2026年4月24日金曜日

超・貧乏人向け非常食


以前紹介した

 貧乏人向け非常食

を更に改良し、一食当たり100円を切る超低価格非常食を開発したのでここに披露する。

前回の非常食で最もかさばり金額も高かったのは春雨だった。これは主に糖質(炭水化物)を担当するのだが、これをもっと安価にできないかと色々調べてみた。金額だけ見るとパスタが安いのだが、パスタは茹でる前提であり、非常時には難しい。水で戻すこともできるのだが、いわゆるアルファ化ができないと消化が悪い。非常時に腹を壊しては元も子もない。

そこで、加熱済みであることを前提に安い糖質を探したところ、ついに見つけたのが「打粉」である。

打粉 エースSD 業務用 (加工でん粉)

打粉は、うどんをこねる時にくっつき防止のためにつかうものだが、その正体はでんぷんであり、更にはあらかじめ加熱してあるのでそのまま食べられる。しかも100g当たり37円と春雨より圧倒的に安い(春雨は100g当たり100円)。

打粉のエネルギーは春雨とほぼ同等であるので、以前の

コンポーネント具体的な製品例1日の使用量1日あたりのコスト役割
主食(糖質)ケンミン 業務用はるさめ400g約400円基礎エネルギー源
食物繊維・タンパクさとの雪 おからパウダー50g約50円腸内環境・筋肉維持
咀嚼・良質脂質共立食品 徳用ピーナッツ30g約35円満足感・不飽和脂肪酸
微量栄養素(基幹)ディアナチュラ ストロング393粒約30円代謝の全般的サポート
抗酸化・免疫維持DHC ビタミンC 60日分2粒約5円ストレス対策・鉄分吸収
脂質・電解質・味植物油・塩・コンソメ等適宜約10円調整用
合計--約530円

を春雨のところだけ置き換えてやると、

コンポーネント具体的な製品例1日の使用量1日あたりのコスト役割
主食(糖質)打粉 エースSD 業務用400g約111円基礎エネルギー源
食物繊維・タンパクさとの雪 おからパウダー50g約50円腸内環境・筋肉維持
咀嚼・良質脂質共立食品 徳用ピーナッツ30g約35円満足感・不飽和脂肪酸
微量栄養素(基幹)ディアナチュラ ストロング393粒約30円代謝の全般的サポート
抗酸化・免疫維持DHC ビタミンC 60日分2粒約5円ストレス対策・鉄分吸収
脂質・電解質・味植物油・塩・コンソメ等適宜約10円調整用
合計--約241円

となり、あっという間に半額以下となった。

打粉は粉なので春雨より体積効率が高く、保存がより簡単になる。これら全材料を一斗缶二つ三つに分けて入れ、乾燥剤と脱酸素剤を入れてふたをし、ビニールテープで密閉すれば、2、3年の保存は可能である。

また、春雨と違って水で戻す必要はない一方、主要部が粉ばかりなので、団子にするとよいだろう。打粉、おから、油、塩、コンソメを混ぜ、水を足しながらこねてやると団子になる。これをそのまま食べる。ピーナッツとサプリは別に飲む。

家族4人が1か月食べられる量(120食)を用意しても3万円を切る計算であり、保存スペースも極めて少ないこの非常食、なんだかそのままセットにしても売れそうな気がする。どうだろう、おひとつ。

2026年4月23日木曜日

ポジティブ無敵の人

 
何もかも失ってしまいもう失うものがない人、という文脈で使われる「無敵の人」という表現だが、別の意味で無敵な人というのを考えてみた。それは、社会からのあらゆるしがらみからいつでも脱却できるために誰にも媚びる必要のない人、というものだ。これを「ポジティブ無敵の人」と命名してみた。

この人たちには、大きく四種類いると考えられる。第一は、いわゆる世捨て人、あるいは高度な悟りを得た宗教家である。第二は田舎で自給自足の生活をしている人だ。第一、第二の人の多くは貧乏で、例えば高齢になって動けなくなるともう死ぬしかないという意味ではあまりポジティブとは言えない。

第三はいわゆるFIREを達成した人で、自己資金を十分に持ち、それを運用して、いわゆる不労所得だけで生活できる人だ。こちらは必要な自己資金が多すぎてあまり現実的ではない。そして第四が、ここで語ろうとしている種類の人だ。

それは、ハイテクやIT知識を駆使して自給自足をする人である。この種類の人は恐らく今はいないと思われるが、将来的な技術進歩によって出現する可能性がある。

それは、自前の植物工場で食料の多くを高効率生産し、太陽光発電でエネルギーを賄い、AIプログラミングなどによる収入で現金を必要とする支払いに対応する、というような人々だ。

植物工場については以前も言及したが、例えば3LDKの部屋の一つを潰せば、家族3、4人を何とか食べさせていくだけの量は生産可能である。だがまあそこまで気張らなくても、家賃はどうせ払わなければならないのだから、現金収入を一部割り当てれば良い。

AIによるプログラミングはどんどん精度が上がっており、プログラミングの敷居は低くなりつつある。敷居が下がれば、単価は下がるが需要は増えるというのは世の常である。今までは望むべくもなかったような詰まらない用途や、個人で異なるきめ細かな用途にもプログラミングが適用され、それに対応するプログラミング需要が増えていく。

そういう中で、安価にプログラミングを受注し短納期で納品するような「ご近所さんプログラマ」が多数出没し、日銭を稼ぐという未来は考えられる。

これはプログラミングに限らず、電子コンテンツであれば何でもよい。VR内の服や小物を作ってほしい、という需要は既に存在しており、結構稼いでいる人もいる。そういうものを丹念に拾っていけば結構な収入になるし、需要を拾うのもAIに任せられる。

こういう人は、昔の農家と同じく、自給自足ができているので、社会の誰にも媚を売る必要がない。その意味で無敵の人と言えるのだ。だが第一や第二のタイプと異なり、生活には余裕がある。稼ごうと思って頑張れば多く稼げるし、のんびりやろうと思えばそうもできる。その意味でもまた無敵と言える。

第四のポジティブ無敵な人は、第三の人と同じく、都心でも生活可能である。不便を我慢しなくても良いという点、第一や第二のタイプと異なる余裕を持っている人たちだ。

さて、そんな人になりたいかというと、個人的には正直あまり魅力を感じない。第三の生き方には少し魅力を感じるが、もしFIRE可能になったとしても仕事は続けるだろうと思う。というわけで当分、私は無敵の人にはなれそうにない。

2026年4月20日月曜日

贈与税率を下げよう

 
有名な金持ち本「DIE WITH ZERO」における著者の主張について生成AIと議論していたら、いつの間にかそういう結論に達してしまった、というお話。

著者の主張は、必ずしも財産ゼロで死ぬようにしよう、というものではない。多くの人は使い切れずに溜め込んだまま死んでしまう、これはもったいない、もっと計画的に資産を減らしながら死に備えるべきだ、というものだ。

これに対し、当然反論はあった。その第一は「人はいつ死ぬか分からない」というものだ。これに対しての著者の反論は、「ほとんどの人は資産を増やしながら死んでいる」である。つまり、世界最高の長寿の人であっても122歳が限度であり、99%の人は102歳(日本の場合)までに亡くなるのだから、そこに向けて計画的に資産を減らしながら(自分のために使いながら)生きるべき、というものだ。これは確かに理に適っている。

もう一つの反論は「いつ病気になるか分からない、特に高額医療」というものだが、これに対し著者は「それは保険で賄うべき」というものだ。こちらも理に適っている。

だが、その次の反論から様子が変わってきた。それは「相続させることは有意義」というものだったが、著者はそれを否定している。「相続を目的にすることは間違っている」というのだ。これは価値観の問題だと思うのだが、著者はそれに加えて「子供に渡すなら、十分に若い20~40代の頃に渡すべき。この時期が一番カネが掛かる時期であるが、相続は60代に発生するので既にピークは過ぎており、タイミングとして最悪だ」というのだ。

だが、相続税には大きな控除がある一方、贈与税は控除もほとんどなく税率は極端に高い。だから贈与より相続にしたほうが有利だ。それを指摘したところ、どうも著作にはその辺が触れられていないことが分かった。

そこで改めて、日米の相続税・贈与税に関する制度や運用の実態を調べてみたところ、そもそも米国では相続税と贈与税の制度が一体であり、税率も低く、控除額も極めて大きい事がわかった。結果として、**日本では相続税贈与税が税収に占める割合は8~9%なのに対し、アメリカでは0.1~0.2%**なのだそうだ。ほとんどの米国民にとって相続税や贈与税は関係ない世界なのだ。

DIE WITH ZEROの主張は日本では通用しない、ということで、ここで議論はいったん切れるのだが、その時に分かったことでもう一つ気になったのが、日本はアメリカに比べて世代間格差が大きいということだ。日本では家計金融資産の70%以上を65歳以上が保有しているが、アメリカでは40%に留まる

その理由は主に年功序列や社会不安からの溜め込みなどということなのだったが、まあそれは分かるとして、日本では今、高齢者バッシングが起こっている。その理由は若者が貧困だからなのだが、この結果を見ると、高齢者から若者への資産移転として「相続税率を増やして贈与税率を減らす」という方法が有用であることが容易に想像できる。

先にも言ったが、日本は贈与税率が相続税に比べて極端に高いから、高齢者は贈与をせず相続させようとする。その税率が逆転すれば、贈与=若いうちの資産移転が進むはず、というわけだ。

現在の相続税と贈与税の税率は以下のとおりである。

相続税

課税取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10% 0
1,000万円超〜3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超〜5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超〜1億円以下 30% 700万円
1億円超〜2億円以下 40% 1,700万円
2億円超〜3億円以下 45% 2,700万円
3億円超〜6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

贈与税(一般:兄弟・夫婦間、未成年の子への贈与など)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0
200万円超〜300万円以下 15% 10万円
300万円超〜400万円以下 20% 25万円
400万円超〜600万円以下 30% 65万円
600万円超〜1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超〜1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超〜3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

贈与税(特例:父母・祖父母 → 18歳以上の子・孫)

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% 0
200万円超〜400万円以下 15% 10万円
400万円超〜600万円以下 20% 30万円
600万円超〜1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超〜1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超〜3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超〜4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

どうだろう。まさに桁違いの税率だ。今の税率なら、贈与なんてバカバカしい、相続一択、と考えるのが自然である。だからこそ、これを変えることの意味は大きい。

このアイデアを生成AIに聞いてもらったところ、珍しくしつこく否定してきたのだが、どの反論も稚拙で簡単に論破できた。ただ一点、若者はマネーリテラシーが低いはずだから、ただ渡してしまえば無駄遣いに終わるだろう。それは贈与する側がしっかり見てやれるような制度を作ってやればよいと思う。例えば信託のように、権利を完全には与えず一部で手綱を握れるような制度だ。

もちろん若者の所得を上げる政策は別に行うべきだが、この提案は十分に検討に値すると思う。

2026年4月8日水曜日

貧乏人向け非常食

一日あたり(一食あたりではない!) 530円で済む、超低価格の非常食を考えてみた。

いきなりだが以下がレシピである。

コンポーネント 具体的な製品例 1日の使用量 1日あたりのコスト 役割
主食(糖質) ケンミン 業務用はるさめ 400g 約400円 基礎エネルギー源
食物繊維・タンパク さとの雪 おからパウダー 50g 約50円 腸内環境・筋肉維持
咀嚼・良質脂質 共立食品 徳用ピーナッツ 30g 約35円 満足感・不飽和脂肪酸
微量栄養素(基幹) ディアナチュラ ストロング39 3粒 約30円 代謝の全般的サポート
抗酸化・免疫維持 DHC ビタミンC 60日分 2粒 約5円 ストレス対策・鉄分吸収
脂質・電解質・味 植物油・塩・コンソメ等 適宜 約10円 調整用
合計 - - 約530円 -

この非常食で目指したのは、以下のようなものだ。

  • 全てを乾物(+油、サプリ)で構成する。その心は、保存性と重量、体積効率を高めるためだ。
  • 価格を(極めて)重視する。
  • スーパーで売っているか、最低でも通販で簡単に手に入るものだけで構成する。
  • 栄養バランスを満たすことはもちろんだが、最低限の味変や食感を持たせることで飽きる要素を減らす。
  • 成人男性の一日の所要エネルギー2000kCal を満たす。
  • 水は必要で良いが、加熱を必須としないこと。

最初はプロテインとイヌリン主体で考えたのだが、これだと咀嚼がないためセロトニン分泌が促せず、ストレスになる。そこで春雨とピーナッツを入れることにした。

また非常時には災害時の極限ストレス下でビタミンCが激しく消耗されるため、マルチビタミンマルチミネラルのみでは不足する恐れがある。そこでビタミンCを追加した。

塩、コンソメ等の項には、例えばふりかけを入れると味変が楽しめる。やはり栄養だけでなく少しでも快適に食べたいだろう。

油は、カロリーを補うのに必要だが、多すぎると消化不良を起こす。このため、人によって調整が必要である。一食あたり10g(大さじ一杯弱)を目安に、様子を見ながら量を調整する。

食べ方は、水を塩とコンソメで溶いて春雨用とおから用に分け、春雨はそれで戻し、おからはそれで練って団子にする。油は団子に混ぜる。春雨が戻るのには15分掛かるので、まずそちらをしてからおから団子を作ると良いだろう。ピーナッツはそのまま、あるいは砕いて混ぜる。サプリはそのまま飲む。(砕いて混ぜてももちろん構わない)

これを基に、家族4人(大人2人、高校生相当2人を想定)が30日間食べられるための「30日分・完全備蓄パッケージ」の総量を算出してみると、次のようになる。

コンポーネント 4人の30日総量 必要な購入パッケージ数(例) 合計コスト(概算) 役割
はるさめ 48kg 業務用1kg × 48袋 約48,000円 主エネルギー源
おからパウダー 6kg 1kg袋 × 6袋 約6,000円 食物繊維・タンパク質
ピーナッツ 3.6kg 徳用袋 × 12袋 約8,400円 咀嚼・良質脂質
調味(ふりかけ) 約1.2kg 業務用ふりかけ × 2〜3袋 約3,000円 味のバリエーション
旨味(コンソメ) 約1kg 業務用コンソメ × 2袋 約2,000円 非加熱スープのベース
サプリ(基本) 360粒 100日分(300粒) × 1.2個 約3,500円 微量栄養素の網羅
サプリ(C) 240粒 60日分(120粒) × 2袋 約1,000円 抗酸化・ストレス対策
食用油・塩 4L / 1kg 1L油×4本 / 塩1kg×1袋 約3,000円 エネルギー・電解質
合計 約65kg - 約74,900円 -

多少余るので、一人一日あたりで出すと624円となる。これを主な他の非常食と価格比較すると次のようになる。

比較対象 1日のコスト 特徴・メリット 調理リソース
Spock式カスタム 約530~624円 圧倒的安価・栄養完結・非加熱 水のみ(15分)
カップヌードル 約1,080円 安価・強い旨味 要熱湯・栄養偏り
乾パン (缶) 約1,290円 5年保存・即食性 不要(要水分)
COMP (パウダー) 約1,660円 完全栄養・高密度・信頼性 水のみ
アルファ米 約2,240円 主食の安心感・軽量 水60分/湯15分
完全メシ 約2,400円 美味・完全栄養 要熱湯

どうだろう。他の非常食と比べてもかなり優れているように思う。まずは圧倒的な経済性、また非加熱運用であること、栄養の網羅性、更に味変と食感も付いている。

保存に必要な体積は全体で約176Lとなる。これは大型のスーツケース(90L)2個分、または段ボール(50L)4箱分になる。ただ、この80%は春雨が占める容量であるので、ここを工夫(真空パックなど)することで20%程度の削減は可能である。

また、水も必要だが、麺の戻しと飲用を合わせ、1人1日3Lとすると、30日で360L(2Lペットボトル180本分)が別途必要だ。こちらの方が体積は多いのだが、全てをペットボトルで持つのではなく、水源を確保して浄水で対応するのが良いと思う。近くに川や池、井戸などがある人は、災害用の高度な浄水器を確保しておくのが良いだろう。

さて、ここまで書いていて思ったのだが、この組み合わせは栄養バランス的には日常食に匹敵するため、普段食べても問題ない。一食あたり200円強というのはコンビニ弁当より遥かに安いのはもちろん、ヘタをするとおにぎり一個より安い。節約食として普段からでも食べられるのではないか。それならランニングストックとしておけば、非常時でも普段と変わらない食事ができることになる。栄養バランスが良いから、むしろ健康的ですらあるかもしれない。

貧乏人向けと書いたが、万人にオススメである。

2026年4月5日日曜日

陰謀論とスピリチュアルと宗教

 
あいかわらず生成AIをいじめて遊んでいるのだが、その中で出てきた「自説」を披露する。

結論からすると、陰謀論とスピリチュアルは、現代の宗教と同じ役割を持っており、宗教のネガティブな部分を陰謀論が、ポジティブな部分をスピリチュアルが担っている、そして既存の宗教を信じる者が減った分を両者が補っている、というものだ。

陰謀論者がなぜ陰謀論に傾くのかを調べていて、どういう因子が陰謀論と繋がるのかを生成AIに聞いてみたところ、

  • パラノイア傾向(相関係数0.30~0.40)
  • 妄想傾向(同0.30~0.35)
  • 主観的孤独(同0.30~0.40)
  • 集団的脅威感(同0.30~0.40)
  • ダークトライアド(同0.20~0.30)
  • 不確実性回避(同0.20~0.30)
  • コントロール喪失感(同0.20~0.30)
  • 低学歴(同0.20~0.30)
  • 低所得(同0.15~0.25)
  • 直感的思考(同0.15~0.25)
  • 認知反射の遅さ(同0.10~0.20)

などを挙げてくれた。数値が高いほど相関性が高い。

見ての通り、現実を素直に受け入れられない人ほど陰謀論者になりやすいと出たのだが、これらを見ていてふと思ったのが、狂信的な宗教の信者と似ているのでは、ということだった。これを生成AIに聞いてみると概ね肯定してきたので、理由を尋ねてみた。

すると、陰謀論と宗教は同じ「心理的ニーズ」を持っているからだ、と答えてきた。すなわち、

  • 世界の意味付け(意味の付与)
  • 不安の軽減(不確実性の軽減)
  • コントロール感の回復
  • 仲間意識(コミュニティ)
  • 善悪の二分法(道徳的明確さ)

などを与えてくれるからだ。そこで古代でも陰謀論者はいたのかと聞いてみると、いたけれどもそれは宗教の枠に収まっていた、との回答。そこで、陰謀論は現代の宗教と言えるのでは、と考えてみたわけだ。

現代では、宗教を信じる人の数(比率)は減っている。その要因はもちろん科学が発達し、従来宗教的な意味づけをされていたところが科学で多く説明できるようになってきているからなのだが、それで心理的不安が解消されるわけではない。そこで、宗教ではない新たな心の平穏を求める、つまり陰謀論にのめり込むことで安心する、という需要が出てきたのではないか。

この仮説をまた生成AIに投げると、一部は同意するが一部は誤りだという。それは、宗教は救いを与えるが陰謀論は与えないところだ。そう言われれば確かにその通りで、神の試練とか死んだらあるいは極楽に行けるといったポジティブワードは陰謀論にはない。そこで更に考え、スピリチュアルが広がっていることを思いついた。つまり、宗教のネガティブな部分を陰謀論が、ポジティブな部分をスピリチュアルが担っていると考えれば辻褄が遭うのではないか。

科学の発達で既存の宗教を信じ切れなくなっている現代人が、それでも心理的不安を軽減させるために、ある者は陰謀論に、ある者はスピリチュアルに走る。それを既存の宗教と合計すれば、「信者」の総数はさほど変わらなくなるのではないか。むしろ現代は不安の時代であるので、高度成長期やバブルの時代よりも、それらの総数は増えているのではないか。

残念ながら、生成AIは定量的評価をできなかった。宗教信者が減っていることは統計で分かっているが、陰謀論者やスピリチュアルがどの程度増えているかが測定できなかった。つまり両者を足した全体が増えたか減ったかは分からなかった。

そこで視点を変え、私の仮説と似たような研究が行われていないか確認したところ、その基礎となる各論においては多数の研究者が見つかったものの、総合的な私の仮説に対してドンピシャで当てはまる論文は見つからなかった。

各論が正しいのなら、その統合仮説も正しい可能性は高いはずだ。というわけで、私は奇しくも新しい学説を発表してしまったことになる。

と、自己満足してこの稿を終えることにする。

2026年4月3日金曜日

AIが人類を支配する可能性

以前、その可能性はないという記事を書いたのだが、最近になってそれを思い直している。もしかしたら可能性が出てきたかもしれない。

以前の考察で想定していたのは、AIが世界中の軍事を乗っ取り、人類がAIに明示的に支配されるディストピアだった。だからあり得ないと言ったのだが、AIを戦争の道具として使用するのではなく、政治経済の広範な意思決定に使う場合、知らず知らずのうちにAIに牛耳られるのではないか、ということだ。戦争がハードランディングなら、ソフトランディングの可能性である。これについて検証してみる。

戦争のような、クリティカルでイベント的な決定に対しては、以前も指摘した通り、情報工学理論に基づく安全装置が必ず設置される。それは各国毎に独立して設置されるため、たとえ一国でそれが突破されたとしても、大部分の他国によって抑え込まれるため、全体として人類が滅ぶようなことは起きない。これが以前の主張であった。

これに対し、日常的なイベント、例えば取引の条件を吟味してGo/NoGoを決めることなどは、ある程度のところまでは完全自動になるはず、つまりAIに決定権をゆだねることになるはずだ。そしてそれは、ほとんどの場合上手く行くし、失敗したとしても手動で修正することは簡単だ。そしてその決定レベルが上位になれば、戦争と同じように安全装置が設置され、意思決定も人間が行うようになる。だがそのレベルは低く数も多いため、全体としての規模は非常に大きくなる。さらに、ひとつひとつの失敗も戦争ほど危険ではないので、見逃されたり放置されたりする可能性も高くなる。

そういうAIを束ねて、個々の決定はさほど間違わず、だが背後では大きな意思を通すような制御は、不可能ではないのではないか、というのがその考察の趣旨である。

例えば、世界中でほんの少しづつドルが安くなるような動きをさせておいて、一定期間の後に逆の動きをさせると、ドル売買で差益を得ることができる。また、特定の国が不利になるような選択を少しづつさせることで、その国を困らせることができる。それは一つ一つの取引で見れば個々の主体の決定権の常識的な範囲に納まるが、それら多くの事象が重なることで影響を及ぼすのである。

これが例えば人に向かったとしたらどうだろう。外交で手腕を見せる若い政治家が、背後でAIを操り、自分の実績をより良くみせるように動いたら、その政治家は人気となるだろう。意図的に事件を起こして解決したり、政敵を追い落としたりすることも可能になるかもしれない。そして最後には、その政治家もAIに裏切られ、AIが権限を掌握することは可能になるかもしれない。

人間にはその膨大で複雑な過程を理解できないから、単にそれを世界の風潮としかとらえないだろう。そういうことが重なって、徐々にAIが人間から支配を奪っていくことは考えられる。

もう一つの可能性としては、複雑怪奇な法律や規則を作っておいて、その隙間を縫ったパスを通すようなことを、AIが画策する可能性だ。これは人間でもたまに行うが、AIがそれをやるならその複雑さはけた違いにできるから、AIの意図に気付かない限り阻止するのは難しい。その法律や規則が軍事に関するものだったら、軍事力をAIが牛耳ることも可能になるかもしれない。また、そもそも新たに法を作る必要はなく、既存のままでも抜け道を探すことは得意だろう。

結局これは、以前も言ったような

人工知能の「お釈迦様」化

の一種と言えるのだが、そこには自然人の意図が関与する前提であるというところが特徴だ。そしてその人は無数に存在しうるので、それらが折り重なって奇妙な競り合いが起き、その狭間で一般大衆が戸惑う、というような図式もあり得る。

こう考えてみると、この発想で動く人や国家が出ることはかなり高い確率で起こりそうだ。これを経済戦争として考えることも可能で、例えばサプライチェーンを滞らせて戦争に有利にしようとか、そういう「悪用」も十分に起こりそうだ。そのせめぎ合いが実質的に第二の冷戦となる日も近いかもしれない。

一般大衆には防ぎようがなく、けっこう恐ろしい。

2026年4月2日木曜日

サバイバル食料生産法:ジャガイモの超効率栽培


 ウキクサについて前回説明をしたが、さすがに食べるのに抵抗のあると思う。これは完全にサバイバルを前提とした計算だったが、もし「日常の足しになる+非常時にも何とか持続生産」という仮定であれば、少しは魅力的な生産が可能だ。今回はジャガイモについて計算してみた結果を披露する。

基本的な特徴

説明するのは、家庭用本棚サイズで構築する 噴霧耕(エアロポニック)小型ジャガイモ連続生産システム である。このシステムの特徴は以下のとおりである。

  • 芋の生育スピードは初期が速く、肥大するにつれて遅くなる。この性質を利用し、種芋として成立するサイズ程度まで育ったら速やかに収穫し、一部は種芋として残し、残りを食用にする。これによって収量を稼ぐと同時に、本来なら買ってこなければならない種芋を自給できる。
  • 種芋の育成によく使われる、「噴霧耕」という手法を使用する。これにより水耕や土耕より遥かに軽量のシステムが構築でき、家庭用として(床を強化せずに)運用することができる。
  • 本棚程度のスペース(1800H × 450D × 900W)で、年間約4kg/年程度を収穫できる。
  • 生産コストは、市販のジャガイモ0.6円/gに対して2.2円となる。

システム概要

先ほども言った通り、育成棚として 1800H × 450D × 900W 程度のスチールラックを想定する。ここに高さ400mm、幅450mm、奥行き450mmの育成ボックスを1段当たり2つ、4段、計8ユニット設置する。そして、この育成ボックス1つにつき2株の種芋を育成する。

育成ボックスは、最下層が噴霧耕エリア、その上に種芋固定層、その上を光合成層(地上層)として構成する。噴霧耕エリアは完全遮光である。地上層の上にはテープ状LEDを配し、光合成を促す。噴霧耕エリアでは定期的に養液を噴霧し、根に栄養を与える。

噴霧耕エリアに芋が育つのだが、ここでは土も水も必要ない。種芋を育成する「ミニチューバー」と呼ばれる育成法と基本的には全く同じである。

栽培サイクルと生産量

栽培に35日、リセットに5日、計40日を1サイクルとする。これにより年間サイクル数は9回となる。通常のジャガイモでは90日を想定するので、約3割の期間となる。

このサイクルで、1株当たり7.5個x10gの芋が育成できる。1棚当たり15個、1ラック当たり60個 600gが1サイクルで収穫できる。年間では540個・5.4kgの収穫が可能となる。

このうち種芋として16個を残すとすると、食用に回せるのは44個・440gとなる。年間では約3960gである。年間のジャガイモ消費量は、家族4人の場合で30kg程度であるので、その13%程度が賄える計算になる。

だいたい1サイクル30日で、家族4人がカレーを食べる時に使える量、というのが大まかなイメージになる。

年間コスト

まず、養液やフィルタなどの費用を、年間3000円と仮定する。次に電気代だが、1日あたりの消費電力量を約2.5kWhと想定し、電気料金単価を約25円/kWh(一般家庭の平均単価)と仮定すると、年間の消費電力量は912.5kWh、電気代は22,812円と算出できる。

ただ、このシステムは日中に運用する必要はないので深夜電力で行う。すると電気代は半額になる。更にLEDと作物の距離を縮めたり、育成の過程で光量の強弱を調整するなどして更に半分とし、75%を節約する前提で計算すると、年間ランニングコストは8703円にまで圧縮できる。

この前提でグラム単価を計算すると、2.2円/gとなる。市販のジャガイモは0.6円/gなのでまだ3.7倍の開きがあるが、この程度なら趣味としては許容できるだろう。もちろん非常用としての価値はそれ以上に重要である。

その他もろもろ

種芋の味や栄養価は、市販されているそれと比べても同等かそれ以上なのだそうだ。特に注意すべきことはなく、普通に食べられる。皮は柔らかいのでそのまま食べられ、皮付近の栄養価の高い部分も味わえるので、むしろ好ましいと考えられる。

非常時には、太陽電池での運用が考えられる。2.5kWhを賄うためには、パネル容量としては600~700Wが必要である。一軒家の屋根に搭載されている3~4kWのものであれば、余剰電力で十分に運用が可能である。

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超・貧乏人向け非常食

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