2019年8月5日月曜日

6Gはこうしよう


5Gが間もなく普及し始める。次は6G、と言いたいところだが、まだ6Gの方向性は見えていないと思う。これを考えてみる。

5Gの速度は10Gbpsだという。しかも大量の端末に対応する。となると、もはや固定回線の意味が殆ど無くなってしまう。もし6Gとなれば更に100Gbpsなどとなるのだろうが、これはもうハイビジョンも4K8Kも何の問題もなく通ってしまうスピードだ。携帯電話としてそこまでの容量が必要とは、とても思えない。

そこで考えられるのは、もはや携帯電話だけの回線ではない、全ての通信と放送を統合するベースラインだ、とする方向性だ。その方向性で考えると、こんなものが提案できる。

  1. 今の5Gと同様、数十GHz帯をベースとして、大量のアンテナを短距離(100m単位)で配置するネットワークになる。
  2. 携帯電話だけでなく、①放送、②防災無線、③警察無線、④消防無線、⑤IoT無線を統合する。
  3. このため、マルチホップネットワークを予備プロトコルとして内蔵する。これはアンテナや基地局が破壊された時に自動的に起動する。
  4. 各々はチャネルを割り当てられ、一般の携帯電話とは別に、非常時でも帯域を確保できる。
  5. チャネルの一部には、低速・低消費電力の特別枠を設ける。
  6. ①~⑤に関しては、マルチホップや低速チャネルを含めた自動縮退運用が掛けられるようにする。
  7. ローカル5Gは、引き続きローカル6Gとして設定される。
これにより、①~⑤に割り当てられていた既存の無線周波数帯は全て解放される。機器のモジュールは携帯用に統合され、大量生産で安価になる。殆どの機器は通信が無線になるため、ケーブルが減る。

例えば、スマホはラジオ・テレビが統合される。警察用スマホは警察無線と携帯電話が一緒になる。テレビもアンテナ接続が不要となり、LANケーブルも要らない。個人や事務所使用のPCや周辺機器も、ローカル6Gで束ねられる。低消費電力チャネルの一部はBluetoothやZigBeeを置き換え、ホームセキュリティや家電間通信をサポートするだろう。

ネットワークの縮退運用が可能になれば、切断が極めて起こりにくくなる。これにより、家庭やオフィスでのオンプレミス運用が減り、多くがデータセンタやクラウドに逃げることができるようになる。RDPやChromebookに準ずるようなVDIが世の中の主流になるかもしれない。

ここから更に、色々と副次ビジネスが考えられる。ポケベルのような単機能デバイスが復活する、ビデオデッキの代わりとなるオンライン録画サービスの登場、防災無線と連動する通知サービス、放送における位置情報を利用したオンデマンドCM、等など。これを考えるのも面白そうだ。

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