2019年7月17日水曜日

藻栽培器とパスタマシン


家庭で気軽に野菜を育てられるハイテク栽培セットが、多数売られている。どれもが似通ったもので、水耕栽培にLEDライト。電気があってタンクの水を定期的に補充すればよい、とするものだ。
魅力を感じないわけではないのだが、まだ機械化度が足りないように思う。機器の枠から植物がはみ出るのも気になるし、虫がつかないだろうかと心配になる。掃除も必要だろうし、LEDライトは漏れてきていて、夜中には眩しくて邪魔だし、エネルギー効率も悪そうに思える。
ユーグレナやクロレラといった藻類なら、全てをタンク内に押し込められる。また、環境を機械的に整えることで連続的な生産が可能なはずだ。適当な間隔でフィルタリングして乾燥して固形にする、というような完全自動化もできそうだ。完全に覆うので光合成用の光も無駄にならない。これなら装置だけ買ってくれば家庭でできそうではないか。
これが今できていないのは、藻が直接家庭で食べられることがないからだろう。しかし栄養学的にはけっこう理想に近く、野菜の代わりには十分なりうるものだ。この問題さえクリアできれば、普及は近いのではないか。
そこで改めて「ユーグレナオンライン」を見てみると、サプリメントや青汁など、毎日の食事とは縁遠いものしかないことが分かる。ユーグレナ「入り」のクッキーや菓子、麺などもあるが、これもちょっと違う気がする。つまり、付け合せやサラダの位置付けになる藻料理が欲しいわけだ。それも何種類も。
基本的には、麩や練り物のようなベースを作っておいて、パスタのように形状を加工して、茹でる、揚げる、炒める、といったバリエーションを作れば良いのではないかと考える。つまり、パスタマシンのような加工機と、ユーグレナタブレットの製造機(実態は藻栽培器)のセットである。
ユーグレナタブレットはストックとして持てるようにしておく。例えばシリアルディスペンサーに移すようにする。多すぎるようなら製造機の製造ペースを落とす。パスタマシンに水や油、つなぎや味の変化をつける調味料などを投入して、スイッチを入れる。すると、例えばニョッキのようなものが出てきて、これを好みで茹でたり揚げたりする。
このニョッキは、調理前のものを冷凍保存することが可能だと思う。すると味や調理法のバリエーションが増え、飽きる可能性を押さえることができるだろう。
メイン(おかず)とご飯と、このニョッキを副菜とするような食事ができるなら、野菜の購入量を大いに減らすことができる。そしてその材料は全て大量購入してストックしておくことが可能だ。これなら災害用非常食にもなる(材料と機械のセット)し、宇宙食としても有望ではないだろうか。
また、遠い将来の話になるが、この藻タブレットを原料として、人工肉を作ることができるかもしれない。そうすると、メインと副菜の材料がほぼ藻になって、更に効率が上がるのではないか。

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