2020年5月22日金曜日

ハイテク遠隔ひな壇


新型コロナの影響で、バラエティ番組のひな壇がなくなった。あれはつまらないものだ。通常の情報番組でも、間隔を空けて座ったり、アナウンサー同士が離れていたりするので、間延びしてしまう。掛け合いの間も生まれない。ディスプレイを並べている番組もあるが、アウェイ感は半端でない。

ZoomやSkypeは、背景を入れ替える機能がある。グリーンバックでなくともできる技術が投入されているようだ。この機能を使えば、ひな壇は復活できるのではないだろうか。

このために、まずは各芸人さんや司会者は個別に個室に入る。コロナのような場合は自宅に機材を設置することになる。そのための機材としては、大型ディスプレイ3台とカメラ2台が必要だ。これに専用アプライアンスを繋ぎ、5G回線に接続する。インターネットでなくわざわざ5Gと言ったのは、通信遅延をできるだけ抑えるためだ。

芸人さんの座った椅子の正面及び左右45°(この角度は適当でよい)にディスプレイを設置する。ここに映る映像は、その芸人さん目線でのスタジオ風景だ。当然、前や横に座る芸人さんはそこに映る。ひな壇は人によっては後ろにも人がいるが、後ろにディスプレイを配置するのは困難だろうから、それは省略してもよいだろう。

正面のディスプレイの左右から、カメラが覗くようにする。二台使うのは立体映像にするためであり、この画像を合成したCG画像をまず作って、それを左右の芸人さんのディスプレイに送るわけだ。

一方スタジオでは、各芸人さんや司会者の映像を基に、各々の3Dアバターを作る。それを仮想スタジオのひな壇に並べ、背景やセットも配置して、完成された仮想空間を作り上げる。それをまた、仮想カメラでカメラマンが撮影する。複数のカメラマンが各々の役割を、またディレクターやミキサーも仮想空間で指示を出す。なお、とりあえずは仮想空間を作ってそれを記録することさえできれば、カメラ切り替え等は後処理でもできる。

こうすれば、芸人さんとしてもスタジオの空気感がある程度再現できるので、不完全ながら今よりは活発な言葉のやり取りができるだろう。動きを伴うものは困難だが、それでも現状よりは遥かにマシだ。

各芸人さんの家にこれだけの機材をセッティングするのは大変だ。カネも掛かる。だから、サテライトスタジオや、テレビ局の控室にセットするという方法は考えられる。これなら通信遅延も少ないし、機材の流用が可能だから、有用だろう。

また、この方法であれば、そもそも大きなスタジオが必要なくなる。ドラマ等動きが必要なスタジオに、その分のスペースを割くことができる。この技術を進めるのは、テレビ局にとっても良いことだ。

もう少し技術が進歩すれば、NTTやFacebookがやっているように、全員がVRゴーグルを被って、表情まで全てCG、ということが出来るようになるだろう。そうすれば機材はそれだけになって便利だが、それまでの間はこのような大げさな機材で我慢するしかない。

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