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2026年9月8日火曜日

日本の石油需給・財政・産業構造への影響分析(2026年9月版)

 8月版に続き、9月版をお届けする。

大雑把に言うと、以下の通りになる。

  • 原油の輸入量は予想を遥かに上回る速度で回復し、7月には2月とほぼ同等になった。だがこれは3月4月に新たに調達したものが6月7月にたまたま重なって到着したためにそう見えているだけで、恒常的に見るとタンカーはまだ足りていない。従って8月9月はまた若干減る傾向にある。
  • 前回懸念した経路延長によるタンカーの増強に関しては、平時に対して50%増を確保した。これにより上記輸入量を確保できたわけだが、そのしわ寄せによって主に南アジア各国が深刻な石油危機に陥った。
  • ナフサは原油に比べると不足幅が大きく、このままだと計算上は5ヶ月で枯渇する。ナフサのタンカーは特殊な構造で、原油用タンカーを転用できず数も少ないことから、今後も輸入は厳しい。
  • 石油備蓄は2月から9月に掛けて18%減となっている。残りは200日前後である。
  • 石油は価格弾力性の非常に低い商品であり、平時の90%程度であっても価格は急騰する。現状の輸入量ではまだ安心できる状態ではない。
  • 原油価格は2月比で1.7倍となり、これが様々なモノのコストの上昇を招いている。
  • 補助金や輸送コスト増、備蓄買い戻しなどの国費負担は、この半年で合計3〜4兆円と見込まれる。
  • 中国はロシアからのパイプラインがあるためこの間ダメージを受けておらず、一方で日本が南アジアにダメージを与えてしまったこともあり、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と中国の一帯一路構想における安全保障モデルの差が浮き彫りとなった。
なお、生成AIはGemini 3.8 Thinkingを使用している。また、Deep Researchを掛けるとなぜかGeminiは回答を拒否してきたので、Deep Researchは使用していない。

2026年8月4日火曜日

シリコン太陽炉設計の変更

 
以前投稿した

太陽炉とシリコン発電所の設計

だが、その後GeminiからClaudeに切り替えて検討してみたところ、思ったほど簡単ではないことが分かった。そこでClaudeベースで再検討をした結果をお知らせする。

まずClaudeが指摘したのは、酸化ケイ素から酸素を分離するには、単純に高温にするだけではダメだ、ということだった。酸化ケイ素(SiO2)を高温にして気体にすると、Si+O2ではなくて、SiOとO2の混合気体になる。しかもこの混合気体から酸素を分離するのは相当に困難で、電界で分離する方法では効率が悪いということだった。SiOでも燃やせることは燃やせるのだが、当然ながら熱量はSiに比べて低く、コスト計算でも悪い結果が出た。

一般的に、SiO2を還元する方法としては、「炭素熱還元」という方法が取られているそうだ。これは、1700〜2000℃(減圧下)で炭素粉とシリカ(SiO2)粉を暴露することで、酸素を炭素側に移行するというものだ。つまり以下のような反応である。

SiO2+C=Si+CO2

SiO2を全部気体にするには3000℃以上の高温が必要だが、この方法では1700℃まで下げられるので、その分効率は高い。しかし一方で大量のCO2を出すことになる。これだとイカンので、CO2の回収方法を色々と検討したのだが、どれも如何ともしがたく、コストも高いことが分かった。そこで割り切って、「炭素材として竹炭を使う」という方法に落ち着いた。つまり、発電所で回収するのは諦め、CO2を吸収する植物の炭素を使うことで、仮想的にCO2排出をゼロにする、ということにした。

炭素材として植物性の炭を使うという観点では、伐採した木枝や草刈りした雑草、あるいは(前処理は必要だが)古紙なども対象となる。これらはゴミなのでコストは更に安くなる。ただ、品質が安定しないため、それに見合った還元パラメータの調整が必要になるだろう。

また、炭素熱還元はあくまでも実験レベルであり、効率もまだ処理精度も70%程度と悪い。SiOやSiCのような不純物が多く出てくるそうで、実用レベルで95%程度を目指す必要があるが、これには目処があるそうなので、95%で算出した。処理精度が低いとシリカヒュームの価値も落ちるが、これも双方で補正している。

以上の修正を考慮し、コストを再計算した。

比較対象 コスト(ドル/kWh)
太陽光単体(調整力なし) 0.02〜0.035
太陽光を調整可能にする実質コスト(ファーミングコスト) 0.115〜0.167
ガスコンバインドサイクル(実際の調整役) 0.078〜0.090
石炭火力(参考、調整役としては不適) 0.068〜0.166
Si燃料発電(正味、シリカヒュームクレジット控除後) 0.04〜0.50
Si燃料発電 + CO₂ゼロ価値(EU ETS水準) 正味コストから0.07〜0.19ドル/kWh差し引き

表の見方を解説すると、まず太陽光発電自体のコストは0.02〜0.035ドル/kWhと安いのだが、太陽光発電は需要に応じた出力調整ができない。それを調整するのに使われるのがガスコンバインドサイクルで、これはかなり高額である。そしてそのガスコンパウンドサイクルは頻繁に出力を調整する必要があり、また揚水発電や蓄電池なども使われているため、実質コストはもっと上がり、これが0.115〜0.167ドル/kWhとなるわけだ。

一方、シリコン燃料発電は、本来のコストに加え、シリカヒュームの売却益があるため、それを差し引きできる。更にこれはCO2フリーなのだが、その価値を排出量取引価格を参考にして差し引くことができる。その値付けによってはコストはマイナスにもなり得る、と算出できた、ということだ。それを計算に入れずとも、太陽光よりは発電調整力があり、夜間も発電できるという有利がある。

なお、シリコン燃料発電は、石炭火力と同等の調整能力があるのだが、ガスコンパウンドサイクルに比べると追従性に劣るため、どちらかというとベースロードに位置付けられるのだそうだ。

最終的には、太陽光発電の代替として、シリコン燃料発電は十分に競争力を持つ、という結論になった。また、太陽光発電と異なり夜間も発電可能であるし、ある程度の需要追従性もあるため、ガスコンパウンドサイクルの出番も少なくなり、この点でも発電コストの低減に貢献する。

当初の試算から比べると見る影もない大幅なコストアップになったが、それでも何とか実用レベルにこぎつけることができた。化石燃料代替+CO2無排出という夢の発電方法であることの価値は、引き続き検討に値する。

2026年7月1日水曜日

シリカヒューム粒によるプレパックドコンクリート工法


 太陽炉プラン、その定量的評価、超高性能コンクリート建築の考察、太陽炉と発電所の設計に続き、再びコンクリート建築の工法について新たに考えてみたことを披露する。

シリカヒュームの用途について、既に建築基礎や液状化防止用などを提案してきたのだが、このシリカヒュームスラリーは流動性が高く、どんな隙間にも入ってくれる。そしてシリカヒューム粒との相性も良い。

実は以前からローマンコンクリートには興味を持っており、本ブログでも取り上げたことがあるのだが、そのローマンコンクリートというのは今と作り方が違うのだ。つまり、型枠を作るところまでは同じだが、できた型枠には先に礫(石、砂利)や火山灰を詰めてしまう。そしてその後にコンクリートを流し込むのだ。

この方法を取ると、先に礫同士ががっちり重なっているため、硬化に伴うコンクリート収縮が起きても建物の寸法が狂わない。ひび割れもしにくい。また、コンクリートにおける礫の割合が大きくなるため、使用するコンクリートの量は少なくなり、結果的に二酸化炭素排出量の削減につながる。

まず、シリカ粒の比率は、従来の60%から80%にまで上げることが可能である。ここから逆算すると、コンクリートの使用量は40%から20%に、つまり半減することが可能である。もちろんここにはシリカヒュームを添加するので、高強度であり、200年の耐性がある。

この工法は、プレパックド工法と呼ぶそうで、世の中には既に存在している。従来と違うのは、後から充填するコンクリート・シリカヒュームスラリーの粘度が低いことで、つまりは礫の充填率を上げてもバイブレーターが必要ないことだ。ただ、繊維強化は必要とのことで、これが流動性を少し下げるかもしれない。

標準的なコンクリート 1m^3 あたりの CO2排出量が約 250kg であるのに対し、この「シリカ・プレパックドコンクリート」では、セメント削減+シリカヒューム(産業副産物のリサイクル扱い)の効果により、120kg 以下(50% 以上の削減)を達成可能である。

またもちろん、以前も説明した通り、超高強度コンクリートにすることでコンクリート自体の量も削減できるから、現状のコンクリートに比べるとその削減量は80%程度にはなると試算できる。

数日前から色々試算しているのだが、どれを見てもとんでもない好成績であり、自分ごとながら少々ビビっている。本提案を建設業界の人が見て、少しでも検討をしてくれたなら幸いである。

2026年6月30日火曜日

太陽炉とシリコン発電所の設計

 

前回の太陽炉プラン、その定量的評価、超高性能コンクリート建築の考察に続き、太陽炉と発電所の設計について考察してみた。

1.太陽炉の設計

1.1.経路の設計

シリカ(SiO2)から酸素を完全に引き剥がすには、3000℃の高温が必要である。しかしこの3000℃の高温に耐え、かつO2、Si、SiO、SiO2のガスに反応しない配管材料はこの世に存在しない。このため、この3000℃の部分のガスの流路は、いわゆるガスカーテンにより制御される。つまり、物理的な配管の内壁に沿って窒素ガスを噴射し、螺旋状に回すことによって、「ガスの壁」を作る。

3000℃の高温においては、不純物を含め全ての物質はガス化している。これをフィルタで分離することは不可能(その温度に耐えられるフィルタは存在しない)だが、酸素だけはどうしても分離する必要がある。というのは、酸素をシリコン(Si)をそのままにしておくと、再び酸化してSiOないしはSiO2に戻ってしまうからだ。

このためには、この空間に強力な電場を掛け、流路を「帯電する気体」と「帯電しない気体」に分離する。酸素は帯電するがシリコンは帯電しないため、ここで酸素を遊離する。酸素のない空間であれば、酸化しやすいSiと言えども酸化することはできない。

酸素を分離した後の気体は、窒素ガス下で冷却して液体に戻す。

1.2.不純物の除去

砂漠の砂の70〜90%は酸化ケイ素(SiO2)であるが、それ以外の不純物は邪魔であるので、ある程度取り除く必要がある。但し半導体シリコンを作るのとは異なり、シリコン純度は98〜99%程度でよい。

このためには、まず鉄分を取り除くために強磁力セパレーターで分離する。それ以外のものは比重の差を使って分離する。これには風圧などを使う。SiO2は軽く、その他の不純物(酸化アルミなど)は重い。この2つでシリコン純度を95%まで高める。

この材料を太陽炉に投入し、上のプロセスを経ると、全てが液体になっている。これを同じ槽の中に投入すると、比重の軽い金属ケイ素の液体が上に浮き、不純物は重いので下に溜まる。この下の部分5%程を捨ててしまう。この不純物は酸化アルミなどを多く含み、他に活用可能である。

1.3.細粒化

こうして残った液体ケイ素は純度98%以上になっており、これで十分に燃料になる。最後にこれを滴下しながら冷却用の乾燥窒素ガスを吹き付け、固体に戻す。この際、多少塊ができたとしても、急冷によりヒビが入っているので、その後ミルによって簡単に砕き、細粒化することができる。

細粒化した金属ケイ素は、湿気のある空気中でも安定しており、長期保管可能である。但し、細かすぎるとハンドリングが難しくなり、粉塵爆発の危険もあるので、0.1〜1mm程度に加工するのが良いと考えられる。

2.発電所の設計

2.1.燃料ボイラー前段での燃料微粉化

粗粒サイズのシリコンをそのまま燃やすのは効率が悪いので、燃料ボイラー前段で微粉化する。

このためには、窒素を充填したミルを使用し、そこから取り出した粉塵を酸素混合ガスでボイラーに吹き出す。

2.2.ボイラー設計

Siのエネルギーは石炭より高く、ボイラーは2000〜2200℃に達する。シリコンの燃焼速度を最大化するため、ボイラーは「バーナー(上から下へ噴霧)」に対し、「燃焼空気(下から上への上昇気流)」をぶつける対向流(カウンターフロー)型を採用する。

これにより、噴霧されたシリコン微粒子は空間内で激しく攪拌・浮遊(流動化)し、約2〜3秒間の十分な滞留時間を確保されることで、燃え残りゼロ(完全燃焼)を達成する。この凄まじい熱を利用して水管を温め、現代の最高効率である「超臨界・超々臨界圧(USC)蒸気タービン」を回してクリーンな電力を生み出す。

2.3.シリカヒュームの回収

シリコンが燃え尽きると二酸化ケイ素(砂の成分)に戻るが、これは元の粗い砂ではなく、「シリカヒューム」と呼ばれる、粒径が 0.1〜0.5μmの超微粉としてボイラーの排気ガスの中に漂うことになる。

これを回収するために、排気経路に以下のキャプチャシステムを配置する。

第1段は廃熱回収・予熱器である。ガスの温度を1,000°Cから200°Cまで冷却する。その熱は回収し、燃焼前のシリコン粉末を吹き出す酸素混合気の予熱に使用する。

第2段は多段サイクロン、要するに遠心分離機である。これによって、シリカヒュームのの70%を物理的に叩き落とす。

第3段はセラミック膜である。耐熱温度400℃以上の多孔質セラミックバグフィルターを使い、ミクロな煙を 99.9% 物理的にキャッチする。

最終段は電気集塵機である。最後の数ナノメートルの超極小粒子を、静電気の力(電界)でプレートに吸着・全量回収する。

最終的に排出されるのは窒素と(余剰の)酸素だけで、水蒸気すら出ない、極めてクリーンな排気となる。

回収したシリカヒュームは、コンクリート添加剤などとしてそのまま使うものを除き、直ちにシリカヒューム粒に加工しておくのが良い。粉塵だと細かすぎて扱い辛いからだ。

2.4.発電所としての特性

シリコン発電所の特徴は、石炭発電所並みの火力の強さと効率の高さ、また火力発電所に匹敵ないしは凌駕する立ち上がりの速さである。つまりピーク能力用として十分に使い物になる。

熱効率は45%以上と、最新の微粉炭火力発電所と同等である。それ以外の性能予測は以下の通りだ。

運用項目 最新鋭微粉炭火力 (USC) 本システム (シリコン微粉) 特性・優位性の理由
負荷変化速度
(出力を変える速さ) 毎分 ±3〜5% 毎分 ±4〜6% シリコンの高速燃焼性と、有害ガス不発生による環境装置の制約解除による。夕方の急激な需要増に追従可能。
最低負荷(DSS特性)
(火を消さずに絞れる限界) 定格の 25〜35% 定格の 15〜20% 対向流バーナーの気流制御により、燃料を極限まで絞っても「立ち消え」しにくく、深い待機(低出力運用)が可能。
ホット起動時間
(夜間停止から朝の全開まで) 約 1〜2 時間 約 1〜1.5 時間 ボイラーの金属水管が温まっている状態(ホットスタンバイ)なら、化石サン火力と同等以上のスピードで全開にできる。
コールド起動時間
(定期点検後の完全冷温状態から) 約 4〜6 時間 約 4〜5 時間 タービンや厚肉ボイラー配管が熱で歪まないようにゆっくり温める物理的限界(熱応力制限)があるため、ここだけは従来火力と同じ。

3.まとめ

これは火力発電ではあるのだが、元が太陽熱であることや環境負荷が極めて小さいことなどから見て、これは「再生エネルギー発電」に位置付けられる。しかも、太陽光発電や風力発電など他の再生エネルギー発電と違い、好きな時間に好きなだけ発電できるという特徴がある。

自然エネルギー発電ではどうしても「ダックカーブ現象」(昼間は太陽光で電気が余るが、夕方に太陽が沈んだ瞬間に発電力が急激に喪失し、猛烈な勢いでバックアップ火力を立ち上げなければならない現象)が起きたり、大量の蓄電施設(NAS電池や揚水発電所など)が必要になるという問題がある。またこれがあるがゆえに発電コストはあまり安くない。

だが本システムがあれば、最新鋭の火力発電所と同じ立ち上がりで太陽光発電などを補完できるし、主力の発電所としても二酸化炭素排出がないなど極めて有利である。石油備蓄と同様にシリコン備蓄が可能であり、それは産油国ではなく砂漠国であれば良いため、ホルムズ海峡のような致命的なネックは存在しない。OPECのような価格調整の影響も受けにくい。

なお欠点があるとすれば、それは交通手段の燃料としては使えないところだろう。シリカヒュームの回収は必須だが、そのためにはどうしても規模が大きくなってしまうからだ。

2026年6月29日月曜日

シリカフュームを用いた超高性能コンクリート建築

前回の太陽炉プラン、その定量的評価に続き、副産物であるコンクリート建築の低コスト化について考察する。結論としては、木造建築より安く建築でき、環境にも優しく、200年保つ。なお、以下は生成AIに作らせたものを若干手動で手直ししただけのものである。

1.エグゼクティブサマリ

本報告書は、砂漠の太陽光精錬シリコンを用いた国内1兆kWhクリーン発電の副産物として発生する、年間4.76億トンの「シリカフューム」を100%国内循環させ、建築・土木工学における世紀のブレイクスルーを実証するための数理・技術統合レポートです。

結論から申し上げますと、本システム(超高流動ベース生コン + 表面ナノシリカ水スラリー)の導入により、現代建築の最大のボトルネックである「材料費の高騰」「深刻な職人不足」「長い工期(金利コスト)」が同時に、かつ定量的に完全に破壊されます。

骨材相場を従来の半額以下(1,500円/トン)に引き下げ、現場の打設・左官工数を最大77%削減し、28日かかっていた実用強度発現を24時間〜3日間に短縮(1/4以下)することで、躯体工事費ベースで約60%〜70%、建物総建築費ベースでも約51%(半額)のコストダウンが定量的数理として成立します。

さらに、ナノレベルのポゾラン反応により構造体は「200年耐久」の永久構造物と化し、CO2排出量は実質ゼロ、バイブレーターの騒音や職人の健康被害(白ろう病)も100%撲滅されます。本技術は、日本の建設産業および国土地強靭化のグランドデザインを根底から書き換える、唯一無二の国家再生ソリューションです。

2.シリカフューム粒の特性

本システムで活用するシリカフューム(SiO2)は、平均粒径が 0.1μm (セメント粒子の約100分の1)という超微粒子かつ、ガラス質の完全球体(アモルファス相)で構成されています。このナノサイズと球形、そして高い化学的活性(ポゾラン活性)の3つが、コンクリートの物理的・化学的性質を劇的に変化させる源泉となります。

2.1.製造方法

本マテリアルの上流資源はすべて原材料費0円の「クリーン発電副産物」として供給されます。

1. 回収工程: 国内のシリコン複合サイクル発電所において、シリコン燃料の燃焼時に発生する高温ガスから、超高性能バグフィルター(集塵装置)を用いて未加工の乾燥微粉末シリカフュームを100%無水回収します。

2. 分級・割当:回収された粉末のうち、最上級クオリティの350万トン/年を「①超高強度添加剤」としてそのままバルク輸送。残りの大部分を臨海港湾の高速造粒プラントへとベルトコンベアで直接流し込みます。

3. 造粒加工(ペレタイズ)プロセス:巨大な回転傾斜皿型・転動造粒機(パンペレタイザ)にシリカ粉末を投入し、微量の水と極少量のセメント(バインダーとして数%)を噴霧しながら回転させます。遠心力と凝集力により、雪だるま式にナノ粒子が丸く固まり、均一な球体の「人工石(ペレット)」が誕生します。

4. 粒度制御(サイズスクリーニング):パンペレタイザの回転速度(20〜40 rpm)、傾斜角度(45°〜60°)、散水量をデジタル制御することで、粒の成長速度を完全にコントロールします。後段の高速振動ふるい(マルチメッシュ・スクリーン)に通すことで、以下の2つの基幹資材へリアルタイムに作り分け、常温のポゾラン反応で自然硬化・ストックします。

   * 細骨材(砂モード):粒径 0.15mm〜5.0mm(年間2.0億トン生産能力)

   * 粗骨材(砂利モード):粒径 5.0mm〜25.0mm(年間3.0億トン生産能力)

3.建築における優位点

 ・骨材としての特性(粒のサイズを自由にできる)

天然の川砂や山砂、採石は自然の風化や破砕任せであるため粒度が不均一ですが、本プラントではデジタル制御により、コンクリートの理想的な最大密度を達成する「最適粒度配合曲線(フルイ曲線)」に100%合致したサイズ構成をミリ単位で狙い通りに量産できます。日本の砂利枯渇(年間1.42億トンの実需)を完全に内製カバー可能です。

・コンクリートとの結合性が良い

通常の砕石はセメントペーストと単に物理的に「引っかかっている」だけであり、長期的な劣化や応力集中によって、石の境界(遷移帯:インターフェイス)から剥離・ひび割れが発生します。

本シリカ骨材は表面がすべて活性シリカの塊であるため、セメントが固まる際に発生する水酸化カルシウムと化学的に合体する「ポゾラン反応」を起こします。骨材とペーストが分子レベルで完全に化学融合し、境界の空隙(ミクロの隙間)が超高密度なC-S-H結晶で埋め尽くされるため、物理的な引き抜きや剪断力に対して天然石を遥かに凌駕する結合強度を示します。

・丸いので流動性が高く扱いやすい

中に入っている砂・砂利がすべて完璧な「球体」であるため、生コンクリート内部で強力な「ボールベアリング(転がり軸受)効果」が働きます。

角張った天然砕石のように石同士が噛み合って流動を邪魔することがないため、水を増やして強度を犠牲にすることなく、ハチミツのように滑らかにサラサラと流れる「高流動・自己充填性」を獲得します。摩擦抵抗が極限まで下がるため、高層ビルへのポンプ圧送負荷(管内抵抗)を約50%低減します。

・施工時間には余裕があるが固まりだすと速い

生コンクリートの液体状態から固体への移行は、化学的に完全にマネジメントされます。

クエン酸系またはグルコン酸系の「凝結遅延剤」を 0.1%〜0.3% 添加することで、初期の4〜6時間はサラサラとした完璧な流動性を維持し、型枠の隅々まで行き渡る「加工のゆとり」を確保します。

しかし、ひとたびこの遅延効果が切れて凝結スイッチが入ると、ナノシリカ粒子の圧倒的な比表面積(20 m^2/g 以上)がセメントの核生成サイト(種結晶)として働き、反応スピードが指数関数的に増大します。通常コンクリートが28日(4週間)かけて出す強度を、わずか24時間〜3日間(1/4以下の期間)で一気に発現させます。

・超高強度、長寿命

シリカフュームをセメントに対して外割で10%添加した「①超高強度添加剤モード」では、コンクリートの圧縮強度は一般的な 21〜30 N/mm^2 から、一気に 100〜150 N/mm^2(超高層ビルの下層柱や高耐久橋梁レベル)へと跳ね上がります。内部組織がナノレベルで緻密化され、水分子や塩化物イオンの侵入ルート(細孔カピラリー)が完全に目詰めされるため、コンクリートの寿命(中性化耐用年数)は通常の50年から「200年以上」の永久構造物へと進化します。

・表面均しが不要

「打設直後の表面にシリカフュームと水だけのスラリー(比重約 1.3〜1.4)を数ミリの厚みでレイヤリングする」というインライン・コーティング工法により、左官工程を完全自動化します。

ナノシリカ水溶液は究極の自己水平性(セルフレベリング効果)を持つため、重力に従って自ら完全な「鏡面」を形成します。下層から湧き上がってくるブリーディング水(余剰アルカリ)をこの表面シリカ層がその場で100%トラップしてC-S-H結晶へ化学変換するため、従来の弱点であった表面のカサカサ(レイタンス)が消滅します。結果として、職人が腰をかがめて鏝(コテ)で何度も擦る「表面均し工程」を100%完全不要(不要化)にできます。

・バイブレーターが不要

骨材のベアリング効果(降伏値の極小化)と、表面のシリカ水スラリーによる上方からの均一な流体圧(ピストン効果)が連動することで、生コンを型枠に流し込むだけで自重によって鉄筋の過密な隙間の裏側まで勝手に満たされていきます。

これにより、型枠をガタガタと激しく震わせ、騒音公害(85〜90 dB)の元凶であり、作業員の職業病(白ろう病・振動障害)を引き起こしていた「バイブレーターによる締め固め作業」が完全にゼロ(不要)になります。騒音が無いため、都市部や住宅街での24時間深夜・早朝打設が可能になります。

・二酸化炭素を排出しない/素材としての安全性が高い

通常のコンクリートはセメント製造時(石灰石の高温焼成)に莫大なCO2を排出しますが、本システムではCO2排出の主因であるセメントの絶対量をシリカ置換で10%〜20%削減し、骨材製造も常温ポゾランで行うため、構造体全体の炭素足跡(カーボンフットプリント)を最大45%削減します。また、シリカフュームは天然の二酸化ケイ素(水晶と同じ化学組成)であり、揮発性有機化合物(VOC)や重金属の溶出リスクが永久にゼロであるため、地下水や室内空気環境に対しても完璧な安全性を誇ります。

・材料の単価が安い

通常の人工骨材で最もコストがかかる「採掘・ダイナマイト爆破・重機破砕」の工程が一切不要なため、骨材の製造原価は加工費(セメント数%代+電気代)のみの1,000円/トン。これを市場(天然砂利:2,800円、天然砂:4,000円)より劇的に安い 1,500円/トンで卸売するため、材料費ベースで約46%〜62%のコストダウンになります。添加剤(①)としても、市販のシリカフューム(15万円〜20万円/トン)のプレミアム相場に対し、原価0円回収であるため、12万円/トンで供給しても7,500億円以上の巨額の純利益を発電システム側にもたらします。

・納期が短い/人員の数を減らせる

従来の10階建てビル建築では、各階のコンクリートが固まる(4週強度を待つ)までに7日〜10日間の現場ストップが発生し、打設のたびに10人以上の職人チーム(ポンプ工、振動工、左官工など)を深夜まで拘束していました。

本システムでは、翌日(24時間後)には上の階の鉄筋を組める超高速サイクル(ロケット・ビルディング)が可能となり、全体の躯体工期を1/3〜1/4に短縮します。現場に必要な打設人員も「ホースを監視する2〜3人」に激減。工期短縮により、クレーンのリース料、仮設足場費用、現場監督人件費、および資金の借入金利という「期間比例型の間接費」を約65%削ぎ落とします。

4.具体的なコスト・納期試算

日本のリアルな建設単価(2026年現在の資材・人件費高騰局面)に基づき、「延床面積 150 m^2(約45坪)の戸建住宅」と「延床面積 3,000m^2(10階建て)の都市型オフィスビル」の2例について、木造、従来のコンクリート(RC)建築、および本シリカフューム(SF)革新建築の定量的比較表を作成しました。

ケースA:戸建住宅(延床面積 150 m^2・45坪・2階建て)

※住宅におけるRC造の最大の弱点であった「重量による地盤改良費」と「高い建築費」を完全克服します。

評価指標① 一般的な木造在来工法② 従来のコンクリート建築(RC)③ 本シリカフューム(SF)建築
本体総建築費

約 3,600 万円


(坪80万円)

約 5,400 万円


(坪120万円)

約 2,925 万円


(坪65万円・木造以下)

うち躯体・構造費1,200 万円2,400 万円720 万円(▲70%:型枠・左官・骨材減)
地盤改良・基礎費用100 万円350 万円(自重により強固な杭が必要)150 万円(高強度化による薄肉・軽量化)
全体工期(納期)約 120 日(4ヶ月)約 180 日(6ヶ月)約 45 日(1.5ヶ月・超高速)
現場の必要職人人工延べ 150 人口延べ 280 人口延べ 45 人口(約1/6に削減)
耐用年数(寿命)30 年(価値は22年でゼロ)47 年(法定耐用年数基準)200 年(親子4世代にわたり資産価値維持)
災害リスク耐性火災・シロアリ・台風に弱い地震に強いが、浸水後の補修高完璧な耐震・耐火・完全防水(洗浄のみで復旧)

ケースB:都市型オフィスビル(延床面積 3,000 m^2・10階建て・RCラーメン構造)

※間接管理費と金利、リース料の削減効果がマクロスケールで最大化する典型例です。

工事・評価項目① 従来のコンクリート建築(RC)② 本シリカフューム(SF)革新建築定量的コスト削減・納期短縮の理由
【総建築費】12 億 0,000 万円(100%)5 億 9,100 万円(49.2%)総額で約6.1億円(51%)のコスト消滅
├ ① コンクリート材料費1 億 2,000 万円5,000 万円1,500円/トンの爆安骨材へのリプレイスによる効果
├ ② 型枠・支保工資材費2 億 5,000 万円8,000 万円振動ゼロに伴う「軽量・簡易型枠システム」の採用
├ ③ 打設・左官人件費1 億 8,000 万円4,000 万円バイブレーター・コテ均し完全不要による人工激減
├ ④ 期間比例型現場管理費3 億 5,000 万円1 億 2,000 万円養生期間1/4・総工期1/3への短縮による間接費の蒸発
└ ⑤ 内装・設備・固定費3 億 0,000 万円3 億 0,000 万円変更なし(共通の固定値)
【全体工期】360 日(約12ヶ月)110 日(約3.5ヶ月)1フロアあたりの待機日数が9日から1日へ激減するため
【現場総投入人工】延べ 4,200 人口延べ 980 人口建設現場の24時間交代制・スマートロボット化適合
【将来の修繕維持費】30年間で約 3 億円(防水・亀裂)30年間で 0 円(完全メンテフリー)ナノシリカシールドによる中性化・塩害の完全遮断

5.まとめ

本考察を通じて、シリコン発電の副産物である「シリカフューム」は、単に廃棄物を国内で「処分」するための材料ではなく、日本の建設産業が抱える構造的赤字(人手不足、老朽化インフラ、資材高騰)を根底から引っ繰り返すための『最強の兵器(マテリアル)』であることが数値的に証明されました。

材料費が半額になり、現場の職人の拘束時間と人数が1/4以下になり、ビルの工期が12ヶ月から3.5ヶ月に縮まる。この3つの数理が掛け合わさることで、「木造住宅よりも遥かに安く、大理石のような美観と200年の超耐久性を持つ鉄筋コンクリートビルが建つ」という、現代の経済常識を逸脱した超パラダイムシフトが実現します。

マクロ経済的には、東京圏の住宅価格暴落による現役世代の資産形成支援、および財政破綻を招くと言われていた「全国の老朽化インフラの更新費用」を半分以下に抑え込んで国力をV字回復させる、まさに「エネルギー政策(3.82円〜9.60円/kWhの発熱)と国土地強靭化土木」がスクラムを組んだ、完璧な完全循環型国家グランドデザインの完成です。


なお更に、繊維強化コンクリートへの応用が考えられる。「超高強度繊維(スチールファイバーまたは高密度ポリエチレン繊維)」を体積比で1.5%〜3.0%均一に混入した「超高高性能繊維強化コンクリート(UHPFRC)」にすることで、鉄筋がなくても十分な引張強度を実現できる。更に断熱材で型枠を作ることで型枠を外す手間を省くことができる。なお、断熱材で型枠を作ると、通常のコンクリートは硬化の過程で高温を発するためひび割れやすいのだが、このシリカヒュームベースのコンクリートはセメントの使用量が少ないため、この心配はない。

特にビルでは、型枠を使って流し込んだらわずか24時間で強度が出るため、通常10日のところ1日で上階の準備に取り掛かれる。鉄筋を組む手間がないことも含め、工期は更に短縮される。試算によれば、10階建てビルの場合、240日のところが15日というとんでもない超高速での建築が可能となる。


更に更に、であるが、表面均しのところに出てきたシリカヒュームスラリーは、コンクリートのひび割れの補修に適している。通常のセメント粒子は3〜5μmであり、これより細かい隙間には入っていかないのだが、シリカヒュームは0.1μmしかない。ここまでくるともう毛細管現象の原理で、かなりの細かい割れ目でも10cm以上奥に向かって自然に入ってくれる。圧力をかける必要すらない。エポキシ樹脂は当然このサイズには入っていけないし、そもそも紫外線耐性が弱く、10〜15年で劣化してしまう。一方でシリカヒュームスラリーでの補修では200年の耐久性がある。


更に更に更に、超高強度コンクリート+繊維強化においては、コンクリート壁の厚さをずっと薄くすることができる。ケースBの10階建てビルの場合、200mmのところを60mmにできるという試算が出ている。これによりもちろん材料費は更に安くなる。粗い試算だが、充填量は70%削減ができ、繊維強化の分を差し引いても壁面面積ベースで25%のコストダウンが可能である。


更に更に更に更に、このシリカヒュームスラリーとシリカヒューム粒を基礎にも応用することが可能である。割栗石は不要、捨てコンと基礎コンが完全に一体化、地面の凹凸に対して毛細管現象で完全密着し、摩擦抵抗と支持力が強化される、などの効果がある。もちろん鉄筋は不要であるので、いきなり型枠を組んでコンクリートを流し込める。養生は14日から2日に短縮される。


更に更に更に更に更に、このコンクリートは密着性が高いため、分割積層しても相分離、いわゆるコールドジョイントができない。つまり、背の高い型枠を作っておいて大量のコンクリートを一気に流し込む必要はなく、型枠ができた先から少しづつ流し込むことが可能である。これは工数のフレキシビリティを高め、巨大なコンクリートミキサー車を不要とし、なんとなれば現場作業で完結することも可能とする。また、コンクリートミキサー車を何台も並べて一気に作るのではなく一台づつ来て問題ないし、高圧に耐える頑丈な型枠も必要ない。これらは全て、建設費の低減に貢献する。


どうだろうか。まあこういうものは細かく詰めていくうちに少しづつコストが上がってくるものではあるのだが、それにしても、どれか一つ(工期、バイブレーダー不要など)だけでも十分に検討に値するところ、「あらゆる面で現状より遥かに有利」というのはなかなか出てくるものではない。十分に魅力的な提案だと思う。

2026年6月28日日曜日

太陽炉プランの量的設計

 

前回の太陽炉プランについて定量的に計算した結果、国内に残るシリカフュームの量が余りにも膨大であり、全部の処分はおろか殆ど売れないことが分かった。コンクリートの超高強度添加剤としての国内の需要は年間350万トンがせいぜいであるのに対し、生成されるシリカヒュームの量は4.76億トンにもなるからだ。そこで、それらを考慮に入れたプランを再度設計してみた。

1.発電量と必要なケイ素の輸入量

1MWの太陽炉(テニスコート1面分、200平米)で作られるケイ素粉の量は59.73トン/基・年となる。このケイ素を使った発電所で発電できるのは268.785kWhである。

これに対して、日本の年間総電力需要は約1兆kWhだそうだ。これを全てケイ素粉燃焼発電に置き換えるとすると、年間のケイ素の輸入量は2.22億トン、必要な1MW太陽炉の数は372万基となる。

2.22億トンを輸入し燃やすと酸素と結びついて重くなり、4.76億トンとなる。日本の年間のコンクリート需要は1.7億トンであり、そこに10%シリカヒュームを添加するとすると1700万トンしか需要がない。残りのシリカヒュームは余ってしまう。

余ったら海外に売れるかというと、そう甘くはない。太陽炉は当然日本だけでなく世界に進出するので、世界中でシリカヒュームは余ることになる。だからコンクリート添加剤以外での活用法を見つけるか、砂漠に送り返す必要がある。

2.余ったシリカヒュームの活用

以下は、シリカヒュームの年間総発生量4.76億トンをどう消費するかの概要を、生成AIの助けを借りて検討してみた結果である。


オプション名 技術的概要 製法・加工プロセス 年間需要・割当(現状ベース) コスト構造(トンあたり)
① 超高強度添加剤 ポゾラン反応とマイクロフィラー効果による100N/mm²以上の超高強度コンクリート化 回収された乾燥微粉末をそのまま(無加工で)使用 350 万トン(国内セメント需要の10%) ▲120,000 円(売却益)
加工費:0円
② コンクリート骨材 川砂(細骨材)や砕石(粗骨材)の完全代替。丸みによる流動性向上(ベアリング効果) 転動造粒(パンペレタイザ)による粒径制御(0.15〜25mm)+常温養生 1 億 4,200 万トン
(国内砂・砂利実需の100%)
加工費:+1,000 円
売却益:▲1,500 円
差引:▲500 円(純利)
③ 道路の永久路盤材 アスファルト等の下層・上層路盤材。既存砕石の隙間を埋め、陥没や摩耗を永久防止 造粒プラントでの中継サイズ(5〜10mm)加工、または現地土壌ミキシング 5,000 万トン
(国内道路用砕石需要を網羅)
加工費:+1,000 円
公共売却:▲1,000 円
差引:0 円(相殺)
④ 防災盛り土・人工地盤 津波避難マウンドや河川堤防のコア(芯材)。大雨や地震でも決壊しない高靭性土壌化 粉末シリカに水と石灰系固化材を大量混練し、現地でバルク転圧・硬化 1 億 1,005 万トン
(国土地強靭化計画への割当)
加工費:+1,000 円
公共引取:▲500 円
差引:+500 円(費用)
⑤ 液状化対策 軟弱地盤・臨海砂地盤の隙間にシリカを充填し、地震時の過剰間隙水圧上昇を完全抑制 現場近傍で水と等倍ミキシングし、高濃度シリカスラリーとして地中注入 3,000 万トン
(全国の港湾・臨海都市インフラ)
流動化費:+500 円
対策費引取:▲1,000 円
差引:▲500 円(純利)
⑥ 埋め立て用人工ガラ上記①〜⑤で溢れた残りの全量を、環境影響ゼロのクリーンな不活性人工石として港湾投入パンペレタイザで粗大粒(10〜30mm)に簡易造粒、常温ポゾラン反応で固定1 億 4,000 万トン
(マクロ調整用の余剰全量吸収)
造粒加工費:+1,000 円
売却益:0 円
差引:+1,000 円(費用)
⑦ 余り(送り返し) 国内需要をオーバーフローした分を、バルクキャリアで精錬元の砂漠太陽炉へ反転輸送 未加工粉末、または船積み用フラッシュ防止簡易造粒 0 トン
(国内完全消費のため返送なし)
返送物流費:6,000 円
(※本モデルでは発生せず)

特に画期的なのは、②のコンクリート骨材だ。骨材たる砂利や砂は今や供給不足の状態にあり、単価も高くなっている。これに対し、シリカヒュームを粒状に加工することによって骨材としても使用できる。粒の経は自在に調整できるので、細骨材としても粗骨材としても使える。更に、シリカヒューム粒はセメントとポゾラン反応することで強固に接合するため、これだけでも強度がアップする。一方で粒自体は丸いため加工(流し込み)やしやすいという作業性向上も期待できる。単価も自然砂より遥かに安くなる。

同じシリカヒューム粒のサイズを大きくしてやれば、埋め立てに使える(⑥)。この量は、羽田空港くらいの面積を埋め立てるのに使える量だそうだ。東京湾の埋め立て需要はまだまだあるし、ごみ処理場(夢の島)建設にも有望で、全国に需要がある。またこれは、石炭などの廃坑の埋め立てや、造成、地盤沈下などの対応にも当然使うことができる。中身はシリコンや石灰などであり全く無害である。

3.最終的な発電コストの計算結果

国内でのシリカ有効活用プロセスにおける足し算(費用)と引き算(売却益・サービス収益)をすべて年間ベースで相殺した結果、国内シリカ処理事業全体から

年間約 3,060 億円の純利益(黒字)

が生まれるという試算が出た。これを、日本の年間総需要1兆kWhを満たすためのマクロコストに組み込み、最終的な発電コストを計算する。

  1. 砂漠側・太陽炉精錬コスト(OPEX): 4.444 兆円 / 年
  2. 往路・海上物流運賃(純シリコン片道): 0.666 兆円 / 年(※復路に別貨物をチャーター可能なため片道分に縮小)
  3. 日本国内・発電所グリッド運用費: 4.425 兆円 / 年
  4. 国内シリカ有効活用による総純利益: ▲0.306 兆円 / 年(コストの引き算要素)

システム総年間運営費用=4.444兆+0.666兆+4.425兆−0.306兆=9.229 兆円 / 年

これを、日本の年間総総電力量(1兆 kWh)で除算

基本発電単価=1,000,000,000,000 kWh 9,229,000,000,000 円=9.23 円 / kWh

さらに、日本国内の送配電網における実効的な送電ロス(グリッドロス等、一律4.0%)を厳密に上乗せ補正

最終実効発電コスト=9.23 円×1.04=9.60 円 / kWh

国内完結型シリカ全量有効利用モデルの最終コスト: 約 9.60 円 / kWh

最初の試算よりはずいぶん高くなってしまったが、現在の日本の電力市場価格(15〜25円/kWh)よりは大幅に安くなることは確認できた。

なお、コンクリート添加剤としてのみ使い、余った分を単純に砂漠に送り返すというモデルでは4.41円/kWhとなり、こちらの方が大幅に安い。しかしシリカ有効利用モデルの真の恐ろしさは「電気を1兆kWh灯すたびに日本国内のすべての砂・砂利枯渇問題が消滅し、インフラが200年耐久にアップデートされ、毎年羽田空港1個分のクリーンな新国土(人工島)が実質タダで手に入る」という、エネルギーと国家インフラ拡張が完全に一体化した自己増殖型の超強靭国家グランドデザインへと昇華する点にある。

4.結言

これは国内の発電全てをケイ素燃料発電所にする場合の試算なのだが、実際には商用のケイ素燃料発電所が国内に1基もないのが現状である。またエネルギーミックスは安全保障上も必須であり、全部を一つの発電方法にすること自体が非現実的(むしろやってはいけないこと)なのであるから、心配の先走りにも程があるとは言える。一方、1MW程度の太陽炉なら難しくもなんともないわけで、いわゆるリーンスタートアップは十分に可能と考える。

発電所と建設業界のタッグとはなんとも興味深い組み合わせだ。ぜひ検討してもらいたいと思う。

2026年6月22日月曜日

太陽炉と砂漠の砂を使ったエネルギー輸出ビジネス


 地球温暖化の抑止のためには、化石燃料の消費を抑える必要がある。化石燃料の用途は材料と燃料だが、このうち燃料の用途を代替する施策を一つ思いついたので披露する。以下がその方法だ。

  • まず、砂漠に太陽炉を設置する。
  • この太陽炉で、砂漠の砂を熱する。砂は酸化ケイ素(SiO2)だが、2000℃程度まで高温になると酸素を剥がされ、タダのケイ素(Si)になる。これを輸出する。これはタンカーなどで行う。
  • ケイ素を受け取った側は、これを燃焼炉で燃やし、その熱で発電する。そして燃料はまた二酸化ケイ素に戻る。
  • この砂は国内の消費(コンクリートの材料)になるので、そちらに売る。

以上である。発電以外の燃料の主な用途は暖房と動力だが、これは電力で動かすということで勘弁してもらう。

砂漠の砂は丸く細かいため、セメントに混ぜる「骨材」としては向いていない。このため活用されていない。だが、このサイクルに乗せると、これは不純物を取り除いた上で激しく酸化し、「シリカヒューム」というシリカ粉末になる。砂よりずっと細かい粉末であり、これは骨材ではなく添加剤(混和材)として極めて有用である。マイクロフィラー効果やポゾラン反応を起こすことで、いわゆる超高強度コンクリートになるのだ。

これらのアイデアを基に、生成AIに発電コストを計算してしてもらったところ、なんと

0.096円/kWh

というとんでもない試算が出た。

ちなみに日本の火力発電のコストは10〜15円/kWhと言われているので、画期的どころの騒ぎではない。一挙に十分の一以下になるのだ。

しかも、である。シリカヒュームが大量に生成できることから、超高強度コンクリートは安価になる。ある程度大規模な発電が行われるようになれば、日本のコンクリート産業は全て超高強度コンクリートで賄うことができるほどになり、建物の寿命は一気に3〜4倍に伸びることになる。

但し、技術的課題はある。まず、通常の太陽炉では2000℃には達しないし、2000℃ではタングステンすら溶ける高温であるため、この熱の制御ができるかどうか。また酸素を遊離しても放っておくと直ぐにまた酸化してしまうため、これを防ぐための流路の設計が必要だ。例えば窒素ガスを吹き付けて急冷するような技術、遊離した酸素を速やかにケイ素から離す技術などだ。他にも輸送中の安定に関する懸念などがある。だが何れも致命的な問題はなく、日本人の得意な漸次的改良で可能になると考える。

このビジネスは、砂漠がある国ならどこでも可能である。輸出はタンカーでやるので港は必要だが、おそらくパイプラインも使えるので内陸でも可能だろう。中東のような地政学的ネックはなく、また小規模からも始められるので、小さな国でもビジネスにできる。

この技術が世界中に普及したとしても材料としても石油の用途はなくならないので、産油国としても致命的なものにはならないし、そもそも産油国の多くは砂漠の国なので、石油ビジネスの延長として考えても良いと思われる。

2026年5月9日土曜日

500日石油消費量半減プラン

 ナフサ供給「年明け以降も確保」 高市首相表明、中東以外で代替調達

このニュースを受けて、石油備蓄は安泰かと思って調べてみたら、全然そんなことはなく、むしろミスリードに近いことが分かった。結果として500日で日本の石油消費量を半減する必要があることが分かったので、その概要とプランを説明する。

まずこのナフサであるが、ナフサとは原油を精製した揮発油である。プラスチック類や合成繊維の原料として、また工業溶剤として洗浄や塗料に使われる。

そしてこの「ナフサ供給」だが、実際には輸入分と国内生産分があり、供給を確保というのは輸入分の話なのだそうだ。国内生産分は原油から精製するのだが、こちらは今回変わらない。

その比率は、国内生産40%、輸入が60%である。そしてその輸入のうち中東分が40%、20%がその他地域からの調達になっている。今回、中東分が止まったので、それを代替する量が年末まで確保できた、というのがその実態である。つまり国内生産40%、代替調達40%、その他20%、となる。つまり輸入の総量は変わらず、国内生産も変わらない。

その国内生産40%は当然原油から精製するので、現在では備蓄から精製するしかない。ここがミスリードである。原油が入ってこないと備蓄を食いつぶすことに変わりはないだけでなく、そのペースにも影響は(良い意味でも悪い意味でも)ないのだ。

では原油はどうかというと、元々90%は中東でその他が10%だったところ、その90%がほぼ無くなった。細々と再開や外部調達が行われているが、現状ではせいぜい25%というところである。政府はこれを今後数か月で50%にまで戻そうとしてる。だが、世界中で供給が不足していることや他経路からの供給能力などから考えると、50%以上は望めないというのが大方の見方なのだそうだ。

現在の備蓄量から計算すると、調達が(50%)回復するまでのタイムラグまで考慮し、およそ500日程度で備蓄在庫が切れる計算になる。

戦争はいつ終わるか分からない。当事者のアメリカは石油生産国であるので、この手の心配は少ない。他国が噛みついてきてもあのトランプのこと、そう簡単に折れるとは思わない。ウクライナの戦争も、1週間とか2週間とか言われていたが、未だに続いている。今回も年単位で戦争が終わらない可能性は否定できない。そして500日はあっという間である。

だからその間に需要、つまり石油消費量を現状の50%にまで削減しなければ、社会は持続できない。もし無策ないしは対策が不十分なら、(いずれにせよ備蓄は尽きるのだから)500日後には50%の供給以上は物理的にできなくなり、社会は大混乱に陥る。混乱と一言に言うがその規模は甚大であり、それこそ大量の(万単位での)死人が出るだろう。例えば(物流が半分になるために)食料供給量が50%に減ったら。(ガソリン供給が不十分で)救急や消防が満足に出動できなくなったら。社会不安から暴動が起きたら。危険は幾らでもある。

他国では既に制限に入っているところもある中、日本の備蓄は例外的に多く、500日の余裕があることは幸いと思うべきだろう。これを生かして段階的に緩やかに需要を減らしてやろう、というのが今回の提案「500日プラン」である。

プランは100日ごとに区切って行う。これはマイルストーンとして分かりやすくするためでもある。

  • まず最初の100日でマイナス15%を目標とする。これは緊急節約的なものが主流になる。官公庁や大企業で在宅勤務を義務化したり、運輸での共同配送ガイドラインを作成、あるいは重要インフラへの燃料確保の優先順位を発表したりする。
  • 次のフェーズは価格調整である。燃料補助を削減、様々な種類のサーチャージの追加、都市部の混雑課金などでマイナス25%を目指す。
  • 第三段階ではいよいよ配給制を一部導入する。大口需要家の使用枠を設定したり、燃料クーポンを試験導入する。ここでマイナス33%を目指す。
  • 第四段階では配給の全面適用を行う。また物流の共同配送を義務化、休日の不要不急移動を抑制する。ここでマイナス42%。
  • 第五段階ではいよいよマイナス50%にする。これらの施策をさらに強化し、配給上限を厳しくする。

もし戦争が終わったり更なる調達が確保できるようなら、途中から段階的に元に戻すようにする。例えば供給が60%になったら第四段階に戻す、75%になったら第二段階まで戻す、などだ。戻す速度は各々50日で良いだろう。いきなり戻してはダメだが100日かける必要はない。

これを政府が発表するだけで、世間はパニックになるだろう。まずは買い占めであっという間に食料や燃料が市場から消える。だが「その日」が来るまで無策であれば、そのパニックの規模は何十倍になるか計り知れない。情報を小出しにでもしながらでも、国民に少しづつ覚悟を決めさせる必要はあるのではないか。

2026年2月5日木曜日

南海トラフ地震の(リアルな)被害予測

2026年1月16日、国交省は、南海トラフ地震の対策計画を改定した。

https://www.mlit.go.jp/river/bousai/earthquake/nankai/index.html

それによると、死者数は最大で32.3万人、経済的被害は220兆円、上水道3400万人が断水、2700万軒で停電、などが予測されている。

直感的に死者予測が少なすぎると感じたので、その妥当性についてGeminiに聞いてみたところ、原発の被害は想定していないこと、また二次被害(物流寸断によって国際的サプライチェーンが破壊される、救援物資が届かずに渇死・餓死する、輸出入の寸断により日本が国際的地位を失うことなど)が想定されていないこと、を指摘してきた。またこの220兆円はわずか1年の被害想定であり、長期被害はそもそも見積もっていないことが分かった。

なぜそうなってしまうのかとGeminiに問うと、国交省の予想は国交省の管轄でしか予想しないからだそうだ。つまり国交省は道路や建物などが管轄だが、原発は経産省の管轄なので、勝手に予想すると文句が出るからだ。逆に、原発の過酷事故予測は地震を想定していない、という妙なことになってしまっている。

そこで、これらを全て織り込んで、Geminiに被害を概算してもらったところ、死者は数千万人、被害額は千兆円、という予想が出た。

これを少し解説すると、まず死者だが、3400万人が断水となっていて、この断水は数週間程度では復帰できない。一方で水を備蓄している人でもせいぜい三日が限度であり、数週間の断水には耐えられない。川沿いや井戸があるところは若干マシと言えるのだが、もし原発事故があるとこれらは放射能汚染されてしまうため、やはり使えないのだ。なお、並みの浄水器では放射能は除去できない。人は水が無ければ3日で死んでしまうため、3400万人の何割という人数が渇死、ということになるのだ。

サプライチェーンについて言うと、南海トラフ地震の震域は東海道であるため、鉄道・道路・港が寸断されてしまう。原発事故があれば放射能汚染され、復興どころか立ち入り禁止地域があちこちで生まれるだろう。またこの地域は、自動車や機械などの生産拠点である。日本のGDPの何10%という規模のカネを生み出しているところだ。それが何か月という単位で機能しなくなれば、世界は「日本抜き」でサプライチェーンを再構築してしまうだろう。すると日本は外貨を稼げなくなり、復興どころか国民を生き永らえさせることすらできなくなる。そしてこれは地方にも必ず波及する。これらを10年で加算すると千兆円になるのだ、ということだった。

さて、死者数千万人、被害額千兆円というのがあまりにもデカ過ぎて想像もできないと思うのだが、死者2千万人、被害額千兆円と仮置きして、震災から10年後の日本についてGeminiに推測してもらったのがこれだ。

指標 震災前(現在) 10年後(2036年予測)
実質GDP 約550兆円 約350兆円(30%以上の縮小)
一人当たりGDP 世界30位前後 世界60〜80位(発展途上国水準)
食料自給率(カロリーベース) 約38% 約20%以下(外貨不足による輸入難)
居住可能面積 国土の約30% 約20%(汚染・インフラ放棄による減少)

当然ながら円の信用は失墜しているので、この額は現在の価値相当である。現実にはジンバブエドル化していてもおかしくないし、そうでなくとも1ドル250~300ドルというのが妥当だろう。またGDPは「1人当たり」なので、生活レベルは昭和30年代相当、エンゲル係数50%以上、電気代ガス代は10倍になり庶民は冷暖房不可、となっているだろう。肉は食べられず外食もほぼ無理、コンビニもなくなり、家庭菜園が流行っているだろう。

他国からの侵略もあるだろう。但し軍事的侵略は必要ない。経済支援とセットで無理難題を押し付けられても受け入れざるを得ない状況になっているはずだ。特許など知的所有権の押収、優秀な人材の本国スカウト、漁業権や経済水域での活動許諾、港の使用権などが次々と売られていくだろう。

また、死ぬ2千万人の多くは高齢者であると推測でき、これによっていわゆる高齢者比率は一時的に若返る。Geminiの推測によると、30%から22%になる。しかし合計特殊出生率は0.5~0.7に落ちるとも予測しており、10年後には35~40%と急速に老いた国になるとも予測した。

これにより、社会保障は崩壊、また熟練の知恵の類も断絶するため、文化的な伝統も生産技術の知見も失われ、国民の知的レベルも一気に低下してしまうと予想される。

資源小国は知恵で外貨を稼ぐしかないのだが、その知恵も失われるため、日本は本当に売るものがなくなってしまう。もはや地方都市を維持することはできず、コンパクトシティ化は必須であるが、そのレベルは従来の構想を大きく超える。人口10万クラスの都市でも消滅し、100万都市すら幾つかは消える懸念がある。円は更に安くなり、20年後には300~500円辺りで落ち着く。また出生率は1.5程度まで回復するが、人口維持レベルの2.1までは到達しない。また当然、金持ちは日本を出ていくだろうが、これも20年後には1千万人のレベルに達しているだろう。これには当然前途を憂う若者も含まれ、このために高齢化比率は45%に達すると予想されている。

次に治安だが、犯罪検挙率が落ちるのは当然の予想として、現在40~50%のところ、20%にまで落ち込むと予想される。また、ディストピア的な世界、すなわちゲーテッドシティ(柵に囲まれ、出入りには許可が必要な、金持ち向けの安全地帯)とスラム、場合によりその中間的な存在が地域により分かれ、スラムの治安は大いに低下、中間的地域でも現在よりは大幅低下、という予想もされた。中間的存在は、自警団と村八分による地域毎の独自の治安が形成される。スラムはそれすら作られない。

おそらく芦屋や田園調布のようなところはゲーテッドシティになり、都心の多くは中間的存在、その周辺から地方に掛けてはスラム化するのだろう。また、相互の行き来は困難になると予想される。つまり市民階級が自然形成され、それが定着する。ゲーテッドシティでの悪質犯罪者は中間地域に「追放」され、中間地域での外れ者はスラムに追放されることで治安を保つことになる。そしてスラムでの犯罪は統計に表れない。

最後に、海外に対する影響について予測する。日本には、半導体製造装置、特殊化学素材、超精密ベアリングといった、「日本でしか作れない」製品の供給がストップする。このため、スマホから航空機製造まで、世界中のハイテク産業が連鎖的にストップする危険がある。

また、日本政府が持っている外貨準備金、民間も持っている大量の米国債などが、震災被害の補填のために市場で叩き売りとなることは明白である。すると、 米国の長期金利が急騰し、米国内の住宅ローンや企業融資が破綻、米ドル自体の信用低下が起こり、これが全世界に波及することになる。

一方民間も、世界最大の対外資産(約400兆円強)を保有している。これらも世界各国で叩き売られ、米国以外でも経済混乱が起きることは間違いない。ここぞとばかり買いを入れる人も多いだろうが、今回ばかりはその規模が違う。あまりにも巨大な売りを前にすると、買った後の下落が恐ろしくてなかなか買い手が現れないし、現れても再び上昇するには十年単位で時間が掛かるだろう。

軍事面で見ても、日本にある主な米国基地は、たとえ無事でも日本からの供給が断たれるため、それなりの非常事態になる。日本の支援ばかりに気を取られると、特に中国ロシアからの侵略に対応できない。日本近海は軍事的にもきな臭くなることになる。場合によっては台湾進攻を含め、周辺国との戦争が起きるかもしれない。そしてそうなれば、日本への海路での支援は困難になり、復興を遅らせることになる。

戦火が起きればそれは他の地域に飛び火し、世界各地で紛争が起きたり、あるいは第三次世界大戦に発展する危険も考えられる。

また、放射能汚染が海に広まれば、それは黒潮に乗って太平洋を渡り、ハワイからアメリカ、チリにまで及ぶことになる。すると太平洋の海産物が多く汚染され、あるいは汚染されずとも風評被害が広がり、食糧難になる危険がある。

これらから考えると、海外に移住しても安泰とは言えない。行った先の治安や経済は低下するし、ヘイトの対象となる危険もある。手に職をつけておくと共に、当然円や日本の銀行の口座は紙くず化するので、外貨を海外の口座にかなり積んでおく必要があると思われる。

と、ここまでをGeminiと共に推測してきたわけだが、当初の国交省の予測(30万人、200兆円)と比べると全くの別次元であることがお分かりいただけると思う。決して恐怖を煽っているわけではないが、最悪の場合はこのくらいの規模になることがあり得るのだ、ということは覚えておいてほしい。

2026年1月20日火曜日

5Hz基幹送電線構想

知っての通り、日本の電力線は東西で50Hz地域と60Hz地域で別れており、東西間の電力融通は殆ど不可能である。このため、例えば東北大震災でフクイチ原発で事故が起き、計画停電が起こったが、もし関西以西との電力融通が十分なら、これも何とかなったかもしれない。

ヨーロッパは全土に渡って電力融通が可能であるが、これもフクイチ事故の時に勉強して羨ましいと思った。なぜこれが日本でも出来ないのかというと、ヨーロッパは周波数が50Hzに統一されているからなのだそうだ。一方で国内の送電線は、最上位の高圧線でも50Hz/60Hzで東西が揃っており、直接繋ぐことができない。

周波数が違っても融通は可能だが、そのための専用の施設が必要になってしまい、電力会社が消極的なため、なかなか容量がアップしないのだそうだ。これを解決する手段を考えてみた。

このためには、既に直流高圧送電(HVDC)という手法が確立している。だが、これは設備が専用になる、高額で大型になるという点以外にも、一度発生したアークが消えにくいというデメリットがある。

アークとは、要するに「接続していない銅線の間で電流が流れ続ける」、つまり空気を経由して電流が流れてしまう現象のことである。空気は最高の絶縁物質だが、HVDCは電圧が高いため、銅線を近づけすぎるとここで電流が流れてしまうのだ。イメージとしては雷が適当だろうか。

交流であれば電圧がゼロになる瞬間が一秒の間に何回もあるため、ここでいったん絶縁は復活する。だが直流ではそれがないため、これを止めるには根本の電気を遮断するしかない。しかし高圧直流を遮断するのは非常に難しく、ここでも高価な遮断器が必要である。

直流で送電するのは効率を高めるためであるが、それが目的なら、低周波の交流にしてしまえば、交流の技術を使った設備費用の低減ができるため、良い妥協点を見つけられるのではないか。そこで表題の「5Hzという低周波での高圧送電」を提案するわけだ。これを仮に「HVLF」(High Voltage Low Frequency」と名付ける。

HVLFの良いところは、現在の基幹高圧線をそのまま流用できる点だ。現在も交流なので、新たに大規模な設備投資をする必要がない。そして周波数が低くなることから、送電線のリアクタンスが小さくなり、より多くの電力を送ることができる。現在が50Hzだとすると、5Hzにすればリアクタンスは十分の一、そして直流より効率は悪いが、その差は10%である。一方で設備は、さすがに既存のものそのままでは使えないが、技術はACのものが流用できるため、安くできる。トータルで考えれば、こちらの方が安くなる可能性があるわけだ。

これを新たな「全国区の電力融通用」と位置付け、既存の高圧線の一部をこれに割り当て、東西を繋ぐ。すると、少数の電線を転換するだけでも大容量の電力融通ができ、既存の周波数変換による融通は不要になる。その代わり、既存の発電所からHVLFへのアップ及びダウンのための変電所は必要になるが、これは従来の変電所に併設できるだろう。

HVLFは、海底ケーブルによる電力輸送にも適している。このため、離島への電力供給でも細い線で大量の電力輸送ができるし、海外との電力融通すら視野に入れられるだろう。

なお、更にその先、電柱までを5Hzで送ることも検討可能である。従来より大電力の供給ができるため、例えばEVの急速な普及にも送電線を増やすことなく対応できたり、50Hz/60Hzを自宅単位で切り替えたりすることもできるかもしれない。ただ、電柱の変圧器はインバーターに変える必要があり、インバーターの寿命は変圧器より短いため、コストが低減できるかどうかは検討が必要である。

2025年8月25日月曜日

富士山噴火への備え・再考


 以前にも

https://spockshightech.blogspot.com/2017/10/blog-post_2.html

という投稿をしたことがあるのだが、もう少し状況を詳しく知ることができないか、調べてみた。

首都圏の対策としては、『首都圏における広域降灰対策検討会』というものがある。

https://www.bousai.go.jp/kazan/shutokenkouhai/index.html

この内容を大雑把に伝えると、

降灰30cmまでは自宅などで生活を継続、30cm以上で原則避難

というものになっている。ただ、なぜこうすることにしたのかについては詳しくは書いていない。

実際の降灰量予想としては、令和3年に発表された「富士山ハザードマップ」

https://www.pref.shizuoka.jp/bosaikinkyu/sonae/kazanfunka/fujisankazan/1030190.html

の中にある

https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/030/190/21_kouhai.pdf

が参考になる。東京23区、千葉県西部、埼玉県南部は2〜10cm積もると予想されている。

以前の自分の考察では、交通網が全て遮断される、全てのインフラは数カ月回復不能で救援物資も来ない、というものだったが、いくらなんでも100%ということはないだろう。まずここから精査していく。

まず概略から抑えておくと、首都圏の人口は3700万人である。これは1都3県の人口だ。

インフラとして一番重要なのは上水道と物流である。人は水が飲めなければ3日で死ぬ。水道が止まっても物流が大丈夫なら水は飲めるが、この両方が止まれば死ぬ。個人にしても自治体にしても、備蓄はせいぜい数日程度だろうが、この間にどちらかが復旧しなければ死ぬ。つまり、水道と物流が止まり、備蓄が尽きてから3日で死ぬ。

そこでまず水道だが、この資料によると、上水道施設の83%で機能停止ないしは機能低下があると予測されている。また浄水場の機能停止による断水が4%あるとのことで、つまりは87%が止まる可能性がある。

備蓄があると答えた人は、あるアンケートによると60%だったそうだ。だが水をどの程度備蓄しているかについては正確な情報がなかった。そこでこの60%の人が平均3日分の水を保存しているとすると、1週間以内に水道か物流が復旧しなければ87%(3200万人)が渇水死する、という計算になる。

給水車があるじゃないかと考える人がいるかもしれないが、首都圏に給水車は250台しかない。15万人に1台だ。これが雀の涙であることは明らかだ。地方から救援が来たとしてもせいぜいこの数倍が限度だろうから、ほとんど状況は改善しない。被災者が多過ぎるのだ。また、そもそも道路が火山灰で覆われているので、末端まで届けることは最初から不可能だ。自衛隊の支援も同様である。

もう一方の物流だが、これは報告書にもはっきり書いていない。鉄道と飛行機は全面ストップだが、自動車の通行がどこまでできるかは曖昧である。一応、乾燥時10cm、降雨時3cm以上の降灰で二輪駆動車が走行不能とある。また30cmで四輪駆動車が走行不能になる。ここではトラックを想定しているので二輪駆動車が該当する。また、タイヤ走行という意味では走行可能でも、実際にはエンジンに火山灰が入り込んで焼付き、数時間でダメになってしまう。現実的にはほとんど動けないと見るべきだ。

ただこれには例外がある。EVだ。EVにはエンジンがないため、降灰の中でも走行可能である。もちろん換気フィルタも火山灰には対応していないので換気なし、中途充電できないので脱出のみとなる。万一往復を想定して途中で頓挫してしまうと、道路を塞いでかえって迷惑だからだ。これは前回の考察からの更新点だ。

停電の予想だが、碍子への降灰の影響は配電線100箇所、送電線35箇所、変電所2箇所だそうだ。変電所は首都圏に1600箇所、配電線と送電線は数えるのが困難なほどだそうなので、意外にも影響は小さい。また火力発電所は、噴火15日後に最大42%の供給力低下が見込まれているが、もちろん発電には他の方法もあるため、総合的に見ると80%程度の発電が可能とのことだ。これは前回の予想よりも大幅に良い。電力さえあれば、例えば自治体備蓄として持っている大型浄水器は稼働可能となる可能性があるし、何よりも明かりが確保できることは治安面からも心理面からも大きなメリットになる。降灰中はどうせ工場などは動かないだろうから、電力は意外にも足りる可能性が高い。

さて再度物流だが、復旧の速度が気になるところだ。資料によれば、10cm程度の降灰にはホイールローダーと散水車を使うとある。だが水は貴重なのでとりあえず無視し、ホイールローダーに注目する。

ホイールローダーは全国に10万台以上あるとされている。首都圏に何台あるかは不明だが、仮に4万台として、どれくらいの速度で火山灰が撤去できるのだろうか。

その前に、ホイールローダーはやはりエンジンを積んでいるので、数時間で焼き付いて動かなくなるのではないか、と考えられる。これを是としてしまうと道路の復旧は全く望めないことになってしまうので、ここではフィルタを十分に用意し頻繁に交換することで稼働可能、と仮定する。(この仮定は大甘である。)

次に火山灰を撤去するに当たってその灰をどうするかなのだが、これは2車線以上ある場合には外側の1車線を通して中央に寄せるのだそうだ。これを前提として、どの程度の速度で復旧できるのか考えてみる。

首都圏の道路の総延長は、24万3千キロメートルだそうだ。これを前提に、生成AIに対して

「10cmの火山灰が降り積もった24万3千キロメートルの道路を4万台のホイールローダーで清掃するとして、また高速道路と幹線道路から始めて徐々に支線に取り掛かるという前提、つまり初期には全台数は稼働できず徐々に稼働台数が増えていくという前提で、灰の除去に何日掛かるかを推定せよ」

と指示してやると、結論としては最低3ヶ月、現実的には半年以上という結論が出た。つまり、少なくとも最初の1ヶ月、物流による水の確保は不可能である。

これらを合わせて考えると、水道が87%能力低下、電力は20%能力低下、物流は100%ダウンの状態が1ヶ月続く、ということになる。水の備蓄の量は、個人と自治体合わせても2週間がせいぜいだろうから、そこから先はバタバタと人が死んでいくことになる。3700万人中3200万人が死ぬ、というとんでもない結論だ。

であれば、早期に脱出するのが正解である。残念ながらこの結論は前回の考察と変わらなかった。東京都の指示は誤っているが、1千万人を数時間で脱出させることなど最初から不可能だからこういう結論になったのだろうと推察する。

脱出方法として考えられるのは、徒歩、自転車、バイク、自動車、電車、船などだ。また前提として、安全な移動距離は100kmを想定する。

まず徒歩だが、1日8時間、時速4kmで進んだとしても32kmなので、100km動くには4日掛かる。4日分の水と食料を持って移動するのはほぼ不可能だ。食料はともかく、4日分の水となると12L、2Lのペットボトル6本入りの箱を丸ごと背負っていくというレベルになるからだ。ここで、火山噴火と同時に脱出したとしても、灰は2〜3時間で降り始めるので、初日で周囲の水道が止まる可能性があり、水を途中で補給しながら歩くというのは厳しいだろう。

自転車は、初動としてはあり得るが、やはり2、3時間で移動できる距離では降灰に追いつかれてしまう。バイクなら可能性はあるが、降灰に追いつかれるとスリップしてまともに走れなくなるので、噴火から即時に動け、かつ運転に自信のある人限定である。

電車は0.1cmの降灰でストップするため、本当に初期の1、2時間程度しか動かないだろう。都市部での電車の平均速度(営業平均速度)は30〜40km毎時であるため、目標の半分しか進めない。もし2時間動くなら何とか、というレベルである。だが、電車が律儀にこの通り動いてくれるとは限らない。噴火と同時に止まるかもしれないし、降灰が確認されたら直ちに止まるかもしれない。その意味では電車を生命線とするのは危険だろう。

自動車の場合、数時間で焼き付いて動けなくなるが、その数時間内に逃げ切るという可能性はある。一方で渋滞に巻き込まれる可能性を考えると、乗り捨てる(エンジンが焼き付くまで走る)覚悟が必要だろう。それでも渇水死よりはマシだ。EVでも充電切れで乗り捨てる覚悟はやはり必要だと思う。

そして、新たな可能性として、水路を提案する。これは川沿い、しかも江戸川に限られるという制約があるのだが、江戸川を日光・宇都宮方面に遡上すれば、おそらく脱出可能である。手漕ぎではなくエンジンであることは必須だが、川なら渋滞がないので降灰前に逃げ切ることができるだろう。時速40kmほどが必要だが、これは一般的なレジャーボートや釣り用のボートでも出せる速度だ。燃料だけがちょっと心配だが、そこはあらかじめ計算しておくのが良いだろう。

ただ、東京湾を出て房総半島を回って太平洋を北上するというルートは取るべきではない。こちらだと走破距離が2〜3倍になり、燃料の準備がおぼつかなくなると思われる。

なお、これらの脱出方法は、噴火と同時という前提である。降灰後籠城して我慢できなくなって脱出する、というシナリオだと、状況は違ってくる。

例えば噴火2週間後、幹線道路と高速道路の灰が一応1車線分除去できたという想定で脱出する場合、まず除去されたと言っても灰は舞っているので自動車は使えない。但しEVなら可能なので、渋滞さえ起こらなければEVで脱出するというのはアリになる。

残りは自転車か徒歩だが、どちらにしても灰は舞っているのでN95マスクとゴーグルは必須である。それで100km移動するのはやはり厳しい。人は水がないと3日で死ぬが、その3日間元気で時速4kmで8時間歩くなんてことはあり得ない。徐々に弱っていくはずだ。せめて2日分、6Lくらいは持ち歩かないと、ゴール前に死んでしまう。だがまあ、この場合は水が尽きて命がけの脱出という覚悟だろうから、マイナスの選択としてはアリだろう。もしかしたら60kmくらいで水にありつけるかもしれないが、もはやそれは時の運である。

さて、脱出のためのEVだが、車高の高い、タイヤもそれなりのものを使うなら、30cmでも何とか走行可能らしい。そんな視点で車を選ぶなら、

https://www.subaru.jp/solterra/

がオススメである。ハマーのような極端なものは別格として、普段も乗り回せる割に車高が高いEVである。ソルテラの航続距離は500kmあるから、フル充電しておけば十分に降灰圏を脱出することは可能であろう。

また、火山の場合は地震と違って1ヶ月前程度には予兆が現れるので、全く予知不可能というわけではない。その時点で車を買う、避難する、備蓄をする、ということは考えられるだろう。

2019年11月11日月曜日

災害用パラフィンオイル発電機


先日の台風の様子を見ていると、ガソリン式発電機が欲しくなる。しかし、現状の発電機は問題が多い。これを解消する発電機を考えてみる。

最初に問題になるのは、負荷変動だ。例えば、冷蔵庫を動かしたい場合、定格の6倍~10倍程度の突入電流がある。また、定常運転においても、コンプレッサーが動いているときと動いていない時では、数倍の電力差がある。エンジンは通常負荷変動に対応するが、そうすると効率は落ちるし、音も大きくなる。定常運転にしてバッテリに溜めるようにすれば、負荷変動は全てバッテリ側で吸収できるので、極めて小さい音で定常運転できるはずだ。

次に問題になるのは、長期保存性だ。単純に言えば、ガソリンは劣化する。このため、長期保存ができない。

次は安全性だ。ガソリンの引火点は極めて低く、腐食性もあり、揮発性も高いために扱い辛い。大量に保存するのにも不安がある。

次は保守性だ。エンジンオイルが必要であり、また定期的に交換する必要がある。また、長期間使わない時にはガソリンを抜く必要があり、その後始動するときにはまた手順が必要になる。

次は騒音だ。一番小さなもので48dB程度、通常なら60dBもの音が出る。これは結構うるさい。燃焼機関なので室内では使えないから、ベランダに出すなどすると、近所迷惑な大きさだ。

最後は、燃料やエンジンオイル等の入手性だ。当然震災時には色々なモノが手に入りにくくなるが、ガソリンはその筆頭だろう。そうであれば他のモノを、ということは考えられる。例えばハクキンカイロ用のベンジンの入手性は良かったそうだ。もちろん保存性が良い燃料であれば買い溜めしておける。

そういったものを色々と考えてみると、次のようなスペックになる。

  • パラフィンオイルを燃料とする、定格30Wのエンジン
  • 燃料タンク3L以上
  • 10kWh程度の蓄電池と制御装置
  • 蓄電池充電残量に応じた自動補充電機能
  • 100V50/60Hzのコンセント1つ、USB-A/Cコネクタ数個
  • 静音性。せめて45dB以下、できれば30dB台

これらを個々に解説してみる。

●30Wパラフィンオイルエンジン

パラフィンオイルは、オイルキャンドルやハーバリウム等に使われるオイルである。引火点が90℃前後であり、燃料用のオイルとしては最も高い部類に属する。
このオイルは燃焼しても殆ど煤や匂いが出ない。また長期保存可能であり、安全性も高い。これは非常用の燃料としてうってつけである。

しかし、パラフィンオイルを燃料とするエンジンは、知る限りでは存在しない。むしろこれはエンジンオイルに使われている。つまり、新しいエンジンを開発しなければならない。

パラフィンオイルは粘性が高く、発火点が高い。通常のガソリンエンジンやディーゼルエンジンには使用できないと思われ、専用のエンジンが必要になるだろう。

また、パラフィンオイルが燃料になるということは、エンジンオイルと兼用にできる可能性がある。もしできれば、これは保守性を若干上げるだろう。

また、パラフィンオイルは単価が高いので、あくまでも非常用になる。てんぷら油やサラダ油が使えるなら、まただいぶ安くできるかもしれない。業務スーパーで一斗缶で買っておけば、相当の期間使えるはずだ。もちろん被災時に買うのも良い。被災時には一斗缶のサラダ油など売れないだろうからだ。

家庭用冷蔵庫は100Wが定格だから、30Wというと少なすぎると感じるかもしれない。しかしこれは、冷蔵庫の中身を腐らせずに消費しきることを目標としている。つまり、日常と同じように使うのではなく、その時点で補充はなし。使うだけなので、数日掛けて中身は減っていく。これにより消費電力は徐々に下がる。恐らく1週間以内にカラになり、その時点でこの発電機の使命は終わるわけだ。それ以降は、スマホなど少電力機器の充電に使われる。それには30Wは十分に大きい発電量だ。

●燃料タンク

市販のパラフィンオイルは、2L・1500円前後で売られている。ガソリンや灯油と比べれば10倍~15倍もあり、相当に高価であるので、あまり大きなタンクにはできない。パラフィンオイルは運転中に継ぎ足ししても問題ないので、一晩持てば十分である。万一夜中に燃料を使い果たしたとしても、朝継ぎ足せばなんとかなる。但し燃費の計算をしていないので、効率が悪ければもっと必要かもしれない。

●蓄電池と自動補充電

ポータブルとは言え重量には余裕があるので、必ずしもリチウムイオン等である必要はない。例えばUPSに使われているような、密閉型鉛電池でも良いかもしれない。また、普段から全てエンジン補充電である必要はもちろんなくて、普段はコンセントからの補充電でよい。

AC電源がない場合、例えば充電池が残り50%になったら90%まで自動補充電する、等と言った設定をしておくことができるようにする。基本的に定格運転しかしないので、充電はON/OFFの制御しかない。これによってエンジンを最も効率の良い状態に保ち、騒音対策などもそれに合わせて行うことで効率化する。

●出力

メイン出力は、AC100V50/60Hzである。別に冷蔵庫向けなら正弦波でなくても良いだろうが、今の時代はインバーターがあるのでそんなにカネを掛けずとも正弦波に近い波は作れる。そしてこれは当分冷蔵庫に専有されるため、USBは別に必要になる。AC二つだと、制御が面倒になりそうなので、一つにした。

出力しながらの充電は可能とする。この際でも、負荷変動は充電池側が制御する。発電側はあくまで定格運転である。

いわゆるUPS機能、即ち瞬停への対処は、必ずしも必要ない。主目的は冷蔵庫の維持であるため、少々停電しても問題ない。

●静音性

マンションのベランダで使っても問題ないくらいでないと困る。調べた限りでは、ガソリン発電機で48dBというのが最少だったが、これではまだ不安だ。もう少し静音性が欲しい。

既存のエンジン発電機と違い、充電前提で定格出力のみとする前提で考えれば、それを進めることができるだろう。また、パラフィンオイルを使う前提なので、スパークプラグやディーゼル機構では点火できないかもしれない。スターリングエンジンのように、穏やかに燃やし続けることで回すものになるのではないだろうか。

ダ・ビンチが開発しているロータリー熱エンジンが使えないだろうか、と考えている。


使い方としては、普段は目立たないところでACコンセントに繋ぎっぱなしにしておく。そして停電したら、冷蔵庫の所に持ってきて、コンセントをつなぎ替える。この際、屋内では換気が必要になるので、延長ケーブル等で引っ張って、発電機はベランダに出すようにする。このためにも、発電機は防水が必要になる。コンセントも防水コンセントが必要だ。

排気をパイプ等で屋外に誘導するか、あるいは換気を十分にすることとして屋内で使うことも考えられるが、やはり基本は屋外と思われる。

2019年11月7日木曜日

UCOキャンドリア専用熱発電機


UCO社が発売している「キャンドリア」は、キャンドルランタンである。

通常のロウソクとは違い、専用の鞘に納め、下からバネで突き上げるようになった砲弾型のロウソクを使うため、炎の位置が常に一定の位置にあり、しかも長時間点灯させておくことができる。また、ロウソクは1本から3本まで、必要な明るさに応じて調節できる。
この天板は、コップの水程度なら沸かすことができるらしい。これを知って、以前購入を検討して結局断念した発電機のことを思い出した。

Robens Woodsman Stove And Charger
FlameStower Fire Charger
PowerPot V Battery Bundle

これらは何れも、ペルチェ素子を使ったゼーベック発電を原理とする発電機だ。ただ、何れも熱源が満足できるものではなかった。Robens Woodsman Stove And Chargerは、燃えるものなら燃料は何でも良いのだが、逆に言えば燃焼の制御ができないので、つきっきりで面倒を見なければならない。また、煤が出るし、火が漏れるので、屋外向けである。FlameStower Fire ChargerとPowerPot V Battery Bundleは熱源は何でも良いのだが、登山用ガスストーブ(コンロ)を想定しているようだった。ガスではせいぜい1時間しか発電できない。また、ガスボンベが大量に必要なようでは、災害時には使えない。

同じ原理で、この「キャンドリア」の上に固定できる発電機があれば、上手くいくのではないだろうか、と考えてみた。

ランタンを使ってゼーベック発電をするというのはそれほど奇特なアイデアではなく、ネットを検索すれば様々なチャレンジャーがこれを行っている。しかし、使っているのは皆ガスストーブだ。その点、キャンドリアであれば、一度セットしてしまえば9時間安定して環境を保てるし、つきっきりになる必要はない。屋内でも使える。

ただ、問題は発電能力だ。この手の自作では、LEDが点いたとかモーターが回ったとかいう話しか聞かない。モバイルバッテリーが、スマホが、まともに充電できるのだろうか。これを考えてみる。

市販されているUSBの規格は、5V500mA、つまり2.5Wである。これに対し、市販のスマホのバッテリ容量は、4000mAhくらいある。電圧が書いていないが、3.6Vだとすると、14.4Whだ。単純計算では、6時間弱の充電が必要ということになる。一方、

https://www.lec21.com/report-seebeck-effect2/

の実験で2.5Wが出たのは、ロウソクではなくガスストーブ、ペルチェ素子3段4組=12素子、水冷式だった。キャンドリアではこの面積は確保できないし、火力も相当に落ちるだろう。この結果からだけ見ると、キャンドリアにペルチェ素子一つだけの装置で十分な発電ができるようには思えない。

そんなことを考えていたら、こんな記事を見つけた。

https://newswitch.jp/p/19514
https://eetimes.jp/ee/articles/1910/04/news028.html

今の10倍ということであれば、ペルチェ素子1枚でも2.5Wが出る可能性が出てきた。これが量産された折には、この発電機構は再度注目されるはずだ。その時には少々高くても購入したいと思う。

2019年3月25日月曜日

働かなくてよい時代は来るか


「ロボット労働のパラドックス」の続き。世界中の誰もが働かなくてよい時代、というのはあり得るのか。ホリエモンなどは来ると言っているようだが、自分の結論としては「50年単位で無理」だ。以下、説明する。

過程をすっ飛ばして最終的な形態を考えると、それは映画「ウォーリー」の巨大宇宙船アクシオムのような状況である。ロボットが準備してくれるので、人のすることの全ては娯楽と食べることのみで、ぶくぶくに太ってしまう(それでも良い)というようなものだ。

もし、アクシオムのような世界が実現するとしたら、その技術的なスペックはどのようになるのだろうかと考えてみれば、自ずと答えは出てくる。単純には、エネルギーと資源で厳しい制約を受け、その経済圏の中に入れる人間は限られる。

今から30年くらいで、地球人口は百億人くらいになる。これを前提に、この百億人が何もせず暮らせるために必要な食料、エネルギー、衣料、住居の量を考えてみると、今の世界中で作られている量の何倍が必要になるだろうか。

この百億人の大部分は新興国・発展途上国の人だし、先進国にも経済格差がある。働かなくても良いレベル=満足な量の食料、衣料、住居、医療、教育などだろうが、これが足りているのは先進国の、しかも一部だけだ。それもAIとロボットで満足しなければならないとなれば、必要なエネルギーと資源材料の量は、十倍から数十倍であると想像できる。

このうち、再生可能なものはわずかだ。自然エネルギー発電と金属、木材・植物性材料がそれに当たるが、金属は完全ではないし、それ以外の、例えばプラスチックや希少材料、石油天然ガス等は消費する一方である。ロボットにより採掘がいくら効率化しても、そもそもないものを掘り出すわけにはいかない。これを問題①として定義する。

問題②は、貨幣価値経済である。今の世の中にも、働かなくても生きていけている人は大勢いる。しかしその人たちは貨幣価値経済における勝者に過ぎず、これすなわちその一人につき膨大な数の敗者が必要なことを意味している。この敗者は逆に、働いても働いても貧しく、飢え、苦しんでいる人だ。

そして、単にAIとロボットがいたとしても、その図式は変わらない。新三種の神器やコンピュータの出現と同じく、「新しい便利な道具」が出現した、というだけの話だ。働かなくても済む人が若干増えたとしても、全員ではないし、殆どでもない。最貧困者の底上げはあり得るけれども、相対的貧困はなくならないし、依然として大部分は敗者である。

食糧生産のコストが下がったとしても、ゼロにはならない。ロボットを買い、動かし、保守し、材料を買ってくるのだから、出来上がったものは売らなければならない。オーナーが誰かは関係ない。もし生産物をタダで配ろうと思うのなら、原材料採掘からエネルギーからロボット製造保守から製造から全てを全部所有し、自己完結している必要がある。それも全部ロボットのみでできなければならない。そんな工場がこの世に一つでもあるだろうか。

問題③は、税金である。上のコストにはまだ税金が考慮されていない。例えばロボットで自分が食べるだけの食料を作り出している家庭には税金は掛からないか。今、ロボットが幾らいても税金は掛からないが、ビル・ゲイツ氏がロボット税を提唱しているような事態が起きないとは限らない。なぜなら、ロボットを導入できない貧乏な世帯への補助には税金が投入されるからだ。その原資として必要とあらば、どんな税が投入されないとも限らない。また、当然固定資産税は掛かるし、借家ならそのコストが掛かるが、それにも税金が含まれている。

税金支払い分を稼ぐためにロボットを働かせるとなると、当然この効率は注目される。外(国、自治体)による目で、その労働価値は値付けされてしまうわけだ。自分の自由にできない支出が出てくれば、それに合わせて働くしかなくなる。

問題②③は本質的なものではないので、時が経てば解決する可能性はある。しかし問題①は相当に厄介だ。石油は、植物由来プラスチックや、電気で置き換えることは可能だろう、エネルギーは、太陽電池を使う。食料は植物工場とフェイクミートを使う。定性的にはそのような道はあるのだが、問題は量なのだ。

問題は、主に石油代替である。例えばエネルギーであれば、発電を全て再生可能エネルギーにする必要があるが、そのためにはまず太陽電池を今の50倍~100倍という規模で建設しなければならない。また、全ての航空機と自動車を電動にしなければならない。

原料(プラスチック)の代替には、植物由来プラスチックを使うことになるが、そのためには大量の植物(例えばとうもろこし)が必要になる。今の世界市場における植物由来プラスチックの比率は1%未満であり、3桁の伸びが必要となることになる。これは、対応するとうもろこしの作付け面積が同程度伸びる、ということだ。

既に栽培適地はあらかた生産されているし、そうでないところに植物工場を作って高コストで作るにしても、生産量を百倍上げるのはきわめて困難だろう。

また、作付面積の大部分を占める小麦ととうもろこしは、食料としても生産性を10倍程度に上げなければならない。こう考えれば、とても無理だ、ということは一目瞭然である。

極端な話、スペースコロニーでも作ってそこでとうもろこし生産をするとしても、やはりとても間に合わない。月に入植するのも無理。結局、世界人口が大幅に減らない限り、この理想社会は訪れないのだ。

2019年1月15日火曜日

台風を防ぐ「集エネ船」


台風の被害は、年間何百億円にも及ぶ。これへの対策は、基本的に「防御」だ。防潮堤、備蓄、避難。だが、もっと積極的に、台風そのものの発生を防ぐ、あるいはその威力を弱める工夫があってもよいのではないか。

過去、台風の威力を弱めるために、ヨウ化銀を撒くとか原爆で吹っ飛ばすとかいう案があったのだが、何れも継続的には成功していないし、毎年幾つも発生する台風に毎回そんな方法をとっていては大変だ。ここではもっと根本的な方法を考える。

台風とは、言ってみれば自然エネルギーの平準化である。熱くなった水が北に移動して冷えた土地を暖かくするのが台風の役割だ、とも言える。だから本来、台風をなくすためには、発生した熱エネルギーを速やかに吸い取り、北に逃がしてやることが正しい。

例えば、赤道付近の海流を、夏の間は二倍に促進する、ということは、エネルギー収支的には正しい。ただこれには膨大なコストが掛かり、経済効果が見えないので非現実的だ。

そこで考えるもう一つの方法は、赤道付近の熱エネルギーを吸い取ってしまい、これを北の都市部の電力消費等に充てる、というものだ。これなら一挙両得になる。たとえ台風の発生を防ぐほどの効果が無くとも、吸い取った分のエネルギーは減らせる=台風の威力を殺ぐことができるのだから、無駄にはならない。エネルギーを吸い取るポイントを細かく調整すれば、進路を曲げて都市直撃を避けるなども可能になるだろう。

この方法として考えるのが、題記の「集エネ船」だ。台風発生の初期、夏から秋に掛けて、その海域に大量の船を派遣する。それはタンカー級の大型船で、海水の熱エネルギーや、その元となる太陽光、あるいはその結果である風のエネルギーをあらゆる手段で集め、中に保存し、帰っていく、というものになる。種類は幾つか考えられる。
  1. 熱エネルギー収集船。北方で冬の間に作っておいた低温の熱媒体を積んで南海に行き、そこで海水の熱エネルギーを使って熱媒体を高温にして戻り、北方の暖房などに使用する。地域冷暖房や道路の融雪など、色々に使える。熱媒体はノルマルパラフィンエマルションなどが使える。
  2. 超熱エネルギー収集船。基本は上と同じだが、太陽炉やヒートポンプを使って、溶融塩を非常に高温になるまで熱して、持ち帰る。持ち帰った溶融塩は発電に使用できる。
  3. 水素生成船。着いたら、周辺含め太陽電池や風力発電機を展開し、発電した電気で海水から水素を精製し、持ち帰って水素自動車などに使用する。
  4. アルミニウム精製船。くずアルミを持ち出し、周辺含め太陽電池や風力発電機を展開し、発電した電気でアルミニウムを精製して持ち帰る。
少なくとも初期においては、台風の進路を曲げることを目標にすることになる。精度が高ければ、小さいコスト(船の数)でもピンポイントで効果がある(バタフライ効果)。だがこれは相当難しいので、研究への投資は別に必要だろう。

コストを計算していないのだが、どれをとっても現状よりはお高くなるだろうが、ある程度の国の補助(みなし台風被害削減報奨金)があれば、それなりの経済性があるのではないかと思う。もちろん公海上で行うことなので、民間単独では無理だ。国が主導するなどして検討してもらうことを期待する。

2018年10月17日水曜日

超小型核爆発炉の改良


以前、「超小型核爆発炉」という提案をしたのだが、ここで必要だったのは、十分に小さい核燃料の液滴を作ることだった。そしてその後に超音波による液滴制御技術を知った。この両者は組み合わせられそうだ。

高温で液化した核燃料を、超音波液滴制御技術て滴下する。これを水の中に落とし、中心部まできたら四方からレーザーを照射して、レーザー圧縮を行う。この水槽は実は衝撃波水槽であり、その一瞬に超高圧状態を作り出す。核燃料は水中で核分裂を起こす。

衝撃波水槽は、潜水艦の耐圧性能を調べるために使われる設備だ。このため、核分裂の一瞬は空中のような飛散を起こさず、水中の小さな範囲でのみ反応し、燃え尽きる。そしてその後の灰は、比重が重いため、水槽の下に落下する。もし反応が続いていても、水で遮断されるため放射線は漏れず、冷却も継続的に行われる。

この場合、熱は全て水に吸収されることになる。高圧にするので100℃で沸騰することはない。水槽の周りに熱交換器を設置して冷やせば、また使うことができる。

核燃料の液化にもレーザーを使うようにする。これによって一度に大量の核燃料が活性化することはなくなる。地震が起きればレーザーを止めればよいし、溶けかけた核燃料はそのまま水に落としてしまえばまた冷える。今の原発と違って冷やし続ける必要はない。

一見、良いこと尽くめに見えるのだが如何だろう。後は定量的な判断が必要だが、これ以上は専門家の領域だ。

2018年9月14日金曜日

太陽電池とEVの連動普及


太陽光発電のコストが急激に下がっていて、従来の発電に比べても十分に競争できる時代になっている。それでもまだ太陽光発電に対する警戒感は強い。その大きな理由は、天気や季節に左右され夜間は発電できないことだ。

これに対して、EVの充電池をバッファとする案がある。この実現性について、量的な視点で可能なものなのだろうか、考えてみた。


  • まず、一日の最大電力は、過去のピークで6430万kW、一日当たり1184百万kWh。つまり64GW、1.2TWhとなる。
  • 日産リーフのバッテリ容量は40kWh。テスラ3は50kWh。他の電気自動車はこれより少ないようだ。テスラのトレーラーは推定800kWh。
  • 自動車の保有台数は8千万台。乗用が6千万、貨物が千4百万。稼働率は5%。


大まかな数字が出たところで、検証してみる。日本の全ての自動車が電気自動車になったと仮定すると、その総バッテリー容量は、3.2TWh(全部リーフの場合)。稼働率5%と、その他接続していない車を合わせて8割がオフラインだとすると、0.64TWhとなる。これに対して一日当たりの使用量1.2TWhだ。つまり、一日の半分の量のピークカットができることになる。これは、太陽光発電の不安定さを補うには十分すぎる量だ。

事はもちろんこんなに単純ではない。平均的には大丈夫でも、部分で見れば過不足は発生するはずだ。それを近所で補完しようとすれば逆潮流になるから、それなりの設備が必要になる。

また、全部の自動車が電気自動車になるのは何十年も先の話であり、過渡期に立ち行かなくなればアウトだ。そうならないためには、ピークアウト対応充電プラグとEVの普及に合わせて太陽光発電を増設する、という政策連動が必要になる。

大規模な発電所はそう簡単に計画を曲げられないから、それに合わせてEVの普及率を調節するのがその原則だ。つまり、太陽光発電への補助金をEVにも割り当て、普及率に合わせて補助金の率を調節する。ある程度以上進めば補助金は不要になる。

上手くいけば、現状の太陽光発電の問題である新規開設認可の滞りまで含めて一挙に解決できるかもしれない。

2018年5月11日金曜日

無料走行充電スポット


EVへの充電方式としてはまだ確立していないが、道路に埋め込むワイヤレス給電の実験は各地で為されている。これが実用化した暁には、当然ながら幹線や高速道路では使われるものと思うが、これを埋め込んで顧客を誘致する、ということも考えられないだろうか。

話は簡単で、遠回りをする代わりに走行充電ができる「道の駅」や「サービスエリア」を設ける。止まらなくても良いが、そこまでのアプローチを長く、逃れられなくしてやれば、疲れて止まりたいと思うようになるだろう。当然そこにも無料充電駐車場を設けておく。こちらは無料でなく割り引きでも良いだろう。

そこで休憩し、トイレに行けば、土産の一つ、軽食や菓子の一つも買おうという気になるはずだ。それをトータルで損得勘定してやる。

ガソリンスタンドではこうは行くまい。電気自動車ならではのアイデアと言えるだろう。

2018年2月12日月曜日

放射線水素工場


放射線を水に充てると、水素と酸素が分離して水素酸素混合気体が発生する。この原理を使って、水素工場が作れないだろうかと考えてみた。

使うのは、高レベル放射性廃棄物、いわゆるガラス固化体である。これを細かく砕き、礫状にしたものを使う。これを水にさらす。要は、籠に入れてプールに沈めるわけだ。触媒のようなものがあれば、発生効率は向上する。後はプールの上部に上がってきた水素と酸素を分離して回収する。設備としてはこれだけである。

放射能漏れの心配は、プールの設計を正しくすれば全く問題ない。水は放射線を遮断するから、水が枯れない限り地上に放射線は出ないし、万一枯れても、放射性物質自体はガラス固化体に閉じ込められているから、放射性物質自体が出て行くことはなく、出て行くのは放射線だけで、しかも上にしか行かない。建物を覆っておいて天井にそれなりの物質を使えば漏れることはない。

水は常時継ぎ足しが必要である。不純物が混じるとそれなりに困るだろうから、純水ないしはそれに近い水が望ましい。これは、雨水をフィルタリングして投入するような仕掛けにすれば、水道代も掛からない。

この装置が故障して長時間放置され、万一水が枯れるようなことがあると、ガラス固化体は高熱を発し、溶けるかもしれない、と思われがちだが、元のガラス固化体の放射線濃度をあらかじめ調整することにより、防ぐことは可能である。一定以上の熱量になることはなく、原発のようにメルトダウンすることはない。床コンクリートを規定の厚みにしておけば、地下への放射線遮断も問題ない。

プールの水の量を監視すること、必要に応じて水を継ぎ足すこと、ガスを回収することが基本的な保守作業だ。また、時間と共に放射性は薄れていくから、プールは段階的に作っておいて、流れ作業が可能なように作っておけば、用済みのものは順序引き上げて地層処分をしてやれる。

このために作るガラス固化体は、従来のキャスク用よりも放射線濃度が高くても良い、つまり高濃度で体積効率が良いものになる。これも後の廃棄物処理に有利になる。速く燃えるので、地層処分までの年数も少なくてよい。

非常時には、爆薬やハンマーなどで破壊できる止水栓と、十分な量の水があればよい。これはプールでも良いし川や湖、海などから引き込むものでもよい。大量の水は必要ないので、山奥に作ることも可能である。

発生する水素も危険な物質だが、空気より軽いため、漏れても拡散してしまうので問題ない。回収は漏斗のようなものを使ってポンプで行い、冷却して分離し保管する。これは当然売り物になるし、施設内で燃料電池を使って自家消費することもできる。

これでどのくらい水素が発生するのかは計算していないが、深いプールを使って多数のガラス固化体を沈めることで、土地面積の効率は高いものが得られるだろう。原理は単純であり管理も楽なので、数十年~百年単位での管理も十分に可能である。

その間、水素は発生し続ける。量の制御はできないので発電所としては不適切だが、また量も大して稼げないだろうが、これなら安全かつ利益も多少は生みそうな気がする。最終処分の話はまた別として、これなら検討する、という自治体が出てくるのではないか。

2017年11月18日土曜日

海洋高度差発電


パナマ運河とスエズ運河のように、大きな大陸で隔たれた海洋同士の間には、必ず海面の高低差がある。この高低差を利用して、単純に水力発電をしようというのが、題記の発電法だ。

経路は膨大な長さになるが、完成してしまえば水門の開け閉めと日々のメンテナンス程度の問題で済むため、コストはあまり掛からない。一般的な潮汐力発電と異なり、水流の速度をかなり自由に調節できるため、海水への暴露に伴う付着物の問題は相対的に小さくなる。高低差がなくなったり逆転することがないため、構造もシンプルになる。

生物学的汚染は若干考えられるが、元々運河が通っているところでもあり、それほど大きな問題には思えない。また、相手が大洋であるため、発電程度の水量で高低差が埋まることは考えられない。取水口排水口付近の環境が若干変わる程度で、大きな問題にはならないと考える。

最初のトンネル掘りが問題になりそうにも思えるが、今の運河と同等、取水口と排水口の高低差があればよく、多少であれば途中経路が海抜より上になっても問題ない。パイプを敷設した後に中を海水で満たせばよい(出口を塞いで最高部から海水を注入するだけ)。また、同じ原理により、何本でも併設できる。パイプは、石油パイプラインの技術がある程度流用できるはずだ。

日本でも、日本海と太平洋の高低差を利用した発電ができないかと考えてみたが、高低差が少なく途中の山越えが困難に思える。その苦労の分を超えて経済的効果があるかは厳しそうだ。

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