2026年1月16日、国交省は、南海トラフ地震の対策計画を改定した。
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/earthquake/nankai/index.html
それによると、死者数は最大で32.3万人、経済的被害は220兆円、上水道3400万人が断水、2700万軒で停電、などが予測されている。
直感的に死者予測が少なすぎると感じたので、その妥当性についてGeminiに聞いてみたところ、原発の被害は想定していないこと、また二次被害(物流寸断によって国際的サプライチェーンが破壊される、救援物資が届かずに渇死・餓死する、輸出入の寸断により日本が国際的地位を失うことなど)が想定されていないこと、を指摘してきた。またこの220兆円はわずか1年の被害想定であり、長期被害はそもそも見積もっていないことが分かった。
なぜそうなってしまうのかとGeminiに問うと、国交省の予想は国交省の管轄でしか予想しないからだそうだ。つまり国交省は道路や建物などが管轄だが、原発は経産省の管轄なので、勝手に予想すると文句が出るからだ。逆に、原発の過酷事故予測は地震を想定していない、という妙なことになってしまっている。
そこで、これらを全て織り込んで、Geminiに被害を概算してもらったところ、死者は数千万人、被害額は千兆円、という予想が出た。
これを少し解説すると、まず死者だが、3400万人が断水となっていて、この断水は数週間程度では復帰できない。一方で水を備蓄している人でもせいぜい三日が限度であり、数週間の断水には耐えられない。川沿いや井戸があるところは若干マシと言えるのだが、もし原発事故があるとこれらは放射能汚染されてしまうため、やはり使えないのだ。なお、並みの浄水器では放射能は除去できない。人は水が無ければ3日で死んでしまうため、3400万人の何割という人数が渇死、ということになるのだ。
サプライチェーンについて言うと、南海トラフ地震の震域は東海道であるため、鉄道・道路・港が寸断されてしまう。原発事故があれば放射能汚染され、復興どころか立ち入り禁止地域があちこちで生まれるだろう。またこの地域は、自動車や機械などの生産拠点である。日本のGDPの何10%という規模のカネを生み出しているところだ。それが何か月という単位で機能しなくなれば、世界は「日本抜き」でサプライチェーンを再構築してしまうだろう。すると日本は外貨を稼げなくなり、復興どころか国民を生き永らえさせることすらできなくなる。そしてこれは地方にも必ず波及する。これらを10年で加算すると千兆円になるのだ、ということだった。
さて、死者数千万人、被害額千兆円というのがあまりにもデカ過ぎて想像もできないと思うのだが、死者2千万人、被害額千兆円と仮置きして、震災から10年後の日本についてGeminiに推測してもらったのがこれだ。
| 指標 | 震災前(現在) | 10年後(2036年予測) |
|---|---|---|
| 実質GDP | 約550兆円 | 約350兆円(30%以上の縮小) |
| 一人当たりGDP | 世界30位前後 | 世界60〜80位(発展途上国水準) |
| 食料自給率(カロリーベース) | 約38% | 約20%以下(外貨不足による輸入難) |
| 居住可能面積 | 国土の約30% | 約20%(汚染・インフラ放棄による減少) |
当然ながら円の信用は失墜しているので、この額は現在の価値相当である。現実にはジンバブエドル化していてもおかしくないし、そうでなくとも1ドル250~300ドルというのが妥当だろう。またGDPは「1人当たり」なので、生活レベルは昭和30年代相当、エンゲル係数50%以上、電気代ガス代は10倍になり庶民は冷暖房不可、となっているだろう。肉は食べられず外食もほぼ無理、コンビニもなくなり、家庭菜園が流行っているだろう。
他国からの侵略もあるだろう。但し軍事的侵略は必要ない。経済支援とセットで無理難題を押し付けられても受け入れざるを得ない状況になっているはずだ。特許など知的所有権の押収、優秀な人材の本国スカウト、漁業権や経済水域での活動許諾、港の使用権などが次々と売られていくだろう。
また、死ぬ2千万人の多くは高齢者であると推測でき、これによっていわゆる高齢者比率は一時的に若返る。Geminiの推測によると、30%から22%になる。しかし合計特殊出生率は0.5~0.7に落ちるとも予測しており、10年後には35~40%と急速に老いた国になるとも予測した。
これにより、社会保障は崩壊、また熟練の知恵の類も断絶するため、文化的な伝統も生産技術の知見も失われ、国民の知的レベルも一気に低下してしまうと予想される。
資源小国は知恵で外貨を稼ぐしかないのだが、その知恵も失われるため、日本は本当に売るものがなくなってしまう。もはや地方都市を維持することはできず、コンパクトシティ化は必須であるが、そのレベルは従来の構想を大きく超える。人口10万クラスの都市でも消滅し、100万都市すら幾つかは消える懸念がある。円は更に安くなり、20年後には300~500円辺りで落ち着く。また出生率は1.5程度まで回復するが、人口維持レベルの2.1までは到達しない。また当然、金持ちは日本を出ていくだろうが、これも20年後には1千万人のレベルに達しているだろう。これには当然前途を憂う若者も含まれ、このために高齢化比率は45%に達すると予想されている。
次に治安だが、犯罪検挙率が落ちるのは当然の予想として、現在40~50%のところ、20%にまで落ち込むと予想される。また、ディストピア的な世界、すなわちゲーテッドシティ(柵に囲まれ、出入りには許可が必要な、金持ち向けの安全地帯)とスラム、場合によりその中間的な存在が地域により分かれ、スラムの治安は大いに低下、中間的地域でも現在よりは大幅低下、という予想もされた。中間的存在は、自警団と村八分による地域毎の独自の治安が形成される。スラムはそれすら作られない。
おそらく芦屋や田園調布のようなところはゲーテッドシティになり、都心の多くは中間的存在、その周辺から地方に掛けてはスラム化するのだろう。また、相互の行き来は困難になると予想される。つまり市民階級が自然形成され、それが定着する。ゲーテッドシティでの悪質犯罪者は中間地域に「追放」され、中間地域での外れ者はスラムに追放されることで治安を保つことになる。そしてスラムでの犯罪は統計に表れない。
最後に、海外に対する影響について予測する。日本には、半導体製造装置、特殊化学素材、超精密ベアリングといった、「日本でしか作れない」製品の供給がストップする。このため、スマホから航空機製造まで、世界中のハイテク産業が連鎖的にストップする危険がある。
また、日本政府が持っている外貨準備金、民間も持っている大量の米国債などが、震災被害の補填のために市場で叩き売りとなることは明白である。すると、 米国の長期金利が急騰し、米国内の住宅ローンや企業融資が破綻、米ドル自体の信用低下が起こり、これが全世界に波及することになる。
一方民間も、世界最大の対外資産(約400兆円強)を保有している。これらも世界各国で叩き売られ、米国以外でも経済混乱が起きることは間違いない。ここぞとばかり買いを入れる人も多いだろうが、今回ばかりはその規模が違う。あまりにも巨大な売りを前にすると、買った後の下落が恐ろしくてなかなか買い手が現れないし、現れても再び上昇するには十年単位で時間が掛かるだろう。
軍事面で見ても、日本にある主な米国基地は、たとえ無事でも日本からの供給が断たれるため、それなりの非常事態になる。日本の支援ばかりに気を取られると、特に中国ロシアからの侵略に対応できない。日本近海は軍事的にもきな臭くなることになる。場合によっては台湾進攻を含め、周辺国との戦争が起きるかもしれない。そしてそうなれば、日本への海路での支援は困難になり、復興を遅らせることになる。
戦火が起きればそれは他の地域に飛び火し、世界各地で紛争が起きたり、あるいは第三次世界大戦に発展する危険も考えられる。
また、放射能汚染が海に広まれば、それは黒潮に乗って太平洋を渡り、ハワイからアメリカ、チリにまで及ぶことになる。すると太平洋の海産物が多く汚染され、あるいは汚染されずとも風評被害が広がり、食糧難になる危険がある。
これらから考えると、海外に移住しても安泰とは言えない。行った先の治安や経済は低下するし、ヘイトの対象となる危険もある。手に職をつけておくと共に、当然円や日本の銀行の口座は紙くず化するので、外貨を海外の口座にかなり積んでおく必要があると思われる。
と、ここまでをGeminiと共に推測してきたわけだが、当初の国交省の予測(30万人、200兆円)と比べると全くの別次元であることがお分かりいただけると思う。決して恐怖を煽っているわけではないが、最悪の場合はこのくらいの規模になることがあり得るのだ、ということは覚えておいてほしい。






