2025年12月8日月曜日

ロボットシェアリング&困窮者向けジョブマッチングモデル

近い将来、AIやロボットが発達することで、労働者の仕事が奪われる事態が起きる。頭脳労働では一部業界に既に起きている(イラスト、音楽等)が、これが肉体労働にまで進んでいく。例えばレストランのフロアスタッフは既にタッチパネル注文や配膳ロボットにより侵食されており、他にも徐々に複雑な仕事に波及していくだろう。

ここであぶれた人間には、もはや働くところが無い。何をするにもロボットやAIに劣る人間には、今後もう労働市場自体が存在しないのだ。そんな彼らを救済するには社会保障しかない、と以前は考えていたのだが、ここで発想を転換し、ロボットを所有させれば良いのではないか、と考えてみた。つまりそういう人たちは、その(人間の代わりに働く)ロボットを所有して、労働需要に貸し出して働かせ、その借り賃を得るというものだ。もちろん人間が働くよりは安い額だが、その間自分は何もしない(から他のことができる)のだし、ロボットの台数を増やせばそれだけ額は伸びる。

ここから更に、所有せずともレンタルすれば同じことができるのではないかと考えた。カーシェアリングと同じようにまず自分が借りて、そこから他人に貸すのだ。そうすれば所有のリスクを抑えられる。

用途としては、マンション管理人、イベントや駐車場の誘導員、近所の食堂のホールスタッフ、介護の搬送補助、清掃員、宅配要員、ケータリング要員、などが考えられる。こういうものは、平均的には常に需要があるが時間までは揃わないので、人間よりロボットの方が向いている。

ただ、これだけでは不足だ。第一には、同じビジネスモデルを一般人が使うことは阻止できないので、参入されるとレッドオーシャンになってしまう。そこで、ロボットのジョブマッチングシステムを導入する。これと連動して自動でレンタルが開始されるようにしておけば、カネが自動で落ちてくるようにできる。そしてこのジョブマッチングを使えるのは、生活保護や境界知能など一定の要件を持つ人に限定する。一般人は自分でレンタル先を探さなければならない。ジョブマッチングでは「必ず儲かる」が、手動でマッチングする際には借りてから貸し出すまでのタイムラグがあり、必ずしも収支はプラスにならない。

第二に、借りたい側が直接シェアリングサービスからレンタルしてしまうとこのモデルは破綻するので、借りる側は一定比率でそのジョブマッチングシステムからレンタルしなければならない、と法で定める。個人が借りる場合は100%ジョブマッチング経由とするのも良いだろう。

このシェアリングロボットのプール(待機場所)は地域毎に細かく設定されるので、現実的には寡占状態に近くなり、この定めは大きな障害にはならないと考える。つまりジョブマッチングを通すか通さないかに関わらず、その地域のそのシェアリングサービスから借りることになるので、余計な課金を嫌って他を探すということはあまり発生しない。

このモデルは、社会保障モデルとしても望ましい点がある。従来、生活保護や障害者雇用は「バラマキ」的発想が強く、それ故に偏見も多くあった。だがこのモデルでは、彼らはロボットのオーナーであり、得られるのはそのレンタル料という普通の報酬である。ジョブマッチングが使えるという有利はあるが、同じことを手動することは一般人でも可能なので、ある意味一般人と同じビジネスモデルである。これにより偏見を受けにくくなると考えられるのだ。

ロボットは地域で運用されるので、仕事に限らず家事の補助や子守りなどでも使えるだろう。一家に一台がまだ遠い時代でもロボットを使えることは、地域にとっても望ましいことだ。例えば共稼ぎの夫婦の子供の保育園えの迎えに使うなどということも考えられる。そう考えると、弱者保護は置いておいてもロボットシェアリングには意味があると考える。それにジョブマッチングを加えれば、福祉も効いて一石二鳥になる。

後はビジネスモデルとして成立するかどうかだが、保護対象者(生活保護、境界知能など)の収支は一方的にプラスになるので問題ない。ロボットオーナーは地域の需要を鑑みて調整の必要があり、それなりのリスクを持つが、まあこれはシェアリング会社としては通常のリスクである。借りる側は一定比率の足かせがあり若干不満はあるだろうが、ここは世論に応じて法で調整してやる。つまり十分に低い負担率から始めて徐々に上げていけば、うまい落とし所が見つかるだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

ロボットシェアリング&困窮者向けジョブマッチングモデル

近い将来、AIやロボットが発達することで、労働者の仕事が奪われる事態が起きる。頭脳労働では一部業界に既に起きている(イラスト、音楽等)が、これが肉体労働にまで進んでいく。例えばレストランのフロアスタッフは既にタッチパネル注文や配膳ロボットにより侵食されており、他にも徐々に複雑な仕...

人気の投稿: