするかもしれない。港においても離着岸が阻害されることなくなり、道路の通行止めや速度規制の頻度も減ることになるだろう。

そしてこれは「ロボットの目」においても重要な意味を持つ。ロボットは交通手段ではないが、自らが移動したりモノを動かしたりするため、こういった死角に関する情報入手は価値がある。そこまでを見越して行動を決定すれば、より安全により効率よく動くことができるからだ。

飛び出しを警戒する方だけでなく、飛び出す方の警戒にも役立つ。例えば子守ロボットがいたとして、子供が飛び出そうとしていたとき、死角に何かあるかを咄嗟に判断して大声を出す、といった応用もできるだろう。子守ロボットでなくそれがスマホやアイグラス型デバイスなら、正に自衛システムにもなりうる。

これを続けていくと人間の野生の勘が鈍りそうで怖いが、それでもわが子の安全には代えられまい。

2018年3月13日火曜日

火薬燃焼型空中ディスプレイ


従来からある空中ディスプレイの方式には、いろいろなものがある。
  1. 霧や煙にプロジェクタ投影するもの
  2. レーザーで空気をプラズマ化するもの
  3. 高速回転するLEDを使うもの
  4. 鏡やハーフミラーを使うもの
  5. 発光体を空中に浮遊させるもの
  6. 特殊な半透明スクリーンを使うもの
一番過激なのがレーザーだが、本当に空中に絵を描いていると言えるのはこれだけだ。空気をプラズマ化するので相当な高温になる、発光も単色になるなど問題は少なくないが、これ以外に考えられる方法でまだ実現できていないものがある。それが、

「超音波で空中に浮遊させた粉体をピンポイントで燃焼させる」

という技術だ。これを説明する。

超音波スピーカーアレイを使った「音響放射圧」で空中の任意の位置に圧力を生じさせる技術は、何年も前から既に実現されていて、これでごく小さなものを浮かせることは可能だ。これを利用して、特定の炎色反応を生じる粉(花火に使われるのと同等のもの)を連続的に供給し持ち上げてやることは可能である。

そしてこれに火をつけるのも同じく簡単だ。弱いレーザーをマトリクス状にして交差させ、その位置で発火点を超えるように出力を調整すればよい。つまり、任意の位置に粉を持ち上げて、そこでレーザーで点火する。粉の量によって光強度ないしは発光時間が変わり、粉の質によって色が変わる。

粉でなく、燃焼時間を制御できるような粒が開発できるかもしれない。それに加え、液晶画面のように、位置によって色を変え、それを何層も重ねれば、(解像度の問題はともかく)三次元で任意の色の立体を表現することが可能になる。

粒の供給や制御は相当に難しいと思うが、後は制御速度と精度のみの問題であり、原理的には問題はないはずだ。もちろん燃焼を伴うのでそれなりに注意は必要だし、粒の供給が必要な点は不利ではあるが、カラー立体映像を出す空中ディスプレイとしては相当に興味深いものになるだろう。

2018年3月12日月曜日

転送問題の解決法


スタートレックに出てくる転送装置の問題とは、「転送とは複製&削除のことではないのか?」、つまり、まず複製が作られオリジナルが削除されるのだとしたら、外からは同じに見えても実際には別人で、オリジナルは殺されたことになるのではないか、というものだ。

これと類似の問題は多数ある。アンパンマンの頭は交換されると消えてしまうが、元の頭にあった意識はどうなるのか。コンピュータに意識を移したらどうなるのか。銀河鉄道999に出てくる「機械の体」の人たちの機械の頭や新造人間キャシャーンの意識は、など等。何れも「移動」と「コピー&削除」の問題だ。

有名な「テセウスの船」という問題がある。船を少しづつ補修し部品を替えていって、すっかり交換されてしまったら、その船は元の船と同じと言えるのか、という問題だ。これになぞらえ、例えば脳細胞を少しづつナノマシンなどと入れ替えていって、すっかり入れ替わるまで意識が途切れなかったとしたら、同じ人格と見てよいのではないか、という議論がある。

しかし、その速度が一瞬で終わったとしたらどうだとか、寝ている間に終わってしまったら、など、色々と抜け道が考えられなくはない。更には、それが済んだ後にコンピュータに意識をコピーしたらどうなるか、という問題も出てくる。

ここで考えるのは、意識が途切れなければ同じ人格として「自分は」認めるのか、というところで、恐らく人によって答えが違うだろう。その行為が完璧なら、自分はそれを認めるだろう。しかしコピー問題は別だ。そこで考えるのが、脳細胞とナノマシン間の意識のやり取りと、そのナノマシン脳とコンピュータの間の意識のやり取りの違いだ。

後者は明らかにコンピュータ間通信のコピーをイメージしている。コンピュータ間のデータの移動は「コピー&削除」に過ぎないことが分かっているからダメなのだが、そこに「クラウド」という、更にこの問題を複雑にしかねないシステムが入り込んでくる。

つまり、脳細胞のときと同じように、両者が稼動を維持しながら少しづつ情報を移動することは可能だ、ということだ。このようにしてオリジナルから機能を少しづつ奪い、コンピュータ上に意識を構築することができれば、意識が途切れることなく、オリジナルが明確に死を意識することもなく、記憶・意識がコンピュータ上に移ることが可能なのではないか。

こうすることにより、倫理的・宗教的・生物学的その他多数の問題を孕みつつも、転送問題は、ひとつの解決策を得ることができるのではないか、と思う。

2018年3月11日日曜日

レイバーの時代は来るか


「機動警察パトレイバー」の世界では、巨大ロボット「レイバー」が、主に建築などの重機の代替として活躍している。必ずしも人型ではないにしても、だいぶロボット然とした機械が多数うごめくような世界は来るのだろうか、考えてみた。

現在の建築機械の多くは、現在の技術や社会の中で最適化されている、と見るのが普通だ。例えばクレーンはクレーンの仕事をするのに最適化されていて、クレーンをレイバーで代替できるかと言えば困難だろう。それが小型のユンボなどだとしても同じだ。ましてやトラックとの代替など考えられない。

ではどんなところなら使えるのだろうかと考えてみると、主な条件は「足場固めが不要」「段取りが不要」「作業の性質が臨機応変に変わる」というところだろう。例えば穴を掘り続けるならショベルがあればよいが、穴を掘ったら直ぐに土留めを打って、次に鉄筋を這わせて・・・というのを順番に行うなら、レイバーの方が有利だ。あるいはクレーンの方が効率的でも、まず全部吊り上げてから、とするよりは、逐次作りながら手で運んだ方が安価になる場合もあるだろう。

つまり、レイバーの登場は、建築の段取りを根本的に変える可能性がある、ということだ。何か一つの作業が終わらないと次が始まらない前提ではなく、さまざまなことを同時並行で行う前提で計画を組むことができるのなら、そのようなやり方もある。

ただ、そのような場合でも、レイバーの大きさはせいぜい2mが限度で、人が乗り込むことも操縦することもできず、AIで自律制御するということになるはずだ。多くの建築は人のサイズに合わせてあるから、例えば内装をするのに4mの高さは必要ない。

それが考えられるのは、ダムや展示場、橋、トンネル、高架道路のような、人が介在しない巨大な建造物だ。ただ、そのようなところでは大量の機械がうごめくことになるので、汎用機械の出番はあまりないように思う。多くの場合は、土を掘って型枠を設置し鉄筋を配してコンクリートを流し込む、という作業の繰り返しだろう。二本腕があった方がやりやすい場面はあるかもしれないが、大部分は今の機械の延長上になるのではないか。

パトレイバーにも出てきたが、戦闘ロボットというのも考えてみたい。ここでもロボット同士のバトルというのは考え辛いと思う。移動スピードが遅く人が乗っているロボットは、攻撃されやすく守りにくい。戦車のように強固な装甲があって足だけがムカデ、というのは考えられるが、それはむしろ補助であって、メインはキャタピラだろう。建物への突撃なら、やはり2m以下のロボットかドローンということになる。

残るのは、真空の宇宙や深海、高熱、高放射線下などの過酷な状況下での汎用機械としての位置付けだ。そしてこれも、レイバーというよりはロボットの仕事になるだろう。
結論としては、レイバーがうごめく社会というのは、将来的にも望み薄だ。ロボット好きとしては少々寂しい限りである。

2018年3月10日土曜日

曖昧なプログラミング言語


殆どの言語は英語ベースだが、英語ネイティブな人にとって、あの書き方は(少し変だけれども)英語として認識できるのだろうか、というのは興味あるところだ。今のコンピュータ言語は全て厳密な仕様に基づいている(書き方が曖昧だとしても曖昧さを許す範囲はあらかじめ固定されている)が、もっと自然言語に近づいてきたときにはどんな書き方になるのだろう。

何々を25回繰り返す、というとき、do something1 for 25 times. と書けるのなら、もっと英語表記に近い気がする。それで、subroutine somthing1 is to do something2 and something3 concurrently, if stacked, stop doing and send me the error message . くらいなら、今のパーサーでも何とか行けそうだ。

今のプログラミング言語の主流は、さまざまな新しいプログラミング概念を取り込みつつも記述がシンプルなものが多い。このため、コメント欄が欠かせない。だがコメントはプログラムの動きには関係がないから、修正し損ねたり説明し損ねたりしても問題ない。人間が常に適切に書き、修正しない限り、かえって邪魔になる。

この書き方では、従来のプログラミング言語レベルの記述をすると冗長になってしまい、たぶん膨大な量になってかえって読めなくなる。人間が読める仕様書と実言語の間の中間言語として、ある程度読め、抽象度もそこそこの言語があるのがよい。

どんなところを抽象化するのかというと、プログラムレベルで使う変数として人間が読む価値があるを残し、ロジックを厳密にするために内部で使うような変数を隠すのが第一だろう。上で言うなら、for a=1 to 25 ... next などと書くところだが、この a というのは人にとって価値がない。そこで 25 times と書くわけだ。

また、「全ての入力に関してSQLインジェクションチェックを行う」のような記述は、曖昧さを伴った記述だ。これは従来の言語で言う、アスペクト指向に類似している。違うのは、どこに適用するかを指示するかしないか、という点だ。

コードが冗長化する原因の多くは、こういったエラーチェックなどの「ネガティブロジック」だ。これを曖昧な記述で一手に引き受けることができれば、コードはずっと短くなる。これを適切に実行するのには、従来のプログラミング言語とは異なった仕掛けが必要になる。インタプリタでもコンパイラでもない、第三のスヌープエンジンのようなものだ。

プログラムの動きを見ていて、適用可能なところに達したら制御を奪ってチェックを実行する。このような仕掛けを前提にして、可能な曖昧記述を許すような文法を構築できれば、プログラミングはもっと簡単になるような気がする。それは既存の「コード自動生成」と似たようなものになるのかもしれないが、検討に値する概念だと思う。

2018年3月9日金曜日

後部入れ替え型キャンピングカー


キャンピングカーのブームが続いている。個人的にも興味はあるが、今の仕様では買う気にならないのが実態だ。その理由は、車を2台3台と持つ余裕はないから1台で済ませたいが、その1台として使うには大きく重く、目立って使い勝手が悪いからだ。

ピックアップトラック型、トレーラー型も考えられるが、前者は普段がカッコ悪いし、後者は運転しにくくスペースが無駄になる。そこで考えるのが、合体分離型だ。

運転席とボンネット、及び床下は共通として、後席を用途に合わせて交換する、というのがその基本形だ。通常は4~6人乗りのやや大きめの乗用車として、キャンピングカーとして使いたいときは後部を外し、専用のユニットを接続するようにする。この場合は全長や高さが広がってもよい。トレーラーと大きく違うのは、一体化して中を行き来できるようにすることだ。

キャリア(前部)の構造は、「荷台がすごく低いトラック」のようになる。運転席助手席の後ろは無論開いている。また、後輪のすぐ内側にレールを設置しておく。後部ユニットは、救急車の担架のような跳ね上げ式の車輪を持っており、レールにはまってしまえば後は押し込むだけで収まるようにする。所定の位置に入ると金具などで締結する。前後のユニットの防水はシリコンパッキンで行うが、完璧な防水は困難なので、排水溝を設けておく。

車体強度や雨漏り、断熱などがどの程度できるかは未知数だ。また、空いたユニットは野ざらしにはできないし盗難の心配もあるから、オープンな駐車場ではなくガレージである必要はある。それでもこの形状には興味がある。どこかで実現してもらいたいものだ。

2018年3月8日木曜日

宅配ボックス応用


「宅配ボックス」とただ単純に言ったときに、人はマンションの郵便受け近くのものを想像するが、今のところ普及しているのは駅に設置されたものだ。郵便局系と民間(ヤマトなど)系が独立しているのがいやらしいところだが、関東の主要な駅にはだいぶ置かれてきているようだ。残念ながらクール便がないなのが惜しい。また、再配達のみ受け付けであり、最初からは送れない。

コンビニ受け取りがあるが故に、宅配ボックスはあまり普及しているように見えない。しかし宅配ボックスにはもう一つの用途がある。それは、通販のようなBtoCではなく、CtoCでの受け渡しである。

例えばメルカリのようなオークションだ。最後の引き渡しをするのに、相手の家の近所の宅配ボックスに送り、その開錠キーを送る。相手はそのキーで開錠して荷物を受け取る、というわけだ。宅配ボックスまでの配送は宅配業者が行うので、入れた入れないのトラブルが起こることはない(中身はともかく)。

透明のショーケースとしておいて、購入者が開けられるようにする、という手もある。こちらは店舗に置かせてもらうような形をとる。既に手動の類似の棚は存在しているが、これを自動にするものだ。入れるのはやはり(専用の)宅配業者で、出すのは購入者だ。こうすると無人でも品物の受け渡しが可能である。

生産者(野菜でもアクセサリーでもフィギュアでもよいが)が自宅前に透明のショーケースを置いて、これをWebカメラで映しておいて、オークションをする。落札した人が操作することで、宅配業者がそこから荷物を持ち出して指定の住所に送付する。ここでは入れるのは生産者で出すのは宅配業者だ。

このように、宅配業者が仲介する宅配ボックスというのは、ちょっとした応用で新たなビジネスになる。宅配業者はもっと知恵を絞って宅配ボックスのバリエーションを考えてほしいものだ。

2018年3月7日水曜日

QR-IDプリンタ内蔵スキャナ


今の家庭用スキャナには、当然ながら印刷機能はない。だがこれにQRコード印刷機能を付ければ、格段に用途が広がる。そういうアイデアだ。

このQRコードは、紫外線ないしは赤外線インクで印字される。つまり人の目には見えないが、カメラでは読み取り可能だ。QRコード自体は、使用しているスキャナのID(ベンダと製造番号)+単なるシリアル番号でよい。これで一回スキャンすると、その印としてIDが印刷される。

IDを付ける理由は、整理と証跡管理だ。例えばこれをGoogleフォトに上げたとすると、スキャンした画像であることを認識して、時系列に整理してくれる。これだけでも便利だが、スキャンと同時に記録されるので、例えばオンラインサービスと連動することで、署名なしでも改ざんされていないことが確認できる。

もちろん、IDとスキャン内容(OCRなど)は即座にDB化可能だから、その後の検索もIDをキーにできるし、類似の書類であってもIDで区別できるなどのメリットが出る。

QRコードがあれば、書類を探すのはぐっと楽になる。例えば髪を広げておいてスマホでスキャンする、なんてことも可能なはずだ。同じような形の段ボールを積み重ねていて、タイトルをいちいち読むのではなく、カメラを向けるだけでMRでその段ボールを光らせるとかファイルを光らせるというようなこともできるだろう。

目に見えないQRコードを薄い透明シールに印刷して貼り付けると、モノの管理にも同じようなことができる。RFIDよりも実現性の高い、室内のモノや書類の簡単な認識法になり得ると考える。

2018年3月6日火曜日

AI省力化の方向性


https://japan.cnet.com/article/35114383/

深層学習による自動着色によるカラー版マンガ、だそうだ。これはなかなか面白そうだ。
知っての通り、マンガやアニメは日本では盛んだが、その生産者の所得は低い。着色の手間が省けることで作業者の数を減らすことができれば、相対的に所得は上がる。AIの「良い使い方」の一つだ。

ただ、AIがいきなり仕事を全て奪うわけではないが、上の例で言えばアシスタントは半数以上リストラの憂き目に会う。その人たちが生き残るためには、やはりAIを使うことになるのだろう。つまり、その人たちもAIを使って作品を作り出すのだ。

こう考えると、AIが使われることによる方向性は、三つあることになる。一つはコスト低減による報酬の増加。二つ目は個々の仕事における品質の向上。三つめは同業他者が多数出現することである。そして更によく考えてみると、これは別にAIに限ったことではない。

確かに色塗り作業そのものは機械に置き換わってしまうが、その上にある仕事のコストが安くなれば、多数の人が使えるようになる。昔は音楽家などは貴族の周りにいるほんの一握りだったが、今ではほぼ誰でもチャンスがあるのと同じように、使用者の数が増えれば、つまり個々の人間の生活が豊かになる方向に向かえば、生き残りは考えられるだろう。

問題は、そんなに上手くいくかどうか、定量的にはイケるのか、だろう。上の例で行くと、漫画家とアシスタントが百人いて、年間10本の連載があったとする。AI導入でこれが同じ人数で年間20本になったとして、単価が半分になれば万々歳だが、恐らく最初の10本が3割減、新しい20本は7割減、トータルでは市場規模が減る、ということにならないのだろうか。

AIはここにこそ力を注ぐべきで、その方向性とはマッチングである。つまり多様な個性にできるだけピッタリの作品を生み出すことで、適切な人に適切に提供できるようにし、単価を維持ないしは向上させるのだ。そうしないと単なる粗製乱造になり、業界全体が疲弊してしまうだろう。

2018年3月5日月曜日

全部ぴったり


サイズ表記が同じでも、メーカーによって服や靴のサイズが異なる。これが通販を躊躇させる原因になっている。ここに洋服メーカーなどがまじめに取り組んでくれれば、服の通販はもっと加速するはずだ。

このために必要なのは、大きくは二つだ。体型の3Dモデルを正確に計測し、そのモデルに服を着させることでサイズや服の圧迫感をシミュレーションする技術。もうひとつはフルオーダーメイドである。

体型の測定は、ZOZOSUITがその先駆けとして有望だが、精度と(¥0とは言え)普及の面でまだ不安が残る。これからはやはり、ARKitやARCoreによるスマホの活用だろう。こちらとて精度は問題だが、これも時間が解決するものと思う。問題は、メーカーによってポリシーが違い、本人が思うぴったり感とメーカーの思いがずれている可能性だ。このために必要なのが、製品自体の3Dモデルである。

人間の3Dモデルが製品の3Dモデルを「着た」時に、丈は外から見るとして、どの部位にどの程度の圧力が掛かるかを知ることができれば、既存の服と比較してキツイか緩いかが数値的に判断できる。また、3Dモデルなので、歩いてみて靴がずれるとか、ひざを曲げると厳しいとかいうことも判断できる。

ここまでできれば返品率はずっと下がるはずだ。そして後者(フルオーダーメイド)も、前者が前提になっていればもっと気軽に注文できることになる。自分の体形に合う服、として検索で出てくる服は全て無難に着られるとなれば、購入の敷居はぐっと下がることになるだろう。

靴も同様だ。こちらは長時間履いていて痛くなると動けなくなるから、もっと切実な問題かもしれない。

2018年3月4日日曜日

自己修復樹脂応用バルーンジャケット


寒い季節に活躍するダウンジャケットだが、これには欠点もある。圧力に弱く、例えば寝袋にすると背中が潰れてしまい、保温性に欠ける。水に濡れるとやはりしぼんでしまい、保温性が保てなくなる。

非常にマイナーだが、ジャケットを空気で膨らませる構造の保温機構もある。空気で熱を遮断する発想は同じだが、エアーベッドなどと違って細かく気室が分かれている。そうしないと、対流で熱が奪われるからだ。

構造が複雑になる分、壊れやすくもある。そして、どこか一か所でも破れたら、そこから空気が全部漏れてしまうので、断熱ができなくなる。この欠点を克服するのに、自己修復樹脂の特性を使ってみてはどうか、と考えた。

まず、気室は六角形として、その各辺の真ん中がお互いに繋がっているようにする。ここは、空気を膨らませたりしぼませたりするときの空気の通り道になる。
ここに穴が空いたり裂けたりしたときにどうなるか、がポイントである。この上下のフィルムは、一度切れても、切れ目同士を押し当てて放置するとまたくっつく、という自己修復樹脂で作るものとする。

但し、全面をそのまま露出してしまうと全部くっついてしまうので、自己修復しない樹脂でサンドイッチされている。ポイントは、この通常樹脂の厚さは、自己修復樹脂の厚さよりずっと薄く作る。というところだ。また、二枚の間でくっついているべきところ、すなわち各六角形の辺の大部分は、この保護フィルムがなく、露出している。

つまり、もし破れたとしても、空気を抜いて形を整えてやれば、切れ目同士が合わさって自己修復する、ということになる。

また、辺の真ん中の空気の通り道も、ごく細い露出を残しておくことにより、空気を出し入れする時には破れて空気が通り、定常状態ではくっついて断熱効果を高めるようなことも考えられる。

例えば冬山の登山で、バルーンジャケットが使われることはまずあり得ない。穴が開いてしまえば使い物にならなくなるようでは、それこそ命に関わるからだ。しかし自己修復機能があるのなら、検討に値するものが出てくるかもしれない。また、例えばテントの断熱なんてものは夢物語だったが、これなら可能性がある。

2018年3月3日土曜日

家具移動用キャスターロボ


倉庫内の移動用に使う運搬用ロボットは、実用域に入っているようだ。これを家庭用にすると考える時、使う場面として考えられるのは家具の移動だ。倉庫用ロボットの中には、棚を丸ごと動かすものがある。これを適用すれば家具配置は簡単に変えられる。

家具の配置がボタン一つで出来るとなると、色々応用が利く。季節の服の入れ替えはもとより、モノの整理が簡単になるため、押し入れや隙間に押し込んで忘れてしまったり、食材の消費期限を切らせて無駄に捨ててしまうようなことがなくなる。

ただ、自動倉庫と違うのは、家具の大きさ・形は様々だということだ。これに対応するには、従来の倉庫用ロボットではダメだ。そこで少々の工夫をする。

最低でも脚付きの家具にすること、その最低面を下から持ち上げて問題ないこと、を家具の条件にするのが一つ目の工夫だ。これは後からでも加工で対応できるだろう。隙間空間の最低高も指定する。

そしてもう一つの工夫は、小さなロボット4体が連動して動くことだ。勿論それは、各々の四隅に近い位置で作動する。これによって、大きさが違う家具にも柔軟に対応できる。もし大き過ぎる家具があれば、5台6台と増やして分散することも可能とする。

この仕様が普及することによって、部屋の間取りは、押し入れや作り付けのクローゼットなど収納が殆どなく、床の段差がない、シンプルな作りになる。引っ越しもロボットが対応できるようになり、運送もシンプルになる。例えばJITBOXパレットのサイズに統一されれば、荷物運送も引っ越しも全部この規格に収まり、引っ越し自体も盛んになるかもしれない。

2018年3月2日金曜日

ブロックチェーンHCI


https://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1102269.html

このニュースを聞いたとき、計算機リソースを多く使う通常のスケールアウトシステムをブロックチェーンに載せるものだと誤解してしまった。どうやって作るのかと思ったのだが、実態は証跡を中心とした簡易的なものだと分かり、納得した。同時にちょっとがっかりした。

HCIは原則としてデータセンターに構築するものだが、これをブロックチェーン上の分散システムとして構築することができれば、専用サーバは必要ない。個人が使っているPCの余り時間を提供して稼ぐことができるし、システムも堅牢になる。そういったアーキテクチャを考えてみた。

インターネットに接続したPC上に、特定の常駐プログラムをインストールする。基本はこれだけだ。このプログラムは、例えばバックアップソフトと同じように、システムの暇なときにリソースを使って仕事をする。

その仕事は、ブロックチェーンの採掘などではなく、実用的なプログラムである。それも他人が作った、自分とは何の関係もないプログラムだ。リソースを使った対価を仮想通貨で受け取る。

これは、例えばJava仮想マシンのようなものに、実用的な皮を被せたものだ。もっと本格的なVMでも良いが、そこは本質ではない。本質は皮の方にある。
まず、計算の仕掛けそのものは、疎結合の小さい仮想マシン(例えばJava VM)が集団として大きなサーバーをエミュレートする、それもスケールアウトまでエミュレートできる、というものになる。

ここには、計算を頼みたい側の人間が、そのプログラムと対価を設定して投げてやる。システムはそれを、計算機プールとなる多数の分散しているマシンに仕事を振り分け、結果を回収すると共に個々のマシンに報酬を振り分ける。当然、計算を多く行った者が多くの対価を得る。

SETI@homeと似ているが、大きく違うところが二つある。一つは、同じプラットフォームにおいて、複数の目的の異なるプログラムがうごめく、しかもそのプログラムは汎用であるということ。もう一つは対価を得るところだ。

計算プログラムやデータが、個々の端末から覗けるようでは困る。暗号化したまま計算ができなければならない。プログラム自体も、あまり単独では大きなものは乗せられないし、途中で不具合を起こしたり間違った結果を返すなどの可能性もあるから、その仕掛けは相当に複雑なものになる。

それでも、そういう枠組みが一度できてしまえば、今後の計算機モデルは全てこれにしまえば、SIが必要になる機会は減り、データセンタに頼る機会も減り、端末を持つ者は日銭を稼ぐことができるようになるだろう。

2018年3月1日木曜日

情報銀行アカウント


情報銀行のコンセプトを見て、競合他社がコバンザメ戦略をするのに有利だ、と思ってしまった。異なるECサイトで同じお勧めが出たら、ちょっと気持悪いだろうなあ、と思った。Amazon Goやコストコのような会員制の店舗では、入った途端にマイノリティリポート的なサイネージが出てきそうで気持ち悪い。

情報銀行で必要なのは、そこにログインして個人情報を使わないようにできることなのだが、どうもここがいまいち曖昧だ。その情報は、特定のアカウントと結びついているわけではないから、検索などで探し出す必要がある。しかもその検索結果を個人に見せてはいけない、という訳の分からない状況になっている。

そこで考えるのが、個人情報を提供することに対する共通アカウントとして国民IDを指定し、そこでコントロールすることだ。マイナンバーポータルと一緒にするのである。そうすればここで情報を一元管理できる。国民IDと紐づかない情報は、情報銀行では扱ってはいけないことにして、そこをキーに個人情報の消去を請求できる。こうすれば確実に情報を消すことができる。

更には、マイナンバーポータルへのログイン認証が、普段使っているGoogleやFacebook、LINE等のIDと連動しているような仕掛けがあるとよい。そうすれば埋もれることなく普段使いできるだろう。

とここまで書いておいて何だが、実現の可能性は極めて低いだろう。嘆かわしいことだ。

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超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

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