2026年2月24日火曜日

3Dプリンター木造建築工法2 更なる改良


 参考:前回 SpockのHighTech夢想: 3Dプリンター木造建築工法

前回の続き。更に色々考え、実用に近づけた。

  1. 構造材の変更
    1. 前は柱材として玄武岩(バサルト)ファイバーと言っていたが、これを廃止し、壁全体をハニカム構造とする。柱材は無くす。
      1. 目的は、①コストの低減、②廃材の再利用性向上(マテリアルリサイクル及びサーマルリサイクル)、③繊維棒ロボットの廃止、④資源の有効活用(全部木で作る)、である。
      2. 材料として、リグニン、木粉(100~500μm)、長繊維木粉(500μm~2mm)を使用する。
        1. リグニンの配合を多くするほど硬くなり、その代わりに脆性が高くなる(割れ、ヒビ)。脆性を補うために長繊維木粉を配合する。木粉はフィラー(価格調整、かさ増し)で使用する。
        2. 壁全体をハニカム構造とすることで、壁全体で重量を支えることができる。
        3. 力が掛かる要所(角や玄関枠など)ではハニカム径を調整して強度を増す。壁材部分は40mm、要所は10mm、などだ。
        4. 横方向(根太、梁)にもハニカム構造を適用する。下側ほどハニカム径を小さくする。
      3. 単純にハニカムを積み上げ方向に形成すると層間結合が弱いため、これを補強する施策を追加する。
        1. ハニカム層は数層分の硬化遅延が起きる仕掛けを施しておく。(遅延剤添加など)
        2. ハニカムが1層をプリントする度に、上から超音波過熱針を差し込む。するとまず縦方向に繊維が通過し、更にその周囲が先に硬化し、縦方向の結合強度が高まる。
        3. あるいは数層分を貫通する細い射出ヘッドを差し込み、引き抜きながら長繊維木粉混合リグニンを射出する。
      4. ハニカムの中は断熱材(後述)で埋め、断熱する。但し要所で中空のハニカムを作り、これを配管用とする。
  2. 断熱材の変更
    1. 木質ファイバーを止め、木粉+リグニン+発泡剤とする。
      1. 木質ファイバーは3Dプリンタから吐出するのが困難で、また事前混合も困難であることより、素材の統一を優先する。
      2. これにより断熱性能は低下するので、壁の厚みを増すことで調整する。
        1. 壁材の想定は200mmである。外装面30mm(高リグニン 防湿・耐候)、ハニカム断熱層140mm、内装面30mm(高リグニン防湿・気密・難燃)となる。この厚さで十分、スウェーデンハウスに迫るくらいの断熱性能は確保できる。
        2. 合わせて気密性も極めて高く作れるので、高気密高断熱が実現する。
  3. これで素材は4種類で完結する。
    1. 外壁材:高リグニン+木粉+UV剤+耐候剤+難燃剤
    2. 構造材:高リグニン+長繊維木粉
    3. 断熱材:標準リグニン+木粉+発泡剤
    4. 内壁剤:高リグニン+木粉+難燃剤
    5. これらをペレットで供給し、3Dプリンタヘッドで加熱して吐出する。
  4. 専用の3Dプリンタとして、これら4種類のヘッドを合わせたマルチヘッドを設計する。
    1. 外壁用1、構造材用20、断熱材用1、内壁用1。構造材用だけ細く、紙にプリントするプリンタのように、マルチヘッドでハニカムを一度に形成する。
      1. 縦方向のハニカム結合強化用施策(2種)は、どちらかないしは両方のヘッドを追加する。
    2. これにより、200mmの外壁が一度で形成できる。

この構造について、やはり費用面や建築スピードの面などから検討してみたのだが、結果としては恐ろしく高効率低価格である。

コンクリート3Dプリンタ住宅は壁材しか作れないので、内外壁の作業が更に必要になる。内壁は断熱、防湿材、壁紙など、外壁は塗装などだが、こちらは一体で作ってしまうので必要ない。また壁を作る速度も圧倒的に早い。マルチヘッドを抜きにしても、即時に硬化するのでコンクリートのように固まるのを待つ必要がないからだ。

また床や梁も作ることができる。床の場合は、コンクリートベタ基礎の上にまずサポート材をプリントし、その上に根太に相当する横方向ハニカム構造をプリントする。根太の間には充填剤を入れ、最上部はまた壁材でプリントしてやる。天井の場合はサポート材を使うよりは人手で板を渡してやった方が良いだろう。その上にまた3Dプリンターで梁をプリントすれば良い。

コンクリート3Dプリンタ住宅の場合は、天井は別に作って運んで設置する必要があった。これに対し、こちらは支持材としての薄い板(例えばプラダン)を置くだけで、後はプリンタが作ってくれる。

また、コンクリート3Dプリンタ住宅では不可能な、配管の穴を自在に空けることも可能で、電装や水回りの工程も大いに短縮できる。

また、コンクリート3Dプリンタ住宅では、窓枠部分はあらかじめ空けておいて、枠の上までプリントしたら人間が手で横長の棒を置き、またプリントを再開するのだが、木造3Dプリンタは窓の穴を空けず壁材を薄く積み上げることで印刷を続けることができる。木質なので完成後に穴を空けることは簡単で、薄く作っておけばそれこそパンチで空けられる。後はカッターで仕上げれば良い。そしてこの方法だと削り出しができる(コンクリートだとこれは難しい)ので、精度高く窓をはめ込むことができる。充填材も、通常ならシリコンシーラントを使うのだが、枠ぴったりにハメられるのならその量はごく少量でよい。ネジ止めも木ネジが使える。ドアも同様である。

他にも、室内壁を一緒にプリントできる、棚や押し入れなど簡単な造作も一緒に作れる、将来的には高精度プリンタを併用することで屋内ドアや窓枠(後はガラスをはめるだけ)のような可動部も一体でプリントできるだろう。これは後工程を大幅に短縮する。

屋根材も、最後にガルバリウムを貼る直前まではプリントできるはずだ。高リグニン材で形成すれば防水シートは不要だし、通気用の横木なども一体成型できる。その下の防音には断熱材が使える。

材質も全て木質系にしたし、高価なCNFなどは使わずに済んだので、坪40万円はやはり十分に狙えるとの試算が出た。

但し、建築確認の壁があるのはコンクリート3Dプリンタ住宅と同じである。ここまで考えるとさっさと試作したい(してほしい)」のだが、どこかの建築会社さん、拾ってくれないかなぁ。

2026年2月23日月曜日

ファミレス内簡易個室

 ファミレスの一角に、二重アクリルガラスで囲った簡易個室を作り、これを単位時間当たり幾らで貸し出す、というサービスを提案する。

アクリルガラスは半透明で、中に人がいることは分かるがプライバシーはある程度守られる。また二重にするので音は漏れにくい。アクリルガラスは天井まであり、あるいは天井が塞がれているため、音は漏れにくい。中の座席は一つから4つ程度まで色々ある。中では電源、またWiFiが提供される。また換気のためのファンがある。

この個室の目的は二つある。第一は、通常の「レストランの個室」としての機能。簡易個室なので室料は安くなり、気軽に利用できる。そしてもう一つは、駅や繁華街で見かけるようになったプライベートオフィスボックスの用途である。つまり中で仕事をするための空間である。

駅のオフィスボックスでなくここを使う理由は至極簡単で、そのファミレスの食事が提供されること、またファミレスのトイレが使用できることだ。オフィスボックスにはその機能がないため、長時間こもる際にはコンビニであらかじめ飲食物を買って持ち込む必要があったし、人の目がないのでトイレに行くのに機材を放置するのは不安があった。それらが解消できる。

ファミレスで長時間居座るのは迷惑行為だが、この場合は個室自体に課金がされるので、いくらでも居座ってもらって問題ない。しかも食事とトイレの問題が解決するから、通常のオフィスボックスより更に長く借りてくれる可能性が高い。店舗側としても文句はないだろう。

結構重要なのが昼休憩で、つまりは最初から個室に居座っていれば席は確保できているから、ランチの行列に並ぶ必要がない。また、同じく他の個室に籠もっている仕事仲間と通信でつながったまま会食ができる。離れた店舗でグループワークをしている仲間が、同じ時間に仕事を切り上げて昼休憩に入り、一緒に食事を楽しむことができるのだ。

これはけっこう新しいコミュニケーションの形態になるのではないだろうか。つまり、朝はまずこの個室に「出勤」し、テレビ会議でグループを全員つなげ、その後は各自で仕事をする。昼食も休憩も含めテレビ会議は繋げっぱなしにしておき、退勤すればすぐに自宅に戻れる、というものだ。

コロナ禍でリモート飲み会があったが、ああいうイレギュラーなものももちろん可能だし、毎日のランチならその頻度も多く、コミュニケーションも洗練されてくるはずだ。遠く離れていても気心が知れ、仕事の効率も上がるだろう。つまりこれは、会社としても都合が良いのだ。

本来、レストランの個室は特別感があったのだが、この場合は簡易個室である。特別感はいらないがただ他人の目が気になる一般人にとって、これは使い勝手が良い。そういう需要を喚起できるだろう。

このシステムが広く普及してくると、新しいオフィスの形として定着する可能性がある。地元の飲食店街がこぞって個室を導入し、ビジネスマンは会社ではなくそこに通うようになるだろう。これは移動距離を短くし、都心の高いオフィスを維持するコストを減らし、それでいてコミュニケーションは維持できる。地方活性化の起爆剤にもできるのではないか。

2026年2月21日土曜日

アカウントベースDRM

 今では誰も文句を言わなくなってしまったが、日本で地デジが導入されるに当たって、強力なコピーガードの機構(いわゆるダビ10)が導入され、物議があった。結局それは殆どそのままゴリ押しされた。

その不便さは、機器が故障した時に顕在化する。日本のDRMは、機器の故障に対して全く機能しない。つまり壊れてしまったら、録画済みの番組が何百あったとしても消えてしまうしかない。ダビングは10回までできることになっているが、ダビングしたものからの再ダビングはできないので、バックアップとしては機能しない。レコーダーの所有者は、機器を買い替えるたびにこの苦渋を味わってきたことになる。

これは世界で標準的かというとそうではなく、多くの国でもプロテクト自体はあるものの、特定のメディア(HDD)と強力に結びついたものにはなっていない。HDD間移動も可能だし、PC視聴もできる。レコーダーのHDDが壊れないかとびくびくする必要はないわけだ。HDDは壊れるものだから、これが普通ではないかと思う。この間、放送は衰退し、インターネット経由で見るVODが勢力を伸ばしてきたが、そんな背景もあるのではないかと疑ってしまう。

ちなみに、その強力なDRMで守られる権益は、数兆円に登るという。農協漁協のようないわゆる既得権益と見ることができるだろう。

これを解消するための仕掛けが、このアカウントベースDRMだ。話は簡単で、ユーザはサービス業者に対してアカウントを開設し、そこから暗号化キーを貰い、それを機器にセットする。それで暗号化されたコンテンツデータはコピー自由だが、サービス業者が保持している復号キーを使わないと視聴できない。機器にはそのユーザIDがセットされているので自動で復号して再生できる。一方、PCやスマホのアプリにもIDがセットされていて、再生ができる。同じIDのセットは機器毎に制限されていて、それ以上は移行処理が必要である。例えば機器が壊れたら機器からIDを引き上げ、新たな機器にセットするのである。

この仕掛けがあれば、正規ユーザは不便なく映像を再生できるし、自分の責任で定期的にバックアップをしておけば、機器が壊れても慌てる必要がない。一方、いくらコピーしてもID当たりで見られる数はごく少数であり、コピーガードの役割はダビ10よりも有効に働く。また不都合があり映像公開を止めたい時は、復号キーを無効にするという措置も可能だ。

ダビ10が始まったのは2008年とのことだが、これはまだWindows Vistaの時代で、インターネットが普及していたとは言い難い。だから当時この仕掛けを導入できなかったのは仕方ないとしても、今ならこれはできて当然である。またこれは他のVODにも適用可能だから、世界中でこれを標準化して広めてはどうかと思う。

2026年2月20日金曜日

3Dフードプリンタ応用デリバリー

前回、3Dフードプリンタの具体的設計を試みた際、カートリッジの数が多くなり過ぎること、また食材カートリッジの多くが冷蔵となり、都度のプリントで使われるカートリッジは少数であることより、賞味期限管理が問題となることを指摘した。これに対し出せる一つの回答は、「プリントする料理を限定する」ということになる。また、そうなると家庭用ではなく業務用、例えば和食専門店とか洋食デリバリー用とかへの展開が考えられる。

そこで、「洋食デリバリー用」のような形態を考えてみた。ハンバーガーとかラーメンとかで考える筋もあるのだが、これらは3Dフードプリンタのメリットが出にくいと考えられる。つまり、例えばハンバーガーならバンズと挟むもののバリエーションしかないから、それを個別に用意した方が簡単なのだ。ある程度メニューのバラエティ(特に形状のバラエティ)が必要である。

食材カートリッジとして肉系しか使わない、フレーバーも洋食系のみ、とすれば、一つ一つのカートリッジを大きくしても耐えられる。プリントする時間はせいぜい10分とか15分とかなので、作っている間にケータリング業者を呼び、渡せばよい。そして作成網を薄く広く募集する。極端な話、一般家庭に置いてもらってバイト感覚で運用する、なども考えられる。家庭では自分用にプリントする傍ら、注文が来ればそれをプリントして業者に渡すことで小遣いが貰える、という次第だ。もちろん保守はその家で行う。

和食デリバリーでも同じ展開をして、相互に融通できるようにしてやると、更にメニューは広がる。つまり和食用プリンタと洋食用プリンタは別の家にあり、和食が多い家では和食プリンタを、洋食が多い家では洋食プリンタを置く。双方を総合メニューとするチェーンにすれば、外からはバラエティ豊かなフードデリバリーに見える。

このデリバリーには従来と違う特徴が一つあって、それは冷蔵のまま配達するということだ。着いてから電子レンジで温める。そうすることで配達時間が短縮できるし、衛生上も好ましい状態にできる。すぐに食べないときは冷蔵ないしは冷凍することも可能だ。これであらかじめ注文しておいて食べたいときに食べる、という新しいデリバリーの形態を作ることができる。

2026年2月19日木曜日

3Dフードプリンタの具体的設計



もうずいぶん前だが、寿司を3Dプリンタで出力する、という試みが行われた。

https://www.open-meals.com/

その後音沙汰を聞かない。クッキーやチョコのようなものの3Dプリンタフードはたまに見かけるが、これを常食とすることはないだろうから、寿司には期待していたのだが。

ここで言う3Dプリンタフードとは、常食を前提としたものだ。寿司はその一つだが、例えば肉や魚、野菜、コメ、麺、などの日常で食べるものを、素材の投入とボタン一つだけで生成するというものになる。そしてその素材は、3Dプリンタのフィラメントのように、常温で保存ができる粉ないしは固体・半固体(ゾル状)などであって、複数の素材を混ぜることで汎用的な食材に変貌するものを意味する。

これを生成AIの助けで具体化してみたものがこちらだ。


  • 基本スペック
    • 料理のバラエティは家庭級(50~100)和洋中その他織り交ぜ
  • 3Dフードプリンタ概要
    • 1人用冷蔵庫と同程度の大きさ
    • 上段がカートリッジ格納ゾーン、中段が3Dフードプリンタ、下段が取り出し口
      • カートリッジ投入扉、清掃扉(ノズル等の洗浄)、取り出し扉(完成した食品の取り出し)
    • 出力後、水カートリッジでフラッシュ、エアブロー、乾燥 (半自動、排出した水の回収)
    • ノズル・インナーの清掃は週1回(清掃扉を開け、外して洗い、元に戻す)
    • カートリッジは必要に応じ補充(1個を使用、1個を交換用として保持、必要に応じアラームが出るので指示に従って交換)
    • スマホにて操作、レシピを選択して実行 完了するとスマホに通知
    • 完成品は冷たいので必要に応じてレンジ加熱
  • 食材カートリッジとフレーバーカートリッジ
    • 食材カートリッジは大容量、フレーバーカートリッジは小容量
    • 食材カートリッジの多くは冷蔵となる(補充用のカートリッジは別に冷蔵庫保管)
  • 食感カートリッジとして「方向性繊維」「水分保持ゲル」を備える
    • サラダやごぼう・根菜の食感を出せる

1) カートリッジ体系

  • 食材カートリッジ(12本):栄養・食感・主菜/主食の「骨格」を作る
  • フレーバーカートリッジ(14本+任意2本):料理カテゴリ(和/洋/中/その他)を確実に切り替える「世界線スイッチ」

2) 食材カートリッジ(12本)一覧

目的:“系列バレ”を防ぐため、タンパク・脂質は最低3系統、炭水化物は物性3系統に分ける

形式:家庭級の現実解として「冷蔵カートリッジ中心」(常温は粉末系・油系)

区分 ID カートリッジ名 中身(例) 主な役割(何を作るか) 推奨保管
タンパク P1 肉系(チキン/ビーフ系) 鶏/牛由来ペースト、または同等の肉様基材 肉の“密度・余韻”の土台(主菜) 冷蔵/冷凍
P2 魚系 白身魚/練り物様基材 魚の“軽さ・ほぐれ”の土台(主菜・和中) 冷蔵/冷凍
P3 植物系(大豆/エンドウ) 大豆/豆系ペースト 汎用・低コスト・副菜/つなぎ(主菜も可) 冷蔵
脂質 F1 高融点脂(肉・揚げ物) 牛脂/固形脂に相当 コク・揚げ物/肉の満足感 冷蔵
F2 低融点脂(魚・あっさり) 魚油/低融点油に相当 軽さ・魚介/冷菜のリアリティ 冷暗所
F3 中性脂(汎用) 植物油 和洋中のベース・乳化基材 冷暗所
炭水化物(物性) C1 粒状・崩壊型(ご飯系) 米粒様ゲル/粒状デンプン構造 “ご飯”カテゴリを成立 冷蔵
C2 連続体・弾性(麺/パン) グルテン/ゲル弾性生地 麺・パン・生地系 冷蔵
C3 マッシュ・粘性(芋/副菜) 芋・かぼちゃ等のピューレ 付け合わせ・和惣菜 冷蔵
食感/状態 T1 水分保持ゲル(サラダ基材) 高含水ゲル(葉物感) “サラダ/冷菜”の土台(生っぽさ) 冷蔵
T2 方向性繊維(ごぼう/根菜繊維) 繊維束構造基材 ごぼう等「裂ける食感」担当 冷蔵
栄養/繊維 N1 食物繊維・ミネラル 可溶/不溶繊維+ミネラル 腸・栄養の底上げ(常設) 常温/冷蔵
K1 色(ナチュラル) 野菜色素など 見た目のカテゴリ分け(和洋中) 常温

3) フレーバーカートリッジ(14本+任意2本)一覧

目的:家庭級のバラエティは “料理カテゴリ(世界線)” が切り替わることが最重要

3-1) 基本14本(家庭級50〜100の標準)

区分 ID カートリッジ名 中身(例) 世界線への効き方 使い方(配置)
味(Taste) T-S SALT 塩味溶液 和/中の輪郭・洋の下支え 全体に薄く
T-A ACID 酢/酸味 サラダ/酢の物/中華のキレ 表面〜浅層
T-W SWEET 甘味 照り焼き/煮物/洋ソース たれ層
T-B BITTER/AST 苦味/渋み ごぼう/山菜/緑系のリアルさ 局所(微量)
T-H HEAT 辛味 麻辣/エスニックの決め手 点在(微量)
旨味/発酵 U-G UMAMI-G 昆布/野菜旨味 和の基盤、洋の下地 中層
U-N UMAMI-N 核酸系旨味 肉/魚の“厚み”寄せ 中心〜奥
U-F FERMENT 味噌/麹/酵母 和の奥行き・デミ方向 中層
U-R ROAST 焼き/炒め香 洋の焼き香・中華の炒め 表面〜脂相
香り(Aroma) A-F AROMA-FRESH 青/柑橘 和の爽やか・冷菜 表面ミスト
A-L AROMA-ALLIUM 葱/生姜/にんにく 中華/和の炒め煮の核 中層
A-H AROMA-HERB/SP ハーブ/スパイス香 洋/エスニックの核 表面+中層
粒/刺激 P-P PEPPER/SANSHO 胡椒/山椒 和中の締まり・別物感 表面点在
P-C CURRY BASE カレー核 「その他1割」を確実化 全体

3-2) 任意追加2本(おすすめ)

ID カートリッジ名 中身(例) 追加すると増えるメニュー
A-M MARINE(海) 海苔/磯/魚介香 魚介・和の幅が増える
A-D DAIRY(乳) バター/クリーム香 洋(クリーム系/チーズ系)が増える

4)これで作れる「具体メニュー50個」案

和食(20)

  1. だし醤油チキン(照りは弱め)
  2. だし白身魚(煮付け風)
  3. 味噌つくね(鶏)
  4. 味噌豆腐ハンバーグ(植物)
  5. 照り焼きチキン
  6. 照り焼き魚風パテ
  7. 生姜焼き(豚風)
  8. 肉じゃが風(肉+芋マッシュ)
  9. 鯖味噌風(魚系)
  10. きんぴらごぼう
  11. ごぼうサラダ(マヨ風)
  12. 酢の物(きゅうり・わかめ風)
  13. 南蛮漬け風(酸甘)チキン
  14. 和風おろし(さっぱり)ハンバーグ
  15. 塩焼き(焼き魚風)
  16. 鶏そぼろ丼風
  17. だし巻き卵風
  18. 茶漬け風(だし+塩)
  19. 和風カレーうどん風
  20. 胡麻和え風(青菜)(胡麻は“その他粒”で代替可)

洋食(15)

  1. トマトハーブチキン
  2. ミートソース風(肉パテ+トマト)
  3. デミ風ハンバーグ
  4. ハーブグリル(魚)
  5. ガーリックバター風チキン
  6. クリームシチュー風(拡張)
  7. チーズ風リゾット(拡張)
  8. オムレツ風(拡張すると強い)
  9. バジルジェノベーゼ風(緑)
  10. ローストオニオンスープ風
  11. ビターカカオ風(デザート寄り)
  12. フィッシュ&チップス風
  13. ハーブレモン風サラダ
  14. ミネストローネ風
  15. ペッパーステーキ風

中華(10)

  1. 生姜葱チキン(中華蒸し鶏風)
  2. 回鍋肉風(甘辛炒め)
  3. 麻婆“豆腐”風(植物)
  4. 麻辣チキン(花椒風)
  5. 青椒肉絲風(歯ごたえ寄せ)
  6. エビチリ風(魚系+酸甘)
  7. 酢豚風(酸甘)
  8. 担々麺風(ごま無でも成立する版)
  9. 中華スープ(葱・生姜)
  10. 炒飯風(香り重視)

その他(5)

  1. カレー(基本)
  2. グリーンカレー風(ハーブ強)
  3. タコライス風(酸+香草)
  4. ナンプラー系エスニック“風”(海があると強い)
  5. スパイス焼き(BBQ寄せ)

どうだろう。ここまで設計すると具体的に想像ができる。これなら少々不味いものしかできないとしても一定の需要はあるはずだ。例えば自炊が困難だが外食やコンビニ弁当を毎回買いに出るのが辛いという層、また極端な面倒くさがり層などである。例えば一人暮らし、乳幼児の多い家庭、足が悪い高齢者、暑がり寒がり、精神疾患・未病不具合の人、などだ。

また、レシピを調整することによって、離乳食や糖質制限食など、様々な食のニーズに対応できる可能性がある。ここには菓子類が書いていないが当然それも検討の遡上に載る。宇宙船や船舶、離島などでの需要もあるだろう。

細かいところでは色々ツッコミはある。例えばカートリッジ数が予想を超えて多くなり、管理が大変そうだ。フレーバー系はともかく、メイン(食材)カートリッジはもう少し減らしたいところだ。

メインカートリッジの容量は、初期設計では300mLだったのだが、これが12本+予備12本と考えると24本、合計で7.2Lになる。これだけでも結構な重量で、筐体の上部にこれがくるため、重量バランスが悪い。

しかも例えばハンバーグ一つに100mLの肉系カートリッジを使えば、3人前で交換しなければならない。プリント途中での人手によるカートリッジ交換は使い勝手を損ねるし、全自動にするとしたらこのサイズには収まらないだろう。

また、カートリッジのほとんどはその1回では使われないので、計画的に食材のローテーションをしてやらないと賞味期限が来て廃棄するカートリッジが多くなってしまうだろう。冷蔵ではなく常温保存可能なカートリッジの模索が必要かもしれない。

だが、これをベースに追加で設計していけば、本当に何かができそうな気がする。

2026年2月18日水曜日

日本と世界の右傾化とその理由

 「日本は右傾化している」マスコミのそういう指摘に対して、「いや今までが左だったのが正常に戻っているだけだ」というコメントをしている人が、SNSに限らず議員などでも見かける(高市氏本人ですらそう言っている)。だがこれは、結局右傾化を認めたということである。右傾化とは文字通り「右に傾く」つまり向きとしてどちら方向に動いているかを示すもので、原点がどこにあるかは関係ない。また右派から見ればそう考えるとしても、左派には左派の考える「正常(原点)」があり、つまりは所詮水掛け論に過ぎない。だからこれは屁理屈であり、なんだか与党議員までがネトウヨ発言をするなあ、と思いながら見ていた。

そこで、右傾化の根拠について生成AIに調べてもらった。ステップとしてまず、右左と一言で言っても様々な軸があるので、その軸について定義してもらった。その定義による評価軸で定量化可能なアンケート等のデータを探し、更に正規化(-1~1。1が右、-1が左)してもらった。最後にそれをグラフに表示した。なお、各軸の定義は以下の通りである。

  1. 経済的右派軸:市場自由主義の浸透と保護主義的右派の台頭
  2. 社会・文化的右派軸:伝統的・排他的価値観への回帰
  3. 制度的権威主義軸:自由民主主義の質の後退(V-Dem指数を反転)
  4. ポピュリズム軸:反エリート・反多元主義的言説の拡大

まずは世界のデータを見てみる。

経済的右派軸 社会・文化的右派軸 制度的権威主義軸 ポピュリズム軸
2000年 -0.12 -0.35 -0.65 -0.50
2005年 -0.05 -0.28 -0.60 -0.42
2010年 0.08 -0.15 -0.52 -0.20
2015年 0.22 0.12 -0.30 0.15
2020年 0.38 0.35 0.25 0.48
2025年 0.45 0.52 0.40 0.65

どの軸も一律に右上がりになっている。全ての指標がゼロを超え、反対側に行ってしまった。正に思想の大逆転である。

次に日本だけについて再調査してもらうと、以下のようになった。

経済的右派軸 社会・文化的右派軸 制度的安保軸 ポピュリズム軸
2000年 0.05 -0.65 -0.20 -0.70
2005年 0.25 -0.60 -0.15 -0.55
2010年 -0.15 -0.58 -0.18 -0.40
2015年 0.30 -0.50 0.10 -0.20
2020年 0.35 -0.42 0.25 0.15
2025年 0.40 -0.35 0.65 0.45

こちらは世界ほど極端ではないが、やはりベクトルとして明確に右傾化している。それでも絶対値としてはまだ「社会・文化的右派軸」が0より下にある。

「社会・文化的右派軸」は、右が伝統的価値観、左が世俗的・合理的を表しているが、これについてAIに聞いたところ、日本には宗教的権威が存在せず現世利益的な宗教観があるからだ、ということらしい。そのため、宗教的項目を重視する国際指標では日本の保守性は捕捉されにくく、一方で防衛費や憲法改正といった「制度的安保軸」においてその右傾化傾向が顕著に表れるという構造になっているのだそうだ。そして確かに制度的安保軸はしっかり上昇している。

これらの右派傾向の理由について、生活苦や不当な圧力などへの不満の裏返しではないかと思い、そう聞いてみたところ、


『ご指摘の通り、近年の右傾化や権威主義化、そしてポピュリズムの台頭は、単なる思想の変容ではなく、生活環境の悪化や既成秩序への強い不満、あるいは「自分たちが不当に扱われている」という被害意識の裏返しであるという分析が、多くの政治学・社会学的調査で支持されています。』

中略

『グラフで示した右傾化の数値上昇は、単に人々が思想的に保守化したというよりも、「今のシステムでは自分たちの生活や安全が守られない」という切実な危機感と、それをもたらしている(と見なされる)内外の要因に対する拒絶反応であると解釈するのが妥当です。特に2025年におけるポピュリズム軸や安保軸の突出は、戦後長く続いた「安定した中間層」の崩壊と、地政学的な平穏の終焉がもたらした、社会の構造的な摩擦の結果であると言えます。』


とのことだそうだ。

右傾化というのは二次的現象であって、真に憂うべきは貧困や社会不安なのかもしれない。だからといって右傾化が良いと言うことではない。更に続けて「では右傾化によってそれは緩和するのか」と訊いたところ、


『結論から申し上げれば、専門家の分析や統計データは、右傾化の進展が必ずしも生活苦や不満を根本的に解決するわけではなく、むしろ新たな社会的・経済的リスクを生じさせる可能性が高いことを示唆しています。』

中略

『右傾化は、現状への強い不満に対する「心理的な防衛反応」としては機能しますが、生活苦という構造的病理に対する「治療薬」というよりは、痛みを一時的に麻痺させ、かつ副作用(増税、福祉削減、社会の分断)を伴う「強い鎮痛剤」に近いと言えます。2025年から2030年に向けて、右派政権がこの「副作用」をどう制御し、実質的な生活改善に繋げられるかが、社会の安定を左右する大きな焦点となります。』


とのことだった。私の感覚とこれは合致する。先の消費税減税についての分析もそうだったし、移民政策の分析も、積極財政の議論もそうだった。冷静に考えれば中長期的に全部自分に返ってくるのに、目の前のニンジンに尻尾を振っているのが今の右傾化の実態なのだ。

人々は感情に任せて右傾化するのではなく、冷静に論理的に判断をすべきである。


2026年2月17日火曜日

3Dプリンター木造建築工法

3Dプリンターを使った建築は、いくつか実用化し始めている。だがこれらはコンクリート前提であり、重く、建築確認も難しい。木造でこれをできないかと考えてみた。これをご紹介する。

まずは構成から。


壁はリグニン配合木粉エンジニアリングウッドで形成する。この壁は構造材ではなく、後で示す断熱材充填の器として、また同じく後で示す構造材の器として形成する。

構造材は、バサルト(玄武岩)ファイバーコイルとリグニン配合木粉エンジニアリングウッドで構成する。壁を3Dプリンターで作る際、構造材となる部分は縦穴となるように隙間を開けておいて、ここに上からバサルトファイバーを差し込み、隙間をエンジニアリングウッドで埋める。この隙間を埋めるエンジニアリングウッドは、壁材と違ってリグニンを高配合した硬い素材である。

また、このリグニン高配合素材は、内壁のごく薄い部分にも使用する。これは防湿材として機能する。一方、最外壁には微細な穴を開けて放湿する。

バサルトファイバーは単体では自立できないので、あらかじめエンジニアリングウッドに浸漬し、薄くコーティングした棒材として作っておく。これは50cmサイズで、数本を束ねて性能確保するものとし、縦方向には少しづつずらして配置する。

縦穴にバサルトファイバーと高リグニン木粉エンジニアリングウッドを充填すると、これが固まって構造材としての性能を出す。

断熱材としては、木質ファイバーと発泡リグニンの混合材を使用する。壁材はあらかじめ中空で作り、その隙間にこの断熱材を注入する。

3Dプリンタは、3種の素材、すなわち壁材用、構造材用、断熱材のノズルを持ち、またこれとは別にバサルトファイバー棒を自動供給するロボットから構成される。


これらを作るに当たって検討したことは、次のとおりだ。

  • コンクリート3Dプリンタは今でも鉄筋の補充が必要で、自動化の程度が低い。途中で人の手が多く掛かるようではダメ。できるだけロボットが自動で作れる必要がある。
  • コンクリートは断熱性が低く、自重も重いため、地盤が弱いところでは使いづらい。木質系で考えたい。
  • 木粉エンジニアリングウッドは構造材(柱)として認可されていないが、これは引張強度が足りないため。だから鉄筋のような引張耐性のある素材が必要。
  • 鉄筋は錆びるが、コンクリートが強アルカリのため使える。エンジニアリングウッドは中性だからこの手は使えない。
  • エンジニアリングウッドと鉄筋の熱膨張率は違い過ぎるので、使うには色々工夫が必要。熱膨張率が近い素材を使った方が楽。
  • バサルトファイバーは鉄筋より熱膨張率が木に近いが、まだ少し差があるので、コイル状に加工して使う。また自動で配置するには繊維のままでは扱いづらいので、後に充填する素材と同じエンジニアリングウッドに浸漬し、棒状にする。
  • 3Dプリンタでファイバー棒を扱うには長いと都合が悪いので、50cm長とする。するとそのつなぎ目は当然引張強度がないため、複数を束ねて使い、少しづつずらすことで対処する。
  • 断熱材も自動充填したいが、発泡ウレタンは熱膨張率が高く、また透湿性がないこともエンジニアリングウッドと相性が悪い。
  • 木質ファイバーだけだと射出困難なので、発泡リグニンとの混合材として使用。発泡リグニンが木質ファイバーの位置固定に役立ち、自重で沈むなどの経年劣化を押さえてくれる。
  • 構造材の品質を安定して出せるので、建築確認を取得しやすいことが期待できる。
    • 3Dプリンター建築は縦方向の引張強度が出せないので、日本では建築確認が難しい。これを避けるために鉄筋や鉄骨をわざわざ入れて、3Dプリンター建築の良さを台無しにする設計がまかり通っている。

この建築法には興味深いところがいくつもある。総じて言うと、3Dプリンター建築と言っても全てができるわけではないのだが、コンクリート住宅の場合はできなかった手間のいくつかを省くことができる。


  • 防湿材を貼る必要がない。内側から外側に向けて透湿性が順に上がる設計である。また防湿材の隙間や貼り忘れの心配がない。
  • コンクリートと違って木材用の加工が可能であり、細かい調整が現場レベルで可能である。
  • ベッドや棚など簡単な構造のものは一緒に作ることができる。
  • 配管の穴などもあらかじめ作っておける。
  • 支持材は必要だが、床材や天井材も一体成型できる。(さすがに屋根は無理)
  • 隙間無く作れるから、高断熱だけでなく高気密が期待できる。
  • 施工にミスや手抜きがあり得ないので、コンピュータシミュレーションの結果と現物の差は小さくなる。
  • 材料のバリエーションが極めて少ないので調達が容易である他、解体でも廃材の整理がしやすい。
  • 人間の手を煩わせるところが極めて少なく、一般の建築はもちろん、3D プリンタコンクリート住宅と比べても、建築スピードを速くすることが期待できる。
  • 材料の大部分は木粉とリグニンであり、難燃性ではあるが高熱で処理すれば燃える。つまりサーマルリサイクルは可能である。また一度硬化したリグニンは回収困難だが、コンクリート同様骨材としてのリサイクルは可能である。
  • リグニンは熱硬化性樹脂である。つまり吐出と共に熱処理すれば直ぐに硬化するので、コンクリートと比べて高速に建築が可能である。

この仕様でのコストを生成AIに見積もってもらったところ、木造や3Dプリンターコンクリート住宅よりは高く、鉄筋コンクリート住宅よりは安くなるという微妙な結果になった。だが、その高価格の主な要因であるバサルトファイバーとリグニンの価格は、今後5年で劇的に下がる見込みがあるとのことであり、もしそうなれば木造住宅も3Dプリンターコンクリート住宅もぶっ千切って、最低の坪単価となる。試算によると、坪単価は40万円だ。つまり100平米(30坪)でも1200万円でできる。今の時代、ちょっととんでもない低価格である。

これは見込みがあるのではないか。どこかの建築会社で検討してもらえないだろうか。

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3Dプリンター木造建築工法2 更なる改良

 参考:前回  SpockのHighTech夢想: 3Dプリンター木造建築工法 前回の続き。更に色々考え、実用に近づけた。 構造材の変更 前は柱材として玄武岩(バサルト)ファイバーと言っていたが、これを廃止し、壁全体をハニカム構造とする。柱材は無くす。 目的は、①コストの低...

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