2018年9月14日金曜日

太陽電池とEVの連動普及


太陽光発電のコストが急激に下がっていて、従来の発電に比べても十分に競争できる時代になっている。それでもまだ太陽光発電に対する警戒感は強い。その大きな理由は、天気や季節に左右され夜間は発電できないことだ。

これに対して、EVの充電池をバッファとする案がある。この実現性について、量的な視点で可能なものなのだろうか、考えてみた。


  • まず、一日の最大電力は、過去のピークで6430万kW、一日当たり1184百万kWh。つまり64GW、1.2TWhとなる。
  • 日産リーフのバッテリ容量は40kWh。テスラ3は50kWh。他の電気自動車はこれより少ないようだ。テスラのトレーラーは推定800kWh。
  • 自動車の保有台数は8千万台。乗用が6千万、貨物が千4百万。稼働率は5%。


大まかな数字が出たところで、検証してみる。日本の全ての自動車が電気自動車になったと仮定すると、その総バッテリー容量は、3.2TWh(全部リーフの場合)。稼働率5%と、その他接続していない車を合わせて8割がオフラインだとすると、0.64TWhとなる。これに対して一日当たりの使用量1.2TWhだ。つまり、一日の半分の量のピークカットができることになる。これは、太陽光発電の不安定さを補うには十分すぎる量だ。

事はもちろんこんなに単純ではない。平均的には大丈夫でも、部分で見れば過不足は発生するはずだ。それを近所で補完しようとすれば逆潮流になるから、それなりの設備が必要になる。

また、全部の自動車が電気自動車になるのは何十年も先の話であり、過渡期に立ち行かなくなればアウトだ。そうならないためには、ピークアウト対応充電プラグとEVの普及に合わせて太陽光発電を増設する、という政策連動が必要になる。

大規模な発電所はそう簡単に計画を曲げられないから、それに合わせてEVの普及率を調節するのがその原則だ。つまり、太陽光発電への補助金をEVにも割り当て、普及率に合わせて補助金の率を調節する。ある程度以上進めば補助金は不要になる。

上手くいけば、現状の太陽光発電の問題である新規開設認可の滞りまで含めて一挙に解決できるかもしれない。

2018年9月13日木曜日

幸福度とビッグデータ


社会が上手く廻っていることの目安として、人々の心の平穏の程度が挙げられる。国民総幸福量のようなヒアリングによるもの、地球幸福度指数のような統計情報から算出するものなどがある。

個人的には、血液検査によるものを提唱したい。コルチゾールやドーパミンなど、ストレスや幸福感を示すホルモンの量を計るものだ。

こういったもの(幸福度)を計測してランキングを出すところはあるが、それをKPIにして向上策を考える、という方向性は皆無だ。国は是非これを推進して欲しいと思う。

これが難しいというのはまあ分かる。それを向上させるために変化させるべき指標が何なのかを定めるのは難しいからだ。ストレスが多いとしてそれが何のせいかを知るには、また別の指標が必要だ。

ただ、これは近年、ビッグデータという概念の登場で、光が見えつつある。つまり、そういった幸福度とビッグデータとの突合せで、統計的に何が(あるいはその組み合わせが)キーになるのかを推定できる技術が伸びつつあるからだ。

できれば外から見える国民のデータは多数欲しいところだが、最初は有志によるサンプルでも良い。ラフに話が見えてくれば、そこから深彫りして調べることも適うだろう。ここまでできれば、政策に反映させるまでは見えてくるだろう。

このパラメーターは国民性が出てくるはずだから、ノウハウのみ持っていって海外に進出することも可能だ。そうすれば世界中が幸せになる方法も見つかるかもしれない。

2018年9月12日水曜日

情報銀行とPDSと認証基盤


先日、情報銀行とPDSについて勉強したのだが、マーケティングに使う、統計に使うといっただけでなく、個人情報の提供や連携に使うという点において、認証基盤と似ているな、と感じた。しかしこれらはまだばらばらだ。個人情報をマーケティングに活用するのには積極的なのに、ユーザの利便に与する認証基盤には消極的。そんな印象を受ける。行政として取り組む順番が逆だろう。

もう、国民が使うIDは事実上マイナンバーで決まりなのだから、マイナンバーポータルにはOpenIDやGoogleID連携と同様の「マイナンバーID連携」を提供して、PDSとマイナンバーポータルは同一のものとすべきではないだろうか。

PDSというと個人情報の切り売りのようなイメージだが、実際には住所氏名など、企業との連絡先や支払い手段など、共通のものの連携の方が、個人にとっては重要だ。また、シングルサインオンも、ここを基点にすることは大きなメリットがある。

XXさえ覚えていれば、のXXが、GoogleやMicrosoftだというのは国民として心許ないことだ。まずここがしっかりしていないと、PDSだの情報銀行だのと銭勘定ばかりしている場合ではない。行政との基点だってここになるのだ。しっかり考えて作って欲しいものだ。

2018年9月11日火曜日

電子エスクロー


ブロックチェーンの応用技術の一つに、スマートコントラクトがある。仕事(コードの実行)と課金(コード実行に対する対価)が同時に交換される、というもので、言わば踏み倒しの心配がなくなるための仕掛けだ。

従来のソフトウェアにも、ライセンスという考え方はある。ライセンス回避防止のため、各社は様々な仕掛けを考案しているが、これを簡単に実現する仕掛けとも言えるだろう。
ただ、ブロックチェーンの場合はもう少し事情が複雑で、コードを実行して欲しい人は当然カネを払うわけだが、実際にコードを実行して対価を受け取る人は、コードベンダではない。ブロックチェーン上にいる匿名の誰かだ。

つまり、本質的に、スマートコントラクトとは、実行コードは大したものではなく、その数(実行回数)が膨大であって、実行そのものに価値を置き、不特定第三者が地道に儲けるための仕掛けである。

これは、逆に言えば、高度なプログラミングを付加価値とするような既存のSaaS業者には馴染まない、ということを意味している。そういう業者がSaaSをどう進化させるかに関してスマートコントラクトから何を見い出すか、と考えると、その根本たる「信頼性調査不要」(実行=課金)というところだろう。

従来でも、課金しなければ実行しない、とすることはできたのだが、これはSaaS側に一方的に有利な仕様だ。つまり課金後仕事をせずにバックレることが可能な訳だ。自分を信用してもらうためにあれこれ手を尽くすのが面倒だと思えば、この考えを取り入れてしまえば話が早い。

つまり、プログラムの実行(結果引渡し)と課金の両方が成立するか、両方とも成立しないかのどちらかしかステータスが存在しない、という状態を作り出せればよいことになる。
通販ではエスクローという制度があるが、これと同様、信頼できる第三者(認証期間のようなもの)があれば、この実現は簡単である。それを国や自治体(ないしはそこからの委託期間)が運営し、ベンダはそこにIDとコード(スマートコントラクト)を登録するだけでよい。

認証機関の背後には、登録した多数のベンダと繋がるチェック機構がある。ベンダが実行したコードが確かにユーザの指定したコードなのか、実行が正しくできたのかを監視し、正しくできればベンダに支払いを行う。ベンダとの間は仮想通貨を使うが、その発行元は認証機関であり、新規通貨の発行権を持っている。また、現金(法定通貨)との換金もここが行う。

ベンダは、コードの実行毎に課金で仮想通貨を得るが、それを現金に戻すには認証機関に頼むしかない。これによってネットワーク内の仮想通貨量は調節される。
もう少し詰めていけば、実用に耐えるようになるだろう。

さて、これを作る目的だが、従来のスマートコントラクトでは、コードの価値はゼロだ。実行にのみ対価が発生する。しかしこの仕掛けでは、コードにも価値が発生する。

そうすれば、従来は躊躇したであろう高度な(大容量の)コードや、特許など知的所有権のある(価値のある)コードがこのプラットフォームに乗る。これはある意味公平性があるわけだ。小さい企業、技術力はあるが営業力が弱い企業なども、ここで勝負ができるようになる。

これは、業界の活性化に繋がるものと信じる。

2018年9月10日月曜日

DAO批判


Decentralized Autonomous Organization(分散自律組織) だそうだ。DAOの記事を読んでいると、次世代の会社だ、という風潮があるのだが、どうもまだ黎明期における過剰な期待が解消されていないようだ。

現状でDAOが使い物になるのは、経理や庶務の一部、事務代行のような、明確に切り出してルールを定めプログラム化できるものだけだ。「判断もオンラインでやる」と言われているが、実際には主任レベルの判断すらまともにはできない。とても従来の組織を乗り越えるような大げさなものではない。

ユーザから見て、それがDAOかSaaSなのかはどうでも良いことだ。DAOにできてSaaSにできないことなど何もない。多少使い勝手が違うだけだ。これを整理してみると、

メリット:
  • 信用調査の必要がない(但し結果が所望のものかどうかはお試しが必要である)
  • 想定外の負荷変動に耐えられる(但し十分な顧客数がある場合)
  • 課金が自動である(踏み倒しや詐欺がない)
  • 多少は安いかもしれない
  • 事業継続性は高い(但し十分な顧客数がある場合)
  • スケーラブルなコードを書く必要はない
デメリット:
  • サーバを用意する必要がある(自分の仕事でない仕事をするための)、しかもサービス毎にプラットフォームが異なれば各々必要になる(但し多重化やUPSは不要)
  • 顧客数が十分に多くないと信頼できない(事業継続性、性能、負荷追従性、改ざん可能性等に不安が出る)
  • 「作る側」に従来と異なる高度な技術知識が必要
  • あまり大きなプログラムは乗らない
例えば、ブロックチェーンは全く使わず、二者間のスマートコントラクトができるのであれば、課金と信用の問題はないわけだ。従来のオンラインサービスに、それだけ載せれば済む話ではないか、という発想はあり得る。

DAOが流行る可能性があるとすれば、複数のサービスが同じプラットフォーム(ブロックチェーン)に載ることが保証される場合である。例えば国が準備する、大量のサービスが一気に登場する、などだ。

これは、今のアルトコインの現状を見ていると、望み薄と言えるだろう。

2018年9月9日日曜日

ブロックチェーンじゃない


ブロックチェーンには個人的に不信感を抱いている。その理由は以前も書いたが、
  • 合議によって不正を検知するとあるが、不正する輩が組織的に大量に入ってくれば負けてしまう
  • 台帳たるブロックチェーンは永遠に長くなっていく仕掛け
  • 大量のデータが全部の端末に複製され続ける膨大な冗長性
  • 合議によりスピードが抑制される
  • 一度投入したスマートコントラクトが訂正できない
などだ。DAOの検討に当たって、これらを解決した分散環境が必要だと考える。その要件は
  • 全台数の合議などという冗長な確認方法ではなく、素早い確認ができること
  • 全台数に同じデータをコピーするというような必要以上の冗長性をやめること
  • 古いデータは捨てられること
  • スマートコントラクトを訂正できること
などとなる。そのためには、完全分散でなくても良い。(部分分散でよい)

以前、二重の輪の話をしたが、ここで考えるのは三重の輪である。最も内側の輪は、トークンとスマートコントラクトの実行の信頼性のみを保証するもので、極めて信頼でき、多量の資源を投入できる組織のみから構成される。

例えば、国、自治体、多国籍企業などのうち大きなところだ。いわば郵便やインターネットの提供と同じようなベースロードであり、トラストレスは保証するが中身には感知しない(どころか知り得ない)。

真ん中の輪のトークンは、金(ゴールド)ベースの仮想通貨であり、外側の輪からはこれで手数料を取る。基本的に手数料はリアルタイム変動はせず、合議で年に何回か変えることができる。

真ん中の輪は、具体的なサービスを提供する企業・個人であり、バックボーンとして内側の輪を使用する以外は通常のサービスプロバイダだ。これは仮想通貨のバリエーションやDAppsに相当する。

一番外側の輪は、サービスを利用するエンドユーザだ。外側の輪は、基本的に軽量である。スマートコントラクトを実際に行うのもここだ。

内側の輪の目的は、ブロックチェーンの制約を緩めることにある。例えば合議制だが、数が少なければ全員一致で認証することができる。半分が合意すれば、などというまどろっこしいことは起こらない。また、やはり合意の下、一定以上古い記録をアーカイブして切り離したり、スマートコントラクトのバグを訂正したりすることができる。

後から巻き戻しすることも含め、内側の輪が全員合意すれば、大抵のことは可能になる。だからこそこの輪の構成員は社会的信用が求められるわけだ。ここが既存のブロックチェーンとは決定的に異なる。

他、内側の輪の構成員の一部が結託するなどして悪巧みをしたとすると、残りの構成員がこれを締め出す仕掛けも必要だろう。対象以外の全員が合意する、といった安全策は必要だが、そうした上で締め出し前にさかのぼって巻き戻しをすることができれば、被害を救済できる。

このように構成すると、例えば新しいDAppsがICOをしたとして、実はそれが詐欺だった、というような場合に、内側の輪がそのDAppsの集金をロールバックする、ということが可能になる。これでブロックチェーン絡みの詐欺は、社会的なものも含めてほぼ阻止可能と思われる。

また、ブロックチェーンの大きな欠点である51%問題にも対応できる。信用できない輩は内側の輪に入れないからだ。また、その信用があるからこそ、チェーンをぶつ切りにしてアーカイブ化することも適う。

世界中の分散環境を全てこれに乗せることができれば、信用詐欺も裏金も、相当に押さえ込むことができるはずだ。例えば国家通貨をこれに載せることすら可能である。

ここまで来ると、もうブロックチェーンとは言えない。むしろ、ブロックチェーンを置き換える第二の(第三の?)分散環境と言えるのではないか。

2018年9月8日土曜日

AIによる広告業界の崩壊


Amazonのリコメンド機能は結構有効だ、と聞いたことがある。リコメンドはあちこちでやられていて、それが広告にも効いていることは事実だが、将来的にこれが発展すると、逆に広告の首を絞めるのではないか、と思い始めている。

リコメンドはユーザの行動を基にしているが、それは必ずしも単独の店舗での行動とは限らない。ブラウザに出てくる連動広告はその一つだ。そこで考えるのが、ブラウザ以外のユーザ行動も含めて全てをリコメンドの基礎データとしようとした場合、それは単独の店舗に利するものにはならないのではないか、ということだ。

要するに、スマホに独立した常駐アプリケーションとして動作する「汎用リコメンエンジン」が登場するのではないか、と思うわけだ。そのリコメンドは必ずしも購買行動だけではなく、行動全てに渡って逐一リコメンドするものだ。例えば運動不足や食事の選択、会話の勧め方、遊びまで含めての推奨をするものだ。

特定のタイミング、例えばいつもなら食事に行くタイミングはどこに食べに行くか、そしてお勧めのメニューまで出してくれる。その背後には店のメニューや今の混雑具合、本日の日替わりまでオンラインで入手した上での比較がある、というわけだ。本日の日替わりなんてどこで入手するの、というと、監視カメラの映像だったり既に先に入った別の人のSNSからだったりする、という寸法だ。

店舗の営業時間の変更や本日の日替わりがSNSで通知されるということは、もう日常的になっている。であれば店のHPを見る必要はない。わざわざ行く必要もないし、チラシを打つ、CMを打つ、などの必要もない。

これは逆に、今まで広告で飯を食ってきた人にとっては脅威になるわけだ。機械自身が嗜好を元にキュレーションの如くSNSやネットサーフィンをすると、従来の(人に向けた)広告テクニックは使えない。単純な事実のみでしか訴えられないからだ。

もちろん、有名人を起用したCMを打てば、その有名人が好きだからという理由で買おうとする輩は居るから、AIがそれを無視しないで拾い上げる可能性はある訳だが、無理にゴールデンタイムに出すのではなくYouTubeに出しても同じ効果が出る、となれば、そうする傾向は強まるはずだ。

これは、規模の経済格差を圧縮する効果がある。つまり小さいところでも大手と渡り合える可能性が高くなる。また、規模の経済で押してきたTV業界(特に民間)を大いに圧迫する。下手をすれば潰れかねないほどのインパクトがある。

本や雑誌、新聞も同様だ。広告枠の単価は下落圧力が掛かり、それが紙面の質に影響を与えたり、多くの出版社が潰れることにもなる。市場そのものが減ってしまうのだ。

サービス業の中でも、エステやスーパーのように実業をしているところと、問屋や広告など間接で仕事をしているところとがある。AIリコメンドは間接業界そのものの規模を縮小させ、多くの失業者を出すポテンシャルがあるのではないか。

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