2024年11月11日月曜日

メタバースアプリの価格

Meta Questのアプリを見ていると、安いものでも900円辺り、多くのアプリは2千円台である。ゲームアプリなら安いと言えるのかもしれないが、PCやスマホでアプリを使ってきた感覚で言うと、かなり高い印象を受ける。しかも無料のアプリは殆どない。試用できるものも少ない。これでは気軽に試せない。

なぜこうなっているのかと考えてみると、大きくは2つの理由が考えられる。第一は開発コストが高いこと。第二は広告がないことだ。

第一の理由は、従来は画面設計で良かったところ、三次元でワールドを設計しなければならないところが高い理由の一つであると考えられる。多くのアプリはUnityなどのツールで作られていると思われるが、この開発環境は重く、従来のようにプログラミング言語ができるだけでは使い物にならない。絵やデザインのセンスが同時に求められるので、人材はより少なくなるだろう。これは仕方がない。時代が進んでツールが発達することに期待するしかない。

問題は第二の理由である。広告を表示させることで無料化を実現しているアプリは、スマホでは多く見かけられるが、これがメタバースでは全く見当たらないのである。

メタバース内でうまく広告を出す手段がない、あるいはそのためのAPIが整備されていない、というのがその実態なのだろう。確かに立体空間内に従来の広告を表示させるのは難しいだろうし、もし表示させてもそこだけ違和感が生じることは避けられない。スマホと違って画面全部を乗っ取ってしまうわけにはいかないし、中で人が動くのに広告が着いて回るのも変だ。広告を見せる、クリックさせる、クリックしたらどうなる、というメタファが、まだ完成していないのだろう。

Metaはこれを放置しているようにも見える。だがこれではアプリにいちいちカネを落とすことになり、普及を阻むことにもなる。ソーシャルワールド(Meta Horizon World)への誘導策なのかもしれないが、こちらの方にも有用な広告枠は見当たらない(広告はあるが、ただ見せるだけなので表示単価は低いだろう)。Metaは広告についてもっと真剣に考えるべきだと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

ダイナミック租税とその指標

今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...

人気の投稿: