2016年11月1日火曜日

ビッグデータと個人の性格

性善説と性悪説、どちらを取るかと言えば、やや性善説、だろうか。

子供の成長を見ていると分かるのだが、基本的に子供は善だ。だが、同時に自分勝手なところもある。人の持っているものを欲しがり、場合によっては喧嘩してでも奪おうとする。だがこれは「悪」と言えるほどのものではない。

ここで親がしっかり躾ければ、その後は善の人になる。だがこの感情自体は消えるわけではない。 性格というのはこの延長で、「素地があり、育っていくもの」なのだと思う。

育つには示唆や教材が必要だが、それは日頃の親の接し方や、見るテレビ、与える本、友達との付き合い、社会との関わり、などの積み重ねで、大げさに言うならその人の体験全てが学習材料だ。逆に考えると、その子の体験の、少なくない一部をモニターし、あるいはコントロールできれば、その子の性格に大きく影響を与えることは可能なはずだ。

良い学校や塾に行かせる、悪い友達から遠ざける、などは定番だろうが、一見問題なさそうな子供がいきなりバスジャックをしたり銃を乱射したりする事件を何度となく見ていると、その程度では全く不足な気がする。

ネットサーフィンの記録程度であれば、今でも個人情報を収集することは可能だ。これと個人の性格や犯罪歴をトレースすることができれば、何がそれに影響するのかを解析することができるのではないか。更に言えば、監視カメラを置いておいて、親の言動や読む本まで記録すれば、その精度は高まるのではないか。

そしてそこまで分かれば、逆にそれを利用して犯罪を未然に防ぐことができるだろう。だがその先には、自分の(たぶん国など権力者の)思う正義感や価値観を押し付けたり、都合の良い方向への誘導などが待っている。

プライバシーに思いっきり侵入している点で、実現性には大いに疑問があるものの、技術的に不可能ではないという点ではちょっと空恐ろしい。一部の国では現実の心配になるかもしれない。

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