2026年2月4日水曜日

チームみらいが唯一マトモだった

 衆議院議員選挙に際しての各党の公約をAI分析してみる。消費税については

https://spockshightech.blogspot.com/2026/01/blog-post_23.html

で書いたが、チームみらいは消費税減税を公約としておらず、一覧としても総合的な視点が無かったため、改めて全政党の公約を経済効果の視点から分析させた。AIにはGeminiを使用した。

使ったプロンプトを公開しておく。

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衆議院選挙に当たって各党が出している公約を全て経済効果と掛かるコストの点で定量的に評価して表にしてください。フォーマットは以下の通りです。

➀政党名➁公約概略➂歳入減予想(2年、10年)③GDPへの影響予想(2年、10年)➃政策の実現自体に掛かるコスト(制度の改定費用、社会混乱、買い控え、便乗値上げ、詐欺、増税された企業の減収など:2年、10年)➄差し引きでの経済効果(2年、10年)➅政策自体の実現性(パーセント表記)⑦総合評価(〇×)⑧その他コメント

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ただ、Geminiといえど一発で答えは出してくれず、チームみらいを無視したり立民がリストに入っていたりとかなりあちこちで間違っていたので修正は行った。そして実を言うと、何回も修正したが収束しなかった(どこまでも突っ込みを入れられる)ため、最終的にはあきらめた(妥協した)ことも申し添えておく。フォーマットもその過程で変わってしまった。

そしてその結果はこうだ。

➀政党名 ➁公約概略 ➂歳入減・投資 (10年累計) ④GDP影響予想 (10年累計・実装コスト込) ⑤差し引き10年累計 (経済的純益) ➅実現性 ⑦総合評価 ⑧コメント
チームみらい 社保減免・行政DX・AI投資 85兆 128兆 +43.0兆 45% POS改修負担ゼロ。DXによる生産性向上が歳入減を上回る唯一のモデル。
国民民主党 178万の壁・消費税5% (暫定) 215兆 182兆 -33.0兆 55% × 労働供給増の効果は大きいが、200兆円超の減税分を回収するには至らない。
中道改革連合 食料0% (恒久)・給付付き控除 82兆 54兆 -28.0兆 65% × 恒久化で事務コストを抑えるが、分配によるGDP成長は歳入減に届かず。
日本維新の会 消費税5% (恒久)・解雇規制緩和 240兆 198兆 -42.0兆 60% × 大胆な規制緩和による成長を見込むも、巨額減税による累積赤字が残る。
自由民主党 食料0% (2年時限)・防衛強化 12.5兆 5.5兆 -7.0兆 85% × 往復の事務コスト(約4兆円)がGDP押し上げを大幅に相殺し、赤字化。
日本共産党 消費税5%・法人増税 155兆 72兆 -83.0兆 15% × 増税による投資減退が深刻。消費刺激分を上回る供給側の収縮が発生。
参政党 消費税・インボイス廃止 280兆 162兆 -118.0兆 20% × 急激な減税によるインフレと金利上昇の副作用がGDPを毀損。
社会民主党 消費税0%・社保半額 360兆 202兆 -158.0兆 5% × 通貨信任低下による円安コストが、名目上の成長を大きく上回る。
れいわ新選組 消費税廃止・一律現金給付 450兆 265兆 -185.0兆 10% × 需要は増えるが、供給が追いつかず物価高を招く。累積欠損は最大。

実はどの党も、施策の原資について定量的な数字は出していない。このため多くは推測になることを申し添えておく。また、以前からの主張の通り、政策自体の実現コストを加味しているところがこの分析の特徴である。消費税率を変えると全国の会計システム・税務システム・POSなどを全て改造する必要があり、制度変更に伴う役所のコストや社会混乱、便乗値上げなども生じるからだ。また、10年で見ているので、2年限定の措置に関しては税率が戻る際のインパクトも織り込んでいる。これは全ての党がやっていないことだが、評価には必要だ。

見ての通り、10年でGDPが純粋にプラスになるのはチームみらいだけ、という結果になった。この〇×判断も色々注文したのだが、差引効果がマイナスなのは一律×、と指示したところ、各党見事にこれに引っかかってしまったため、他の細かい指示は無駄になってしまった。

チームみらいは消費税減税を謳っていないが、実は社会保障費で自民を上回る負担減を提唱している。またここはAIやDX投資を謳っているが、効率化の観点でマトモな政策を言っているのもチームみらいだけである。これにより投資対効果がダントツに高く、結果として10年後の大幅プラスを生み出している。

世間では一番人気の自民は、実はGDPへのインパクトは一番小さく、財政負担も一番少ない。大山鳴動して鼠一匹、ではないが、大きく出ている割には中身はこじんまりしている。(だけど赤字)ここら辺は老練というところだろうか。

中堅とも言える中道、国民、維新は、政策的にも「自民の次」と評価できるが、しょせんはマイナス、しかも自民よりかなり悪いマイナスである。特に自民と維新が連合を組むと維新に引っ張られる可能性があり、自民でもマイナス幅は大きくなるかもしれない。また、参政・れいわ・社民は100兆以上のマイナス予測であり、初っ端から話にならない。

これらを纏めると、第一グループはみらい、第二グループは中道・自民・維新・国民が団子状態で、共産・参政・社民・れいわは問題外、という結論になる。

まああくまでも生成AIによる分析であり、党の公式見解ではない。この分析も人によって色々変わるだろう。その前提で、投票の参考にして頂きたい。

2026年2月3日火曜日

分散下水処理モデル

 下水道が腐食し、道路で穴が空くという事例が全国で頻発している。それに落ちて人が死ぬという悲惨な事故も起きた。下水道の復旧にも多大なコストが掛かるということも分かってきた。

下水道の多くは高度成長期に敷設され、寿命を迎えている。この保守コストが酷く嵩み、自治体の予算を圧迫していることもよく知られている。予算がなくても下水道は壊れ、道路には穴が空くので、補修せざるを得ない。これが更に自治体の予算を圧迫する。人口減少下で、自治体の収入は減少傾向にあり、これはもう破綻へのスパイラルと言える状況にある。

これを何とかするための施策を色々考えていて、有望だと思ったのが、この「分散下水処理モデル」である。これを以下に説明する。

人口1万人程度に対し、地域下水処理場を一つ作る、その処理場で処理した水は下水道を通らず、川などに放出する。地域下水処理場の規模は小学校の校庭程度だが、沈殿槽型を採用するので地下に作ることが可能で、地上は公園などにできる。

この沈殿槽型浄化槽は、従来の下水処理場や、あるいは家庭で使われる合併浄化槽に比べ、極めてローテクで運用できる。基本的に機械装置類など可動部はゼロであり、重力を利用してただ流すだけで浄化できる。このため管理も簡単で騒音も出ない。地下に作ることで臭気も閉じ込められる。

ただし、汚泥は出るため、これを定期的にくみ出し、トラックで高度処理場に運び、最終処理をする。この高度処理場は従来の下水処理場の敷地を利用する。おそらく機材のいくばくかは流用できるだろう。

このモデルの特徴は、次のとおりである。

  • トータルで見ると、必要な人材のレベルは低くてよくなり、人数も少なくてよい。各地域の処理場は基本的には無人であり、保守は基本的にセンサ監視と汚泥汲み上げだけである。もちろん汲み上げに必要な人材の技術レベルは低いので、外国人でもアルバイトでも十分可能である。一方で高度処理場にはもちろん高度な技術が必要だが、従来の下水処理場の人員が流用できる程度の技術であるし、処理対象はぐっと少なくなるので人員そのものは減らせる。つまり人材不足の現代に適している。
  • 地域処理場の面積の合計は、従来の下水処理場よりは広くなる。だが、従来の下水処理場はまとまった面積が必要である一方、地域処理場は隙間に当てはめられる。「くず地」の活用と考えれば、土地効率はむしろ高くなる。
  • 地域処理場はローテクであるため保守がほとんど不要であり、当然不具合の発生もほとんど考えられない。
  • 地域を延々と走る大型下水道管は不要になるので、そのための保守が必要ないし、腐食して道路に大穴を空ける心配もない。一方で各家から地域処理場への下水管は当然無くならないが、それらは細く、処理までの時間も短いので、腐食しにくいし、腐食しても大穴にはなりにくい。

というわけでいいことづくめに思えるのだが、幾つか欠点もある。まず、このモデルは大都会では成り立ちにくいということだ。つまりは人口密度が高すぎるので、地域処理場を確保するのが困難なのだ。また地価が高いとトータルコストで従来型の方が有利になってしまう可能性がある。

また、山間部でも成立しにくい。重力による下水処理という性質上、高低差があり過ぎる地域ではポンプが必要になるからだ。ただしこれは従来の下水でも条件は同じだ。

というわけで、郊外や地方都市などに適しているモデルである。そういうところはコストパフォーマンスの低い過疎地のインフラ保守に苦労しているところだから、十分に検討に値すると思う。

このモデルは、必要人材の量・質の低減ができるという点、少子高齢化の時代にマッチしている。このため、コスト低減ができず従来型より少々値が張っても、採用する意義がある自治体というのは出てくるだろう。人材不足が致命的な超過疎地域では、補助金を国に求めてでもこのモデルに移行する方法を模索するのではないだろうか。

なお、このモデルでは大雨や台風などにおける「洪水」を考慮していない。従来型の下水道は排水も雨水も分離せず皆流していたが、このモデルでは雨水の対応を別に考える必要がある。

2026年2月2日月曜日

日本の借金返済モデル

 日本は世界トップクラスの放蕩財政国家だ。赤字国債の残高が、物価上昇を遥かに超えるスピードで増え続けている。その規模は国家予算の十倍もある。収入に見合った支出をするというごく当たり前の原則を無視し、欲しいだけの予算を積み上げ、足りない分を借金で賄っている、という状態が、何十年も続いている。

国債は借金であり金利があるので、借りる以上に返さなければならない。2026年度の国債費(返済額)31.3兆円のうち、利払い費は13兆円もある。日本は毎年このくらいの規模の額を、国民のためではなく債権者に支払っているのだ。(このうち半分程度は日銀を通して国庫に戻って来るが、残りは民間に放出されるのだし、その日銀とて必要経費を差し引いている。何れも借金がなければ必要ないカネだ。)

ここ数十年は低金利だったからまだ良かったが、それでもこの額だった。そしてその金利が近年急上昇している。すると、同じ額を借りるのにも多く返さなければならなくなる。国債は毎年少しづつ借り換えられているから明日困るわけではないが、今後日本の財政はゆっくりと、しかし確実に悪化していく。たとえば十年後には、その利払い額は更に十兆円増えているかもしれない。これは国家予算に対して十分なインパクトのある額だ。本来は教育や福祉に向かうはずだった20兆円が、どこかに消えている。これはあまりにもバカバカしくないか。

だからこそ借金は早く返さなければならない。とはいっても千兆円もの巨額を一気に返すことは不可能であり、50年100年といったレンジで返すしかない。50年として年間20兆円だが、プライマリバランスはゼロ付近ではなく、このくらいのプラスで計算すべきである。

そんなカネがどこにあるのか、とよく言われる。政府や政党がよく減税を主張するとすぐ財源を問われるけれども、そういった眼の前の予算の重箱の隅を突くような視点では、この額を恒久的に捻出することはできない。もっと鷹の眼をもって、日本の財政構造を分析する必要がある。

よく「甘い汁を吸っている奴がいる」と言うけれども、日本を俯瞰して見た場合、その甘い汁を吸っている奴とは、実は国民自身である。官僚や上級国民にもそういう奴はいるけれども、それは俯瞰した目から見れば実は少数であり、金額も微々たるものなのだ。本当の悪は国民である。

意外に思うかもしれない。あるいはウソだと思いたいかもしれない。しかし、毎年の赤字国債の元凶は、防衛費や文教科学振興ではない。社会保障費や地方交付税交付金なのだ。これらが「身の丈に合った額」になっていないから、予算が嵩むのである。

色々と分析してみた結果として、その放蕩の中身を大雑把に三つ、主張したいと思う。第一は社会保障費、第二は地方交付税交付金、第三はゾンビ企業の生き残りである。以下、これらの詳細を解説しつつ、改善案を提示する。

第一の社会保障費だが、健康保険、(老齢)年金、介護保険、生活保護、その他各種補償・控除補助などがある。このうち大きいのは健康保険と年金である。現在の健康保険や年金の問題は、大きく分けて以下の三点である。第一に、富裕層でも一律に支給されていること。第二に、補償の範囲が広すぎること。第三に、個人ベースで規定され、積み上げ式に制度が決まっていることだ。

富裕層でも一律に支給されていることは説明しなくても分かるだろうから飛ばすとして、次に補償の範囲だが、これは海外に比べて広すぎる。例えば、市販薬と殆ど変わらないような薬が保険適用で入手可能である。風邪薬、痛み止め、湿布などに対しては、医者で処方するのではなく、ドラッグストアで自費で買え、というのが海外のスタンスである。また、リハビリやマッサージの類でも幅広く保険適用になるが、これも海外は厳しい。だが一番の問題は、総額制限をしていないことだ。要するに、総額で見て赤字であることに対してのフィードバックがないことだ。

これより考えられる社会保障費の改善案は、まず原則として個人の資産と所得を考慮した応能負担とすることである。要するに金持ちは高く払え、ということだ。次に保険適用の範囲を欧米並みに狭めること。第三に総額規制を行い、自己負担率は変動制とすることだ。

例えば、健康保険の自己負担率を一律20%にするのではなく、毎年総額から再計算して「今年の自己負担率」を発表する、といったものにする。もちろん応能負担なので、平均的所得の人を中心として上は高く、下は少なくしてやる。年金も同様で、資産と所得の平均像を中心として、上は少なく、下は厚くしてやる。但し当然、下限が生活保護以下に落ちてしまうと生きていけないので、そこは考慮する。必然的にその分、上の負担は重くなる。

少し脱線するが、現状の生活保護は線引きが分厚く、資産のほとんどを吐き出す必要があるなどと適用が難しいが、このような「なだらかな保護」であれば抵抗も少ないと思う。生活保護制度は廃止して、「困窮度に合わせた全年齢年金」にする方が良いのではないか。ベーシックインカムと言っても良いが、通常のベーシックインカムは一律同額支給なので、ここは異なる。

次の地方交付税交付金だが、ここでの問題は主にインフラ整備である。電気ガス上下水や道路などインフラは、自治体には全市民に提供をする義務があるのだが、その対価が過疎地と都市であまり変わらない。近年では水道料の高騰などが地方でニュースになったりしているが、それでもまだ応益負担にはほど遠い状況にある。そして全体として赤字になっている。これを税金で補填しているのだ。

インフラのコストパフォーマンスは、人口過疎地では極端に悪くなる。だから、過疎地ほどそういったインフラのコストは多く負担すべきだ。それは例えば上下水道の料金が十倍になるなど極端な事態を生むだろうが、実際にその費用は掛かっているのだ。

それをなだらかにしようとするのは分かるが、それは自治体の判断だとしても、総額としての費用と徴収額は一致させるべきであろう。そもそもその「なだらかにする」という行為は、都心で必要以上に徴収し、それを過疎地にバラまいているという意味なのだから、都心の住民はそれを受忍すべきである。それもイヤというから借金に逃げる、その積み重ねが今の状態なのだ。

地方交付税交付金は、県をまたいで「都心の受忍により地方を支える」という制度である。しかし、現状では東京都を除く全ての道府県が赤字であり、明らかにバランスを欠いている。総量規制が効いていないので、地方が身の丈以上に贅沢をし、それを都心が支えている状況になってしまっている。

「いや、贅沢だなんてとんでもない」と地方の人は思うだろう。実際に生活は苦しいし、都心よりも所得は少ない。だが、その感覚がこの総量規制の発想を捻じ曲げているのだ。実際には、過疎地に住む人にはもっと覚悟が必要なのに、「なだらかなインフラコスト負担」のお陰でその覚悟が弱くて済む、それが今の状態なのだ。これはいわば茹でガエル状態である。現実はもっと厳しいのに、視野が狭いのでそれが見えていないのだ。

これを解決する手段として、コンパクトシティという発想は既に存在している。要するに「都会へ住みましょう」ということだ。都会はインフラのコストパフォーマンスが高い。すなわち、同じ額でより多くの人にサービスを提供できる。だが日本では住居の自由が法律で定まっており、あくまでも「誘導」であり強制ではない。そして結果としてコンパクトシティ化は成功していないのだから、その誘導は弱すぎると言える。

だから、地方はまずコンパクトシティ化を強力に推進すべきである。これは単に、きちんと応益負担、総量規制で計算すればよいだけである。つまり、相対的に都心のインフラ負担(水道料金など)は今より安くなり、過疎地のそれは極端に高くなる。それらを全て足した額は、コストと徴収額で一致する。そうであれば、結果として住民が居座ったとしても、きちんと負担はしてもらっているので赤字にはならない。

第三のゾンビ企業だが、世界では日本とイタリアでゾンビ企業の割合が突出して高いそうだ。ゾンビ企業は利益を生み出していないので、そこで働いている人は国や自治体の補助や銀行からの借金で生き永らえている。つまり国から見れば一方的なコストになっている。だがそこで倒産すれば、一旦は失業者になるが、他に人材を募集している新しい企業に就職し、そこで利益を生み出すことができる。人材を募集している企業はそもそも人手が足りないから募集しているのであって、その理由はもちろん仕事があるからである。つまり、マクロに見ればこれは新陳代謝である。日本はこの新陳代謝が上手く行っていないのだ。

なぜ日本は新陳代謝が上手くいかないのかというと、日本では、中小では特に、オーナーが会社の借金の補償をしている(無限責任)というケースが多く、会社が潰れると即オーナー一族は地獄に落ちてしまう構造になっているからだ。だからオーナーは倒産を極端に恐れる。そこで金策に走ってとりあえず凌ごうとする。それに呼応して国や自治体も補助をするし、銀行も追加融資で生き永らえさせる。しかしそれで事業が好転するわけでもなく、結局は首が回らなくなって倒産する。その時、金策によって借金は更に嵩んでおり、オーナーの地獄「度合い」はもっと酷くなる。

こういう形態は世界でも珍しく、このためになかなか事業を整理できないのだ。ゾンビ企業を生きながらえさせるためのコストは国家予算ベースで1~2兆円だが、再就職による新たなGDP創出の機会を失っているという観点で見ると、5~10兆円規模の損失になっている。

鷹の視点で見れば、倒産は新陳代謝になるため、悪いことではない。それを阻んでいる悪しき慣習を破壊し、倒産しやすくさせてやるべきである。

ただ、倒産によって職を失う人の全てが、すぐに次の職に就けるわけではない。大まかには10%くらいがすぐに再就職できるが、残りはいわゆるリカレント教育が必要である。海外ではここも充実しているのだが、日本は弱い。だからこれを充実させることはセットで提供する。もちろん失業保険や生活保護(ないしは全年齢年金)も活用することは大前提である。

大雑把に、第一(社会保障)で10兆円、第二(地方交付税交付金)と第三(ゾンビ企業の整理)で5兆円づつ、合わせて20兆円を目標にする。こうすれば毎年の新たな国債発行は10兆円に抑えられ、10年程度掛けて国債費(返済額)を現状の30兆円から20兆円程度に減らすことができると推測できる。この時期には新規国債発行がゼロにできるだろう。これを50年続ければ、国債残高を200〜400兆円程度まで減らすことができる。

この程度までくれば必ずしもゼロを目指す必要はなく、プライマリバランスを再びゼロ近辺にしつつ、余った予算を大胆に投資に回すことができる。

2026年1月27日火曜日

本並みの映像と再生機器

 意味不明と思われるかもしれないが、ちょっと我慢して聞いてほしい。

Youtubeの膨大な動画の中には、書籍を解説したコンテンツが多くある。15~30分程度の要約で、人にもよるが、わかりやすく解説してくれているものも多い。

また、教育コンテンツも多くある。とある男とかカーンアカデミーとか、小中学生向けのものが多いが高校大学向けのもの、企業向けや社会人学習に向けたものなども多数ある。

これらがあれば本は不要なのではないかと思う人も多いと思うが、個人的にはまだまだ本の出番が多くある。それには主に3つの理由がある。

第一は、コンテンツの「深さ」が足りないことだ。つまり、本を読めば書いてあることでも映像になると省略されてしまい、(コンテンツ制作者が考える)要点のみしか出てこないことだ。これには2つの欠点があり、一つはコンテンツ制作者のフィルターが掛かってしまい解釈がネジ曲がったり強調点がズレる、つまりは本の言っていることとは違ってしまう可能性があること(そして事実違っている映像も多い)。二つ目は省略された説明が故に納得感が得にくいとうことだ。

第二に、映像ではペースが変えられないことだ。つまり、本は興味がなかったり既に知っていたりするところは飛ばして読むが、映像はずっとおなじペースで続くので、時間効率が悪いのである。いや再生速度は変えられるとはいっても、Youtubeの場合はせいぜい2倍、有料版でも4倍である。しかもその操作はページめくりと違って非常に面倒だ。本は5倍10倍の速度で読み飛ばすことは可能だし、速読を身につければもっと高速に読める。しかし映像を5倍速にするとまず聞き取れない。

つまり欲しいのは、①簡単な操作で読み飛ばしができる、②省略されていない詳しい映像、である。②はオリジナルの作り方を変えれば何とかなるが、同じ作りだと①が実現できないので、ここには工夫が必要である。

実はこの実現方法は簡単で、画面の一部を固定にして「目次と現在位置」を常に表示してやればよいのだ。映像の中に織り込んでも良いが、ビュワーでこの「目次と現在位置」専用の表示スペースを作ってやるというのも一案だ。

映像の飛ばし見にはもう少し工夫してもらう。再生スピードは2倍が上限で、それ以上早くするときは自動的に飛ばし見になる。それも0.5秒は2倍速で再生し途中を飛ばす、といった再生にする。映像もそれに合わせる。つまり手を離していると1倍速再生、ちょっと動かすと2倍速、更に動かすと0.5秒毎に2倍速で1秒分を喋り5秒飛ばす、などとする。

またその調節は、できればスクロールバーではなく、ダイヤルやジョイスティックのようなハプティックデバイスを使いたい。Kindleのような専用端末にこれをつけてやるのがよい。

さて、3つ目の理由だが、これは単純に圧倒的にコンテンツの量が少ないことだ。Youtubeの動画数は50億本程度、本の数は2億冊ということらしいが、Youtubeの動画の半分は5分以下、40分以上のものは3%しかない。本にも色々あるが、一般的な書籍は250ページ以上あり、これを読むのには5時間は掛かる。それを映像化しようと思ったら、5時間では済まないだろう。簡単な試算だが、8時間は掛かる。まあ要するに、Youtubeの動画の殆どはゴミであり、書籍に匹敵するような良質なコンテンツは非常に少なく、本には遠く及ばないということだ。ただこれは、映像コンテンツの充実を待つしかない。これは鶏と卵の関係かもしれない。

映像コンテンツの使い勝手が本と同等以上になり、こういう専用デバイスとコンテンツが十分にあれば、本を捨てても良い。以後「本棚」は歴史に埋もれていくことになるだろう。

2026年1月26日月曜日

政治停滞のコスト


高市氏が、通常国会招集冒頭に解散することを決め、世間が混乱している。

現在、高市氏の支持率は高く、今解散すれば自民党が単独過半数を獲ることができるだろう、という読みなのだろう。だが解散により予算案を始めとする法案は全て廃案となる決まりなので、政治停滞に対する非難が起きている。

ではその停滞による損失はどのくらいなのだろう。こういうものは従来、プロが綿密に調査するしかなかったので曖昧だったが、近年は生成AIの進歩によってあっという間に概算できる。そこで分かったのは、この損失は結構大きい、ということだ。なお、この推測にはGeminiを使用した。

選挙費用や政党交付金の変動は合わせて千億円程度とのことだが、これはまだ小さい方である。大きいのはGDP押し下げ効果で、これは6千億から1.8兆円になるとのことだ。株価の時価総額は一時的に10兆円規模で下落するが、これはある程度戻るだろう。全体では、数兆から十数兆円が一時的に毀損し、戻った後でも最終的には1.2兆円ほどの損失になると出た。

では逆にメリットは有るのかというと、これは政治がその後スムーズに行くだろう、という予測になる。与党単独で過半数を取れればもちろんそうはなるだろう。だがそれが必ずしも日本の国益になるかは分からない。つまり、誤った政策がスムーズに進めば、それはマイナスに効いてくるからだ。以前、高市氏の「確証バイアス」について議論したが、どうも高市氏は歴代総理の中でも確証バイアスが突出しているようで、つまりは行くと決めたら突き進んでしまうため、ブレーキが効かず、危険だ。

公約の消費税時限撤廃もそうなのだが、高市氏はどうもマクロでの数字を見ていないように思う。じゃあ歴代総理が見ていたか、野党は見ていたか、というとそうでもないのだが、だから良いというわけではもちろんない。これも以前から言っていることだが、量的議論は大事だ。特に国のように大きな存在は、それを避けるべきではない。

今からでも遅くはないので、高市氏と閣僚には、全ての政策・全ての行動に対し、この考えを取り入れてほしいものだ。

2026年1月24日土曜日

ジャパンファンドとしばき忍者部隊


 中道改革連合が提案しているジャパンファンドについて調べてみた。

これを大雑把に言うと、政府が色々なところで細かく持っている資産を、一つの「バケツ」に集約し、それをGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用ノウハウをもって運用しようというものだ。資産総額は500兆円、目標は年1%ということなので毎年5兆円の利益になる。その「細かく持っている資産」を具体的に言うと、外貨準備金200兆円、日銀保有のETF80兆円、財政投融資の剰余金・基金220兆円、ということらしい。

さて、これをどう評価するかだが、実現性のところを除けば大変興味深い。しかも、1%というのはかなり控えめな数字で、一般的には6%くらいは(年平均として)」イケると思う。6%とすると30兆円だが、これは消費税を全廃してもお釣りがくる規模になる。国家予算に対しても四分の一程度と相当の割合になるので、かなりの助けになる。

但し、これは消費税を全廃するのに使うのではなく、千兆円の借金返済に使うべきである。年6%として30兆円、このうち20兆円を返済に当てるとしても50年以上掛かる計算だが、これで公債費は少しづつ減っていくはずだし、何よりも高金利時代に向けた貴重な防衛策になる。残り10兆円はその時々の緊急事態に使えば良いし、それがないなら全額返済すればよい。また、公債費はこれで毎年徐々に減っていくが、その差分をこのファンドに組み込むことで、ファンドを大きくし、年間利益も増やしていくのがよい。

一方で実現性は期待薄である。単純に、その資産を持っている部署が賛同するとは思えないからだ。もし賛同しても、大量の法律の書き換えが必要になるなど手間は大きく、年単位で時間が掛かるだろう。中道の公約というのも大きく、自民が表に裏に妨害するだろう。

また、本来の目的にすぐに使えなくなるという懸念もあるだろう。だがこれはファンドの一部を現金等価物で保持しておくことである程度回避可能である。

そして、一度実現したとしても、それを長期に渡って当初の目的通りに運用するのは困難だろう。つまり、目先の利益にそれを使おうとする輩は必ず現れ、それが国民を先導して世論を作り、実現してしまうだろうからだ。そして元本は徐々に削られ、ファンドの規模はなし崩しに縮小していくだろう。

これには前例がある。山田宏区長(当時)が1999年から2010年にかけて断行した「杉並改革」がそれだ。当時杉並区は1000億円もの借金(区債)を抱えていた。これに対し、山田区長は徹底した歳出削減と資産売却を行い、借金を400億円台まで劇的に減らし、公債費を抑制した。そして借金返済に充てていた資金を「減税基金」として積み立て、その運用益で将来の減税を目指したのだ。

だが、山田氏が退任した後、後任の区長たちによって、積み立てられた「減税基金」は、結局「減税」ではなく「一般財源(教育や福祉のハコモノ建設)」に流用されるようになった。現在では「公共サービスの拡充」という、全く別の用途に使われいる。そして借金は再び増え、600億円前後になっている。

大衆は眼の前のカネにどうしても目が行ってしまう。これを我慢して当初の目的を継続するのは、極めて困難だ。ましてや500兆ものカネにはそれなりのツワモノがぶら下がりたがるだろうから、その圧力は極めて大きい。極めて強い力で守り抜かないと、この目的は達成できない。そして中道にその力はない。

さて、個人的には、このファンドはぜひとも成功してほしいと思う。そこで考えるのは、このファンドが当初の目的通り、国債残高を減らし続けるための強力な仕掛けだ。そして、50年に渡って不変の原則を保つというのは、法律を作ったとしてもなかなか難しい。安倍やトランプのように、法を蔑ろにする輩は必ず出てくるものである。

そこで考えるのが「沈黙の艦隊」のようなシステムである。つまり、政府から完全に独立した攻撃部隊を創り、明示的なルールを定め、それを破ったら暴力による報復がある、またその報復は忍者のように誰がどこからしてくるかわからない、とするのである。ファンドの一部にこの財源を充て、その組織を運営する。つまり、このルールを破ろうと画策する者が現れたら、闇から忍者が現れてしばき倒すのである。これを仮にしばき忍者隊と命名する。

もちろん平時は何もしないので、誰が忍者かは分からない。政府要人、省庁の官僚、あるいはトイレ掃除人かもしれない。そしてそれは一人ではない。一人を倒しても、いくらでも代わりが現れ、しばきに来る。もちろんしばかれたことは公になるし、このしばきは合法なので再報復は許されない。

しばいてもしばいても我を曲げないようなら、忍者はその人物を政界から「排除」する。ある日突然行方不明になったり、重症を負い議員を続けられなくなったり。そうやってルールを守らせる。

かなり過激な案であるし実現性もゼロではあるが、このくらいはやらないとファンドの精神は3年も保たないだろう。

2026年1月23日金曜日

衆議院議員選挙の争点:消費税減税のコスト一覧

 

過去、

https://spockshightech.blogspot.com/2025/04/blog-post.html

https://spockshightech.blogspot.com/2025/04/blog-post_26.html

https://spockshightech.blogspot.com/2025/05/3.html

という検証をしていたわけであるが、高市政権が解散総選挙をすることになって、今までそれを否定していた自民党も消費税減税を公約に掲げる公算となってきた。1月22日時点での各党の主張を基に、その効果を定量的に分析してみたので披露する。なお、試算にはGeminiを使用した。

2026年衆院選:消費税減税公約の定量的比較表

政党・連合公約の内容2年間の歳入減(国・地方)2年間のGDP収支予想(正味)工学的・経済的リスクの所在
自民党(高市政権)食料品0%(2年時限)約 9.6兆円約 -2.5兆円 〜 -3.5兆円最悪の効率。 復路の増税ショックと2度のシステム改修コストがプラス分を完全に食いつぶす。
中道改革連合(立民+公明)食料品0%(恒久)約 10.0兆円約 +0.4兆円 〜 +0.8兆円復路のショックはないが、財源(ファンド運用)の不確実性が高く、将来の社会保険料増を招く懸念。
日本維新の会一律5%(2年時限)約 28.0兆円約 -8.0兆円 〜 -12.0兆円減税規模が大きすぎて、2年後の「5%増税」の反動が日本経済を恐慌レベルに冷え込ませるリスク。
国民民主党一律5%(実質賃金連動)約 28.0兆円約 -5.0兆円 〜 -9.0兆円期間が「実質賃金」次第で不透明。企業の価格戦略やシステム改修のタイミングが読めず現場が混乱。
共産党・れいわ5%以下・廃止(恒久)約 30兆 〜 50兆円推計不能(要・大幅増税)法人税・所得税の急激な増税をセットとするため、資本逃避や投資意欲減退によるGDP下押しが甚大。
意外にも、というか、中道改革連合の提案である「食料品0%(恒久)」のみが経済効果でプラスだった。自民案(2年時限)はその次にマシだが既にマイナス、維新・国民民主はダメダメ、共産党・れいわは問題外という結論になった。

以前にも話したことであるが、消費税全般を一律減税する維新・国民民主・共産党・れいわは財源の問題が大きすぎ、また自民党の案がダメなのは時限であるところだ。ただこれは2年間の比較であり、10年で見るとまた違った結果が出ると思われる。

一般大衆にはこういう計算は分からないから、(この政策に関しては)自民と中道で迷うのではないかと思う。中道の方が魅力的だが自民もそれほど悪くない、と見えるだろうし、なにせ自民は与党であるから実現可能性は高い。

そこで考えるのは、とりあえず時限ということで始めて、時期が来たらズルズル引き延ばせば良い。だから自民に投票しよう、というものになるのではないか。中道が勝っても自民が勝っても似たような結果になるのだし、どうせこの二党が上位二党になるのだろうから、どちらに投票しても大して違いはない。

なお、財源の10兆円だが、GDPの増加で対応できるとは考えないほうがよい。10兆円の財源を得るためにはGDPが10兆円増えれば良いのではなく、その数倍のGDP増が必要である。所得税の場合で平均6.5%程度だとされており、消費税では9.6%程度なので、逆算すると、10兆円税収を上げるためにはGDPを80~90兆円上げる必要がある。これは現在のGDP600兆円に対して15%ほどの増額になる。

GDPを15%、2年以内に上げる、しかも恒久的に、というのが財源確保の条件なわけだが、現在の日本の潜在成長率は0.5%である。つまりそれを10倍の5%にしたとしても2年ではまだ足りないわけだ。全くもって不可能であり、試算するのもアホらしい。

だがこういうアホな試算すらしないのが現在の日本の政府であり、日本国民なのだ。借金が千兆円を超えているのもそれが理由であることは言うまでもない。国民一人ひとりはそんなに無謀な借金はしないのに、なぜ国はそれをして平気だと思うのか、理解しがたい。

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