2025年2月21日金曜日

マニュアルエージェント


生成AIの話題が盛んであるが、最近はエージェントの方に話題が移ってきているように思う。このエージェントというのは、生成AIを少し加工して、特定の目的に向けてカスタマイズをしたようなものだ。エージェント開発ツールの例としては、ChatGPTのOperatorやMicrosoft Copilot Studioなどがある。

これを大雑把に説明するならば、三つの種類がある。第一は、検索型とでも言うべきもので、(深津式プロンプトのような)前段の命令をあらかじめ与えておくものである。指定する知識(要するにオンラインドキュメント)を前提として答えること、あるいは特定のキーワードに対して特定の返し方をする、というものだ。例えば「怪しいメールを受信したのだがどうしたらよい?」という質問に対し、生の生成AIなら「見ずに捨てる」などと返すだろうが、これが企業のヘルプデスクだったら「特定の部署に通報する、報告書を書く」などとルールがある場合があり、そう返すべきだ。それを行うには社内規則を読んでおく必要があるが、そういうものを指す。

第二は、ノーコードツール型とでも言うべきもので、単に受けて応えて終わりではなくて、ワークフローを起動する機能があるものだ。曖昧な言葉から変数となるキーワードを抜き出し、あらかじめ定めておいたルーチンを実行する。怪しいメールの例で言えば、話を聞いたら通報すべきと判断し、そのメールをドロップしてもらった上で、通報を自動実行してくれるようなものだ。

第三は自律型とでも言うべきもので、第二のワークフローを特定の条件で自動実行するものだ。上の例で言えば、怪しいメールが来た時点でそれを識別して、通報を自動実行するワークフローを起動する。

こういったものは、今後数年で急速に普及し、世の中を便利にしてくれるだろう。特にヘルプデスクの類は大いに重宝するはずだ。

これの応用で、各社が今すぐ対応してほしいと思うのが、マニュアルエージェントだ。

すでにいろいろなところで言われている通り、日本の家電は機能が豊富でマニュアルも分厚い。UIもあまり賢くない。このためマニュアルを読まずに使おうとする人は多く、読めと言われても読まない。これで身近なちょっと詳しい人が呼び出されて説明したり対応したりする、という事態が全国で起きている。

だが、上のようなエージェントがあれば、質問すれば音声で返ってくるし、故障なら手続きをある程度自動実行してくれるから、豊富な機能が無駄になることもないし、故障時や不具合時の対応時間を大いに低減できる。更に言えば、その機器の使い方についてのアドバイスも受けられるだろう。もったいない使い方をしているユーザに、機能の説明をすることができる。

いっそ、紙のマニュアルは廃止し、マニュアルエージェントへのURLをQRコードで本体に貼ってくれていれば良い、あるいは機械にスピーカとマイクを付けてネットに繋げばOKとしてほしい。

これは例えば、消耗品の手配を大いに促進するので、機器の寿命も伸びるし、ユーザも機器を放置することなく使い続けられる。高機能の機器を積極的に買おうとするモチベーションにもなる。

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