2019年11月18日月曜日
ドローン配送を前提とした宅配ボックス
「汎用ロボット配送システム」では、電車内とホームに設置する配送システムを考えた。ここでは、宅配ボックスとその出し入れをするロボットについて考えてみる。
ドローン配送については、Amazonなどが実験を繰り返している。ヘリコプタータイプとロボットカータイプがあり、何れも最終配送、つまりラストワンマイルを目指しているように見える。しかし、汎用ロボット配送システムのアイデアと合わせて考えると、宅配拠点(例えばヤマト運輸の支店や郵便局)から宅配ボックスへの配送をまず考えた方が、簡単に思える。
ここで言う宅配ボックスは、あくまでもロボット配送に適したロッカーという意味で言っている。つまりある程度規格化されており、ロボットからのアクセスは容易で、人間は多少の不便を許容する。また、設置場所は多数で、例えば一拠点当たり何百、というものになる。ブロック毎に一つ、コンビニにもスーパーにも、ある程度のマンションなら郵便受けの隣に、大きな家なら玄関前に、というものだ。ロボットの配送はそこまで、そこから先は人が取りに行く。もちろんこれが全てではない。重いものや冷凍冷蔵品は、従来通り人が行ってよい。
荷物に一定の制限を課し、その前提で配送料を割り引く。宅配ボックスは認定済みのものを購入ないしはリースし、設置したら拠点に登録する。設置場所から道路への経路に関する制限は、緩くする。例えばSpotが自力で歩いていければ良しとする。
Spotにはジャッキとローラーコンベア付の荷台とアームを取り付け、アームでドアを開けてコンベアを寄せ、アームで押し込んで、ドアを閉める。荷物のサイズとしては50㎝立方以下、10㎏以下、と規定する。
一方で宅配ボックスも、このサイズの荷物が必ず納まること、ドアに指定の取っ手を付けること、横開き右蝶番、遠隔でロックオンオフが可能なこと、ドア前の一定のスペースが雨に濡れないこと、ロッカーが水平であること、等が必要となる。
Spotが空きロッカーを探し、通信でロックを解除し、荷物を入れ、再びロックする。これがお互いのネゴシエーションのみでできるようにする。Spotは自動運転車に荷物と共に乗って巡回する。もちろん帰ってきたら充電台に乗るわけだ。これでほぼ全ての作業がロボットで完結する。
自動運転車は、幅120㎝、長さ300㎝、高さ150㎝程度の4輪車を想定する。高さ方向に2段、長さ方向に4段、幅方向に2段、計16個までの荷物を積む。これにSpotの専用充電台が乗っている。基本的に車道を走る電気自動車とする。速度は一応40㎞/時くらいまでは出せるようにしておく。荷台は水平になるように、ジャッキが用意される。但し水平にするのは荷物の上げ下ろしの時だけとする。
ロボットへの荷物の搭載も、やはりロボットだけでできるようにしておく。あらかじめ指定の台に載せておけば、巡回して帰ってきたらまた積んで出かける、という算段だ。ここまですれば、宅配拠点の仕事は冷凍冷蔵品や重量物大型物だけになり、ずいぶん楽になるはずだ。
ユーザはあらかじめ宅配ボックスを指定して配達させ、到着したらメールやSNSで通知を受け取り、そこの情報でロックを解除し、持ち出すわけだ。これは今の宅配ボックスと同じである。
自動車では行けないところへの移動手段としてSpotを使用することで、宅配ボックスを駅やコンビニ等以外の歩いてしか行けないところにも設置できるようにした一方、手渡しに対する面倒は避けたというのがこの特徴だ。全てをロボットにしてラストワンマイルにするより、ほんのちょっと人間が我慢するだけで、よほど早い時代に便利が達成できる。
宅配ボックスが町中に広く散らばれば、エキナカに設置するときなどとは違って人は殆どいない。Spotが歩き回るにも支障は少ないだろう。同様に、ユーザが移動すべき距離も短くなる。多少重い荷物でも、自宅で受け取るために待機する負担を考えればこちらを選ぶ人は増えるだろう。これも狙いの一つである。
ただ、採算性は不明だ。Spotの方は恐らく人件費以上の働きをしてくれるだろうが、宅配ボックスの費用負担をどう考えるか。固定資産税や借り賃、電気代等がペイするのか。故障含め保守は大丈夫か。盗難リスクに対するコストをどう見積もるべきか。これらはじっくり考える必要はあるだろう。
尚、その問題とも絡むが、宅配ボックスに対する電子的機械的制約や規格を標準化すれば、宅配業界が共通に使える。今もエキナカに宅配ボックスが多数設置されているが、現状では宅配業者毎に異なっている。これはよくない。既存の宅配ボックスも含め、さっさと共通化すべきである。
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