SmartNewsやGunosyなど、いくつかのキュレーションメディアをインストールして使ってみて、やっぱりダメだと削除する、ということを、数カ月毎にやっている。なぜ数ヶ月毎にやっているかというと、進歩しているかもしれない、使えるようになっているかもしれない、と淡い期待を寄せているからだが、そのたびに裏切られている。何がダメなのかというと、新聞の代替として、まだまだお粗末だからである。ではどんな方向に進化してほしいのか。
まずそもそも、新聞はニュースメディア(だけ)ではない。新聞にはニュース以外にも、解説記事、社説、読者投稿、新聞小説、クイズ、四コマ漫画、川柳など、さまざまなコンテンツが掲載されている。新聞広告や折込チラシまで含めて総合的に、「その時代の情報を提供してくれている」のだ。
キュレーションメディアにも読み物記事は掲載されるが、新聞のそれとは異なり、Web記事のつまみ食いになってしまっている。浅い雑学にはなるが、新聞のような筋は通っていない。
次に困るのはフラットな構造だ。タブ毎にジャンルが分かれているが、このタブの重み付けが皆同じなので、政治・経済と芸能ニュースが同列の重み付けになってしまう。もちろんカスタマイズはあって良いのだけれど、新聞たるもの、基本はそこなのだから、重み付けはしっかりしてほしいのだ。
またこの重み付けは、ジャンル内の各記事の問題でもある。新聞記事の一面は重要ニュースであり、分量も充実している。軽い記事は扱いも軽い。キュレーションメディアでは皆フラットで、これができていない。
個々の記事を読むのにも、新聞ではできる「ページめくり」ができない。記事を選んで読んで、戻って、また記事を選んで読んで、今度はタブを切り替えてまた記事を選んで読んで、を繰り返す必要がある。ページめくりができるのはFlipboardくらいだが、1ページ1記事ベースなのでやはり重み付けが分かり辛いし、足りない記事はやはり足りない。
似たようなことだが、キュレーションメディアはカスタマイズが出来すぎてしまうので、社会人として最低限必要な知識すら読まずに済むことができてしまう。これがよく言われるフィルターバブルを生む。せめて見出しくらいは飛ばさず必ず目に入るような構造にすべきである。
つまり、以上のようなことを解消してくれるキュレーションメディアがあれば、新聞を止められる。それはこんなものになるのだろう。
- 基本的なUIはFlipboardに似ている。つまり、縦フリップによるページめくりが基本だ。
- 但し、トップニュース2枚、政治2枚、経済2枚、スポーツ1枚、芸能1枚、地域1枚といったようにページ数は決まっていて、各々の枚数内には重要度の強弱により記事の大きさが異なるレイアウトがされている。また、ページ位置(何ページ中何ページ目)がわかるように常に表記されている。当然、ページ数はカスタマイズされていてよいが、最低限のページ数は決まっている。逆に言うとタブはなく、前から順番に読んでいく必要がある。
- 気になる記事は詳細をタッチすると更なる解説が入っている。戻る時は左スワイプする。
- ニュース以外のコンテンツ(上記)も充実している。
- 特に、地域のチラシが含まれていて、そのチラシもスマホ画面サイズに最適化されている。
- 曜日により特別ページが増える。週末の特集記事など。
技術的に難しいところは何も無いと思う。ただ、チラシについてはShufoo!のような前例はあるものの、新聞に挟まっているもの全てが掲載されているわけではなく、まだ網羅性が圧倒的に足りていない。これはチラシがローカルで募集されているからでもあるので、チラシの集め方に更なる工夫は必要である。

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