2019年12月19日木曜日
AIによるCSMA/CDの改良
CSMA/CDは、ネットでよく使われるプロトコルの一つで、TCP/IPの下、物理層で使われる。この基本的機能を向上することは、その上で動く全てのプログラムの向上に繋がる。これを考えてみる。
CSMA/CDの基本的な動作とは、多数のノードが繋がっているネットワーク、いわゆるバス接続において、PtoPでデータを送るためのネゴシエーションを行うことだ。つまり、バス接続においては誰が誰にデータを送りたいか分からないが、バスなので通信回線を一時的に占有する必要がある。つまり、「今からバスを占有しますよ」と宣言しておいて、それが通れば今度はデータを実際に送り、最後にバスを開放する。
このために、まず最初に通信回線が今空いている(静かである)ことを確認し、次にバス占有要求を出す。この時、ほぼ同時にバス占有要求を出す他のノードがいると、電気的に合成されてしまうので、まともなプロトコルとして認識されるような波形にならない。すると両者はバス占有要求が同時に出たということが分かる。これを双方とも認識することは可能なので、そうしたら両者はランダムな時間だけ待って、再度要求を出す。ランダムであることが肝心で、そうすると先に出した方が勝つので、後の方は回線が空くまで再度待つわけだ。
CSMA/CDの欠点は、回線が混んでくるに従ってこの再送が増え、再送が再送を呼んで輻輳してしまう可能性があることだ。このため、ハブやルーターで細かく切ってやる必要がある。
ここで提案するのは、ランダムに待つのではなく、その通信回線の混雑度に応じて最適な時間を選択することで、スムーズに通信が流れるようにする、というものだ。
その最適な時間の検索は、公平であり、且つ効率的であれば、AIでやっても良いし、何かしらのアルゴリズムがあっても良い。例えば混んでいる時は長めにするとかいう単純なモノでも良いし、高度に考慮したものであるかもしれない。何れにせよ、衝突による再送の可能性をできるだけ低くなるようにするものである。
アルゴリズムが裏目に出る可能性もあるから、必ずしもうまくいくとは限らない。しかしそれは改良すれば良い話だ。本質的には検討の価値がある施策だと考える。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ダイナミック租税とその指標
今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...
人気の投稿:
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
科学者、医者等であっても発言が必ずしも科学的とは限らない。無自覚ならまだ可愛いが、むしろ素人を煙に巻く悪意すら感じることもある。 量的議論がそのひとつであることは言うまでもないが、もっと以前の問題として、論理が破綻していることの多さがある。 そのひとつとして、ス...
-
新型コロナウィルスへの対応で、医療機関の防護服やマスクが足りないことが話題だ。ゴーグルは違うが、その他は使い捨てであるところがネックになっている。作っても作っても、消費の方が激しい訳だ。しかし考えてみれば、そもそも何で使い捨てなんだろう。細菌兵器用の防護服は使い捨てではない...
-
ガートナーが出しているハイプサイクルによると、生成AIはまだ幻滅期の手前にいるらしい。つまり今後大きな幻滅を経て実用域に進んでいくことになる。その幻滅とは、人間なら当たり前にできることでまだ生成AIにできないことが多く分かってくることによる。そしてその幻滅期を乗り越えるのは、...
-
時代が進むことで、昔のSFが奇異に思えるようなことはよくある。抑揚のないコンピュータ音声や、わざとぎこちなく歩く人間型ロボットなどは、もはや過去の遺物である。スタートレックシリーズに出てくるトリコーダーもその一つだ。 トリコーダー本体、また医療用プローブを手に持って...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
卓上カレンダーのようなものを机に置いておいて、必要に応じてテレビ電話やフォトフレーム、緊急通報など、家で必要とされる様々な機能を集約する機械を考えてみる。 これは、従来は電話やFAXのような位置づけだったものだ。これら以外にも一家に一台の情報機器は考えられるので、それを切り替え...
-
コロナ禍ではあまり本ブログを更新しなかったが、この間は陰謀論が跋扈した時期でもあった。コロナは存在しない、ワクチンは危険、アビガン買いだめ、マスクは意味がないなど、実に様々な陰謀論が飛び交った。 この手の人は今だに存在しており、体感としてはむしろ増えている。それも、身の危険を...
-
自分の知る限りでは、VRChatのワールドで青空文庫が読める図書館があったのと、N高の教室メタバースくらいしかマトモな例がないのが、メタバース内で本を読む方法だ。本や書類がメタバース内で苦も無く読めるようになれば、電子書籍も含めて全部メタバース内に落としてしまいたい、とすら思っ...
-
映画と言えば、今でも娯楽のジャンルの一つとして確立したものではあるが、近年では衰退の兆しがある。そのたびに3DやCGなどのテコ入れが入ってきたわけであるが、ここにきて更に新しい提案ができるようになった。それがタイトルにあるインタラクティブ性の導入である。 とは言っても、...
0 件のコメント:
コメントを投稿