2026年2月17日火曜日

3Dプリンター木造建築工法

3Dプリンターを使った建築は、いくつか実用化し始めている。だがこれらはコンクリート前提であり、重く、建築確認も難しい。木造でこれをできないかと考えてみた。これをご紹介する。

まずは構成から。


壁はリグニン配合木粉エンジニアリングウッドで形成する。この壁は構造材ではなく、後で示す断熱材充填の器として、また同じく後で示す構造材の器として形成する。

構造材は、バサルト(玄武岩)ファイバーコイルとリグニン配合木粉エンジニアリングウッドで構成する。壁を3Dプリンターで作る際、構造材となる部分は縦穴となるように隙間を開けておいて、ここに上からバサルトファイバーを差し込み、隙間をエンジニアリングウッドで埋める。この隙間を埋めるエンジニアリングウッドは、壁材と違ってリグニンを高配合した硬い素材である。

また、このリグニン高配合素材は、内壁のごく薄い部分にも使用する。これは防湿材として機能する。一方、最外壁には微細な穴を開けて放湿する。

バサルトファイバーは単体では自立できないので、あらかじめエンジニアリングウッドに浸漬し、薄くコーティングした棒材として作っておく。これは50cmサイズで、数本を束ねて性能確保するものとし、縦方向には少しづつずらして配置する。

縦穴にバサルトファイバーと高リグニン木粉エンジニアリングウッドを充填すると、これが固まって構造材としての性能を出す。

断熱材としては、木質ファイバーと発泡リグニンの混合材を使用する。壁材はあらかじめ中空で作り、その隙間にこの断熱材を注入する。

3Dプリンタは、3種の素材、すなわち壁材用、構造材用、断熱材のノズルを持ち、またこれとは別にバサルトファイバー棒を自動供給するロボットから構成される。


これらを作るに当たって検討したことは、次のとおりだ。

  • コンクリート3Dプリンタは今でも鉄筋の補充が必要で、自動化の程度が低い。途中で人の手が多く掛かるようではダメ。できるだけロボットが自動で作れる必要がある。
  • コンクリートは断熱性が低く、自重も重いため、地盤が弱いところでは使いづらい。木質系で考えたい。
  • 木粉エンジニアリングウッドは構造材(柱)として認可されていないが、これは引張強度が足りないため。だから鉄筋のような引張耐性のある素材が必要。
  • 鉄筋は錆びるが、コンクリートが強アルカリのため使える。エンジニアリングウッドは中性だからこの手は使えない。
  • エンジニアリングウッドと鉄筋の熱膨張率は違い過ぎるので、使うには色々工夫が必要。熱膨張率が近い素材を使った方が楽。
  • バサルトファイバーは鉄筋より熱膨張率が木に近いが、まだ少し差があるので、コイル状に加工して使う。また自動で配置するには繊維のままでは扱いづらいので、後に充填する素材と同じエンジニアリングウッドに浸漬し、棒状にする。
  • 3Dプリンタでファイバー棒を扱うには長いと都合が悪いので、50cm長とする。するとそのつなぎ目は当然引張強度がないため、複数を束ねて使い、少しづつずらすことで対処する。
  • 断熱材も自動充填したいが、発泡ウレタンは熱膨張率が高く、また透湿性がないこともエンジニアリングウッドと相性が悪い。
  • 木質ファイバーだけだと射出困難なので、発泡リグニンとの混合材として使用。発泡リグニンが木質ファイバーの位置固定に役立ち、自重で沈むなどの経年劣化を押さえてくれる。
  • 構造材の品質を安定して出せるので、建築確認を取得しやすいことが期待できる。
    • 3Dプリンター建築は縦方向の引張強度が出せないので、日本では建築確認が難しい。これを避けるために鉄筋や鉄骨をわざわざ入れて、3Dプリンター建築の良さを台無しにする設計がまかり通っている。

この建築法には興味深いところがいくつもある。総じて言うと、3Dプリンター建築と言っても全てができるわけではないのだが、コンクリート住宅の場合はできなかった手間のいくつかを省くことができる。


  • 防湿材を貼る必要がない。内側から外側に向けて透湿性が順に上がる設計である。また防湿材の隙間や貼り忘れの心配がない。
  • コンクリートと違って木材用の加工が可能であり、細かい調整が現場レベルで可能である。
  • ベッドや棚など簡単な構造のものは一緒に作ることができる。
  • 配管の穴などもあらかじめ作っておける。
  • 支持材は必要だが、床材や天井材も一体成型できる。(さすがに屋根は無理)
  • 隙間無く作れるから、高断熱だけでなく高気密が期待できる。
  • 施工にミスや手抜きがあり得ないので、コンピュータシミュレーションの結果と現物の差は小さくなる。
  • 材料のバリエーションが極めて少ないので調達が容易である他、解体でも廃材の整理がしやすい。
  • 人間の手を煩わせるところが極めて少なく、一般の建築はもちろん、3D プリンタコンクリート住宅と比べても、建築スピードを速くすることが期待できる。
  • 材料の大部分は木粉とリグニンであり、難燃性ではあるが高熱で処理すれば燃える。つまりサーマルリサイクルは可能である。また一度硬化したリグニンは回収困難だが、コンクリート同様骨材としてのリサイクルは可能である。
  • リグニンは熱硬化性樹脂である。つまり吐出と共に熱処理すれば直ぐに硬化するので、コンクリートと比べて高速に建築が可能である。

この仕様でのコストを生成AIに見積もってもらったところ、木造や3Dプリンターコンクリート住宅よりは高く、鉄筋コンクリート住宅よりは安くなるという微妙な結果になった。だが、その高価格の主な要因であるバサルトファイバーとリグニンの価格は、今後5年で劇的に下がる見込みがあるとのことであり、もしそうなれば木造住宅も3Dプリンターコンクリート住宅もぶっ千切って、最低の坪単価となる。試算によると、坪単価は40万円だ。つまり100平米(30坪)でも1200万円でできる。今の時代、ちょっととんでもない低価格である。

これは見込みがあるのではないか。どこかの建築会社で検討してもらえないだろうか。

2026年2月16日月曜日

メタバースが世界を救う

非常に大雑把な一般論だが、ハイテクは上手く使えば格差是正になる

その良い例は音楽制作だ。かつて音楽は大金持ちや貴族のたしなみで、庶民は縁遠かったが、今やYouTubeでボカロ曲が普通にヒットする時代になった。これは作曲家や演奏家の大衆化と言える。裾野が広がったことで大量の音楽家ができ、世の中には音楽が溢れるようになった。高度な学習も高価な楽器も必要ない。パソコン一つでプロ並みの音楽を作れるようになった。

もっと生臭い例を言うと、ロシア・ウクライナ戦争においてドローンが大活躍している。ロシアとウクライナの戦力差は本来なら致命的なもののはずだが、ウクライナがドローンを上手く活用しており、その戦力差は縮まっている。鳥取県と同程度の経済規模しかない北朝鮮が米国と渡り合っているのは、核兵器があるからだ。

これに準じて、もし全ての国でメタバースが本格的に普及したら、どんな格差が是正されて世界は平和になるのだろうか、と考えてみた。

単なるインターネットとメタバースが異なるのは、視覚情報をフルに使って、また体を使って表現ができることだ。プログラミングなどの技巧的なものがなくとも、例えば幼児でも、簡単に国際交流ができる。この、より直感的な交流は、一つの重要な鍵になるだろう。自動翻訳がこれを更に助長する。

そしてもう一つは、ワールドの設計である。お互いがお互いを無視するワールドも、共存するワールドも、敵対するワールドも作ることができ、それらは独立に動かせる。つまり無視したい人は無視ワールドに、共存したい人は共存ワールドに、と棲み分けができるのだ。これは、例えば宗教対立のような問題に、一定の切り分けをすることが可能になる。例えば、キリスト教用とイスラム教用と共存用の三種のワールドに各々総本山(メッカ)を作り、どれが正でどれが副ということはない、と定義できる。(もちろん対立用ワールドを作って中でつかみ合いの喧嘩をすることも可能だが、バーチャルである限り無害である。)

ただ、メタバースによる格差是正は、あくまでもオンラインに乗るものだけだ。人はメタバースだけで生きるに非ず。現実には毎日食事をしなければならないし、風呂やトイレも必要だ。物価も住んでいる所によって違う。電気ガス水道通信、医療もリアルな世界では必要だ。

現実の生活において、バーチャルに移行できるものが何割あるかによって、その格差是正の程度は変わってくる。概ね、今のインターネットで出来ていることはそのままメタバースでも使えるだろが、メタバースでプラスアルファでできるようになること、メタバースで使い勝手が良くなり利用者が増えるであろうこと、がどのくらいあるか。

まず教育。移行できないのは走り回るスポーツ、柔道のように相手と接触するスポーツ、水泳、などが考えられる。卓球は既にできるし、体操や太極拳などもアプリがある。だがホームルームや学園祭など、バーチャルでも可能ではあるがリアルでやりたい、という需要も一定量あるはずで、特にその傾向は低学年ほど多いだろう。

次に仕事だが、リアルな生活に関わるところは不可能だ。例えば配達・運送、クリーニング、販売、農業漁業工業、食堂、インフラ(水道など)の保守、建設、介護・看護・医療、消防警察軍事、ゴミ回収や清掃などが考えられる。その各々の事務処理など部分的にはバーチャル移行が可能だが、その割合は多くないはずだ。プロスポーツを除くエンタテイメントの多くはバーチャルに移行可能だろうが、リアルに見たいという需要も一定数あるはずだ。

事務作業やプログラミング等は、国際的に分散する方が有利である。いわゆるIPであるが、メタバースにより従来より敷居は低くなるだろう。世界中が休みなくつながりAIアバターも使える状況においては、仕事のチームはむしろ世界に分散している方が有利である。つまり時間差で仕事を引き継いで行う形態が日常化するため、時間帯ごとにメンバーを募集するようなことが起きるだろう。

また、メタバースで完結する仕事については国際的なコスト(賃金)格差が縮小するだろう。端的な話、日本のような先進国では海外に仕事を持っていかれる率が高くなり、相対的に単価は下がる。ただ、持っていかれる先である海外(インド、フィリピン、ベトナムなど)でメタバース上の仕事を請け負う人たちは、安い給料の中でメタバース機材を揃え先進国並みの仕事ができるエリートである。

こういったものを経て、人生の何%がメタバース上に移行することになるのだろう、と色々計算を続けてみた結果、先進国の中間~上位層では30~60%が(低所得者層・新興国では10~30%が)メタバース上に移行する、との結論を得た。これは今後10~20年で起きる。分野によって移行化度は異なる。日本の場合、今の電子化率と比較して解説すると、以下のようになる。

領域 現状の電子化率 メタバース化の将来推計 根拠
行政 30〜40% 60〜80% 窓口業務の大半がオンライン化可能(高齢化で対面維持困難)
教育 20〜30% 40〜70% 教員不足・地域格差、XR授業の普及
医療 10〜20% 30〜50% 遠隔診療の拡大、医師不足
仕事 20〜30% 30〜50% 例外処理は残るが、会議・研修・一部作業がXR化
消費・娯楽 30〜40% 40〜60% EC+XRショッピング、XRライブ

ただこれは日本の平均であり、上位所得車窓では当然割合が上がり、低所得者層では低くなる。

また、これはここ10~20年の数字であり、遠い将来には80~90%がメタバース化可能になる。実用的には、先進国で70~85%程度がメタバース上で過ごすことになると予想する。

ここまで調べた上で考えると、結論としては


メタバースの普及は国際格差(国同士の富の差)を減らす


ということが言える。但し「先進国では国内格差が縮小するが、新興国では広がる」ことになる。

なぜかというと、新興国の上位10~20%の層は、先進国の事務作業をIPで奪うことになるだろうからだ。従来だと大規模開発の特定モジュールといったやり方しかなかったが、メタバース普及後はちょっとした例外処理を含む事務作業のレベルで発注が可能になる。すると結果としては先進国から仕事を奪うことになる。

一方、下位80%の層はこの恩恵に預かれない。従来より仕事が減る訳ではないが、上位層がリッチになるので結果として格差は広がってしまうのだ。だから新興国は、その上位層からの納税増を基に教育を充実させ、インターネットを普及させ、先進国から仕事を奪う層を広げていく必要があるだろう。

また、メタバースの普及は必然的に人の移動を減らす。オンライン会議がより普及するからだ。一方で物流は増えるだろう。ケータリングや宅配などだ。そして後者は前者より環境負荷が小さくなると考えられ、これは燃料たる石油消費を抑える方向に動くだろう。つまり環境変動(地球温暖化)阻止にも貢献する。

また先に示したように宗教紛争は抑える方向に動く。これをもっと広く捉えると、


メタバースの普及は戦争紛争テロといった暴力を減らす方向にも働く


のではないか。

ここには大きく二つの根拠がある。第一は、メタバース空間はインターネット以上に統制が取りづらく、またアバターがデフォルトなので、市民レベルでの国際交流は増えるのではないかと考えるからだ。紛争は相互理解が増えると減る傾向にある、というのは心理学上からも実績からも誰もが認めるところだろう。

第二は、メタバース空間で過ごす時間が大部分になれば、戦争紛争の大きな争点である民族対立や領土問題の価値は相対的に低減するからだ。従来のイメージでは

領土=生活空間+文化空間+経済空間+資源空間

だったのに対し、メタバースが普及することでその意識が

領土=資源空間

だけになる(他の要素がゼロになるわけではないが、重要度が下がる)。石油や稲作は必要だから完全にはなくならないものの、その価値が低下すれば争う意味も低下するだろう、と考えるのだ。

そして、第一第二をあわせて考えると、いわゆるナショナリズムは低下するし、国のプロパガンダの効力も低下する。そうなれば恣意的な戦争は国としても起こしにくいだろうし、大義名分があってもその支持率は相対的に低下する。

エストニアは積極的に電子政府化を進め、これが世界的知名度と地位を上げる結果となった。メタバースでも同じだ。メタバースに積極的に展開する国は、世界から知名度を集め、交流が広がり、結果として国を守ることにもつながる。

日本ではあまり効かないかもしれないが、小国はこの方向性を積極的に取り入れてはどうかと考える。

2026年2月14日土曜日

労働生産性向上策2:雇用と賃金

以前も

https://spockshightech.blogspot.com/2025/08/blog-post_05.html

のようなことを考えてみたが、また別の視点から労働生産性について考えてみた。

日本の労働生産性はOECDの中でも低位にある。何が労働生産性向上の足を引っ張っているかといろいろ考えてみると、例えばIT化の遅れや既得権益などと候補は山ほど出てくるのだが、そういうものを羅列してひっくるめて抽象化して、と試みた結果、最終的に出てきた答えはこうだ。

過剰な安定志向

つまり、雇用の安定を求める余り、それ以外のもの(多くの場合は新たなチャレンジの機会)を逸し、成長や効率向上にストップが掛かっている、というものである。この例を挙げてみると、

  • 正規社員の解雇に対する条件が異常に厳しい
    • これにより正規雇用の人数を控えて非正規社員を多くする
    • 余剰人員の仕事を作るためにわざと仕事を非効率にする
    • 中間管理職を多く作って合議制にするなど無駄な会議を多く行う
    • 飼い殺しの費用が新規投資の費用を食い潰す
    • 儲かっている時に設備投資ではなく内部留保にカネが向きがち
    • 多層下請構造を構成し中間マージンが過剰になる
    • 新規採用の正社員の求人が異常に少ないため解雇を極端に恐れる
      • 組合員が雇用の安定を重視するため、労働組合が賃上げ交渉に消極的になる
      • 雇用保険が労使折半(海外では全額雇用側のところも多い)
      • サービス残業、ブラック企業がはびこる原因になっている
  • 電子化、ICT化、業務再編などの遅れ
    • 取引相手の顔色を伺い過ぎてお見合いになる
    • (短期的な)費用対効果を過剰に気にして導入に躊躇する
    • 日頃の業務手順が変わるのを嫌い、全体最適化に反対する
  • 既得権益の見直しに消極的
    • むしろ参入障壁を作って安泰にしたがる
    • 土地の所有権や賃貸住宅の居住権が強すぎる
    • いつまでも見直されないパチンコの例外
  • 中小企業に対する手厚すぎる保護
    • ゾンビ企業(3年以上利益を出していない)の割合が多い
    • 会社が倒産しそうになると国や銀行がすぐ助けてくれる
    • それでいて経営アドバイスはしない(金銭補助だけ)
    • 企業の負債はオーナーの無限責任という場合が多く、倒産したら即地獄(だから倒産を恐れる)
  • 再雇用の道が閉ざされている
    • リカレント教育が弱い
    • 正社員市場が狭い
    • 契約社員から正社員への雇用義務(5年)がかえって正社員採用を阻んでいる(4年で切る)
    • 同一労働同一賃金(むしろ契約社員の方が高い)が徹底されていない
  • 小規模自治体への過剰な保護
    • まだ1700もの自治体がある そのうち3割は人口1万以下 殆どの自治体が赤字
    • 地方交付税交付金(16兆円前後)
  • 2、3年で次々に代わる管理職
    • 長期的な計画を立てても自分の成果にならないので、何もせず穏便に過ごそうとする
  • 合議制
    • 責任の所在を曖昧にし失敗しても誰も責任を取らない
  • 複雑化する一方の税制や社会保障費
    • 整理し一本化することへの労力が甚大

まだまだあるだろうが、大筋は押さえていると思う。つまり、日本人は正社員からはみ出ることに対して他国よりもずっと怖がりで、その不安を解消するために様々な策を弄している。その中には我慢も多くある。そのため言いたいことが言えず、社会が萎縮しているのである。

とここまでくれば、解決策は実は非常に簡単で、法律をいくつか変えるだけで済む。それは、

  • 正社員の解雇条件を海外並みに緩めること
  • 契約社員やバイトの賃金を、正社員より有意に高くすること(例えば10%以上)

たったこれだけである。正社員は安定している代わりに安い、契約社員やバイトは不安定な代わりに高い、そして正社員はクビになっても契約社員になれれば所得は向上する、という図式である。

安定の対価が安い給料なら、不安定の対価は高い給料であるべきだ。これは当たり前のことだが、現実社会では逆になっている。これが過剰な安定志向を生むのである。

これが実現すると、会社は従来よりも正社員を解雇しやすくなるが、これは業務の再編に有利である。浮いたカネで新規投資もできるようになる。また、無駄に管理職を増やすよりも少数精鋭で決定権をもたせる方が安く上がるので、無能な中間管理職はいなくなる。それは同時に意思決定のスピードも上げる。また、業績が悪くなれば解雇が可能になるので、防衛のための内部留保は少なくて良いから安心して設備投資ができる。管理職が少なく実働者が増えれば生産性は向上する。ゾンビ企業からは人が逃げ出すのでさっさと倒産するから、それを生き永らえさせる銀行や国の負担も少なくなる。会社に我慢しないからブラック企業も減るだろう。

全てが良い方に回り始める。細かい調整(労働条件や経過措置など)の詰めは必要だろうが、これくらいなら走りながら考えられるから、すぐにでも着手してほしい。

2026年2月8日日曜日

頭の良さと成功の確率

 
高須クリニックの高須幹弥氏がYoutubeで大量の動画をアップしているのだが、その動画の中に「頭の良い人の特徴」というものがあった。曰く、頭の良い人は論理的思考能力が高く、長期思考で、忍耐力が強いのだそうだ。また、「足るを知る」傾向が強く、どん欲に幸せや快楽を求めないのだという。

まあそこそこ納得したのであるが、そこでふと「では頭の良い人は大金持ちにはなれないのでは?」と考えた。貪欲さがなければ会社を大きくしようとするモチベーションは起きないからだ。さらに言えば、バフェット、マスク、ゲイツ、ジョブズ、あるいは柳井、孫、三木谷、前澤といった人たちが頭がよくなかったかというとそうではない。みな頭が良い。またしゃべりっぷりを見ている限り、高須氏自身もかなり頭がよく、かつ金持ちである。

うーん、これはどういうことだろう。また、では逆に、頭が悪い人が社会的に成功しているかというと、やっぱりしていると思う。与沢翼は一度成功したが浮気して離婚してクスリにハマった過去があるし、スポーツや役者で当たって大金持ちになった人の多くはその後堕落している。

そう考えて少し調べてみたところ(生成AIに感謝!)、そういう学術的研究は既に存在しているそうで、「Talent vs Luck」モデルという有名な定量モデルがあるのだそうだ。

才能(実力)は人口に正規分布で広がるのに対し、成功(富)はべき乗分布(パレート分布)になる。その理由は「運」のモデルである。

このモデルではコンピュータシミュレーションを行って結果を検証した。つまり、正規分布で広がる「才能」と、長期間に渡ってランダムに発生する「幸運」を掛け合わせ、成功者がどう分布するかをシミュレーションで追跡調査する、というものだ。そこで得られた結論は「そこそこの才能と多くの幸運」、つまり運の方が成功を左右する要因である、ということだ。

以前、

https://spockshightech.blogspot.com/2025/12/blog-post_05.html

という投稿をして、身もふたもない結論になったのだけれど、それと同じような結論になった。才能を磨くこと自体は成功の確率を上げるが、運にはかなわない、ということだ。

だが、こちらは身もふたもない話ではない。というのは、「運を上げる」ことは努力で可能だからである。これを端的に言うと「大数の法則」ということになる。

大数の法則とは、「確率的に起きる現象は、その試行回数が増えるほど発生数が多くなる」という現象のことだ。考えてみれば当たり前のことだが、これはつまり「外に出よ、機会を増やせ」という結論につながる。

例えば、あなたの欲求が「恋人がほしい」だとする。それにこの法則を当てはめるなら「出会いを増やせ」ということになる。部屋に引きこもってスマホを弄っていては「機会」は発生しない。しかし渋谷のスクランブル交差点に行って、気になる人を探しては道を尋ねる、ということを繰り返す、あるいは趣味のサークルに加入してみる。ネットのサロンで発言してみる、まあ何でも良いのだが、そうして「出会い」を増やせば、幸運の確率はそれに比例して上がるのだ。

そんなことしたって奇特に思われるだけだよ、嫌がられるよ、という気持ちは分かるのだが、それでもそれを千回繰り返せば、中には親切に道を教えてくれる人もいるかもしれない。それは部屋にこもっていては絶対に起きることのない「機会」である。千人に嫌がられても、千一人目に出会いがあれば、それで成功なのだ。

起業で融資を受けるのに銀行に何回も断られてようやく最後の一行に融資を受けられた、というのも同じで、「機会」を増やしたからできたことだ。このように「運」を能動的に得ることは可能なのであり、そして成功した人の多くはそれをやっている。それを「努力の賜物」と表現する人もいるだろうし、その何割かは確かに努力なのかもしれないが、これは実際には数学モデル的に正しい「運を上げる行為」である、ということが言えるのだ。

2026年2月7日土曜日

日本の移民社会化について

 
日本の人口減少率は、韓国などまだ上がいるとはいうものの、相当に激しい。日本の合計特殊出生率は2023年で1.20であり、これは2.07を下回ると人口減少という数字を遥かに下回っている。これを補うためには移民が必要だという議論がある一方、外国人の急激な増加に対する反発や不安が強いのが現状である。

現実問題として外国人は増え続けており、このままで推移すれば、2030年には外国人比率は3.5〜4.0%程度になると予想されている。2020年の実績が2.2%であることを考えれば、確かに急だ。ただ、イギリスは現在でも14%、2030年には15%だそうなので、全然深刻さは異なる。アメリカでも14.5%が15.5%になると予想されている。そう思えば、今の日本はまだまだ移民に慣れていないし、移民の数にしてもこの程度で留まるはずもなく、もっともっと増える。それも、何倍というレベルで増える。だから、先輩たる欧米に習った制度改革・意識改革が必要だ。

話は簡単である。受け入れに当たっての軋轢に関しては、日本人もある程度覚悟をすべきだし、受け入れた移民への教育の充実や資格認定などといった制度を整備すべきである。受け入れ側に(広い意味での)コストが掛からないなどということはあり得ないのだ。

この「覚悟」の具体的中身とは、文化的な摩擦が起きること、犯罪が増えること、教育にコストが掛かること、などだ。ある程度こちらから働きかけることは当然するとしても、今の生活を全く変えずに移民が一方的に日本に馴染め、というのは、現実として無理なのだ。もちろん全面的に我慢せよという意味ではないが、逆に言えば100%我慢せずに済むなどとは思わないことだ。

少し考えてみれば分かる。日本語がネイティブ並みに話せなければ受け入れられない、現地の文化習慣を完璧に理解しなければダメ、と言われたらどうだろう。これだけで、そのハードルは飛躍的に上がり、ごくわずかしか受け入れられないだろう。結果として、ごく少数の、地元には馴染むが仕事のできない移民が来るだけで、何のための移民なのか分からなくなる。日本が欲しいのは「働いてくれる若者」であって、日本の文化に馴染む者ではないのだ。技術を持ち、仕事をこなし、GDP向上に貢献してくれる人が欲しいのだ。評価基準が間違っている。

クルド人ヘイトや参政党の日本人ファーストは、イギリスでは鼻で嗤われるレベルの「ワガママ」に過ぎない。既に移民は多く日本に入ってきており、建築現場やコンビニなどでは日常的に見かけるようになってきている。中小企業にとって特に、移民はもう無くてはならない存在にまでなってきているのだ。そういう現実を無視していくら吠えたところで、何の解決にもならない。移民はもっと必要だ。その現実が分かっていない。

さて、ある調査によると、日本という国の外国人受け入れの文化的障壁は、欧米に比べて高いのだそうだ。それは単に制度の問題ではなく、社会慣習が違うからだ。その代表的なものは、規範意識の高さだ。社会のルールは、それが明文化されていようが不文律だろうが、また重要なものだろうがよくわからないものだろうが、とりあえず守るべき、と考えられている。これは逆に、ルールを守らないものに対する不寛容につながっている。外国人との摩擦の第一は、だいたいこれだ。

また、日本人は時間感覚に対してタイトだ。電車が5分遅れただけで社内アナウンスがあり、いちいち謝るのは日本くらいだろう。他にも、待ち合わせの時間にも敏感だ。友人レベルはともかく、社会人では5分の遅刻は致命的である。これも広い意味では「ルールを守ることへの固執」と言えるだろう。

日本語教室とか職能訓練とかは、それはそれでやってもらえば良い話である。だがこういった社会規範への固執は、外国人に「受け入れよ」と言うだけではなく、日本人全体に向かって「もう少し寛容になれ」とメッセージを発する(教育を行う)必要があるのではないか。

簡単な話である。2030年に外国人比率が4%になってそれが止まるかと言えば、あり得ない。2040年には10%とか15%とかになっている可能性はあるのだし、そうなれば海外との人の入れ替わりも頻繁になり、間違いなく教育は追いつかない。そういう移民が多い街では必然的に、社会のルールに対する意識はルーズになり、時間感覚も緩くならざるを得ない。受け入れ側たる日本人はそれを甘んじて受けなければならないのだ。

いやダメだ、厳格に管理し教育もするのだ、そうでない人は排除するのだ、と鼻息荒くイキがってみたところで、現実問題としてそれは無理だ。それができるものなら、アメリカでもイギリスでもそうしている。局所的にできることはあるかもしれないが、国レベルではハナから不可能である。

それは単純に規模の問題だ。1万人ならなんとか教育できても、百万人に対して厳格な教育を完遂するのは無理だ。日本語と生活習慣指導まで含めた一人あたりの教育コストを百万円として、年間30万人に教育を施すとなると、その予算は3千億円である。更に教育以外の費用、すなわち奨学金や就職支援、技術実習なども上乗せすれば、おそらく3千5百億円程度は必要だろう。これに対し、現在の外国人対応費はせいぜい数十〜数百億円程度であり、規模が一桁二桁少ない。

つまり、今の百倍の費用を捻出して教育に掛けなければ、その手法は不可能だ。そして、そこまでして教育を施したとしても、やはり数の暴力は生きている。つまり漏れはどうしても一定比率で生じ、外国人が増えるほど人数は増えていく。どうせダメと分かっているのだから、抵抗するのは無駄な努力である。

それよりも、そういう社会になっても回せるように、今から準備すべきである。そちらのほうがよほど建設的だ。それは単純に「時間にルーズになることを受け入れよ」ということではない。例えば、5分の遅刻は許しても20分の遅刻は許されない、といった、「実際の影響の程度を重視する」という発想に切り替えることだ。いつも主張している「量的議論」の一種である。

ルールを守らないことについても、些細なものなら許容し、重要なものは許さない。罰則も一律ではなく、段階的ないしはアナログ的に定める。そのルールは名言し、阿吽とか空気読めとかにはしない。そして最初から、その発想を前提に世の中を構築する。端的に言えば、時間に余裕を持って、あるいはルール違反者がある程度出ることを最初から想定して、計画を立てるのだ。

ルールを厳密に守ることは、その流れ自体を最適にする効果はある。例えば電車の運転時間を厳密に管理すれば、利用者は計画通りに物事を進めることができる。だが、そのルールを守るためのコストは膨大で、効率は極端に悪い。また、ルールを守ることが至上命題になってしまい、目的が疎かになる「手段の目的化」が起きやすい。こういうものはおしなべて「程度問題」であり、片方の極端に行くと効率は悪くなるが、日本はその「片方の極端」にいるのではないかと思う。

例えば、私が子供の頃には停電は結構あったが、現代ではよほどのことがない限り停電しない。停電対策の品質は世界トップクラスだと思うが、電気代は高い。少々の停電ならUPSや発電機などで対応は可能だから、本当にその品質が欲しい人はそういう備えをすることとして、大部分の人は年数回の停電は許容する代わりに電気代が3割安くなる、という世界のほうが幸せかもしれない。

常に「そのルールは何のためにあるのか」を考え、ルール自体よりもそちらを優先する考え方の方が、全体の効率は良くなるし、結果も良くなるのだ。そしてそれらはそんなに難しいことではないはずだ。実際、海外ではそれで回っていて、しかも日本より効率は良いのだ(一人あたりのGDP)。

また、せっかくICTが発達した世の中なのだから、ルールの遵守やその監視についてある程度自動化してしまい、ペナルティも自動で掛かってしまうような仕掛けを考えても良いと思う。性善説ではなく性悪説でシステムを組むことで、簡単にそれは実行可能だろう。例えばゴミのポイ捨ては監視カメラとAIで監視し、顔認識で自動的に罰金を引き落としてしまう、といったものだ。

外国人はそんなもの回避するだろうというなら、日本人だけ回避可能な仕掛けを作るのもよい。例えば医療費は全額支払い、後からデポジットで戻すためにはマイナンバーカードが必要、といったものだ。それはそれでコストだが、一度作ってしまえば後のコストは掛からないと思う。それでも仕掛けをかいくぐってくる外国人は、明確に悪質と認定できるので、追い出してしまえばよい。

これらはほんの一例であるが、ルールの明文化とその程度で問題にするという方法は、日本人にとってもメリットがあるはずだ。ルールにないことを強要してきたらそれ自体がルール違反にできるのだから、裏金やら不文律やら既得権益やらを追放できる。そうした方が、世の中住みやすい。

2026年2月6日金曜日

国は若者に厳しいのか

よく高齢者優遇などと批判されるが、調べてみると実態は逆であった、という話。

高齢者が実際に優遇されているかどうかを冷静に評価するに当たって、相対的貧困率を調べてみた。すると、

という結果が出た。実際には、高齢者の方が貧困率が高い。

更に調べてみると、若者でも高齢者でも、単身/ひとり親、非正規・無業・低賃金(現役)、低年金・無年金、の要因がある世帯では貧困度が特に大きい、ということが分かった。この要因別に貧困率を調べたが、そこまで解像度のあるデータは見つからなかったので、生成AIに無理やり算出させたところ、次のような結果が出た。

  • ① 要因あり若者:26%(推計)
  • ② 要因なし若者:6%(推計)
  • ③ 要因あり中間層:25.4%(推計)
  • ④ 要因なし中間層:7%(推計)
  • ⑤ 要因あり高齢者:30%(推計)
  • ⑥ 要因なし高齢者:10%(推計)

ここでもやはり高齢者の方が貧困である。世の中で言われている高齢者優遇は、少なくとも貧困率の視点からはウソであるということが分かる。

これに対する冷静でない反論(だって保険料が多い、私は実際に貧困、など)は無視するとして、冷静な反論があるとすれば、社会保障費の多くは高齢者に渡っていること、というのがあるだろう。しかし少子高齢化時代で高齢者に多く渡るのは当たり前である。また高齢者ほど病気である可能性は高く、健康寿命などという言葉すらあるから、年齢構成比以上に高齢者に費用が掛かるのは当然である。その最終結果としての貧困率なのだから、相対的に若者より高齢者の方が困窮しているのだという事実は変わらない。

一応、若者の貧困率が上昇しているのではないか、と仮説を立てて調べてみたのだが、結果は


ご覧の通り。若者の貧困率はむしろ低下している一方で、高齢者ほとんど変わっていない。高齢者の方が貧困化していることが分かる。

それでは、と生活水準そのもののレベルが違うのではと仮説を立て、可処分所得を比較してみた。しかし、結果は以下の通りだ。


高齢者がいちばん低い。しかもその差は開いているし、高齢者は1985年の水準より下がっているのに対し、若年者は上がっている。相対的に見ても、絶対的に見ても、高齢者は若者より貧困だったし、その差は開いていることが分かる。

ここまでくると、高齢者優遇というのは大げさどころかデマに近いのではないかと思えてくる。SNSの戯言はともかくとして、こういう主張をしている著名人には、玉木雄一郎、成田悠輔、ひろゆき、岩田規久男などがいるが、上記のような事実から目を背けていないだろうか。彼らは何れも上級市民で老後の心配なんかしていないだろうが、こういう主張が通って高齢者保護が劣化したら、高齢者の貧困率は更に上がる。孤独死や生活保護の増加など、良いことはないと思うのだが。

2026年2月5日木曜日

南海トラフ地震の(リアルな)被害予測

2026年1月16日、国交省は、南海トラフ地震の対策計画を改定した。

https://www.mlit.go.jp/river/bousai/earthquake/nankai/index.html

それによると、死者数は最大で32.3万人、経済的被害は220兆円、上水道3400万人が断水、2700万軒で停電、などが予測されている。

直感的に死者予測が少なすぎると感じたので、その妥当性についてGeminiに聞いてみたところ、原発の被害は想定していないこと、また二次被害(物流寸断によって国際的サプライチェーンが破壊される、救援物資が届かずに渇死・餓死する、輸出入の寸断により日本が国際的地位を失うことなど)が想定されていないこと、を指摘してきた。またこの220兆円はわずか1年の被害想定であり、長期被害はそもそも見積もっていないことが分かった。

なぜそうなってしまうのかとGeminiに問うと、国交省の予想は国交省の管轄でしか予想しないからだそうだ。つまり国交省は道路や建物などが管轄だが、原発は経産省の管轄なので、勝手に予想すると文句が出るからだ。逆に、原発の過酷事故予測は地震を想定していない、という妙なことになってしまっている。

そこで、これらを全て織り込んで、Geminiに被害を概算してもらったところ、死者は数千万人、被害額は千兆円、という予想が出た。

これを少し解説すると、まず死者だが、3400万人が断水となっていて、この断水は数週間程度では復帰できない。一方で水を備蓄している人でもせいぜい三日が限度であり、数週間の断水には耐えられない。川沿いや井戸があるところは若干マシと言えるのだが、もし原発事故があるとこれらは放射能汚染されてしまうため、やはり使えないのだ。なお、並みの浄水器では放射能は除去できない。人は水が無ければ3日で死んでしまうため、3400万人の何割という人数が渇死、ということになるのだ。

サプライチェーンについて言うと、南海トラフ地震の震域は東海道であるため、鉄道・道路・港が寸断されてしまう。原発事故があれば放射能汚染され、復興どころか立ち入り禁止地域があちこちで生まれるだろう。またこの地域は、自動車や機械などの生産拠点である。日本のGDPの何10%という規模のカネを生み出しているところだ。それが何か月という単位で機能しなくなれば、世界は「日本抜き」でサプライチェーンを再構築してしまうだろう。すると日本は外貨を稼げなくなり、復興どころか国民を生き永らえさせることすらできなくなる。そしてこれは地方にも必ず波及する。これらを10年で加算すると千兆円になるのだ、ということだった。

さて、死者数千万人、被害額千兆円というのがあまりにもデカ過ぎて想像もできないと思うのだが、死者2千万人、被害額千兆円と仮置きして、震災から10年後の日本についてGeminiに推測してもらったのがこれだ。

指標 震災前(現在) 10年後(2036年予測)
実質GDP 約550兆円 約350兆円(30%以上の縮小)
一人当たりGDP 世界30位前後 世界60〜80位(発展途上国水準)
食料自給率(カロリーベース) 約38% 約20%以下(外貨不足による輸入難)
居住可能面積 国土の約30% 約20%(汚染・インフラ放棄による減少)

当然ながら円の信用は失墜しているので、この額は現在の価値相当である。現実にはジンバブエドル化していてもおかしくないし、そうでなくとも1ドル250~300ドルというのが妥当だろう。またGDPは「1人当たり」なので、生活レベルは昭和30年代相当、エンゲル係数50%以上、電気代ガス代は10倍になり庶民は冷暖房不可、となっているだろう。肉は食べられず外食もほぼ無理、コンビニもなくなり、家庭菜園が流行っているだろう。

他国からの侵略もあるだろう。但し軍事的侵略は必要ない。経済支援とセットで無理難題を押し付けられても受け入れざるを得ない状況になっているはずだ。特許など知的所有権の押収、優秀な人材の本国スカウト、漁業権や経済水域での活動許諾、港の使用権などが次々と売られていくだろう。

また、死ぬ2千万人の多くは高齢者であると推測でき、これによっていわゆる高齢者比率は一時的に若返る。Geminiの推測によると、30%から22%になる。しかし合計特殊出生率は0.5~0.7に落ちるとも予測しており、10年後には35~40%と急速に老いた国になるとも予測した。

これにより、社会保障は崩壊、また熟練の知恵の類も断絶するため、文化的な伝統も生産技術の知見も失われ、国民の知的レベルも一気に低下してしまうと予想される。

資源小国は知恵で外貨を稼ぐしかないのだが、その知恵も失われるため、日本は本当に売るものがなくなってしまう。もはや地方都市を維持することはできず、コンパクトシティ化は必須であるが、そのレベルは従来の構想を大きく超える。人口10万クラスの都市でも消滅し、100万都市すら幾つかは消える懸念がある。円は更に安くなり、20年後には300~500円辺りで落ち着く。また出生率は1.5程度まで回復するが、人口維持レベルの2.1までは到達しない。また当然、金持ちは日本を出ていくだろうが、これも20年後には1千万人のレベルに達しているだろう。これには当然前途を憂う若者も含まれ、このために高齢化比率は45%に達すると予想されている。

次に治安だが、犯罪検挙率が落ちるのは当然の予想として、現在40~50%のところ、20%にまで落ち込むと予想される。また、ディストピア的な世界、すなわちゲーテッドシティ(柵に囲まれ、出入りには許可が必要な、金持ち向けの安全地帯)とスラム、場合によりその中間的な存在が地域により分かれ、スラムの治安は大いに低下、中間的地域でも現在よりは大幅低下、という予想もされた。中間的存在は、自警団と村八分による地域毎の独自の治安が形成される。スラムはそれすら作られない。

おそらく芦屋や田園調布のようなところはゲーテッドシティになり、都心の多くは中間的存在、その周辺から地方に掛けてはスラム化するのだろう。また、相互の行き来は困難になると予想される。つまり市民階級が自然形成され、それが定着する。ゲーテッドシティでの悪質犯罪者は中間地域に「追放」され、中間地域での外れ者はスラムに追放されることで治安を保つことになる。そしてスラムでの犯罪は統計に表れない。

最後に、海外に対する影響について予測する。日本には、半導体製造装置、特殊化学素材、超精密ベアリングといった、「日本でしか作れない」製品の供給がストップする。このため、スマホから航空機製造まで、世界中のハイテク産業が連鎖的にストップする危険がある。

また、日本政府が持っている外貨準備金、民間も持っている大量の米国債などが、震災被害の補填のために市場で叩き売りとなることは明白である。すると、 米国の長期金利が急騰し、米国内の住宅ローンや企業融資が破綻、米ドル自体の信用低下が起こり、これが全世界に波及することになる。

一方民間も、世界最大の対外資産(約400兆円強)を保有している。これらも世界各国で叩き売られ、米国以外でも経済混乱が起きることは間違いない。ここぞとばかり買いを入れる人も多いだろうが、今回ばかりはその規模が違う。あまりにも巨大な売りを前にすると、買った後の下落が恐ろしくてなかなか買い手が現れないし、現れても再び上昇するには十年単位で時間が掛かるだろう。

軍事面で見ても、日本にある主な米国基地は、たとえ無事でも日本からの供給が断たれるため、それなりの非常事態になる。日本の支援ばかりに気を取られると、特に中国ロシアからの侵略に対応できない。日本近海は軍事的にもきな臭くなることになる。場合によっては台湾進攻を含め、周辺国との戦争が起きるかもしれない。そしてそうなれば、日本への海路での支援は困難になり、復興を遅らせることになる。

戦火が起きればそれは他の地域に飛び火し、世界各地で紛争が起きたり、あるいは第三次世界大戦に発展する危険も考えられる。

また、放射能汚染が海に広まれば、それは黒潮に乗って太平洋を渡り、ハワイからアメリカ、チリにまで及ぶことになる。すると太平洋の海産物が多く汚染され、あるいは汚染されずとも風評被害が広がり、食糧難になる危険がある。

これらから考えると、海外に移住しても安泰とは言えない。行った先の治安や経済は低下するし、ヘイトの対象となる危険もある。手に職をつけておくと共に、当然円や日本の銀行の口座は紙くず化するので、外貨を海外の口座にかなり積んでおく必要があると思われる。

と、ここまでをGeminiと共に推測してきたわけだが、当初の国交省の予測(30万人、200兆円)と比べると全くの別次元であることがお分かりいただけると思う。決して恐怖を煽っているわけではないが、最悪の場合はこのくらいの規模になることがあり得るのだ、ということは覚えておいてほしい。

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