2026年2月21日土曜日

アカウントベースDRM

 今では誰も文句を言わなくなってしまったが、日本で地デジが導入されるに当たって、強力なコピーガードの機構(いわゆるダビ10)が導入され、物議があった。結局それは殆どそのままゴリ押しされた。

その不便さは、機器が故障した時に顕在化する。日本のDRMは、機器の故障に対して全く機能しない。つまり壊れてしまったら、録画済みの番組が何百あったとしても消えてしまうしかない。ダビングは10回までできることになっているが、ダビングしたものからの再ダビングはできないので、バックアップとしては機能しない。レコーダーの所有者は、機器を買い替えるたびにこの苦渋を味わってきたことになる。

これは世界で標準的かというとそうではなく、多くの国でもプロテクト自体はあるものの、特定のメディア(HDD)と強力に結びついたものにはなっていない。HDD間移動も可能だし、PC視聴もできる。レコーダーのHDDが壊れないかとびくびくする必要はないわけだ。HDDは壊れるものだから、これが普通ではないかと思う。この間、放送は衰退し、インターネット経由で見るVODが勢力を伸ばしてきたが、そんな背景もあるのではないかと疑ってしまう。

ちなみに、その強力なDRMで守られる権益は、数兆円に登るという。農協漁協のようないわゆる既得権益と見ることができるだろう。

これを解消するための仕掛けが、このアカウントベースDRMだ。話は簡単で、ユーザはサービス業者に対してアカウントを開設し、そこから暗号化キーを貰い、それを機器にセットする。それで暗号化されたコンテンツデータはコピー自由だが、サービス業者が保持している復号キーを使わないと視聴できない。機器にはそのユーザIDがセットされているので自動で復号して再生できる。一方、PCやスマホのアプリにもIDがセットされていて、再生ができる。同じIDのセットは機器毎に制限されていて、それ以上は移行処理が必要である。例えば機器が壊れたら機器からIDを引き上げ、新たな機器にセットするのである。

この仕掛けがあれば、正規ユーザは不便なく映像を再生できるし、自分の責任で定期的にバックアップをしておけば、機器が壊れても慌てる必要がない。一方、いくらコピーしてもID当たりで見られる数はごく少数であり、コピーガードの役割はダビ10よりも有効に働く。また不都合があり映像公開を止めたい時は、復号キーを無効にするという措置も可能だ。

ダビ10が始まったのは2008年とのことだが、これはまだWindows Vistaの時代で、インターネットが普及していたとは言い難い。だから当時この仕掛けを導入できなかったのは仕方ないとしても、今ならこれはできて当然である。またこれは他のVODにも適用可能だから、世界中でこれを標準化して広めてはどうかと思う。

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