Decentralized Autonomous Organization(分散自律組織) だそうだ。DAOの記事を読んでいると、次世代の会社だ、という風潮があるのだが、どうもまだ黎明期における過剰な期待が解消されていないようだ。
現状でDAOが使い物になるのは、経理や庶務の一部、事務代行のような、明確に切り出してルールを定めプログラム化できるものだけだ。「判断もオンラインでやる」と言われているが、実際には主任レベルの判断すらまともにはできない。とても従来の組織を乗り越えるような大げさなものではない。
ユーザから見て、それがDAOかSaaSなのかはどうでも良いことだ。DAOにできてSaaSにできないことなど何もない。多少使い勝手が違うだけだ。これを整理してみると、
メリット:
- 信用調査の必要がない(但し結果が所望のものかどうかはお試しが必要である)
- 想定外の負荷変動に耐えられる(但し十分な顧客数がある場合)
- 課金が自動である(踏み倒しや詐欺がない)
- 多少は安いかもしれない
- 事業継続性は高い(但し十分な顧客数がある場合)
- スケーラブルなコードを書く必要はない
- サーバを用意する必要がある(自分の仕事でない仕事をするための)、しかもサービス毎にプラットフォームが異なれば各々必要になる(但し多重化やUPSは不要)
- 顧客数が十分に多くないと信頼できない(事業継続性、性能、負荷追従性、改ざん可能性等に不安が出る)
- 「作る側」に従来と異なる高度な技術知識が必要
- あまり大きなプログラムは乗らない
DAOが流行る可能性があるとすれば、複数のサービスが同じプラットフォーム(ブロックチェーン)に載ることが保証される場合である。例えば国が準備する、大量のサービスが一気に登場する、などだ。
これは、今のアルトコインの現状を見ていると、望み薄と言えるだろう。
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