2019年7月1日月曜日

新しいDAPPSのカタチ


以前も考えたことがあるのだが、今ネットで使っているようなオンラインサービスは、今後完全分散型に移行する可能性がある。その心は、国や宗教その他のイデオロギーによる規制を回避すること、また単一故障点を無くして可用性を高めることだ。このために必要なのはスマートコントラクトであるが、このためには仮想通貨のやり取りが必要になる。これが今、悪いイメージがついてしまっていて、敬遠のモトになっている

この仮想通貨を排除し、また広告モデルでもロングテールモデルでもない、完全ではないが無料のモデルとして提案したいのが、以前もちらっと話した「計算機資源提供モデル」である。

そのソフトウェアはスマートコントラクトとして実行される。つまりネットワークに仕事を投げ、他人にやってもらう。そのための報酬は仮想通貨ではなく、資源提供だ。即ち、ストレージや計算といった資源消費を通貨のように使う。単純に言うならば、自分の計算機資源でできる分だけの計算を行う、ということだ。

例えば検索をしたいとすると、スマホからの検索とサーバーからの検索では、後者が有意に速くなる。実際に消費しているのは他人のストレージや計算機資源であるが、その代わりに自分の知らぬところで勝手に他人の検索にも資源が使われている。

もし出先でも快適に検索したければ、自宅に高性能サーバーを設置しておいて、そのサーバーとスマホをペアリングしておく。すると、それらを併せた計算能力を評価して、速く検索ができる、というわけだ。

このサーバーは、広告業者も使っている。自分の家にサーバーを設置することができないユーザーは、広告を見ることを条件として、それに見合った広告業者サーバーの計算能力を借りることができる。見ないなら単に遅くなるだけで、仕事自体はできる。あるいは、個人情報の提供を承諾する代わりに計算機能力を買う。

これらが嫌だが自宅にサーバーを設置するのも嫌だ、という人は、パブリッククラウドに専用サーバーを月額で買うことができる。もちろんこれは専用のサーバーであり、ただカネを払うだけで、ここに個人の情報が入ることはない。スマートコントラクトに計算機能力を提供するだけだ。

このモデルの素晴らしい所は、個人情報を売る危険や、広告を見る際に紛れ込むマルウェアなどの危険と、自らがサーバーを設置することや月額レンタルすることの選択ができる点だろう。

必ずしもブロックチェーンを使わなければならない、とも限らない。だが何らかのゼロトラスト計算ができないと心配ではある。ここは検証が必要だろう。

問題なのは、このままではソフトウェアを作った業者が儲ける手段がないというところだ。これに対応するには、ソフトウェアが何らかの情報収集をするとか、計算機資源を報酬として受け取り、それをクラウド会社に売る、などが考えられる。

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