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2024年9月23日月曜日

ポケット非常食


既存の非常食を備蓄しているが、大きくは3つ、不満がある。第一は、非常時には皿が洗えないが、それへの配慮がないものが多いこと。一方で容器を兼用するもの(カップ麺など)はかさばること。そして携帯が不便なことだ。

というわけで、こんなものを考えてみた。口の幅に合わせた35mmの幅を持つ吸口、その下に幅50mm、長さ120mm程度の保存部を持つレトルトパウチ構造である。これなら直接口に咥えて食べられるし、食べ終わったら小さく畳めるのでかさばらない。そして十分に小さいので、携帯することも苦にならない。大人でも子供でも食べやすい。

この構造なら、ゼリーやおかゆのようにそのまま食べられるものも、フリーズドライにしてお湯を注ぐものも、凍らせる前提のものも、ボイルするものも、タダの水も、スナック菓子も、好きに入れられる。小さい分、数と種類を多数取り揃えれば、飽きないし分配も楽になる。登山やキャンプの行動食にも、ランニングストックにも、子どものおやつにも、弁当代わりにも、対応できる。

従来の非常食の枠を超えて、広くラインナップを揃えて欲しい。普通のおかずも色々入れて欲しい。既に缶詰やレトルトになっている食品全てが対象になる。また、漬物や調味料など、あまり非常食の対象となっていなかったものにも目を向けて欲しい。栄養ドリンクや医薬品などでも検討してほしい。容量を少なく数を揃えるこの方式ならできるはずだ。

2019年3月4日月曜日

家庭用フリーズドライ機みたび


家庭用フリーズドライ機再び 」を書いたとき、なぜ思いつかなかったのだろう、とちょっと後悔してしまったのが、容器の話だ。

前回は、真空パック用の使い捨て容器を提案した。しかしこれではランニングコストはそれなりに掛かる。常温で保管できるとしても、不定形の袋では保管が難しいなどもあるだろう。

今回の提案では、家庭用の保存容器として、例えばジップロックコンテナーがそのまま使える。パッキンなどの完全密封は不要で、市販のものなら何でもよい。エージレスは引き続き必要となる。これで上手くいくはずだ。

使い方は簡単だ。フリーズドライした食品をコンテナーに入れ、エージレスを入れ、ふたをする。これだけだ。取り出す時には雑菌の付着を避けるために手を洗って、あるいはトングや菜ばしなどを使うように気をつけるが、外気にさらされることは気にしなくて良い。常温で保管できるので、ストック棚に積み上げていてよい。水戻しはそのまま容器に水を入れて待つだけでよいし、前回提案のように家庭用真空パック器 真空パックん plusのマリネ機能を使えば素早く戻せる。

なぜこれで上手くいくのか。前回の議論で、容器にはガスバリア性が必要だ、と言った。普通の袋では酸素を透過するので、ナイロンが素材に使われていなければならない、とも説明した。だが、この場合は必要ない。ガスバリア性は不要、密閉も不要だ。なぜか。
真空パックの場合、当然内部の気圧は低くなるので、外気にさらされた場合にガスバリア性がないと、空気が入り込んでしまう。しかしこのような定形の容器の場合、内部の気圧は外部と変わりない。エージレスによって酸素が減ると若干入ってくるが、その中の酸素もエージレスによって吸収されるから、結局、中の気圧は外と釣り合って落ち着き、しかも自然に中は窒素で満たされるのだ。

容器は洗って再利用可能になる。メーカーも素材も、好きな形も選び放題だ。ランニングコストはほぼエージレスのみとなり、容器を積み重ねても崩れないから、市販の棚も使い放題だ。

どうだろう。ここまでくると、俄然使いたくなってくるのではないだろうか?家庭用フリーズドライ機の登場を切に願う。

2018年4月16日月曜日

緩いフリーズドライ


完璧なフリーズドライに対し、完璧に乾燥せず、例えば干しぶどう程度に留めるようなことにも、一定の用途が考えられる。
  1. 家庭でフリーズドライをしたい場合。完璧を求めると大変だが、緩いものであれば機器も手間も楽ができるだろう。
  2. 緩いフリーズドライは新しい食感を生むかもしれない。干しぶどうの例は正にそうだ。バナナチップも自家製ができるかもしれない。
  3. 新しい料理が生まれる可能性がある。スープを緩くフリーズドライにしてゼラチンパックに包むと、手で持って食べられるスープが作れる、など。
  4. スペースを節約したい場合。それによって体積が縮むので。
緩いフリーズドライなら、密閉容器を冷やしながら脱気するだけで、専用の袋などは無用である。真空度も低くてよい。このため、何十万円もするということはないだろう。最初から電子レンジサイズ、5万円以下で売り出せるかもしれない。

2017年10月8日日曜日

フリーズドライ浄水


浄水の一ジャンルに沸騰浄水があるのだが、沸騰がありならフリーズドライだってありではないか、と少し考えてみたら、意外とイケそうに思えてきた。

沸騰浄水の原理は、混じり物のある水は100℃近辺で沸騰するが、その近辺に似たような沸点の不純物がなければ分離できる、という原理による。一方で、フリーズドライは昇華が基本原理になるのだが、つまりその作業温度・作業圧において昇華し得るのが水だけなら、昇華したものは水だけになるはずだ、ということになる。

固形物は勿論、昇華点が違う化学物質は、ここで原理的に分離できることになる。残渣はカラカラに乾燥しているはずで、廃棄を容易にする。細菌やウィルスの類は、昇華と共に混じってしまう可能性があるので、フィルタを併用する必要はあるだろう。

もう一つの大きな利点はエネルギーだ。通常の水は15~25℃程度だろう。これが氷になる0℃と沸騰の100℃、どちらにより近いかを考えてもらえばわかる。だからエネルギー効率は高いのではないか。また0℃は人間にとって特に危険な温度ではないので、安全性という意味でも有利だ。

凍らせるには普通に冷凍庫の原理を使えばよいので、技術的には問題ない。まず汚水を凍らせて適当に砕き(あるいは始めからキューブ状や柱状などにして凍らせ)、気圧を摂動させながら換気し、換気を室温に晒せば結露して水が溜まる。残渣は取り出して廃棄する。また、連続的に取り出す機械も考えられるだろう。

原理的にはポンプを使う動力だけで良いので、下水処理として素直に使っても有用かもしれない。小型にして人力で動かす非常用浄水器も作れるかもしれない。問題はコストで、(冷)熱回収と再利用をいかに効率よく行うかがポイントになる。

2017年8月17日木曜日

野菜の皮むき器とCAS冷凍


レストラン関連のトレードショーに行くと、業務用の厨房用機械が多数展示されていたりする。そんな中でも、日本のロボット技術のきめ細かさが際立つのが野菜の皮むき機だ。

従来は、大規模なレストランや、チェーンレストランの前処理工場などで活躍していたのだが、その用途としては直ぐに加工するための前段だった。つまり、皮をむいたらその後切って炒めて茹でて揚げて、という作業が直ぐに行われる前提だった。またこのため、中小レストランや一般家庭での導入は考えられなかった。

だが、これとCAS冷凍が組み合わさった時、また更にそれにフリーズドライが組み合わさった時は話が別になる。業務用冷凍野菜は今でも出回っているが、それはミックスベジタブルやブロッコリーなど、冷凍に支障のないものだけであり、種類も限られていた。例えば野菜の千切りなどは、業務用でも売っていない。これができるようになる。

野菜が殆ど全て冷凍可能になるなら、前処理の最初の一歩たる皮むき器の需要は一気に高まるはずだ。それこそ農家に設置して、その場でどんどんCAS冷凍するようなことも起こりうることになる。

こうなれば、例えば小型トラックの後部に冷凍庫と皮むき器が並んで搭載されたようなものが大量に出回り、あるいは農協で共同購入されるようなことが起こるかもしれない。今でも農家の収穫期は大忙しだが、皮むきや冷凍の工程が入れば更に忙しくなるので、人材の流動化(農家の会社化)にも拍車が掛かるかもしれない。

更に、品質の自動チェックや袋詰めまで自動でできるようになれば、農家は自前で大容量の冷凍庫を買い、楽天で直接売るようなことまで始めるところも出てくるだろう。これは中間マージンを減らす意味で役に立つし、天候不順などの影響を軽減し、価格の安定にも貢献する。

皮むき後の加工についても機械の導入が考えられるから、同じ野菜でも千切り専門やらいちょう切り専門やらの農家が出てきて協業する、などもあり得る。

2017年6月22日木曜日

CAS冷凍+フリーズドライ


フリーズドライには、戻したときに食材の食感が変わってしまう欠点があった。代表的には、豆腐が高野豆腐になってしまう。じゃがいもがスカスカになってしまう。葉物野菜はしなしなになってしまう。これらの欠点を、「CAS冷凍」によって補うことはできないか、と考えた。つまり、冷凍にはCAS冷凍を使い、その後フリーズドライにする。

実際にはやってみなければ分からないが、上手くすれば豆腐を高野豆腐にせず、絹は絹、木綿は木綿の食感のまま、戻すことができるかもしれない。だとすればこれは画期的だ。例えばサラダ、冷奴、茶碗蒸し、刺身、などがフリーズドライにできる。

こうなると、対応できない料理や食材は殆どなく、非常食としても保存食としてもランニングストックとしても、普段とほぼ変わらないものを提供できることになる。今まで豆腐のまとめ買いなどは考えられなかったわけだが、それが可能になるし、コストコで大量の肉を買ってきても、主婦仲間で小分けする必要もない。一人暮らしでもLサイズのピザを買って少し食べ、残りを取っておくこともできる。会社に持っていく弁当に刺身が入っている、何てことも夢ではない。

もちろん、自宅でやるのではなく、始めから業務用で作ってくれるというのはアリだろう。アマノフーズのフリーズドライ製品のラインナップに海鮮丼やコブサラダが並ぶというのも、あり得るのではないかと思う。

そうなると、以前の提案「自動調理冷凍冷蔵庫」の作りも変わってくる。ストックはフリーズドライでよいので、冷凍冷蔵の必要はない。水はどうせ鍋で混ぜるのだから、ディスペンサーのようなものがあればよい、ということになる。

また、自動調理でなく自分で作る場合でも、別途提案している「水蒸気暴露法」を使うことで、ドライのまま皿に盛り付けて、戻し器に入れて、最後に調味料を掛けて終わり、ということもできるようになるのではないか。

2017年6月21日水曜日

水蒸気暴露法


フリーズドライを水で戻すと、どうしても水の中に漬けることになるからべちゃべちゃになってしまう。これは嫌だ。そこで考えたのが、「水蒸気暴露法」だ。

まあ読んで字の如くなのだが、電子レンジのような機械に食材を入れてボタンを押す。すると中で水を沸かして庫内を湿度100%にして、庫内の空気を攪拌しながら気圧を摂動(上げたり下げたり)させる。こうすれば食材が水分を吸い取り、べちゃべちゃにならないで戻せるのではないか、と考えたわけだ。庫内の温度は上げすぎないようにし、取り出す前には湿度を下げてやる。こうすれば余計な液体の水はないまま取り出せるはずだ。

この戻し方が有効になるのは、水で戻すことで形が崩れる恐れがある場合や、戻す前の状態で水に触れることが不利な場合だ。例えば肉まんの下が濡れてぐちゃぐちゃになっているのは嫌だし、から揚げやフライの類もそうだろう。盛り付け済みの料理(ができたとして)を水に沈めたら盛り付けが崩れてしまう、なども考えられる。

原理的にはそれほど難しいことはないので、安価に作れるはずだ。

2017年6月19日月曜日

フリーズドライ料理の可能性


フリーズドライならではの料理を考えてみる。ここでは、従来の葉物野菜中心の製品ではなく、ある程度大きい具材が使えることを想定して考える。
  • いわゆる煮込み料理。
    • カレー、シチューなど。具材をスープで戻し、ルーは顆粒を湯で戻して混ぜる。
    • 肉じゃが、筑前煮、おでんなど。大きな具材でも、直ぐに味が染みる。
    • 煮魚。煮汁も顆粒にしたものが市販されるかもしれない。
  • 漬物。漬物液で戻すだけ。
  • 手作りハム、ソーセージ。漬け込み工程が省ける。燻製も、そのような液を作れば不要になるかもしれない。
  • スープ作り。これは逆で、フリーズドライにしておいたものを粉砕して水に投入して煮込むことにより味を出す。漬け込み液の作成にも使える。ハーブなど。
  • 生の(フリーズドライの)肉、魚を使った料理。カレー肉に生肉を使う、あるいは牛の叩きなど。乾燥により病原菌は死ぬので、気軽に生肉を食べられる。
  • 刺身。水戻し後の食感が大丈夫かどうかが心配だが、魚だけでなく肉でも、また加熱用素材でも一旦フリーズドライすれば使える。生牡蠣などでも安全。
  • カッターや糸鋸での切断、手で崩すことによる不定形なブロックの作成など。これは素材の新しい形を提供するものだ。また、包丁を使わないで調理できるので、衛生面での有利もある。
  • もっと極端な話、ミリングマシンで相当複雑な形を作ることも可能だ。ブロックのように組み合わせたり、薄くスライスして張り合わせたりできる。
  • スティック状に加工しておいて、食べ進むごとに味が変わる料理が作れる。フランス料理のフルコースとか三角食べとか、菓子にも良い。非常食や登山食にも面白い。
  • 乾燥状態ではフードプロセッサやミキサーで簡単に粉砕できるので、ポタージュなどのスープやソース、ジュース、スムージーなどが簡単に作れる。
  • いわゆる介護食を簡単に作る。粉砕しておいてゼラチン(これも粉)と混ぜて型に入れてから戻せばよい。粉砕の程度も、ゼラチンの混ぜ具合も、味付けも、自分の好みにできる。そこまで行かずとも、喉が腫れたときの流動食にも使える。
  • かまぼこや揚げ天など、練り物の自作。白身魚をフリーズドライして粉砕して作る。豆腐も可能だろう。
  • ハンバーグ、餃子、散らし寿司、パエリアなどの自作。粉砕せずとも、混ぜるのを乾燥状態で行うことで、作業がずっと楽になる。
  • 皮や茎など従来捨てていたものを惣菜用などに再利用する。クッキーに混ぜて栄養価を高める。あるいは粉砕して、草木の肥料にしたりペットの餌にしたりすることもできるし、生ゴミだったのを燃えるゴミにすることもできる。
業務用があれば、こんなことも考えられる。
  • コンビニで期限切れ寸前の食品をフリーズドライすれば、再度別の商品になる。
  • 食品加工業者が加工クズをフリーズドライして部位ごとに分ければ、健康食品の材料や家畜の飼料として有用だろう。ただ単に燃料にもなるはずだ。
  • ドギーバッグをフリーズドライにすれば、軽く、液漏れせずに持ち帰れる。また生ものなど、ドギーバッグにできなかったものも持ち帰れる。
  • 食材宅配サービスの素材として提供する。冷蔵が不要だから宅配ロッカーが使えるし、薄く作ればポストに投げ込める。また、週末に纏めて段ボールで送ってもらうこともできる。もちろん専用の配達員も不要だし、送料も安くできる。生ものも使える。
  • 食材ではなく完成した弁当にも同じように応用できる。制限食、非常食など。こちらは水戻しに工夫が必要かもしれない。
  • スーパーでは余りモノで小分けセットが簡単に作れるので、一人用の果物や惣菜などの品数が豊富になる。
  • 大量に仕入れてフリーズドライで保存することで、流通を安定させる。
  • 輸出や輸入に応用する。コンク(濃縮)ジュースよりもフリーズドライ粉末の方が軽く、環境条件も緩く、船便も使えるはずだ。
考えてみて思うのは、コスト計算が全然できていないこと、水戻しでどれだけ戻るのかが不明なことだ。実際にはこの全てが実現できるわけではないだろうが、例えばフリーズドライ弁当だけでもできれば、介護や制限食、新たな備蓄としては非常に有用だ。もっとフリーズドライ市場が活性化してほしいものだと思う。

2017年6月18日日曜日

フリーズドライ「肉」の輸入


https://www.amazon.com/dp/B00LBGOIWS/_encoding=UTF8?coliid=I3EOFJ8D6NCM2Q&colid=1RJCKPTOVRA2Q

以前の投稿「フリーズドライ肉魚」で、「野菜やフルーツはある程度できるのだが、肉魚の類は個人輸入がそもそもできない」と書いた。だが、先ほどAmazon.comを見てみると、上のように少なくともチキン胸肉とビーフの輸入が可能になっているようだ。

これを発売しているAugason Farmsは、その名の通り野菜が得意だったはずだが、今のラインナップはだいぶMountain Houseに近づき、肉、野菜、飲み物、卵、バター、ミルク、果物、小麦粉などの素材関係と、直ぐに食べられるパスタ、スープなどとかなり充実している。輸入不可のものもまだあるが、条件はだいぶ緩和されてきたように思う。

これらは#10缶、日本で言う1号缶で取り扱え、最大25年保管可能だから、防災用としてはうってつけだ。特に災害初期、初動が終わった1~2週間後から交通がおおむね回復するまでの間には、調理が必要なこれらの素材缶は重宝するはずだ。

まあそれでも「魚」はやはり無いのだけれど。

2017年6月16日金曜日

家庭用フリーズドライ機再び


以前の投稿「家庭用フリーズドライ機」の続きである。

読者の方からのコメントで、家庭用フリーズドライ機は存在していることが分かった。

https://harvestright.com/product/small-freeze-dryer/

これがそうだ。現在のレートで25万円、サイズは電子レンジ2段重ねといったところだ。調べてみると、電子レンジが登場した当時は100万円なんてのもあったようだ。今は1万円を切る価格でも買えるから、今後の進展次第で家庭でもなんとか買えるようになる可能性はある。

低価格化を実現するには、1ガロン(約3.8リットル)という製造容量を1.5~2リットルにして、筐体を半分にするのがよい。ちょうど電子レンジと同じサイズになって、価格が10万円スタートなら何とか受け入れられそうだ。冷凍装置には以前も紹介したFPSCを使い、モーターを兼用して真空ポンプにしてはどうかと思う。

作った食べ物をどう保管するのか色々考えてみたのだが、家庭用真空パック器 真空パックん plusエージレスを組み合わせることが適切だと分かった。その理由は以下の通りだ。
フリーズドライしたものを長期保存するためには、酸素と湿気から守る必要がある。これにはただ袋に入れたり容器に保存するだけではダメで、密閉しなければならない。これには、真空パックをするのが最も簡単だ。だがこれにも考えるべきことがある。

まず、その袋自体に「ガスバリア性」が必要だ。ポリエチレンやビニールではこの「ガスバリア」性が弱く、たとえ口をしっかり閉じていても、袋自体を通じて徐々に酸素が侵入してくるため、例えば有名なジップロックは使えないらしい。ナイロンやアルミ蒸着がよいらしいのだが、アルミは逆にシーリングが難しく、家庭で使われるような安価な機器では使えない。結論としてはナイロン一択になる。

この手の真空パック用の袋はナイロンが使われているが、100%ナイロンではなく、多層の一部がそうなっているものが多い。このため、市販のものを何も見ずに使うのではなく、素材の表示を見て、ナイロンがしっかり使われているものを選べばよい。

もう一つの問題は、真空パックをすることは元々フリーズドライには向いていない、ということだ。食材自体に多数の空隙があるから、真空パックすると食材が潰れてしまうからだ。また、当然その空隙には空気(酸素)が入っているから、これが酸化の原因になってしまう。

そこで、緩く潰さないでシールするものとして、中の酸素を脱酸素剤で吸収するのが良いということになる。脱酸素剤として有名なエージレスの場合、Z-PKCのような「自力反応型」「低水分用」のものが必要になる。また、酸素吸収量は、隙間の空気の量を目分量で計算して、それを5で割り(酸素の量は空気の1/5)、更に数倍(余裕分)を掛けた量があればよい。多くの場合は最低のもので充分だろう。

除湿剤の必要性は微妙なところだ。あった方が良いが、長期保存に限る、といったところだろうか。脱酸素によって中の気体の量は20%減るので、その余裕を持ったシールが必要になる。

他に考えられる手法としては、中の空気を窒素ガスで置換することが考えられる。窒素ガススプレーは数百円で買える。簡易的にはコンマ何秒の噴出で充分だ。但し食材の空隙内までは瞬時に置換できるわけではないから、やはり脱酸素剤は必要だと思う。そう考えれば窒素ガススプレーの方が無駄だ。

真空パックんには、真空にせずにシールするモードもあるし、また、水戻しに対しても役に立つ。「マリネボタン」というものがあり、正にこれが水戻しにピッタリなのだ。これは、プラスチック容器に酢を満たして素材を入れ、蓋をして、蓋にホースを繋げて減圧するという仕掛けだ。素材がフリーズドライで周りが水なら、減圧と共に素材の空隙から気体が抜け、水が入る。これで水戻しの時間を大幅に短縮できる。

Small Freeze Dryerと真空パックんの組み合わせ、これは結構現実的な使い方だ。問題は、どれだけそれを魅力と感じるか、だ。

これはひとえにその利用シーンを想像し、また創造するに尽きる。電子レンジには「奥まで火を通す」「火を使わないので安全」「タイマーと出力などで管理でき簡単」などのメリットがある。だがフリーズドライ機は調理器具ではなく保存器具なので、冷蔵庫の代用ないしは補完を考えなければならない。また、フリーズドライすると、食品はかなり変容してしまう。これをどう扱うかを考えなければならない。以前にも色々提案しているが、肝になるのはどれだろうか。大まかに分類すると、
  1. 非常食として、あるいはランニングストックとして使用する。ある程度の長期保存を想定して、主に使うのは非常時。ランニングストックはあくまで入替をルーチン化してやりやすくするもの。
  2. 備蓄食材として使用する。ランニングストックと違い、副菜として例えば週末に多めに作っておいて、常に消費し続ける。
  3. 冷蔵庫、冷凍庫の補完として使用する。恐らく代替は無理。例えば多めに買ってしまい余った食材を保存する。あるいは、冷蔵庫を小さめにしておいて、その分を補完する。
  4. フリーズドライを応用した新しい料理や菓子のレシピを提案し、それを作るために使用する。ないしは、従来は買うしかなかった素材、例えば高野豆腐などを自宅で作れるようにする。
  5. キャンプや山登りでの食事に使用する。レトルトカレーではなく、フリーズドライ+お湯で作るなど。
  6. 同じく、日々の弁当に使用する。液だれがなく、軽い。
  7. 地球環境保護に貢献する。電力消費が冷蔵庫に対して少ない、期限切れの食料を無駄にしない、など。
この中で有効なのは2.と3.だろう。例えば味噌汁の具材だ。市販のものもあるけれども、家の好みもあるし、自分で下ごしらえすればいわゆる「手抜きの呵責」から逃れられる。また、生ものを大量に買うと痛んで無駄になるが、これを防ぐことができる。

また、3.の発展系として、積極的に使用することで買い物の間隔ないしは時間を広げ、余暇を別に活用する、ということが考えられる。日本ではまだ週末にドカ買いという習慣はあまり定着していないように思うが、その理由は家が小さいから巨大な冷凍冷蔵庫を置けない点にある。

今でも、惣菜一品を大量に作って小分けするというのを実践している人はいるが、その規模を拡大したり、時間軸を長くしたりすることができる。まとめ買い、まとめて作り小分けする、これは費用と時間の両方の節約になる。また、常温保管できるため、例えば期限順に並べ替える(「超」整理法的整理)ことができて無駄がおきない、棚からはみ出しても捨てなくてよい、などの利点もある。

問題なのは4.のレシピの少なさだ。楽天市場のフリーズドライ店舗を見ていると、どうもレパートリーは狭く、主菜として使いづらい。肉や魚がないからだ。自宅でできるのならこの問題は解決するので、まずはここを充実させてほしい。

2017年2月1日水曜日

フリーズドライをもっと


生肉や生野菜をフリーズドライにできないだろうか。いきなり何を言うのかと思うだろうが、ここには重要な目的がある。それは地球温暖化の防止だ。もしフリーズドライが充分に普及したら、冷蔵庫が不要になる、ないしはごく小さいものでよくなる、また物流における重量やかさが随分と緩和される、というのがこの目論見だ。
野菜の70~90%は水分だ。まずこの無駄を省ける。また乾燥させるには下処理が必要だから、農家の収益は高くなるし、不要部分はそのまま農家の肥料となる。これも物流コストを下げる。運ぶもののサイズが統一されれば、ロボット化などにも道が開ける。下処理の初期コストは家庭の処理コストの合計より低い(効率的だから)ので、トータルでは得になる。
ドライフードになれば、通販で段ボールで買うことができるし、もし買いに行くとしてもかさばらず軽くなるので、出かける頻度は大きく落ちる。問屋にしても小売業者にしても、カネの掛かる冷蔵冷凍ブースを用意しなくてよいし、毎日卸しに行く必要もなくなる。食べる量が減るわけではないから、売上げに大きく響くこともないはずだ。
現状では、自宅でフリーズドライを作るのはほぼ不可能であり、生肉のフリーズドライはペットフードでしか見かけない。野菜に関しては一部見かけるが、味噌汁の具だったりおひたしだったりと、具体的な料理になってしまっていて、素材としてのものは業務用しか見かけない。それでも幾つかは楽天市場などで買うことが可能だが、生より大幅に高い。いくら保存性が良くても、冷蔵庫の電気代を押して更に高いのであれば普及は難しい。
値段の高さは、普及とともに解決できる問題だ。そのためには、使い方をもっと提案して欲しい。確かに素材だから後はご勝手に、なのだろうが、もう少し使い勝手を考えてくれてもよいのではないか。
問題として考えられるのは、まず料理によって切り方が違うところだ。さすがに大根一本丸ごとをフリーズドライにするのは不可能だし、もしできたとしても一部だけ戻すのはやはり困難なはずだ。従って、大根一つとっても複数の切り方のものが必要になる。
また、水で戻すところが適当に考えられているような気がする。確かにそこら辺の皿で充分なのだが、水切りが必要だし、毎日使うものなのだから、使い勝手に配慮があってもよいのではないか。また、僅か数分とはいえ、思い立って直ぐ調理に取り掛かれないのはストレスかもしれない。
前者に関しては、パウチの袋ではなく、サイズを揃えた缶で提供することにして、保護用の蓋を別に用意する、という形態はどうだろうか。大きさとしては4・5・6号缶、平3号缶を選べば直径が揃う。これなら他の缶詰と同じように扱うことができる。種類が少々多くてもやっていけるだろう。サイズさえ同じなら金属缶である必要はなく、ペット樹脂などでもよい。
また、水で戻すための専用の容器を作ってやる。水切りが簡単にできるようにしてやる(水きり口か網カゴ)、戻し中に重ねて置ける、用が済んだら重ねて仕舞える、などがあるとよい。タイマー付き、また脱気して素早く戻せるようなバリエーションもあるとよい。
野菜売り場に並ぶ代表的なものを、また大きいものは複数の切り方で数種類を揃え、想定に応じて適当な大きさの缶に詰めて売る。必ずしも全てを賄うのでなく、あくまで補助として使う。買い忘れたとか、想定外に量が必要となった時の足しにする。ちょっとマイナーな香味や珍しい野菜などを使って贅沢な演出をする。非常用としてランニングストックにする。もっと積極的に、出汁やコンソメで戻すことで下味をつけたり、戻す前に混ぜることで調理の手間を省いたり、キャンプ用のセットや水で戻す弁当、完全に戻さずサクサクの食感を持つ新感覚の料理、自動調理器とディスペンサーを組み合わせて全自動調理、と夢は広がる。

2016年10月4日火曜日

フリーズドライ肉魚

アメリカはなぜかサバイバル用のフリーズドライ市場が豊富だ。Amazon.comを見ていると、実に様々な会社がフリーズドライの食品を出している。

日本のそれと大きく異なる特徴が、日本は食品として完成しているのに対し、アメリカのそれは素材であることだ。調理済みのものも無論あるが、主流は「肉」「野菜」「フルーツ」などの味付けなしの単品だ。各々を水で戻してから調理する前提で作られたものである。また、その多くは保存期間が10年以上、最大25年もある。これに対して日本のものは2~5年しかない。

このため、アメリカのAmazonからこういった素材のフリーズドライを個人輸入しようと思ったのだが、壁があった。野菜やフルーツはある程度できるのだが、肉魚の類は個人輸入がそもそもできないのだ。

これは商品の問題ではなく、日本の税関が決めていることなので、如何ともしがたい。起業して手続きをするほどの気概もない。ここはひとつ、国内のベンダに頑張って作ってほしいものだ。

価格:1,300円
(2016/10/7 23:25時点)
感想(570件)

価格:5,180円
(2016/10/7 23:27時点)
感想(1件)

家庭用フリーズドライ機


業務用の機械が百万円台からあるくらいだから、家電メーカーが頑張れば家庭用もできるのではないか。そう考えて調べていたところ、見つけたのが「冷凍焼け」。
そう、冷凍焼けはフリーズドライの一種なわけだ。冷凍焼けとフリーズドライの違いは、氷が昇華した後の食品が酸化してしまうかどうかだ。だから、ここさえ抑えられれば、家庭用フリーズドライ機も不可能ではない。
ここから先は夢想の世界だ。冷蔵庫の一室として、新たに「フリーズドライ庫」を作る。ここは、まずはマイナス30℃位で一気に冷凍し、その後温度が上下を繰り返す。これが氷の昇華を促進する。
この中は密閉性を高くしておき、酸素を無くす。これには単に脱酸素剤を入れておけばよい、と言いたいところだが、連続的な手段が必要だ。確かパナソニックが酸素エアチャージャーを作っていたが、あの原理が応用できるかもしれない。
食品は水蒸気を通す袋に入れておくか、あるいは乾燥剤と一緒に密閉する。温度の上昇に合わせて水蒸気が発生するので、これはファンで飛ばす。
以上により、真空ポンプを使わないフリーズドライができてしまうことになる。できあがったブツは、改めて脱酸素剤/乾燥剤と共に密閉して保管する。

注目の投稿:

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