2020年5月20日水曜日

電子書籍とリアルタイムOS


今、巷に普及しているOS、即ちAndroid, iOS, macOS, Windows, Linux等は、全てリアルタイムOSではない。これはある意味トンデモないことだと思っている。

例えば、電子書籍を読みたいとする。データはサーバにあって、逐次ダウンロードしながら読む。この時、サーバとの通信、ダウンロード、表示、操作の全ては、本来はリアルタイム性が求められるべきものだ。表紙をタッチすれば1秒以内に最初の数ページがダウンロードされるべきだし、ページめくりをし続けていて途中で1秒でももたつくのは困る。しかし現実は、これより遥かに遅い。

もちろん、リアルタイムOSを使っただけでは駄目で、今までより相当に計算機資源を潤沢に使わなければならない。しかし、ハードの性能は上がってきている。OSがもっとリアルタイムを重視する設計になっていれば、表示や操作から予想した先読みダウンロードを基に、ユーザ体験は改善できるはずだ。

このためには、従来のファイル操作周りのシステムは、相当に作り込んでおく必要がある。画面に表示された全ての関連しそうなファイルを、片っ端からではなく可能性の高い順にダウンロードしてキャッシュしておく必要があるからだ。それも状況はどんどん変わるから、一度画面から外れたら中断して新しい画面に対応する、といった仕掛けが必要になる。また、普段から遅いサーバに対しては早めにアプローチし、レスポンスの良いサーバは遅めにするなどといった裁量も必要になるだろう。

まずは電子書籍、次はファイルシステム。ここで相当に頑張って作り込んで欲しいのだが、どうだろう。現在、電子書籍は使い物にならないと考えている諸氏の印象を跳ね除けることができれば、更に電子書籍は普及すると思うのだが。

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