ナフサ供給「年明け以降も確保」 高市首相表明、中東以外で代替調達
このニュースを受けて、石油備蓄は安泰かと思って調べてみたら、全然そんなことはなく、むしろミスリードに近いことが分かった。結果として500日で日本の石油消費量を半減する必要があることが分かったので、その概要とプランを説明する。
まずこのナフサであるが、ナフサとは原油を一次精製した最初の石油である。ここから更に精製してガソリンや軽油を作っていくことになる。
そしてこの「ナフサ供給」だが、実際には輸入分と国内生産分があり、供給を確保というのは輸入分の話なのだそうだ。国内生産分は原油から精製するのだが、こちらは今回変わらない。
その比率は、国内生産40%、輸入が60%である。そしてその輸入のうち中東分が40%、20%がその他地域からの調達になっている。今回、中東分が止まったので、それを代替する量が年末まで確保できた、というのがその実態である。つまり国内生産40%、代替調達40%、その他20%、となる。つまり輸入の総量は変わらず、国内生産も変わらない。
その国内生産40%は当然原油から精製するので、現在では備蓄から精製するしかない。ここがミスリードである。原油が入ってこないと備蓄を食いつぶすことに変わりはないだけでなく、そのペースにも影響は(良い意味でも悪い意味でも)ないのだ。
では原油はどうかというと、元々90%は中東でその他が10%だったところ、その90%がほぼ無くなった。細々と再開や外部調達が行われているが、現状ではせいぜい25%というところである。政府はこれを今後数か月で50%にまで戻そうとしてる。だが、世界中で供給が不足していることや他経路からの供給能力などから考えると、50%以上は望めないというのが大方の見方なのだそうだ。
現在の備蓄量から計算すると、調達が(50%)回復するまでのタイムラグまで考慮し、およそ500日程度で備蓄在庫が切れる計算になる。
戦争はいつ終わるか分からない。当事者のアメリカは石油生産国であるので、この手の心配は少ない。他国が噛みついてきてもあのトランプのこと、そう簡単に折れるとは思わない。ウクライナの戦争も、1週間とか2週間とか言われていたが、未だに続いている。今回も年単位で戦争が終わらない可能性は否定できない。そして500日はあっという間である。
だからその間に需要、つまり石油消費量を現状の50%にまで削減しなければ、社会は持続できない。もし無策ないしは対策が不十分なら、(いずれにせよ備蓄は尽きるのだから)500日後には50%の供給以上は物理的にできなくなり、社会は大混乱に陥る。混乱と一言に言うがその規模は甚大であり、それこそ大量の(万単位での)死人が出るだろう。例えば(物流が半分になるために)食料供給量が50%に減ったら。(ガソリン供給が不十分で)救急や消防が満足に出動できなくなったら。社会不安から暴動が起きたら。危険は幾らでもある。
他国では既に制限に入っているところもある中、日本の備蓄は例外的に多く、500日の余裕があることは幸いと思うべきだろう。これを生かして段階的に緩やかに需要を減らしてやろう、というのが今回の提案「500日プラン」である。
プランは100日ごとに区切って行う。これはマイルストーンとして分かりやすくするためでもある。
- まず最初の100日でマイナス15%を目標とする。これは緊急節約的なものが主流になる。官公庁や大企業で在宅勤務を義務化したり、運輸での共同配送ガイドラインを作成、あるいは重要インフラへの燃料確保の優先順位を発表したりする。
- 次のフェーズは価格調整である。燃料補助を削減、様々な種類のサーチャージの追加、都市部の混雑課金などでマイナス25%を目指す。
- 第三段階ではいよいよ配給制を一部導入する。大口需要家の使用枠を設定したり、燃料クーポンを試験導入する。ここでマイナス33%を目指す。
- 第四段階では配給の全面適用を行う。また物流の共同配送を義務化、休日の不要不急移動を抑制する。ここでマイナス42%。
- 第五段階ではいよいよマイナス50%にする。これらの施策をさらに強化し、配給上限を厳しくする。
もし戦争が終わったり更なる調達が確保できるようなら、途中から段階的に元に戻すようにする。例えば供給が60%になったら第四段階に戻す、75%になったら第二段階まで戻す、などだ。戻す速度は各々50日で良いだろう。いきなり戻してはダメだが100日かける必要はない。
これを政府が発表するだけで、世間はパニックになるだろう。まずは買い占めであっという間に食料や燃料が市場から消える。だが「その日」が来るまで無策であれば、そのパニックの規模は何十倍になるか計り知れない。情報を小出しにでもしながらでも、国民に少しづつ覚悟を決めさせる必要はあるのではないか。

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