2019年1月31日木曜日
ブロックチェーンバックアップPC
PCが壊れた際、新しいPCを買ってきて、それに古いPCを同じ使い勝手をするべく、ソフトや設定を調整する作業は、いつも大変だ。
単にバックアップ・リストアをすれば戻るよ、ということも多いだろうが、そもそもバックアップなんて意識してしていないし、リストアって何?という人も多いだろう。これは自動で行って欲しい。
また、バックアップをいったい何処に取るのだろう。設定程度であればクラウドに逃がせば良いだろうが、大容量データとなるとクラウドでは有料、それも結構な額になる。当然契約も必要だ。ここは無料且つ何も設定なしにして欲しい。特定ベンダに依存するのも不安になる。そこで、こんなことを考えてみる。
既に、ブロックチェーンを使ったオンラインストレージサービスは存在している。storjなどは代表的だ。これを使う。
そのPCのストレージは、全容量の3/4がこのストレージサービスに割り当てられている。このサービスは、同じサービスをインストールしているPCと相互バックアップをしている。ネットに繋いだ途端、そのサービスはブロックチェーンに参加し、整合性を確認する。
このバックアップは、通常のそれではない。ローカルの1/4のストレージを、細かく分断し、暗号化し、ネットの海に広く浅く、更に冗長化してばら撒くのだ。逆に、自分の持っている3/4のストレージには、そういう断片が詰まっている。
個々の断片が何処から来た誰のデータかは無論わからない。自分のデータが何処にあるかも分からないが、冗長度は分かる。コピー先のPCが電源オフになったり、ネットから切断したり、故障して廃棄になった場合は冗長度が落ちるので、規定の冗長度になるまで再度配布される。
こういうシステムが動いていて、ある日自分のPCがお亡くなりになったとする。新しいPCを買ってきてネットと繋ぎログインする、後は放っておくだけでリストアが成立するわけだ。
廃棄されたり故障したりしたPCからデータを抜き取っても、ローカルの1/4に関しては盗まれるだろうが、残り3/4に誰のどんなデータがあるかはわからないし、わかっても断片しかないので復元できない。
このときのログインIDはストレージサービスのIDであって、OSやGoogleのIDである必要はない。中身は暗号化されているので、世界中どこにあっても問題ない。特定の国や企業に依存するわけではない(そのサービスには依存するが)し、巨大なサーバも必要ない。もちろん情報が漏れる心配もない。相互依存なので、費用も発生しない。クレジットカードの番号を晒す必要もない。
これはどんなOSであっても原理的には対応できる。OS起動前のプレOS、仮想化ソフトのような位置付けでよい。ぜひ検討してもらいたいと思う。
2019年1月30日水曜日
QAの外注
近年、日本企業の不祥事が目立っている。検査を適切に行っていなかった、というものが多いが、では粗悪品だったのかというとそうでもない。そこでなあなあが進んでいった、というパターンだ。
経理や社員福祉などが外注されてきた歴史はあるが、QAも同じようにしてはどうだろうか。品質検査はそれだけで立派な技能であるし、監査や社外取締役と同じく、独立させた方が馴れ合いが断ち切れてよいのではないか。
これにはもう一つの側面もある。QA会社は当然QAのプロであり、他社のQAも引き受けるわけだから、QAのノウハウが偏らずに溜まるはずだ。企業内QAと違ってコスト管理もしっかりできるから、全体的に見れば品質向上・低価格化・高速度化、何れの方向にも向く。
同じ企業とずっと付き合っていれば馴れ合いも生じるだろうが、これは企業内QA部署でも同じことだ。「QAを低コスト化する設計」という観点も生まれるはずだし、お互いに良いことであろうと思うが、いかがだろう。
2019年1月29日火曜日
高機能銀行口座
銀行の口座を一つしか持っていないという人はどの程度いるのだろう。複数持てば管理は大変だが、それでも複数の口座を持つのには理由がある。
その最大のものはリスクヘッジだ。何かのトラブルで大量のカード引き落としをされてしまった、詐欺に遭って全額引き落とされてしまった、ATMが故障している、システムの入れ替えで引き出せない、などといったトラブルは、けっこう頻繁にある。
他にも、送金先の名称を微妙に変えたいとか、目的別にカネを管理したいとか、理由は色々ある。だが、一つの銀行でも対応できるはずのものは多くあるのではないか。
例えば、普通預金口座が一つしか作れない、というのは如何なものか。実質上はそうでも、仮想的にそう見えるように作ることは、技術的には可能なはずだ。その仮想口座に仮想的な預金とデビットカード等を割り当てる、たったこれだけでも随分違うと思うのだ。
これを家族に膨らませることだってできるだろう。毎月、子供の仮想口座に定期的に振込み、そこから子供の分の携帯電話の支払いをする、下宿の生活費を送るのにはまた別の口座、といったことは、管理上嬉しい人がいるだろう。
システム更新やATMの話だって、異なる系統のシステムで二重化しておけば済むことである。一つが更新中ならもう一つにアクセスすればよい、と最初から設計しておくことは、何も難しいことはない。
他にも、セキュリティレベルの異なる口座を用意しておくなど、できることは沢山ある。メガバンクの整理がほぼ終了した今、そういった口座を考える素地は十分にある。
2019年1月28日月曜日
サービス登録の一括管理
マイナポータルの運用が既に始まっていて、そこには「外部サービス連携」があるのだが、正直言ってGoogleのアカウント連携の方が便利だ。行政がやるのだから、もっとしっかり突っ込んで欲しかった。行政であれば民間企業よりはるかに密な連携ができ、使い勝手は大いに向上したはずだ。
どんな使い勝手を期待するか。その基本は、連携の形態を複数用意し、サイトによってその形態を選べるようにする、というものだ。
- 単にIDパスワードをマイナポータルに保存するもの。
- パスワードマネージャー相当。入退会含め、マイナポータルは情報の整合性を保証しない。
- 導入初期の暫定、海外、及び信頼性が不明のサービスに適用。
- 入会退会状況を連携するもの。
- IDパスワードはマイナポータルに保存し、入会退会状況と共にサイトと連動する。入会、退会、パスワード変更は、マイナポータルからもサイトからも可能とする。一度連携すれば、情報は双方が同期する。連携を切っても、直ちに退会とはならない。
- 先方からの各種通知をマイナポータルで受けるかどうかは選択できる。
- 中小規模の予算が少ないオンラインサービスを想定。
- マイナポータルの保持する情報のどれかを指定して、サイトに提供する。
- 提供しているマイナポータルの情報を変更したら、その旨とその内容がサイトに通知される。その際、追加で手続きが必要であれば、サイトが認識できるようにする。
- 連携を指定していない情報は、マイナポータルとサイトで異なる可能性がある。
- インフラ(電気ガス水道通信)、金融系、大手オンラインサービス、中期的には大部分のサービスが主なターゲット。
- マイナポータル経由でないとログインできない。
- 接続サービスによって決まっている情報は、自動的に連携される。ユーザは個々を指定できない。
- 通知は、マイナポータル経由で行われる。これが公式な通知としての効力を持つ。逆に、公的な通知は、必ずマイナポータルにも行わなければならない。
- 行政(選挙、住民情報系、公的控除等)、納税、義務教育公立学校等に適用される。
- マイナポータルに登録している情報の変更に際して、一般的に必要と思われるサイトを事前登録しておくもの。
- 葬儀、引越し、贈答品、LPガス・燃料、レンタカー、私立学校など。
- 登録時点では情報連携はせず、事象発生時に通知と情報連携を促す選択画面を出す。
2019年1月27日日曜日
PayPalによるクレジットカード決済
なんだそんなの今でもできるよ、と早とちりするなかれ。
通販でクレジットカード決済をする場合、カード番号が漏れるのが心配になることがある。大手ならまあ大丈夫だろうとは思うが万一ということもあるし、初めてのところや怪しいところではなお更だろう。そもそもPayPalはそういう場合にも使える決済として便利なのだが、相手がPayPalに対応していなければ意味がない。例えばAmazonは対応していない。
これに対して、相手からはクレジットカードに見え、こちらからはPayPal決済に見えるようなサービスがあれば便利ではないか、というのがこの主旨だ。
実は、デビットカードでは使い捨てのデビットカード番号を発行してくれるところはある。しかしこのどれもが手続きが面倒で、しかも銀行口座直結だったりする。ここで必要なのは、クレジットカード番号を使い捨てにすること、その番号での支払いは最初の一回だけで終わりにし、返金だけは受け付けるようにすること、二回目の要求が着たら金額限定でロック解除できるようにすること、半年後には自動で無効になること、カード番号をいちいち覚えなくて良いこと、などだ。これを満たすサービスは多分まだないだろう。
これなら海外通販でも安心して使えるのだが、どうだろう。多少の手数料があっても良いので、どこか立ち上げてくれないだろうか。
2019年1月26日土曜日
脳波レコメンデーション
先日のテレビで、音楽の好みを分析した上で、その人に合う音楽をAIが自動作曲する、という試みが紹介されていた。
脳波測定装置(光トポ?)のようなものを被って異なる種類の音楽を幾つか聞かせた後、分析・作曲するのだが、最初にヒアリングしていた被験者の好みとは全く異なる音楽が出てきて、更に全員がその曲を気に入ったのだそうだ。これは意外性があり面白かった。
従来のレコメンデーションと何が違うのかというと、結果として人がとった行動ではなく脳波を使った点だろう。つまり、脳波測定用ヘッドギア(番組では無線だった)を被って何となくウィンドショッピングしている、テレビを見ている、勉強しているだけで、自分の好みが分かってしまう、しかも本人が自覚していない意外なものを、ということになる。
この大きな可能性として、職業マッチングや婚活が挙げられるのではないか。高望みしてなかなか相手が見つからない、何となく敬遠しているがやってみると意外と面白い仕事などだ。他にも、新しい食べ物、本、鑑賞(観劇、スポーツ観戦、美術館など)などにも適用できる。これらは何れも「自分の人生を豊かにする」ものだ。
一日中スマホを持っているなら、一日中ヘッドギアを掛けていても良いのかもしれない。それが人生を豊かにするなら、少々の恥ずかしさは十分にカバーできる。
2019年1月25日金曜日
法律記述言語
以前提案した「法のプログラム化」を推進するためには、自然言語に良く似た「法律記述言語」が必要だ。これを考えてみる。
そもそも、なぜ今の法が分かりづらいのかと言えば、用語定義や論理構造が曖昧なところだ。だから法学者が複数いれば解釈が全部違ったりする。これは自然言語のみに頼ってきた近代の法の根本的な欠点だ。今の時代はコンピュータという便利なものがあるのだから、これを使わない手はない。
まず、法とはルールだから、①誰が②何をしたら(どんな状態になったら)③何をする、という構造を持っている。全ての法をこの状態に書き換えると、次のようなことが起きる。
②何をしたら(どんな状態になったら)は、パラメータとその値の組み合わせだ。例えば、平成何年の何月何日何時何分の時点で、①(誰)がどんな行為をして、その行為の動機がこうで、目的がこうだったとしたら、懲役何年に処する。
従来は、目的別に法が纏まって書いてあった。しかしこの書き方では、ルールは全部個別バラバラになる。ルールはいちいち個人向けには書かれないから、自分はそのルールの①に相当するのかということは、判断が必要である。
また、②何をしたら(どんな状態になったら)、の部分は膨大になる。法律の用語定義や上下関係・前提(適用期間など)が全て展開され、フラットになるからだ。これは、一見当たり前のことが長々と記述される、という形になる。例えば「今生きている日本国民」「日本在住」「在住の定義はXX」「事象当時に正常な判断能力を有するとみなせる」「正常な判断能力を有する条件はXX」などだ。しかし、これは元の法制定時に決まり、展開は自動で厳密に行われるので、人手が掛かるわけではない。
また、裁判で行われる「情状酌量」も、ルールに組み込まれるべきだ。更に、ルールの適用可否である「XXをしたとみなせる」の部分についても、よく争われるところだ。例えば目撃証言のみの痴漢冤罪などがそうだ。裁判では「XXとXXとXXを鑑み総合的に判断」などと言うが、これもルールに組み込むべきだ。
ルールは、パラメーターと値、その組み合わせだ。従って、パラメータが何かが分かれば値は調べられる。中には不明のものも出てくるだろうが、それこそが裁判の争点だ。つまり判断が分かれる「値」が決まれば、ルールの適用可否は自動的に決まる。
こうして決めたルールに従って分析をすると、恐らく従来の裁判の問題点が抽出できるだろう。それはすなわち、適用すべき/すべきでないルール、条件適用、用語の定義、に対してのばらつきや恣意である。そういったものを集め、またルールを強化するなどしてばらつきをなくしていく。
この結果として、世の中がどう変わっていくか。訴訟は、相手が何をやったか(=適用条件)の認定が主たる争点になり、ルールが厳格になればなるほど認定は簡単になる。それこそAI裁判所のようなものができて、あっというまに判決が出る。三審制は暫く残るだろうが、それは事実認定の曖昧さが減るに従って減っていくし、民間の判定サービスも出てくるだろうから、訴訟そのものが減っていくだろう。迅速で公平な裁判は、世の中を幸せにするはずだ。
ここでの懸念は、権力者側に有利なルールが増えていかないか、というものになる。当然それを完全に防ぐことは不可能だが、情報公開があれば恣意的な判断は機械的に集計できるので、それを抑止力にできる。
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