https://gigazine.net/news/20251223-santa-quantum-physics/
こちらで紹介されていた、サンタクロースの量子論的解釈が面白かった。
量子とは、電子やクォークなどを差す。これら量子は、物質としての側面と波動としての側面を持っており、通常の物質とは異なる振る舞いをする。その一つは、ハイゼンベルグの不確定性原理だ。
量子はこの世で最も小さな物質であるので、その物質を観測しようとすると、その行為そのものが観測対象たる量子に影響を与えてしまうので、正確な観測ができない。例えば、顕微鏡で見るという行為は、実際には光子を当てて、その反射なり屈折なりを見ることになるのだが、その光子と同程度のサイズがある量子に光子を当てれば、当然ながらそのエネルギーを受けてしまう。だから正確な観測ができない。だから、本当の状態=観測されていない状態に対し、観測されることによって見える状態は一致しない。
これを積極的に応用しているのが量子コンピュータである。量子ビットは0と1が重ね合わせの状態になっている。この「重ね合わせの状態」とは、先ほど言った「観測されていない状態」のことを指す。有名なシュレディンガーの猫の思考実験は、この重ね合わせの状態の説明をしている。
箱の中には毒が入ったガラス瓶が入っていて、ガラス瓶は一定の確率で割れることになっている。この中に猫を入れ、蓋を閉める。一定時間の後、再び蓋を開けたとき、猫は生きているか死んでいるかのどちらかであるが、蓋を閉めている間、「(観測できていないので分からないが)猫は生きているか死んでいるかのどちらか」ではなくて、「生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせ状態」である、というのがこの説明である。
そして、量子ビット同士を接続して論理回路を作ることが可能であるが、当然ながら観測しない状態では出力も確定しない。そして観測した時点で量子ビットの0か1は決まるのだが、それは観測するたびにランダムに変わる。一方、論理回路の出力はそのランダムな入力に対して一意に決まるのだが、何回か観測を続けてその出力の「傾向」を見て、それを既存のコンピュータに入力して計算を続けるのだ。
もう一つ、「量子もつれ」という面白い現象がある。二つの量子を量子もつれの状態にしておいて、量子同士を引き離す。するとどんなに遠くに離れていても、その量子のうちの一つを観測することで確定すると、もう一方も自動的に確定する。その確定の速度は瞬時であり、これで光速を超えた情報伝達ができると期待されている。
さて、これをサンタに適用するとどうなるのか。元々、サンタが世界中の子供にプレゼントを配るには、超高速で移動しなければならないのではないか、という議論が昔からあった。地球の大きさと子供の数から考えると、サンタは光速の0.5~0.8%程度の速度で移動する必要がある。これはトナカイの鼻のところで赤方偏移が起きる速度であり、当然ながらそんな速度で地表付近を移動すれば大爆発が起き、サンタどころか子供も地表も無事では済まない。サンタは多数いるのだ、と解釈することも可能だが、百や千いたところで大した違いはない。
ではどう解釈するのか。サンタは観測されていない(子供に見つかっていない)状態の間、多くの子供の部屋に同時に存在する。これが重ね合わせの状態である。しかし、どこか一つの家で目撃されてしまうと、それでサンタの存在が確定してしまう=他の家のサンタは消えてしまう。そして子供がサンタから目を離すと、再びサンタは重ね合わせの状態に戻り、仕事を続ける、というのだ。
サンタが訪問すべき家の数を2.4億軒、時間を36時間と想定し、1軒当たり30秒で訪問すると考えると、サンタはだいたい5.5万人ほど同時に存在することになる。子供に見つかる可能性を考えると、この数倍から十数倍はいた方が良いだろうが、それでも十万人の単位であり、これが世界(の同じ時間帯)にバラけているのなら、まあ見つからなくても納得ではある。そしてこの理論なら、サンタは爆速で移動する必要がない。そもそもサンタは妖精の類であるから、消えてしまうことにも不自然さはない。十万人単位で大量に居るはずなのに二人以上が同時に見つかることのない理由としても完璧だ。
これは新しいサンタの存在の根拠になるだろう。

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