2017年9月2日土曜日
「豊富」な未来
Googleがローカルニュース記事を作成するソフトウェア開発に資金を提供した
記事を見ていると窮余の策にも見えるのだが、考えてみるとむしろ好ましいのかもしれない。今まで、ローカルニュースは地方紙の領分であり、全国紙ではローカルニュースは1ページとか、ごく少数しかなかったわけであるが、紙面が電子で無限になり、記事作成も豊富にできるようになるなら、「全国紙並みの地方紙」だって作れるはずだ。つまり、量も質も大きく向上するのではないか。
以前、音楽の話をした。昔、音楽は金持ちの道楽だったが、今では高品質な音楽をタダ同然で聴くことができる。ニュースも同様で、昔は届くのに1日掛かっていたのが数時間になり、量も豊富になり、興味のあるところは幾らでも深彫りできるようになる。もし直ぐは見なくとも、後から検索できるのであれば研究にも役立てられる。
極端な話、我が家のニュースとか学校のニュースとかがこれに加わったとして、(プライバシー配慮は必要だが)これをAIが適切に編集して提供するようなことになれば、およそ人生で知るべきことで情報がないということは無くなる。そのこと自体は人生を豊かにすることであり、「好ましいこと」であると言える。
今のGoogleアシスタントでできる調べ物は、検索に毛が生えた程度のものだ。だがこれが将来的に発展して行って、どんな細かな疑問も(AI)専門家が望む詳細さで回答してくれるとなったらどうだろう。例えばYahoo!知恵袋に多くある見当違いの回答が、全部正しい回答になるだけでも、社会的な知性は大いに向上すると言える。政治家の詭弁やウソが秒速で分かり、ニュースに添付されるというのも面白いし、犯罪の発生が証拠と共に即時に分かれば、社会も安定するはずだ。
そう考えると、「知らないこと」の齟齬が生んでいる社会的な損失は、とんでもなく大きなものになっている。AIやIoTの発達でそれが解消するなら、今の何倍もの効率的な社会が実現するのではないか、とも考える。AIやIoTが収集する情報は無論実用(社会システムの効率化など)になるのだが、人間自身の知性向上にも貢献してくれるはずだ。
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