大雑把に言うと、以下の通りになる。
- 原油の輸入量は予想を遥かに上回る速度で回復し、7月には2月とほぼ同等になった。だがこれは3月4月に新たに調達したものが6月7月にたまたま重なって到着したためにそう見えているだけで、恒常的に見るとタンカーはまだ足りていない。従って8月9月はまた若干減る傾向にある。
- 前回懸念した経路延長によるタンカーの増強に関しては、平時に対して50%増を確保した。これにより上記輸入量を確保できたわけだが、そのしわ寄せによって主に南アジア各国が深刻な石油危機に陥った。
- ナフサは原油に比べると不足幅が大きく、このままだと計算上は5ヶ月で枯渇する。ナフサのタンカーは特殊な構造で、原油用タンカーを転用できず数も少ないことから、今後も輸入は厳しい。
- 石油備蓄は2月から9月に掛けて18%減となっている。残りは200日前後である。
- 石油は価格弾力性の非常に低い商品であり、平時の90%程度であっても価格は急騰する。現状の輸入量ではまだ安心できる状態ではない。
- 原油価格は2月比で1.7倍となり、これが様々なモノのコストの上昇を招いている。
- 補助金や輸送コスト増、備蓄買い戻しなどの国費負担は、この半年で合計3〜4兆円と見込まれる。
- 中国はロシアからのパイプラインがあるためこの間ダメージを受けておらず、一方で日本が南アジアにダメージを与えてしまったこともあり、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と中国の一帯一路構想における安全保障モデルの差が浮き彫りとなった。


