2026年3月6日金曜日

日本と世界の右傾化とその理由2:恐ろしい現実

 

日本と世界の右傾化とその理由

の続き。世界的な国粋主義、自国第一主義、覇権主義、暴力肯定、秩序破壊の傾向に関し、その原因について考えてみる。なお、けっこう重い話ではあるのだが、あくまでも『根拠なき自説』であるので、気軽に聞いて頂きたい。

世界的な右傾化の原因は、経済格差や将来への不安が引き起こすとされてきたが、経済格差・軍事力格差について調べてみたところ、米・中以外はほとんど団子状態で、あまり格差が開いているとは言えないことが分かった。グラフは、左がGDP、右が軍事費である。

そこで調べてみたところ、近年では更に根本的な原因として「社会的地位の低下への恐怖」説が出てきているそうだ。というのも、そう言われてみると、世界同時多発的とは言え、各国にはそれぞれそういう事情があった。

  • アメリカ:白人低所得者層の衰退=白人以外の層との相対的な格差縮小
  • 日本:長い経済停滞により国際的地位が低下
  • 欧州:難民の急増大、EU化による各国のアイデンティティ低下
  • ロシア:ソ連崩壊と再編、周辺国が次々とEU/NATOに接近
  • イスラエル:宗教的保守層の増大に伴う世俗派(エリート層)の相対的地位低下
  • イラン:英米によるクーデターによる傀儡政権設立への不満(それを転覆したがまた圧力が掛かっている)

中国、インド、中南米、オセアニア、アフリカは事情が違うように思う。中国とインドは、成長に見合わない国際的地位への不満があると思われるし、中南米は単純に腐敗政治への不満、アフリカは経済成長に伴う反植民地主義の復活、オセアニアにはほぼ理由がない。

そういう目でそれらを俯瞰して見ると、やはり「社会的地位の低下への恐怖」の強い国ほど右傾化の程度も強い傾向を感じる。

そこで、「社会的地位の低下への恐怖」の強さを国別に定量化できないかとGeminiに聞いてみたところ、こんなグラフを出してくれた。

1990年と2023年の違いを2軸でまとめている。横軸は各国の国際的ステータスの変化、縦軸は国内でのステータスの変化を指標にしたものだ。国内ステータスというと意味が分からないが、これは労働者階級(モノづくり階級、中間層)のステータスを意味している。

ロシアは国内ステータスが驚異的に落ち、日本は国際的地位が大いに落ちていることが分かる。米国とヨーロッパは団子状態だが、国内テータスが日本以上に低下している。中国は国際的ステータスが大いに向上したのに、国内ステータスは落ちている。インドはどちらもあまり変化がない。

あまり明確な結果は出てこなかったが、面白いのは(面白くはないのだが)、何れの国も国内ステータスは低下しており、向上している国がなかったというところだ。

労働者階級の地位が低下している理由は、グローバル化による労働力の価格破壊技術革新における中間層の空洞化などが考えられるが、どちらも当然の成り行きであると言える。

つまり、国内の格差拡大は歴史的に必然的なもので、止めようがないし、止める理屈もない。また当面はこの傾向は続く、つまり格差は更に拡大していく。生成AIの発達により、これはホワイトカラーにも広がり、一部の管理職や起業家、資産家といったエリート以外は皆、相対的に社会的地位が落ちていくだろう。

それがどこまで続くかだが、生成AIの予測によると、

  • トップ1〜5%(資本家・AIオーナー層): プラットフォームの所有者、大規模資本家。富の大部分を独占する。
  • アッパーミドル15〜20%(AIを管理・活用する層): 高度な意思決定、AIシステムの維持、人間同士の高度な交渉を行う層。彼らまでが「豊かな階級」として生き残る。
  • アンダークラス70〜80%(エッセンシャルワーカー・ギグワーカー・非就労者): AIに代替されない肉体労働(介護、物流、インフラ維持)や、アルゴリズムの指示で動く細切れの労働(ギグワーク)に従事する層。

程度で落ち着くと考えられるのだそうだ。アンダークラスの割合は今は40%程度だが、それが倍程度になると見込まれるわけだ。また、労働分配率は更に低下し、現在の50~45%程度から40%程度にまで下がると考えられる。

この数値を今の日本に当てはめてみると、アンダークラスの年収は190万円、アッパーミドルは670万円、トップは1690万円と算出された。アンダークラスの年収はもはや生活保護レベルであるが、それが全国民の80%になる、というわけだ。

更に言うと、この時のジニ係数は0.71であり、これは現在の南アフリカ(0.63)を遥かに上回るとんでもない格差になる。これではエリートも困るので、ベーシックインカム導入に踏み切るしかないだろう。しかし元手が人口の2割しかいないので、額は限られる。一人年間100万円を配るとしても、ジニ係数は0.60までにしか下がらない。これは「暴動はギリギリで起きないが固定化されたディストピア」になる。

この傾向は国内固有ではなく、世界的傾向である。そしてこれは格差拡大であり、国民の大部分が飢えるため、暴動が起きやすくなる。新興国ではこの傾向はさらに顕著になり、平均所得が下がる。これをシミュレーションしてもらったところ、

  • トップ層(上位5%): 約1,580万円〜
  • ミドル層(上位15%):約140万円〜200万円
  • アンダークラス(下位80%): 約24万円

月収ではなく年収が24万円である。もちろん物価は違うのだが、これは今のスラム層と同程度である。スラム層は今世界に7億人いるとされているが、これが40~50億人になるという予想が出ている。

世界人口の半分がスラムというのはちょっと信じがたい。そもそものドイツの右傾化のきっかけはシリア難民の受け入れだったが、その規模が7倍になればもはや拒絶しかないし、さりとて難民も必死なのだからそこでは武力衝突が起こってもおかしくない。それも、難民が数の暴力で押し切ろうとすれば、EU側も本気で戦わなければならない。それこそ数百万人単位の大量虐殺(虐かどうかは定義次第だが)が、何回となく起きる可能性も出てくる。

そういったスラムでは出生率は落ちるが、今既に生まれている女性が適齢期になって子供を産むので、しばらくは人口は増加する。それが落ち着いてくるまでには数十年掛かるだろう。

今回は世界の右傾化の理由を順に調べていったのだが、もはや右傾化が好ましいとか好ましくないとかの次元の話ではなくなってしまった。世界が急速に貧困化していく中での断末魔、あるいは世界再編の一環であると考えると、右傾化なんてのは序の口で、もっと厳しい、生々しい現実が待っているのだと言える。

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