2019年12月17日火曜日

スマホが母艦となる日


Galaxy Note 10+のDeX for PCを見ていて思うのは、もう少しこれが進化すれば、全てがスマホに収まる日も近いのかな、ということだ。

DeXは、単にスマホのソフトが大画面で見られるというだけではなく、大画面を生かした操作が可能になる。例えば小さいボタンやスライドバー、横長画面への対応などだ。DeX用のソフトを内包するように切り替えられれば、原理的にはPCは不要になる。PCのような大画面・キーボード・マウス(タッチパッド、ペン)が必要になるのは、人間のUIたる指や目への対応のためであって、ソフトそのものはスマホのものを使う、という算段だ。

これが従来できなかったのは、単にスマホのサイズに納まるメモリやCPU等の能力不足だ。これが時代の進化と共に充実してくれば、全ての機能はスマホに納め、UIのみを必要に応じて切り替える、という操作は現実的だ。

ノートPCのような筐体の背中にスマホを差し込む、という奇抜なアイデアの製品は、既に世に登場している。ASUSのPadfone、及びPadfone2だ。

当時は触手が動いたが、結局買わなかった。これをもう少し進め、アタッチメント式にするのではなく、高速短距離無線通信のみで接続するようにしてたら、買ったかもしれない。

アタッチメントにするとサイズに制約ができ、どちらかを買い替えたいと思っても両方買い替えなければならない。これは避けるべき制約だ。また、キーボード・ディスプレイユニットを2台買っておいて、自宅と会社に置いておけば、スマホを持ち歩くだけで自然にローミングができる。カバンにキーボード・ディスプレイユニットを入れたまま放置して盗まれても、そこには機密情報は何も入っていないので安心だ。会社では大型のモノを使う、会議室ではプロジェクタ接続、等と夢は広がる。

このユニットは、Chromebookのようなシンクライアントの付加機能としてくれれば、両者兼用できて更に便利だ。SamsungもChromebookを作っているのに、なぜこれを乗せてくれないのだろう、とすら思う。

ここで言う高速無線通信は、基本的にVDIと変わらないから、Bluetooth LE程度のものでも十分である。もしUWBが搭載できれば、こちらの方が有利だ。また、DeXのようにUSB-C接続でも構わないが、無線の方がすっきりするなぁ、とは思う。もちろんPCにソフトを入れて対応するのも良い。できればGalaxy独自ではなく、規格は共通化して欲しいものだ。

ここでの問題は、大画面用のソフトをどう揃えるか、その規格をどうするか、というところだけだ。他の機種でも使え、規格も無償でないと普及しないだろう。DeXを無償公開するのが一番面倒がなくて良いが、RDPの拡張なども考えられる。ただ、大画面であることを認識して切り替える仕掛けのところは何かしら必要だ。

SamsungとGoogleで話し合って、GoogleからSamsungに安価なライセンスを払うこととして、Googleからは無償公開、としてみてはどうか、と思う。

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