もうずいぶん前だが、寿司を3Dプリンタで出力する、という試みが行われた。
その後音沙汰を聞かない。クッキーやチョコのようなものの3Dプリンタフードはたまに見かけるが、これを常食とすることはないだろうから、寿司には期待していたのだが。
ここで言う3Dプリンタフードとは、常食を前提としたものだ。寿司はその一つだが、例えば肉や魚、野菜、コメ、麺、などの日常で食べるものを、素材の投入とボタン一つだけで生成するというものになる。そしてその素材は、3Dプリンタのフィラメントのように、常温で保存ができる粉ないしは固体・半固体(ゾル状)などであって、複数の素材を混ぜることで汎用的な食材に変貌するものを意味する。
これを生成AIの助けで具体化してみたものがこちらだ。
- 基本スペック
- 料理のバラエティは家庭級(50~100)和洋中その他織り交ぜ
- 3Dフードプリンタ概要
- 1人用冷蔵庫と同程度の大きさ
- 上段がカートリッジ格納ゾーン、中段が3Dフードプリンタ、下段が取り出し口
- カートリッジ投入扉、清掃扉(ノズル等の洗浄)、取り出し扉(完成した食品の取り出し)
- 出力後、水カートリッジでフラッシュ、エアブロー、乾燥 (半自動、排出した水の回収)
- ノズル・インナーの清掃は週1回(清掃扉を開け、外して洗い、元に戻す)
- カートリッジは必要に応じ補充(1個を使用、1個を交換用として保持、必要に応じアラームが出るので指示に従って交換)
- スマホにて操作、レシピを選択して実行 完了するとスマホに通知
- 完成品は冷たいので必要に応じてレンジ加熱
- 食材カートリッジとフレーバーカートリッジ
- 食材カートリッジは大容量、フレーバーカートリッジは小容量
- 食材カートリッジの多くは冷蔵となる(補充用のカートリッジは別に冷蔵庫保管)
- 食感カートリッジとして「方向性繊維」「水分保持ゲル」を備える
- サラダやごぼう・根菜の食感を出せる
1) カートリッジ体系
- 食材カートリッジ(12本):栄養・食感・主菜/主食の「骨格」を作る
- フレーバーカートリッジ(14本+任意2本):料理カテゴリ(和/洋/中/その他)を確実に切り替える「世界線スイッチ」
2) 食材カートリッジ(12本)一覧
目的:“系列バレ”を防ぐため、タンパク・脂質は最低3系統、炭水化物は物性3系統に分ける
形式:家庭級の現実解として「冷蔵カートリッジ中心」(常温は粉末系・油系)
| 区分 | ID | カートリッジ名 | 中身(例) | 主な役割(何を作るか) | 推奨保管 |
|---|---|---|---|---|---|
| タンパク | P1 | 肉系(チキン/ビーフ系) | 鶏/牛由来ペースト、または同等の肉様基材 | 肉の“密度・余韻”の土台(主菜) | 冷蔵/冷凍 |
| P2 | 魚系 | 白身魚/練り物様基材 | 魚の“軽さ・ほぐれ”の土台(主菜・和中) | 冷蔵/冷凍 | |
| P3 | 植物系(大豆/エンドウ) | 大豆/豆系ペースト | 汎用・低コスト・副菜/つなぎ(主菜も可) | 冷蔵 | |
| 脂質 | F1 | 高融点脂(肉・揚げ物) | 牛脂/固形脂に相当 | コク・揚げ物/肉の満足感 | 冷蔵 |
| F2 | 低融点脂(魚・あっさり) | 魚油/低融点油に相当 | 軽さ・魚介/冷菜のリアリティ | 冷暗所 | |
| F3 | 中性脂(汎用) | 植物油 | 和洋中のベース・乳化基材 | 冷暗所 | |
| 炭水化物(物性) | C1 | 粒状・崩壊型(ご飯系) | 米粒様ゲル/粒状デンプン構造 | “ご飯”カテゴリを成立 | 冷蔵 |
| C2 | 連続体・弾性(麺/パン) | グルテン/ゲル弾性生地 | 麺・パン・生地系 | 冷蔵 | |
| C3 | マッシュ・粘性(芋/副菜) | 芋・かぼちゃ等のピューレ | 付け合わせ・和惣菜 | 冷蔵 | |
| 食感/状態 | T1 | 水分保持ゲル(サラダ基材) | 高含水ゲル(葉物感) | “サラダ/冷菜”の土台(生っぽさ) | 冷蔵 |
| T2 | 方向性繊維(ごぼう/根菜繊維) | 繊維束構造基材 | ごぼう等「裂ける食感」担当 | 冷蔵 | |
| 栄養/繊維 | N1 | 食物繊維・ミネラル | 可溶/不溶繊維+ミネラル | 腸・栄養の底上げ(常設) | 常温/冷蔵 |
| 色 | K1 | 色(ナチュラル) | 野菜色素など | 見た目のカテゴリ分け(和洋中) | 常温 |
3) フレーバーカートリッジ(14本+任意2本)一覧
目的:家庭級のバラエティは “料理カテゴリ(世界線)” が切り替わることが最重要
3-1) 基本14本(家庭級50〜100の標準)
| 区分 | ID | カートリッジ名 | 中身(例) | 世界線への効き方 | 使い方(配置) |
|---|---|---|---|---|---|
| 味(Taste) | T-S | SALT | 塩味溶液 | 和/中の輪郭・洋の下支え | 全体に薄く |
| T-A | ACID | 酢/酸味 | サラダ/酢の物/中華のキレ | 表面〜浅層 | |
| T-W | SWEET | 甘味 | 照り焼き/煮物/洋ソース | たれ層 | |
| T-B | BITTER/AST | 苦味/渋み | ごぼう/山菜/緑系のリアルさ | 局所(微量) | |
| T-H | HEAT | 辛味 | 麻辣/エスニックの決め手 | 点在(微量) | |
| 旨味/発酵 | U-G | UMAMI-G | 昆布/野菜旨味 | 和の基盤、洋の下地 | 中層 |
| U-N | UMAMI-N | 核酸系旨味 | 肉/魚の“厚み”寄せ | 中心〜奥 | |
| U-F | FERMENT | 味噌/麹/酵母 | 和の奥行き・デミ方向 | 中層 | |
| U-R | ROAST | 焼き/炒め香 | 洋の焼き香・中華の炒め | 表面〜脂相 | |
| 香り(Aroma) | A-F | AROMA-FRESH | 青/柑橘 | 和の爽やか・冷菜 | 表面ミスト |
| A-L | AROMA-ALLIUM | 葱/生姜/にんにく | 中華/和の炒め煮の核 | 中層 | |
| A-H | AROMA-HERB/SP | ハーブ/スパイス香 | 洋/エスニックの核 | 表面+中層 | |
| 粒/刺激 | P-P | PEPPER/SANSHO | 胡椒/山椒 | 和中の締まり・別物感 | 表面点在 |
| P-C | CURRY BASE | カレー核 | 「その他1割」を確実化 | 全体 |
3-2) 任意追加2本(おすすめ)
| ID | カートリッジ名 | 中身(例) | 追加すると増えるメニュー |
|---|---|---|---|
| A-M | MARINE(海) | 海苔/磯/魚介香 | 魚介・和の幅が増える |
| A-D | DAIRY(乳) | バター/クリーム香 | 洋(クリーム系/チーズ系)が増える |
4)これで作れる「具体メニュー50個」案
和食(20)
- だし醤油チキン(照りは弱め)
- だし白身魚(煮付け風)
- 味噌つくね(鶏)
- 味噌豆腐ハンバーグ(植物)
- 照り焼きチキン
- 照り焼き魚風パテ
- 生姜焼き(豚風)
- 肉じゃが風(肉+芋マッシュ)
- 鯖味噌風(魚系)
- きんぴらごぼう
- ごぼうサラダ(マヨ風)
- 酢の物(きゅうり・わかめ風)
- 南蛮漬け風(酸甘)チキン
- 和風おろし(さっぱり)ハンバーグ
- 塩焼き(焼き魚風)
- 鶏そぼろ丼風
- だし巻き卵風
- 茶漬け風(だし+塩)
- 和風カレーうどん風
- 胡麻和え風(青菜)(胡麻は“その他粒”で代替可)
洋食(15)
- トマトハーブチキン
- ミートソース風(肉パテ+トマト)
- デミ風ハンバーグ
- ハーブグリル(魚)
- ガーリックバター風チキン
- クリームシチュー風(拡張)
- チーズ風リゾット(拡張)
- オムレツ風(拡張すると強い)
- バジルジェノベーゼ風(緑)
- ローストオニオンスープ風
- ビターカカオ風(デザート寄り)
- フィッシュ&チップス風
- ハーブレモン風サラダ
- ミネストローネ風
- ペッパーステーキ風
中華(10)
- 生姜葱チキン(中華蒸し鶏風)
- 回鍋肉風(甘辛炒め)
- 麻婆“豆腐”風(植物)
- 麻辣チキン(花椒風)
- 青椒肉絲風(歯ごたえ寄せ)
- エビチリ風(魚系+酸甘)
- 酢豚風(酸甘)
- 担々麺風(ごま無でも成立する版)
- 中華スープ(葱・生姜)
- 炒飯風(香り重視)
その他(5)
- カレー(基本)
- グリーンカレー風(ハーブ強)
- タコライス風(酸+香草)
- ナンプラー系エスニック“風”(海があると強い)
- スパイス焼き(BBQ寄せ)
どうだろう。ここまで設計すると具体的に想像ができる。これなら少々不味いものしかできないとしても一定の需要はあるはずだ。例えば自炊が困難だが外食やコンビニ弁当を毎回買いに出るのが辛いという層、また極端な面倒くさがり層などである。例えば一人暮らし、乳幼児の多い家庭、足が悪い高齢者、暑がり寒がり、精神疾患・未病不具合の人、などだ。
また、レシピを調整することによって、離乳食や糖質制限食など、様々な食のニーズに対応できる可能性がある。ここには菓子類が書いていないが当然それも検討の遡上に載る。宇宙船や船舶、離島などでの需要もあるだろう。
細かいところでは色々ツッコミはある。例えばカートリッジ数が予想を超えて多くなり、管理が大変そうだ。フレーバー系はともかく、メイン(食材)カートリッジはもう少し減らしたいところだ。
メインカートリッジの容量は、初期設計では300mLだったのだが、これが12本+予備12本と考えると24本、合計で7.2Lになる。これだけでも結構な重量で、筐体の上部にこれがくるため、重量バランスが悪い。
しかも例えばハンバーグ一つに100mLの肉系カートリッジを使えば、3人前で交換しなければならない。プリント途中での人手によるカートリッジ交換は使い勝手を損ねるし、全自動にするとしたらこのサイズには収まらないだろう。
また、カートリッジのほとんどはその1回では使われないので、計画的に食材のローテーションをしてやらないと賞味期限が来て廃棄するカートリッジが多くなってしまうだろう。冷蔵ではなく常温保存可能なカートリッジの模索が必要かもしれない。
だが、これをベースに追加で設計していけば、本当に何かができそうな気がする。





