2024年11月8日金曜日

生成AIを使った教育システムの生成


 座学での教育について理想的なことを言うと、全てがコンピュータで帰結するようなものが想像できる。その概要は以下のようなものだ。

  1. あらかじめ体系は与えられていて、それは全人類共通である。あらゆる学問、趣味や雑学、宗教まで含め、同じEMS(Education Management System)からアクセスできる。但しそれは初期的なもので、個人の学習の進捗や学習コンテンツ自体の進歩によりダイナミックに変化していく。
  2. 学習者は、EMSにログインして、自分がどのような分野でどの程度の知識を持っているかを俯瞰的に把握できる。ここで成績は、学習済みコンテンツの数と、各コンテンツの理解度の相関係数である。
  3. EMSのリコメンドはあるが、基本的に学習者は自分の学習したいコンテンツを選んで学習を開始する。EMSのリコメンドは、前提知識と学習遷移(この学習をした人が次に学習したがる傾向)に拠るが、前提知識は生成AIが自動生成する。
  4. 学習コンテンツは基本的に映像である。再生スピードは0.25倍から4倍まで加速できる。また、学習コンテンツのボリューム目安は標準速で15分程度である。
  5. 映像再生中、学習者は任意の位置で一時停止し、音声ないしはチャットにより質問をすることができる。
    1. 質問に対する回答は、コンテンツから学習した生成AIが回答する。
    2. その回答に対し、学習者は追加で質問をすることができるし、回答に対する評価もすることができる。
    3. どこで質問が出たか、どのような回答をしたか、それがどう評価されたかは、後にコンテンツ制作者がコンテンツの改良の参考にすることができる。
  6. 映像終了後に確認度テストが必要なものは多いと思われるが、それも自動で生成され、また更新も自動でされるため、カンニングはしにくくなっている。
  7. 演習が必要なものも多いと思われる。コンテンツによるが、これも自動で生成されるのが望ましい。例えば発音などは定型でも良いだろうが、計算問題は都度変化させる方がよい。
  8. フィードバックをベースとして、学習コンテンツ(映像)自体も進化する。これも生成AIを利用する。ある程度賢くなったら更新は自動化する。その学習コンテンツも、関連する教科書や論文等を自分で探し、更新し続ける。
  9. ただ学習コンテンツを表示するだけでなく、学習者の表情や学習所要時間などを読み取って、得意不得意や飽きを検知し、適切な対処を行うAIを取り入れる。
  10. 忘却曲線や教育の偏りなど、ある程度分かっている既存の学識を取り込み、個人の学習指向を修正する機能がある。

システムのあちこちに、目的の異なるAIが多数絡んでいるのが特徴であり、極端な話、人間が具体的に作り込むものは無くても良い。逆に言えばAIの精度評価は重要であり、チューニングが狂うとウソを教えることになってしまうため、十分な注意が必要である。

このシステムが完成してしまうと、座学に関しては殆ど何もしなくても良くなる(アドバイスすら不要になる)ため、極端な話をすると教師は不要になる。座学以外でも、軽量のXRゴーグルが開発されれば実技(音楽、図工、体育、社会見学、HR、クラブ活動まで)がAI化出来てしまうため、学校すら不要になってしまう。(同級生は本物の同級生の所作を学習したAIアバターが演じれば良い)

まあそこまでの道のりは遠いのではあるが、実はコンテンツ自体はYoutubeなど世の中に溢れているので、EMS周りが出来てしまえば一気に進化する可能性は秘めているわけだ。そういう発想で研究をして頂けたらありがたい。

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