2018年8月31日金曜日

音声ゲーム


自動運転車の中では、暇つぶしが問題になる。運転者に遠慮する必要がないので自由にやりたいが、読書やゲームをすると酔ってしまいがちだ。これは目で追うことと振動が相まっておこるので、音声を主体にしたものが望ましい。

そこで、書籍だったら音声再生、あるいは音声を主体にしたソリューション、例えばゲームなどが発達するのではないだろうか。

また、元々自動車は防音性をそれほど配慮していない。元々エンジンが騒音を発するし、運転者に外の音がある程度聞こえるようにする配慮だが、これも自動運転では必要ないので、防音性を意図的に高めることが可能になる。鉛や二重窓などを使って、極端に静かにすることも可能だ。

音ゲーとしては、例えば太鼓の達人のように、正確にリズムを刻むものがあるが、考えてみればこれも画面を見ながらやるものなので、やはり酔いやすいかもしれない。画面を見ずに済むか、あるいは光の点滅や色のようなごく簡単な表示のみによるようなゲームが必要だ。

これは盲向けのゲームと基本的に同じでよいはずだから、ある種ユニバーサルデザインのゲームであるとも言える。もっと極端に言えば、仕事をしている振りをしながらゲームをする、退屈な会議でこっそり、なども可能というわけだ。これはこれで需要があるだろうから、開発のしがいもあるというものだ。

ただ、自動運転では、加速度や振動に配慮した走りを指定することは可能だろうから、人の運転より酔いは少ないかもしれない。

2018年8月30日木曜日

自動運転車とブリトー


そのうち運転席が無くなるだろう、前を向いている必然性はないから向かい席になるだろう、但しシートベルトは必要だよね、というのが大方の予想だろう。

自動運転にすることで、乗員の全てが参加して何かすることが可能になったとすると、当然「雑談」「飲食」などの要求が出てくるはずだ。すると、動いている中でも食べられる食事、例えばブリトーのような食べ物の需要が増えるのではないだろうか。

なぜハンバーガーでもサンドイッチでもなくブリトーなのかというと、これらは食べるときに細かい食べ物のかけらが落ちやすいからだ。これに対してブリトー、あるいはクレープのような、水分を多く含む柔らかい生地に具を巻き込む形の食べ物は、この可能性が低い。手も汚さずに済む。

カップとブリトーのホルダーをセットにして、座席やドアのどこかに引っ掛けられるようにすれば、車が揺れても飲食が可能だ。テーブルがなくてもよいし、あったとしても、ゲームや本に占領されていたら、このホルダーは有効だろう。

車の中で何かしようとする動機は、他にも考えられる。ただ、読書やゲームは揺れるし酔うので厳しいかもしれない。そうならないための工夫、例えば音声を主体にするような工夫は考えられるが、少々難しいだろう。

2018年8月29日水曜日

優しいAI兵器


https://japan.cnet.com/article/35122701/

AI殺人兵器は開発しない、という誓約に、多数の人や団体が署名した、というニュース。
まあ、守られないだろうし効果は薄いだろう。何れはそうなる。多少の時間稼ぎにしかならないのは明白だ。人工知能は、もはやラズパイでも動くほど普及しており、技術の陳腐化は著しい。部分的にでもAIを使わない兵器は、それこそ皆無になるのではないかとすら思う。

まあもっとも、この誓約はAI全てを否定しているわけではなく、「自律的」つまりAIが最終判断をする兵器のことなので、部分的に使うことについては許されるわけだ。要は最後のボタンは人に渡す、というだけ。その意味でも殆ど効力はない。

なぜAIを忌み嫌うのかというと、「人を殺す最終判断は人間がすべき」ということらしいのだが、どうも納得できない。既にある意見だが、AIの方が恣意や間違いが少ないのであれば、AIに任せた方がより人道的なのではないか、という反論ができる。

それに、じゃあコンピュータは許されるのか、材料工学は許されるのか、原子力は、武道は。そういうものと何が違うのだろうか。量?じゃあ機関銃は?爆弾は?やっぱり意味は同じではないのか。

それに、そもそも兵器自体が人を殺すものなのであって、AIが判断する前に、ジェネラルには人が戦争の開始継続を判断しているのだから、戦争をしたことそのものが悪ではないのか、とはなぜならないのだろう。目の前の人一人多く殺したからといって、その悪は許されるのだろうか。

結局、AIも単に「(過去にも兵器に適用され批判されてきたのと同様の)新しい技術」の一つに過ぎないのだ。問題の本質は技術ではなく、戦争行為をする判断そのものである。
この署名は、「AIは人を生かす目的に使う」という署名であるべきだろう。それなら最終判断も自動化できる。どうするのかと言うと、逆のことをするのだ。即ち、
  • 銃を向けた相手が敵でない可能性が高いと警告を発し、自動でロックする。ロックを外さないと撃てない。
  • 敵でない可能性が高い標的をマークし、そこに被害が及ばないような撃ち方をする。
  • 敵であっても行動不能化を優先し、主に手足や相手の武器を狙う。
  • 大きな爆弾一発ではなく、小さな爆弾を多数、ピンポイントで使用する。
  • 相手の力量に応じて兵器をリアルタイムで選び、無用に殺さない。
なんだかヘンな気分になるが、「使わない」という選択肢をもう一方に見た場合、これはこれでアリなのではないか、と思う。

2018年8月28日火曜日

ゴミ捨て場としての月


テレビシリーズ「スペース1999」の設定は、月に捨てた核廃棄物が爆発して、月が軌道を離れて宇宙に放り出される、というものだった。

核廃棄物を宇宙に放り出してしまえ、という議論は度々あるが、都度却下されている。まず量が多すぎるし、万一打ち上げに失敗すれば核廃棄物が撒き散らされてしまうからだ。しかし遠い将来、宇宙へ行くのが簡単で安全になるなら、何れはそういうことになるだろう。

その際、太陽に向けて飛ばしてしまえ、外宇宙に向けて飛ばしてしまえ、という発想もあるだろうが、月に保管したらどうだ、というのもまた一案である。将来的に再度必要になったときに備えて、全く再利用の可能性のない捨て方よりもそちらの方が、とも考えられる。また、月で発電してエネルギーだけ貰い、核燃料はそこら辺に放り出しておくだけ、ということだって考えられる。

月の裏側に落としてそれを回収する、またロボットが対応するので放射線はそれほど気にしなくて良い、というのであれば、色々と方法はある。それこそ熱電対でも良いし、スターリングエンジンでもよい。

あるいは、その放射線あるいは宇宙放射線の照射によって変質する物質は幾らかあるだろうが、これが有毒物を無毒化するような方向にできないだろうか。地上だと制限が厳しいが、月の裏側なら放射性物質との距離だけとってやれば自在に近づけられる。それこそロープを通してやって両側で引けばよいのだ。

放射線と真空を最大限に利用できる実験場、という位置付けの仕方もできるだろう。単にごみ捨てだけでなく科学に貢献するというのは至極興味がある応用だと思う。

2018年8月27日月曜日

月は無慈悲な夜の女王


https://www.excite.co.jp/News/odd/Tocana_201807_post_17550.html

AmazonのCEO、ジェフ・ベゾス氏が、「地球上の工場を全部月に移す」という発言をしたそうだ。これを聞いて思い出したのが、タイトルの有名なSF。地球の植民地となって、農産品などの輸出を行っていた月が独立運動を起こす、というお話だ。

工場を月に移すといっても、そう簡単な話ではない。輸送費だけでもとんでもないことになるし、だいいち月には資源がない。人もいない。だが、ここには非常に面白い示唆がある。

元々ベゾス氏がそう言っている背景は、地球環境を守ることだ。つまり、無人の月なら幾らでも汚していいから、その分地球を守ろう、というわけだ。今までは地球とせいぜい人工衛星程度だった発想を、月にまで広げて考え直そう、ということは評価できる。

今までは植民ばかりが話題になり、「メリットがない」で締めくくられていたように思うが、今となってはロボットによる「植ロボット」を前提として考えてみてもよいように思う。つまり、人間の量は最低限にして、殆どをロボットが行うのだ。

題記の小説では穀物などが作られていたが、そのためには大量の有機物や酸素などの気体を地球から送る必要があり、それが漏れれば純粋に(宇宙規模での)損失であるから、あまり良い策とは思えない。ベゾス氏は、「重工業」を移そうとしているそうだが、これは正解だと思う。

基本的に、真空でも稼動する工場(もっと積極的には真空を活用できる工場)であって、月資源を活用でき、あるいは地球でやると汚染が酷い(環境対策が厳しい)ものを持ってこよう、と思うだろう。その筆頭は恐らく発電と材料精製だ。また、核廃棄物など汚染物質の投棄を行うことも考えられる。月の裏側に投棄すれば、地球からは安全になる。

この、「真空でも稼動する工場」「真空を積極的に活用できる工場」というのが、今までにはなかった発想であるので、ここを積極的に技術開発する必要がある。もちろん人間がほとんど居ない前提で動かなければならないから、造りもそれなりの配慮が必要である。

従来の真空蒸留や真空蒸着は、始めから真空である性質を使ったものではないため、上の条件とは少し違ってくる。例えば真空だから燃える心配がないとか、沸騰しやすいとかいう性質を利用するのが望ましいのだろう。

月の地質はまだ分かっていない部分が多いが、月の石の分析では、アルミニウム、マグネシウム、鉄が多く見つかっている。これらを採掘し、精製して地球に送る、というのは「アリ」だろう。

太陽光を集光して高温を作り、そこに月の石を溶かして温度を調節することで蒸留する。このくらい簡単なら、ロボットでもできそうだ。

月からモノを送るのには、マスドライバー(射出機)が使われる。このため、高温や衝撃振動でダメになるような精密機械は向いていない(無論断熱し緩衝材を使えば良いのだが、そうすれば高コストになってしまう)。作った材料をそのまま投下するような使い方は単純で受け入れられやすいだろう。

月の北極なら、マスドライバーの設置には適しているし、太陽光も十分に得られる。そこから定期的に打ち落とされる花火も一緒に月見をする、そんな光景も見られるかもしれない。

2018年8月26日日曜日

ライフログ接続アドイン


自動車に乗ったこと、自動車から降りたこと、あるいはその他の交通機関や乗り物に乗ったこと、降りたこと、及びその時間、場所は、GPS付きのスマホを持って歩いているだけで検知可能だ。

Google Fitのようなライフログ検知では、既にこれが使われている。だが、汎用とは言えない。例えば電車に乗ったとして、その駅名とか、料金とか、途中でコンビニに寄って何を買ったとかいうことも、知ろうと思えば知ることはできる。しかしGoogle Fitは運動しか興味がないから、そこしか切り取らない。

セキュリティはもちろん前提とするものとして、ライフログと分析をアーキテクチャ的に分離し、ユーザが欲しい分析をアドインとして載せるようなサービスは考えられないだろうか、と思う。このアーキテクチャを考えてみる。

基本はスマホだ。先ほどのGPS情報は位置と時間を知ることができる。また、振動センサや傾きセンサは、ユーザの状態、例えば人と話しているとかリラックスしているとか食事をしているとかを推定できるだろう。

他にも、ユーザのアプリの操作暦や操作そのものの結果にもアクセス可能とする。勝手に音を聴いたりカメラで覗いたりもするが、ユーザが許可しない限り検知そのものをしないし、検知してもユーザの意思によってしか取り出せないようにする。

場合によっては、ライフログアプリに促されることにより、プラスアルファで情報を入手することも可能だ。例えばSuicaの使用履歴と位置情報をつき合わせると運賃を突き合わせられるし、レシートを読み込ませることで買い物履歴も分かる。

そうした上で、アドインを多数作っておく。ライフログはそれだけでずっと保存可能なので、後から思い立ってアドインを着けても、過去にさかのぼって知ることが可能だ。アドインとしてどんなものが使えるかはアイデア次第だ。
  1. 交通費の自動清算、出張報告の半自動作成
  2. 運動の記録、アドバイス
  3. 食事の記録、アドバイス
  4. 面会記録(知人と会った時間場所等)
  5. 外出記録(気に入ったレストラン等)
  6. 乗り換え案内の高精度化(実際にホームからホームへ掛かった時間を加味する)
  7. 駐車場に停めた車の位置を覚えておく
  8. アイデアを思いついたらとりあえず独り言を言う
  9. 生活習慣病の原因を探る(自分で気付かない癖等)
  10. 過労の予測と警告
  11. 違法行為の推定と警告(飲酒運転、スピード違反、暴行暴言、等)
  12. 座りすぎの警告、エコノミークラス症候群の警告
  13. 頭痛ログ、眼精疲労ログ、眠気ログ等
  14. スマホの触りすぎ警告
  15. 間食のしすぎ警告
  16. ストレス推定、緩和アドバイス
  17. 悪い言葉遣い、悪い生活習慣などの警告
  18. ルーチンの推定とアラーム自動設定(誕生日には花を贈るのなら何時予約すべき、等)
  19. ライフログの匿名化切り売り(情報銀行)
他にも幾らでも考えられる。ライフログ自体の扱いは結構怖いところもあるが、結局は暗号化アーキテクチャと管理の問題である。技術が解決してくれる期待は大きい。そして可能性は無限大だ。

検討してみても良いものではないかと思う。

2018年8月25日土曜日

デジタルワークプレイス


この言葉に対する世の定義には少し不満がある。デジタルを使っていればとりあえずOK、みたいな雰囲気があるのだが、そこはむしろ「全部がデジタルで閉じることが保証される」くらいの勢いでないと、使ってはいけない言葉なのではないだろうかと思う。

単純に一人一台のPCやタブレットが支給されるだけではダメで、書類は全てオンラインで閉じること、連絡も会議も処理も全てオンラインでできなければダメだ。これは単に可能というだけでなく、実際に100%デジタルで行われている必要がある。

例えば、実務はSlackで進んでいても出張旅費申請は別だ、とか、途中までオンラインでも最終提出物は印刷してファイルに閉じてタクシーで持っていく、というのでは、まだ足りない。

その意味では、今のグループウェアなどはまだ部品レベルでしかない、と言えるだろう。納品と受け取りをデジタルで処理するスマートコントラクトとか、調達仕様がXMLで書かれているとか、金融・経理システムと連動しているとか、まだまだひと回り大きな連携システムは必要なのではないか。

法務や納税までひっくるめたデジタルワークプレイスを構成するには、国や自治体など公的機関もこれに対応する必要がある。もうメールに添付するのではなく、納品や納税等に対するAPIを規定して開放するようなところまで行い、雛形となる「丸ごと会社パッケージ」をOSSで作って公開する、というところまでやってやるのだ。

新たに会社を起こしたいと思えば、AWSのパッケージを買って立ち上げるだけで済む。必要な設定はパッケージ側が要求する。接続も全部自動でする。不具合がおきればAIが面倒を見る。そんな究極のデジタルワークプレイスがあれば、人は起業のアイデアだけに専念できるのに、と思う。

2018年8月24日金曜日

間違い探し人間


AIに職を奪われるのではないか、と漫然と不安を抱いている人は多い。そんな中で、当面の間必要となる新たな職業を発見した。間違い探し人間だ。

AIも100%ではないからたまには間違う。当初は人間よりも間違いが多いだろう。AIの能力が人間の百倍あったとして、間違いが1%だったとすると、人間一人の能力でその間違いを全てチェックできる、という計算になる。人はリストラされず、仕事は百倍できて、万事めでたしめでたしだ。

もちろんこんな単純なものではないのだが、例えばAIで文字認識をする際には、AIの「自信」が数字で出る。自信があるものはノーチェックで、自信がないものは人手で再チェックしフィードバック、ということは、研究者でなくてもできる。いやむしろ研究者自身はやりたくないだろう。これは労働者の仕事だ。

郵便局の郵便番号や宛先のチェックは、これに近いことが既に行われている。これをもっと高度にする、例えば状況判断に適用するようにすれば、ある程度業務ノウハウも必要であり、人間の自尊心も保てるだろう。

機械が導入されたとしても人間の役割は(当分)無くならない、というのが分かっていれば、しかも従来の業務知識が役に立つのなら、むやみにAIを恐れる必要は(当分)ない。

2018年8月23日木曜日

VRによる見つけ補助


ディズニーリゾートに車で行って、帰りに車を見つけるのに苦労した人は多いのではないだろうか。渋谷駅前の待ち合わせで相手を探すのよりはまだマシだろうが、どちらもそれなりに難しい。

これに限らず、普通に道案内をするだけであっても、道が幾つも交差するところや、駅前のペデストリアンデッキなどではどの方向に行ったらいいのか分からない、ということも多いだろう。これにVRやMRで色を付けてやると、ぐっと分かりやすくなる。

MRゴーグルを掛けるというのも大げさだから、ここはスマホをかざしてカメラで撮ることにしよう。画像認識とGPSを組み合わせて位置と向きを推定し、相手や目的の方向を強調したり光らせたりすれば一件落着だ。

例えば迷子のような場合、子供がもし迷子タグを持っていれば、大体の方向くらいなら分かるはずだし、これに子供の背格好や顔認識を合わせて候補をマークする、といったことも可能だろう。タグがなければ子供だけ画像認識でピックアップするうということもできる。

相手の情報にどんなものがあるかによって可能な検索方法を選ぶというのは、アルゴリズムでもできるだろうしAI併用も有効だろう。そうして「ありとあらゆる手段」を使って推定し絞込みをする、これだけでも立派な一つのシステムになるのではないか。

冒頭の車探しだが、車から降りたことは、GPSの移動速度が急に変わる地点として分析可能だ。最後に車から降りたところの推定は、ユーザがボタンを押さずとも本当は分かるはずなのだ。そういったところの自動化こそが、これから求められる「親切機能」なのだろうとおもう。

2018年8月22日水曜日

学校用E-Ink端末のスペック


教育でのタブレットの使用を考える際、充電の問題は結構深刻だ。端末の台数が1クラス30台、6年で180台、3クラスなら540台、これを学校で充電する必要がある。専用の充電器が何十台と必要だ。一方でE-Inkを使う電子書籍端末なら、週末に持って帰って自宅で充電してもらえばよい。

E-Inkでは動画や高速な応答はできないが、そもそも教科書の代わりとして使うのならさほど障害にはならないはずだ。それに軽い。今の電子教科書はタブレット前提だが、E-Ink前提で考え直してもらえないものだろうか。

そのためには、三つ条件がある。一つは大画面化。今の6インチ程度のものではダメだ。せめて12インチ、できれば15インチくらいは欲しい。できれば折りたたみがよい。二つ目は頑丈にすることだ。落としても壊れないようにしてほしいし、防水もほしい。子供が扱うにはそのくらいは当たり前だ。三つ目は保証期間6年。小学校で1台、中高で1台。学校で持つなら毎年買い換えるのは一学年分だ。

教科書の内容を単にPDFにして映せばよいだけなので、複雑な機構は不要だ。メモリも最小限でよい。余計な端子も不要だ。折りたたみ時A5サイズ、見開きでA4サイズ、ペン対応。他、外装とディスプレイ表面、蝶番、バッテリーは、交換容易にしておく。

可能であれば、BluetoothかWiFiが欲しい。但し低電力であることが条件だ。例えば、この教科書を一時的にテスト端末にすることが可能になる。先生がボタン一つ押すだけでテストが表示され、時間になったら自動でデータだけ回収される。

データは全てクラウドに回収され、配布するPDFも全部オンラインで管理されるから、学校はペーパーレスになる。必要なデータは親もクラウドアクセスで見れるようにする。もちろん子供の端末にも入っているので、ネットにアクセスできない人はそれを見ればよい。

逆に、親からの提出物がある場合は、テストと同じ要領で、親が端末に書き込むことができる。それを学校に持っていってデータをアップすると完了する。同じことはクラウドアクセスでもできるようにする。

これを、例えばChrome OS用Webアプリとして作りこんでやる。すると、E-Ink端末はChromebookであればよい、ということになる。ログインはデバイスで行うようにすれば(例えばキーホルダーNFC)、パスワード暗記の問題はないだろう。

今入手可能なE-Ink端末で、これを満たすものはない。ただ、殆どの仕掛けはソフトウェアである。これさえ先にあれば、当面は普通のタブレットでも代用できる。ここまで簡単にすれば使わない理由はないと思うのだが、いかがだろうか。

2018年8月20日月曜日

歩きスマホ対策と音声OS


https://www.gizmodo.jp/2018/07/irl-week-how-to-walk.html

歩きスマホが問題になってきて久しいが、既に死者も出ているくらいだから、まじめに対応しても良いのではないかと思う。その一番の対策として考えたのが、音声化だ。

個々のソフトでは音声化の話は色々あるのだが、ここはOSが対応することを想定する。アプリ読み上げだけでなく、OSの操作も全て音声で行う。ある種、盲の人向けのOSのようなものだ。つまり、既存のアプリの一部を盲向けにするのではなく、最初から画面表示を前提としないOSとアプリの体系を作る、ということになる。

盲の人向けのアプリを聞いたことがあるのだが、物凄い早口で喋っていてビックリした。音声の情報量は画像(目で見る)より少ないから、その分速く喋らないと入ってこないのだろうなあ、自分が盲だったら確かに普通のスピードではイライラするだろうなあ、というので、その気持ちは分かる。そしてもしちゃんとベンダが割り切ってそう作るのなら、もっと新しい発想でOSを作ってみても良いのではないか。

例えば、両耳で聞くことを前提として、バイノーラルステレオの技術を使って、音の位置を固定した上で、多数の方向から別の情報を流す、というもの。前からはステレオで音楽が流れ、右斜め後ろからは交通情報が、左後ろからはニュースが、頭の上からはアラートが降ってくる、というものだ。

人は、音の向きさえ分かれば、注意の方向を切り替えることができる。そこで、そういった形で常に情報を流し、もし気になったら頭をその方向(ニュースなら左後ろ)に傾けると音声が大きくなる、としてやれば、かなりリアルタイム性の高い情報伝達ができるのではないだろうか。

また、既存の読み上げソフトなどとは根本的に異なり、画面のテキストを読み上げる、という発想はない。だから余計なメニューや広告を読み上げたり、レイアウトで読む順番を間違えたりすることはない。

アプリも一から作る。まあニュースとキュレーション、Web、メール、SNS、乗り換え案内、天気予報、アラート、くらいがあればよいのではないか。そしてもしそれだけでよければ、今のスマホよりずっと小さくできるはずだ。高度なグラフィック演算と画面そのものがないので、計算能力も低くてよく、消費電力も小さい。上手くすればBluetoothイヤホンサイズに収まるのではないか。

操作はタッチパッドなどを別に持っていても良いと思う。そうすれば、気になったニュースを次々に読んでいくことも可能だろう。リンクのある部分だけ音声を変える、その隙にボタンを押すとリンク先に行く、といった芸当もできるはずだ。

考えてみれば、ニュースやSNSなどの殆どは音声で事足りるものだ。歩きながら聞くのであればそれで十分だ。気になったものだけチェックしておいて、後から映像で見ることも可能だ。そして音声でスクリーニングされているから、その量は少しで済む。

スマートウォッチでスマホを触る時間が減るのなら、音声スマホ(仮)でならもっと減る余地がある。盲の人のためだけでなく一般向けとして、音声OSと音声スマホはもっと考えられてもよいのではないかと思う。

2018年8月19日日曜日

AIスカウト


https://www.mugendai-web.jp/archives/8605

Spotifyに登録している膨大な音楽家を、AIで発掘しようとする試みだそうだ。

ここでの肝は、先に発掘したい人のイメージがあって、それに合う人をAIが探し出した、というところだ。考えてみれば、有力者に見出してもらうことの困難さは今まで常にあった。偶然の出会いが云々などというのも、その一つと言える。

ビジネスでもそうだ。エレベータートークとか懇親会でのアピールとかいうものも、中身ではなく出会いを求めてのものだと言える。今までの感覚で言えばこれは重要だった。なぜなら有力者の時間は限られていて、いくら有能でも知ってもらえなければ始まらないからだ。

これはある種不公平だとも言える。プレゼンが上手ならば中身が多少悪くてもよい、あるいは車椅子のためエレベータートークができない、英語が喋れない、だけど中身は良い、という人を拾えないからだ。しかしAIなら、どんなに膨大な選択肢があっても、疲れず恣意もかけずに、最適な人を選ぶことができる。

一方、音楽家側も、座して待っていれば適切な人にめぐり合えることが保証されるのなら、中身の研鑽に励み、プレゼンやら語学研修やらに時間を割く必要はない、となれば、これは双方にとって有益なことではないだろうか。

そしてこれはスカウトに限らず、あらゆるビジネス、それもプロジェクト単位での人選に影響を及ぼす。同じ会社の中でなら、リーダーの声のデカさに左右されずに人材の配置を最適化することもできる。

ジョブマッチングでもそうだが、こちらは報酬の最適化という特典も付くだろう。これはフリーランスにとっては魅力的だ。安く買い叩かれることが無くなるし、信用信頼を得るためのタダ働きも必要ない。そしてこれは雇い主にとっても、余計な心配や交渉ネタにならないから気が楽だ。

結果として、社会全体が最適化され、フリーランスが増えるきっかけになるかもしれない。AIスカウトはもっと研究されてよい分野だと思う。

2018年8月18日土曜日

内閣府用デジタルペーパー


国会の答弁を見ていて、国の書類の管理はどうなっているのだ、と思った人も多いだろう。一方で「シン・ゴジラ」を見て、コピー機がガーっと並べられる様や、遅滞なく書類を渡している場面などを見ると、「電子化されてないなあ」とも感じる。

ただ、ああいう場面においては紙とコピー機の力は偉大で、タブレットなどはまだまだ使い物にならない、というのも分かる。その場にいる全員に同じ書類を渡す、これだけでも全然話にならない。スピード感が違うのだ。

閣僚に一人一台のタブレットを割り当て、普段は事務官に持たせるものとして、このような場面で使い物になり、且つ国民に説明可能なシステムになるためには何が必要なのだろうかと考えてみる。

まず第一に、A4程度の画面サイズが必要である。次に閣僚が長時間持っても苦にならない軽さ。バッテリ持続時間はそれほど長くなくてもよい。ページめくりの速さは今より数倍速くないと困る。もちろん無線データ接続は必須だ。

仮に、iPad Proの12.7インチモデルを設定してみる。重量は677g。片手で持つにはちょいと重い。キャノンのデジタルペーパー DPT-RP1は13.3型で349g。これなら何とかなる。カラーや動画が出せないが。

ただ、ソフトは工夫が必要だ。背後の事務次官が自由に操作できるようにするのが基本方針である。例えば事務次官にはiPadを持たせておいて、ここから転送するのには端末側でいちいち承認をとることはしないとか、表示を強制的に制御するなどだ。

その場で書類を配布する必要もある。これも事務次官同士でやり取りが必要だ。部屋の中にある事務次官用端末を認識して、スライドして資料を送りつけるような機能も欲しいし、その場でiPadのカメラで資料を撮影するなども必要だろう。

端末も操作タブレットも、常に予備の一台が必要だ。故障や遅滞は許されないからだ。このために、物理的セキュリティには若干目をつぶる必要がある。

操作の記録(ログ)は全てサーバに送られる。つまり、誰に何を見せたか、どのページを見たかなどは記録される。時系列で会議名を後付けして出席者も自動で記録。OCRもサーバでどんどん行う。資料の改ざん防止措置もこの時点で行ってしまう。

こういうシステムがあったら、内閣だけでなく一般の会社であっても、エグゼクティブ級の会議には非常に役に立つと思う。エグゼクティブでなくとも、会議室に多数のデジタルペーパーと一台の制御タブレットがある、という風にしておけば、一般の会議でもペーパーレスが推進できそうな気がする。

要は、まだまだUIやUXには改善の余地がある、ということだ。

2018年8月17日金曜日

リアルタイムAI


AIというと、事前にデータを読み込ませておいて学習してから使うもの、というイメージがある。一方で、大量のデータをリアルタイムに分析したい、という要望もある。今のところそれらはリアルタイムBIという形で実現されているが、ではリアルタイムAIというのはあり得るのだろうか。

BIでは、単独のデータの変化や、ごく単純な相関関係については分析することができる。これに対してAIはデータの組の相関関係を抽出するもの、と考えられる。大量のデータを一挙に取り込むには当然並列化が必要だが、並列に学習可能なAIというのは見たことがない。

逆に考えれば、もしこれができたら画期的だ、と言える。つまり、リアルタイムにそれらの(データの)相関関係が分析できて次の手が打てる、ということだからだ。
例えば、大規模な火災で人が逃げ惑うような状況において、どこに助けに行くか、どの火を優先して消すか、といった示唆がリアルタイムで(状況に応じて変化しながら)できるなら嬉しいはずだ。被災地における物資の不足や道路復旧の優先度付けなども同様の需要があるだろう。

残念ながらアーキテクチャをすぐには思いつかないのだが、これも新しい研究ジャンルとして興味がある。

5Gの値段


先日、NTTドコモの社長だったかが記者会見をしていて、5Gの値段について言及していた。曰く、現状のもの(LTE)と同等か少し高いくらい、とのこと。これには大いに幻滅した。

というのは、5Gの時代は基本的にデータ通信量が多くなると考えていたからだ。速度が上がりレイテンシが向上するのであれば、今までより一杯使おうと思うだろう。しかし同じ値段なのであれば、パケ死までの時間が短くなるだけだ。従来と同じことしかできない。

機材のコスト回収という理由は分からんでもないのだが、これではいけない。使われなければ回収もできないだろう。そこで改めて考えるのは、その値段の根拠は何なのだろうか、ということだ。

使う人間の数はそう変わらない。一人当たりの使用時間だって、そうは増えないはずだ。同じ時間で使うデータ量が増える、例えば動画を見るのなら画質が向上する、というのが殆どだろう。その状態において、パケット比例で料金を設定するのは如何なものか。

では何を基準にすべきなのかと言えば、新しい機材の時分割占有時間ではないか、と思うわけだ。例えば5年で回収するとして見込み客が100人なら、コスト÷5年÷12ヶ月÷100人こそが平均的な支払い額になるべきだ。

この考えていくと、ビットレートが上がればその分パケ代は下がることになる。勿論リニアに下がらなくても良い。例えば1GB2000円だったところにスピードが5倍になったとして、1GB400円でなく700円でも良いだろう。これくらい下がれば費用回収にも支障ない程度に使ってくれるはずだ。

さて、本番に向けてまだ時間はある。料金体系一つで使い方も変わるはずだ。ドコモがどう決定するのか、注目している。

2018年8月16日木曜日

AIオーケストラ団員


今や打ち込みだけでフルオーケストラ演奏が可能な時代ではあるが、たぶんに機械的な音しか出せないのが現状だろう。一人ひとりがインテリジェントな演奏者と指揮者という組み合わせは、打ち込みで再現することは可能にしても、その手間は膨大になってしまう。

そこで、基本的な楽譜だけは作っておいて、AI演奏者を前に指揮棒を振ることで微妙なニュアンスを付けて完成に至らしめる、という方法が考えられるわけだ。

指揮者にVRゴーグルをかぶってもらうか、マルチカメラと半球型スクリーンによるか、などで入力をする。当然見える範囲には相当する人型のAI演奏者がいて、指揮に合わせて演奏し、音もそこから聞こえるようにする。

ここで問題なのは、AI演奏者のインテリジェント具合だ。考えてみれば、指揮者の振りに合わせて強弱やテンポを微妙に変えたり、途中で止めて音声で指示をしたり(練習において)というのは、全て画像と音声に頼ることになる。

指揮の認識AIは共通にしておいて、個々の演奏者に対する指示は個別に学習する、というような構成のアーキテクチャが必要になるのだろう。また、このためには多少AIに合わせる(指揮の方法をAIに分かりやすいように変える)ということも考えてよいかもしれない。

これは相当に高度なことだ。簡単には実現できないだろう。しかし、もしこのAIができれば、楽器編成は思いのままだし、誰でも最高品質の演奏者を使えることになる。たとえそれがシンセサイザーだったとしても、音楽の品質を底上げするには十分に貢献するはずだ。

2018年8月15日水曜日

VHF電波資源の有効活用


既にケーブルテレビやネット配信が充実してきている地域では、電波を使ってテレビを流す必然性はなくなってきている。となれば、電波の使用領域を減らして他に活用しよう、という話が出てきてもおかしくない。

既にVHFの電波はだいぶ空いてきているが、活用の方はからきしだ。i-dioが何とか生き残ってはいるが、NOTTVと同様の道をたどるのではないかと危惧している。

VHFはテレビ局のアンテナが残っているし機材もあるので、原点に立ち返って公共用途に使用してはどうかと思う。つまり既にある機材を民間から借り上げ、ないしは委託して、公共用途に適した情報を送るのだ。

それは、基本的にはデータ放送とする。ビットレートはそれほど高くなくてよいが、皆が定常的に欲しがる(あると嬉しい)情報だ。端的には気象情報、交通情報、時刻、ニュース、警報注意報などだ。

従来でもそれはやっている。だが、全国でデータフォーマットを統一すること、24時間絶え間なく流すことを付け加えれば、新たな付加価値が出る。

例えば、定期的ではなくオンデマンドで出る交通情報だ。十分に流れているときは何も出ず、事故や渋滞が発生したら速やかに放送する。

また、コンピュータとダイレクトに繋がるところも良い。その情報をカーナビと接続して、即座にルート変更をすることができるだろう。アメダスと連動して店頭で傘を用意する、弁当の製造量を調整する、といった自動化もできるはずだ。

既に、ラジオやテレビには緊急地震速報で自動的に起動するようなものもあるが、それだけでなく、HAに繋げることもできる。従来はセキュリティ会社のサービスだったものが汎用になるわけだ。

スマホには今でもワンセグ受信機があるものが多い。これはNHK受信料の対象だそうだが、このデータ放送だけなら無料にして、むしろ受信機の設置を義務化しても良いと思う。

他、信号機の制御など、社会インフラ用の広範なデータ放送としてはいろいろ検討の価値があるだろう。

2018年8月14日火曜日

ソーシャル被災状況マップ


以前のNHKスペシャルでは、東北地震のビッグデータ解析を行っていた。これをリアルタイムで廻せば、ボランティアの活動や救援物資の送付に役立てられると考えるのは自然なことだ。

NHKスペシャルでは、twitterや携帯電話の信号が使われていた。基本的この二つだけで良いと思う。解析の方をインテリジェントにするのが、このシステムの良いところだ。

道路地図と合わせて携帯電話の信号が通らなくなったところは不通とする。つぶやきや写真を見て要支援の場所と内容を特定する。拡散は無視する。デマを監視する。などだ。

これと、救援物資の配送状況を付き合わせる。タイムラグを考慮する。あるいは避難所の人数を推定し、定期便を出す。やることは様々だ。

一つ一つを専用のシステムにするというよりは、全体最適が必要なので、状況把握とその平準化についてはAI的なアプローチが生きるかもしれない。下手に細かく作るとシステムが過度に複雑になり、手に負えなくなる。

例えば物資なら、足りないところと余っているところ(物資集積所)を平準化するイメージだ。孤立と救援者(レスキューや自衛隊)も、プラスとマイナスを打ち消すような指示を出す。移動にも資源が必要だから、まず必要性の度合いをアナログ的数値で出し、そこに資源(車やバイク等)を割り当てる。時間を追うごとにそれも変わっていくので、リアルタイムで修正する。

こう考えると、結構ノンプログラミングでも、低計算機資源でも、動きそうな気がする。実際そんなに単純ではないだろうが、研究としては十分に意義があるものと考える。そして早急に実現して欲しい。

2018年8月13日月曜日

ライブカメラ再び


クリップでポケットに留めておき、一日中間欠撮影をするようなカメラが一時期流行ったが、最近ではとんと話を聞かない。やはり少し使い方に無理があったように思う。

しかし、根は悪くない。過去の失敗の原因を分析し、最新の技術と付き合わせることで、再び日の目を見るかもしれない。

では何がダメだったのか。大きさ、重さ、画質、バッテリーの持ちなどについては、大きく進歩することはないだろう。持ち方を変える、例えばネックバンドデバイス型にする、胸ポケット前提でレンズだけ前に出し本体は大きめ、などは別に考えても良いだろう。

問題は、むしろ撮影後のデータの扱いにある。動き検知くらいはローカルでできても、それを振り返ってどうこう、というところが生きていなかったのではないかと思う。クラウドにアップした上で、いまどきのAIを使って詳しいライブログをとることができるなら、また使いたいと思うのではないか。
  • その日にあった人物を纏める。誰と会ったかはGoogleフォトと連携して自動推定し、会話した時間を概略で計測する。
  • その日に食べたものを纏める。メニューを自動推定し、カロリー計算や食べる速さなどから健康に関するアドバイスをする。
  • その日の運動量を纏める。特にネックバンドデバイスを着けていなくても、カメラだけで何とかなるし、着けていればより正確にわかるだろう。また、どこを走っていたのかなども分かる。
  • その日に行ったところを纏める。
  • その日に使ったお金を纏める。
  • その日に起きた、眠った、食べたなどのイベントの時刻を纏める。
  • 約束をしたとき、自動でそれを認識してスケジューラやタスク管理に入れる。約束を果たしたとき、それをチェックする。
  • 何かを記録したいとき、つぶやくだけで記録できる。頭痛がする、気分が悪いなどの健康上の問題、イライラするなど心の問題を始め、アイデアや気付いたことをメモするなど。その時の状況も一緒に記録できる。
  • そのメモを使って、街を歩いていて見つけたもの、聞いた音楽などを記録しておいて、後でそれを探すのに使う。
  • 外国にいる時、看板や標識の字を認識して自動翻訳して、問い合わせに応じてBluetoothイヤホンを通じて訊く。
  • 著名な建物や知人を見つけて知らせる。あるいはその解説、詳細情報を知らせる。
  • 会社のコンピュータ画面やトイレの中など、必要な場面ではモザイクを掛けてくれる。
それらを全部自動で行ってくれるなら、それが精度80%であったとしても十分に魅力的だ。再度ブームが来てもおかしくないと思う。

2018年8月12日日曜日

行政の(不)親切度スコア


慇懃無礼、質問に答えない、分かりにくい、法解釈を捻じ曲げている、真実を隠している、ウソを言っている。別に犯罪者の話ではない。政治家の話だ。

単純に政治家の答弁でもそうだし、目の前の役所のたらい回しもそうだが、そういった(不)「誠実度」あるいは(不)「親切度」のようなものは近年増しているように思える。そのこと自体は感覚的なものなのだが、それを客観的に評価する方法はあるのではないか、と思う。

恐らくそれは多値パラメータの非常に複雑なもので、人によっても違うだろうが、概ねその人の「イライラ度」に比例する。こういったものの評価は、AIが得意だ。

もちろん今はどうやって作ったらよいのかわからないが、もしできたとしたらそれをリアルタイムで公表してBIツールで可視化して、となると面白い。

評価が悪いからといって直ちにどうこうということはないにしても、数値で見えること、それが積みあがっていくことを思えば、少しは政治家の態度に影響を与えてくれるかもしれない。

2018年8月11日土曜日

難解な契約のAIによる解釈


米国の俳優と映画会社等の契約書は膨大なのだそうだが、本人がそれを逐一読めないほどの分量というのは、それだけで十分に犯罪ではないかと思う。

日本の場合は、保険の契約がそうだろう。例えば病気や怪我に対する保険の適用について、病気の種類によっては例外がある場合がある。それが病気なのかどうか微妙な場合の線引きとして、例えば親知らずの抜歯は適用になるのだろうか。

実は親知らずの抜歯でも入院して手術するというケースはそれほど珍しくない。それも医者に勧められたものだった場合、普通なら保険適用と思うだろうが、そうでないことは多いのではないか。

契約書が長いのは勿論正確さを求めるためというのが第一だろうし、殆どの項目は問題ないものと信じたいところだが、それをチェックするのが人間であれば抜け漏れも偏りもあるだろう。それをAIにチェックさせるというのには、一定の説得力がある。

それも、契約自体のチェックだけでなく、実際に申請して適用除外されるケースがどれだけあるかの情報開示があれば、ネックになりそうな契約条項があらかじめピックアップできるだろう。それに、必要ない条項、例えば支払い能力の調査に全収入支出の調査権が与えられるような事項についてもチェックができるはずだ。

ここから発展して、例えば複数の保険を並列に突き合わせてみて有利不利を知るとか、状況の分かりやすさをスコア化するとかも可能ではないかと思う。

2018年8月10日金曜日

支援物資仕分け支援


地震などの災害があるたびに問題になるのが、救援物資の仕分けや配送だ。当然ながら災害があったわけだから、道路や鉄道は寸断しており、状況は把握できておらず、送られてくる支援物資は何が入っているか分からない。使えないものも多くあるだろう。それを仕分ける職員の人数も大幅に足りない。

ここでは、仕分けのスピードアップについて検討する。

通常の感覚なら、支援物資は被災地の自治体に送るものだ。だが、ここは敢えて、被災地から十分に離れた「仕分け基地」に送ることにする。政令市を中心に、地理及び交通網を配慮して設定する。例えば、東北地震の際は東京と札幌を指定する、などだ。熊本なら福岡でいいだろう。

そこに人が集まり、救援物資を開梱し、次に仕分け隊が枝分かれで仕分けをしていく。末端で再梱包と表記を行い、送り出す。この時点で、不要なもの(夏の時期に冬服は不要、消費期限切れの食料など)は弾かれる。(纏めて換金すればこれも役立てられる)

被災地自治体はリアルタイムでその状況を把握し、「発注」する。再梱包されたものは中身が正確に分かっているので、着いたら直ぐに届けられる、というわけだ。

仕分けの各段階で、ロボットや画像認識が生かせるはずだ。また、日本では災害が頻繁にあるので、仕分けのノウハウが集中して溜まれば効率は向上する。ボランティアを募るにも人が集まりやすい。

これには、自治体が共同でカネを出し合ってプールし、研究と準備、有事の組織体系などを決めなければならない。が、残念ながらそれを主導する人がいない。自治体連合、ないしは総務省の音頭とりなどがあれば事は進むのだろうが。

2018年8月9日木曜日

低級路線ネットスーパー


普通のネットスーパーと高級なネットスーパーはある。しかし低級のネットスーパーはない。これからの低所得時代、こういうものがあっても良いのではないか。

仕掛けは簡単、逆オークションだ。参加するのは近所のスーパーや個人商店。市場まで入ってもよい。個人がカートに商品を入れて、例えば15分だけオークションタイムを設定する。その間に一番安い価格を入れた業者が納める、というものだ。

当然ながら、個々の商品ごとにやっていたら採算が取れないので、総額幾らで競る。また、見切り品(当日消費のみ)枠を設け、こちらの品質は低くてよいものとする。もちろん酷過ぎるものを避けるための業者評価制度は導入する。

逆に、値段を決めてそこにどれだけモノを詰め込めるか、というオークションも考えられる。例えば3000円と決めて、うち幾つかの商品は数量の下限のみ入れ、幾つ入るかでユーザが選択する、などだ。

これをするためには高度な自動化が不可欠で、特に配送の迅速化が必要だ。例えばロボット配送カーがある店のみに限定する、などは配慮すべきだろう。

上手く使えば、今で言うこども食堂や貧困者向け低価格食堂が行っているような、廃棄品利用と同等の効果が見込める。

2018年8月8日水曜日

Acer Chromebook Tab 10


この話が出てきてから、欲しい欲しいと思い続けているのだが、それがなぜかを整理してみたくなったのでそうしてみる。

まず、前提として欲しいのは、
  • コンテンツ消費用の、気楽に使えるマシン。つまり設定が固定でアプリのインストールが自由にはできないもの、セキュリティを突破されて自宅環境に悪さをするようなことがないもの。
  • 子供向けのマシン。悪質なWebサイトに行かない、課金されない、プライバシーが守られる、使用時間制限ができる、など。
  • それらが一台で済むこと。
昔は、HDDやCD-ROMが入っていたものだが、今やノートPCでもそれらは入っていない。一番壊れやすいのはキーボード、そしてヒンジ、画面だ。画面はゴリラガラス等でだいぶ強化されてきたが、キーボードとヒンジは脆弱なままだ。2in1などはそれが顕著である。

タブレットなら、キーボードはBluetoothにしておけば、壊れたら買い換えればよい。またこれなら、2in1のキーボードのようにバカ高いこともないだろう。Surfaceのキーボードは次点として考えても良い。

ただ、Windowsタブレットは使い勝手が悪い。OSは何とか対応するにしても、ここのアプリケーションがマウス前提だから使いづらいのだ。それにWindowsは自由度があり過ぎる。

するとAndroid、iPad、Chromebook、となる。このうち、子供向けとしては最も良いものはiPadだろう。親のApple IDから子供のIDが作成でき、アプリ制限や課金制限など様々な設定ができる。Googleにもファミリーリンクがあるが、機能としては中途半端だ。

だが、iPadはマルチアカウントに対応していない。さすがに家族一人一台とはいかないし、設定の管理も大変になる。Androidはマルチアカウントに対応しているが、個々の設定はやはり機器毎になる。一番簡単なのは、アカウントに紐づいているChromebookだ。

今のところ、Chromebookかつタブレットというのは、この一機種しかない。選べないのは残念だし、スペック的にももっと軽く大きいものが欲しいのだが。Chromebookは日本ではなかなか普及していないが、もっと色々と選べるような時代になって欲しいものだと思う。

2018年8月7日火曜日

LPWA見守りサービス


LPWAを使ったサービスとして最もよく出てくるアイデアは、IoTと見守りだ。このうち、見守りはプライバシーの問題が出るので簡単には進めがたい。しかしここにちょっとした工夫をすることで、これを打ち破ることができるかもしれない。

そこに登場する技術は二つ。一つはAIによる行動パターン分析、もう一つは大量配布とタグ化だ。

もし、意識して本人に付けるのではなく、ランドセルや服や帽子に当たり前に付いているタグの一つ一つにその機能があったとしても、いちいちそれを全部登録するような面倒はしないだろう。買い換えればやり直しだし、毎日何を着て出るかは分からない。まず、そのような「どうしようもない状況」を作っておく。

もう一つは、AIによる異常検知である。あらゆる状況を踏まえ、今の状況が異常かどうかを判断する、というものだ。これはその他のタグとの組み合わせも意識する。

例えば、子供の場合は靴を片方なくすことはあり得るだろう。しかし大人ではまずあり得ない。上着やかばんを忘れて帰ることはあっても、下着を忘れることはないはずだ。

日頃の行動範囲と異なっていたとしても、例えば子供なら公園なら友達に誘われたかもしれない。しかし離れた住宅街なら異常だ。それでも親と一緒なら異常ではない。そういった「異常」が起こるまで、タグのプライバシーは守られるようにする。もちろん警察が判断すれば話は別だ。

特に登録することなく、常にAIにのみ監視されている、異常がなければそのデータは見られない、となれば、抵抗も少ないだろう。もちろん当初は不安もあるだろうから任意にするにしても、時間と共に社会に受け入れられるようになる可能性はあると思う。

2018年8月6日月曜日

無人電車


車の自動運転ができるなら、電車の自動運転の方が遥かに簡単なはずだ、というのは、誰しもが思うことだ。だがこれは殆ど行われていない。

自動車と大きく異なるのは、乗客の乗り降りを制御するところだ。だがこれはこれで技術開発可能である。後は電車内でのアクシデントだが、これも遠隔監視があればそれほど難しいとは思えない。

電車には自動車(自動運転車)にはない特徴があるが、それは①渋滞がない、②高速で移動できる、③大量に運べる、④エネルギー効率が高い、という点だ。自動車と電車は共存可能なはずだ。

考えるのは、都心ではなく地方の電車である。駅と自宅、駅と目的地までの間は自動運転車で、駅間は電車で移動する。地方都市でこの何に不満があるかを解決できれば、都市が活性化する可能性はある。

その一つは、間違いなく時間間隔だろう。一度電車を逃すと一旦家に帰ってお茶を飲んで再度、などという間隔ではなく、いつでも飛び乗って好きなところに行ける程度の間隔、例えば15分間隔で動き、更には混雑で乗り損ねたら予備の電車が出動する、という前提ならどうだろう。

あるいは、センサで呼べるとしたら。つまりホームに着いたら15分以内に電車が来ることが保証されるとしたら。

従来型の電車では採算が合わないことは間違いない。そこで、電車の方にも工夫が必要になる。それは車両の小型軽量化だ。長さを短くするだけでなく、単線を複線化して幅を半分にする、といったことも検討できるだろう。車体もFRPなどで軽量化する。その前提では台車も軽量化できるだろう。例えば車輪を非金属で作ることもありうるだろう。

勿論自動運転をするので、運転手と車掌が不要になる。運転計画も含めて自動なので、トラブル対応以外は完全に無人にできる。プライベートモードを指定して、他人が乗り込めないようにすることもできる。これはセキュリティ対策としても有効だろう。その際は更に小さい車両を使うことができる。

通常の電車の一車両当たりの定員を140人として、車長半分、車幅半分の電車を作ってみる。単線を複線にする前提だ。この電車の定員は20~25人程度になる。これはマイクロバスと同程度だ。ただ、マイクロバスより座席数は少なく、立ち席(つり革手すり)も含まれる。実際に乗るのは5~10人程度だろう。

更に小さいプライベートモード専用車はその半分で、定員は10名程度。座れるのはその半分程度だ。同時に乗る人数に関わらず一台貸切の値段とする。同区間をタクシーで走るよりは安く設定する。

後は採算に乗るかどうかだが、恐らく車両のランニングコストが決め手になるはずだ。それこそ遊園地のゴンドラに使うようなFRPという手もあるが、あれよりはずっと速度が出せないといけない。しかし従来の電車と同等では高くつき過ぎる。路線によっても違いが出るはずだ。どう折り合いを付けていくかが悩ましいところだろう。

2018年8月5日日曜日

ブロックチェーンFAX


メールやSNSは便利だが、ちょっと込み入った情報を伝えようとするときには紙が便利だ。例えばスマホやらくらくホンしか持っていない人にPDFを添付したとしても、ちゃんと印刷してくれるかどうかは怪しいものだ。ITに疎い人でも印刷してくれるような機械があれば、と思うのだが、考えてみればそれはFAXとさして変わらない。

機能としてはこんなものになるだろう。まず、サイズは今のプリンタと同程度。印刷の機構はインクジェットと同じだ。ケーブルは電源のみ、ネットとはWiFiないしはSIM接続。スキャナ兼用、ルータ兼用、プリンタ兼用のようなバリエーションがあってよい。

FAXと違うのは解像度とカラーだ。インクジェット並みの解像度となれば、もう写真品質でもOKだ、ということになる。また当然フルカラーである。

問題は、どうしたら印刷ができるようになるか、である。他人のプリンタに印刷するのと同じなので、印刷費用は相手持ちになる。スパムや迷惑行為の防止は必要だが、一方で相手に複雑な操作を強いるのも避けたい。

これに関しては、印刷費用は送信者持ちにする、というのが有効だろう。1枚いくらで送る側がチャージするわけだ。その費用は相手に直接支払われるようにする。例えば、その機械に仮想通貨ウォレットを仕込んでおく。

相手の番号を指定して、スキャナに原稿を差し込み、ボタンを押せば、FAXと同じようにネットを通じて相手にデータを送られる。その際、事前にウォレットにチャージをしておかなければ途中で送信が止まってしまう。続けるにはスマホなどからその機械に送金しなければならない。

もちろん、スマホやサーバと接続することで、データを直接送信したり、受け取ったデータを印刷せずにサーバに溜め込む、あるいはスマホに転送するなども可能としておく。ここら辺は幾らでもバリエーションが作られるだろう。

中央サーバがあると何かとセキュリティ上の懸念が出るので、ブロックチェーンとスマートコントラクトのような仕掛けにすればすっきりする。データの受信に失敗すれば支払いされない、データが消えてもネット接続の復活で再構築できるなど、分散システムの利点もいろいろと享受できそうだ。

2018年8月4日土曜日

どこでも1-click


https://news.mynavi.jp/article/20180705-659423/

電池で動き、ボタンを押すだけでAmazonの注文ができるスイッチがあったが、あれは自宅のWiFiにスマホで接続する必要があった。このボタンはLPWAなので、それすらも要らない。本当に、ただ単に買ってくる(配布される)だけでよい。そしてボタンを押すと何が起こるかは、プログラムできる。

ボタンを押すと、LPWAを通じてAmazon Lambdaを起動するというのだが、このLambdaというのがサーバレスコンピューティングできるもので、要はサーバの構成や負荷を気にしなくてよい。幾らボタンを配っても、プログラムは一つでよいわけだ。

以前にも似たような話をしたが、Lambdaに対応しているというのはたぶん今回が初だろう。いきなりLambdaのコードを書けばよい、という手軽さにおいて、こちらが一歩リードしたと思う。

その性格からして、これは大量にばら撒くものに適している。例えば投票ボタンなんてどうだろうか。コードを配線する手間がないし、数百人がいっせいにボタンを押しても破綻しない。

電池の持ちは心配だろうが、押す力で発電するボタンなんてものは既にあるし、なんならぜんまいでもよい。そうすれば半永久に使える。

非常に極端な話だが、世の中のスイッチを全部これにしてしまえ、ということは言えるわけだ。内部で配線するのではなく、一旦無線で通信路に出てしまい、処理は全部コンピュータで行う、というアイデアだ。例えば、巨大な操作パネルをこれで作る。それこそタダの板の上にパーツを並べるだけ、穴を開ける必要も配線する必要もない。背後に何もないから壁が厚くなることもなく、必要なくなったら板ごと外すだけ。

そんな板を複数作って倉庫にしまっておき、必要に応じて持ち出して使う、という運用もできるはずだ。災害対策用なんてものはまさにうってつけだろう。PCのキーボードにしても、板ごと取り替えれば英字配列だろうがOASYSだろうが自由自在だ。

まあ、Lambdaを起動すれば1回何円とカネが掛かるので、そこまで極端なことはないにしても、普段はあまり押されず、何かの折にバースト的に大量に押されるボタンにこの仕掛けを使う、というのは、考え方としてはアリだと思う。

2018年8月3日金曜日

商店街のモール化


地方都市では商店街が廃れ、ショッピングモールに客を取られているのは周知の通りだ。これを逆転するための施策を考えてみる。

ショッピングモールが人気になるのは、その広大さゆえの多様な店舗だ。集客が見込めるからブランドの店を呼ぶことができるし、大型の設備が必要な映画館やクリニック、カルチャースクールなどを併設できる。これで犠牲になっているのは、「客からモールにアプローチしなければならない、遠い、渋滞がある」などであろう。

商店街の魅力は、何と言っても歩いていける「近さ」だ。コンビニは更に近いが、規模が大きいためコンビニではない品揃えができる。しかしそこには規模経済はないから高いし、ショッピングモールに比べれば品揃えは少ない。

しかし、ここにはもう一つ、隠れた商店街の不利がある。それは、商店街は個人商店の寄せ集めである、という事実だ。バーゲンの日取りを揃えたり休みを交互に取るなどの施策はあったとしても、全体としての意思統一が弱い。

例えば店舗の並びだ。例えば、駅から伸びる商店街だとしたら、駅に近いほど「これから駅に向かう人」の需要が大きい品を揃えるべきだし、逆に遠いほど「駅から家に帰る人」をターゲットにすべきであろう。また、似たような商品が遠くに離れていたら面倒だ。

また、同じような商品を揃える店は2件は要らない。値段が違うと比較しなければいけないから面倒だ。需要のない店は潰して需要のあるものを入れたいが、じゃあどこに入れるのか、喧々諤々になる。それも時間の無駄だ。

扱う決済手段が異なるのも面倒だ。ある店ではJCBが使えるが別の店では使えない、では困る。近年は電子マネーもポイントも多種多様だから、それが消費者に混乱を与えるようではいけない。

ではどうするのか。その答えが「商店街のモール化」である。

まず、商店街全体は全てモールが買い取る。店主は基本的に土地使用料にて収入を得るものとし、住居は別にする(出て行ってもらう)。その上で、商店街全体の建物は全て建て直す。

作りは二階建て長屋型だ。1階は通路から、2階は適当な間隔で階段とエレベーターを設置し、裏に同様の通路を設ける。2階も通して端から端まで行けるようにする。交差点は2階でまたげるようにする。また、区画は自由に作ることができる。

何処にどんな店を置くのかは、純粋にマーケティングで決める。それもフレキシブルにし、1日休めば入れ替えられるようにする。ブランド誘致などもモールの企画部が考える。
働くのは全てモールの社員であり、土地権利者とは切り離す。もちろん土地権利者が応募しても良いが、どこで何を売るのかは選べない。また、売上は関係なく、給料制になる。
仕入れもモール一括とする。もちろん収益はモール全体で考える。

大型ショッピングモールと異なり、有名ブランドをずらりと揃えたり、映画館など大規模設備を入れるのは困難だ。一方でオープンカフェを多めに置いたり、カラオケやビデオ鑑賞、飲み屋街といった品(店)揃えのフレキシビリティは、モールより上だろう。

寂れた商店街の起死回生策としては、検討の余地があるのではないかと思う。

2018年8月2日木曜日

仮想議会


国会でも市議会でも良いのだが、顔を合わせて議論をしないほうが冷静な議論ができる、という面はあると思う。日本でもかつては乱闘やら牛歩戦術やらと意味不明なことが行われていたが、バーチャル空間上に議会を設置してしまえば、そういった茶番は無用になる。

ここで提案するのは、メイン会場があって、出張者だけがTV会議で参加するのではなく、全員がTV会議で参加し、議会自体も仮想空間上に設置するものだ。

答弁席、議長席は常に映るが、それ以上は出席確認と発言者のみの映像、資料映像、投票、発言要請などのみを配信する。これなら大量の回線は必要ないし、野次も拍手も聞こえない。(いいね!ボタンはあっても良いかもしれない?)

カメラは全ての出席者に対して必要で、出席確認も厳密に行う必要はある。チェックインしてから抜け出る、別の人が一緒に居る、などは排除しなければならない。(居眠りくらいは許されるだろう。) その意味では必要な仕掛けはあるので、新規開発になる。

さすがにスマホ一つで、というわけには行かないだろうし、機械だけでなく設置場所にも制限ができるかもしれない。信頼できる建物の常設の専用TV会議室に限る、などだ。

その手間を掛けても、そのようなシステムで運用する価値はあると思う。例えば全ての議会は録画保存され公文書にすることができるし、議事録を取らずともそれをそのまま使える。もし必要になれば、音声認識で自動作成することもできる。

時間厳守もできるだろう。議長のマイクを取り上げるとか議長席に詰め寄るとかいった、詰まらない工作もできなくなる。本来のTV会議の利点である場所の自由性は、国会では有効だが地方議会ではあまり関係ない。従ってまずは、国会をメインターゲットにするのが良いだろう。運用が上手くいけば、国会議事堂は廃止でよい。

天皇陛下臨席での開会式など、儀式的な面では後退してしまうが、それもまた目的のひとつである。

2018年8月1日水曜日

個人用自販機


あるいは家庭用自販機、とでも言おうか。自宅のすぐ脇にあって、品揃えが少数多種、単に飲み物だけでなく、生鮮品や惣菜などもラインナップに加え、複数台並べて簡易コンビニ的に使用する。

自販機コンビニと似ているが、大きく違うのは次の通りだ。
  1. 品揃えはカスタマイズできる。
  2. 少量多品種は更に徹底される。
  3. 専用のプリペイドカード等で安く買える。値付けは近所のスーパー等と連動する(十分に安い)。
  4. 販売データは共有される。
  5. 補充はロボットが行う。
似たような仕掛けとしてはコンビニがあるが、コンビニはあくまで不特定多数がターゲットだ。こちらは個人、あるいはごく狭い地域がターゲットである。コンビニよりも更に個に特化したシステムだ。

非常に極端な話として、自宅の壁にこれが埋め込まれている例を考える。外側からは業者のロボットが補充できるようになっている。内側は室内だ。契約に基づいているので自動引き落としである。

これは、冷蔵庫やストック倉庫と殆ど同じ意味を持っている。もしこういう設備があれば、冷蔵庫自体は小さいものでよい。開封する時に初めて買えばよいから、冷蔵庫は常に使いかけのものしかなくてよいからだ。

また、スーパーで選びながら買うのではなく、例えばしょうゆならこのブランド、と決めておくことで、余計な商品が置かれることはない。ほぼ必要なものばかりが並んでいるし、一度買えばしばらく買わないようなものは一旦消える。ラインナップにないものがあれば、リクエストすれば翌日には入荷している。

これなら、日々の買い物は自宅から出なくて良いし、ネットスーパーのように気合を入れて(送料が無料になるように)品を選ぶ必要もない。時間指定で自宅に待機することもない。

ユーザー体験は最高だが、実現には遠い壁がある。それはコストと販売予測だ。相手が少なければ少ないほど、その精度は高いものが要求されるし、機器にも配送にもコストが掛かる。

これに対し、AIと配送ロボットを使うことで、この問題を低減することは可能だろう。このシステムでは店舗を持つ必要がないため、カタログ通販の延長として、仮想スーパーが参入するかもしれない。

配送量ゼロの少額ネットスーパーの新形態としての普及も期待できるが、品物を能動的に揃えるのか、AIが勝手に考えた中からその場で選ぶのか、ではだいぶ体験が違う。例えばマンションにコンビニを誘致するのが困難な場合にこれで代替する、というような発想は、あってもよいのではないか。

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