2019年11月5日火曜日
スマートコントラクトとエッジコンピューティング
エッジコンピューティング。多数のセンサや監視カメラなどのデバイスがばらまかれている現代において、そのエッジ、即ち正にそのデバイス内で、ある程度高度な計算を行う。例えば監視カメラなら、画像をそのままネットに流すのではなく、AIで顔解析をするなどして、監視対象が来た時のみアラームを上げる。これがエッジコンピューティングだ。
近年のエッジコンピューティングで大いに懸念があるのは、マルウェアの混入である。というのは、エッジと言えども相当にコンピューティングパワーがあるのに、セキュリティが甘いと指摘されているからだ。
また、エッジと言えどもソフトのアップデートはあるため、ROMに焼いて固定というわけにもいかない。通常のPCやサーバと違ってファイアウォールがない、個々のデバイスに直接触れるなど、むしろ危険がいっぱいだ。
この問題に対処する方法はもちろんあるのだが、むしろその仕掛けを標準化、定型化、そして何よりも簡素化することが重要である。その一つとして挙げられるのが、Chromebookのようなシンクライアント化である。OSをシンプルにすること、また上のアプリケーションをサンドボックス化するというのがその基本だ。ただ、ChromeOSを直接使うのは多少問題がある。Chromebookに遠隔ログインするという、ちょっと意味不明のシーケンスを辿ってしまうからだ。やはりエッジコンピューティング用のOSを作るべきだろう。
そのための仕掛けとして、スマートコントラクトを提案したいと思う。但し、このこのスマートコントラクトは通常のそれと違う。まず、実行するエッジを指定できる。次に、ここでのスマートコントラクトには報酬の概念はなく、トークンとしての役割のみを与えるのみとする。第三に、実行された上でエッジに溜まったトークンは、定期的に回収される。つまりネット内でぐるぐる回るだけだ。
そうする理由は二つある。まず、実行コードは作成者のIDを種に暗号化されているので、横から覗き見することはできず、作成者も必ず特定できるという点。怪しいソフトが侵入してくる余地がない。そして、エッジにいくら計算能力があっても、トークンを与えなければ実行してくれない点だ。万一怪しいソフトが紛れ込んでも、トークンを与えなければ実行できない。ブロックチェーンにはマイニングができない種類のモノもあるので、管理者が管理しているトークンのみがそのネット上に存在でき、実行のたびにトークンを配布してその後回収すれば、どのノードも好き勝手なプログラム実行はできない、という次第である。
こういう仕掛けをベースにすることによって、それがセンサであろうが監視カメラであろうが信号機であろうがドローンであろうが、共通のOSを使うことができる。管理はWebコンソールでできる。また、そのOSはスマートコントラクト実行のみしかできない専用のOSであるから、軽く、バグも少なく、更新も自動化できる。
更に、IDとトークンを管理すれば、ファイアウォールやらIDSやらを一切使わずにエッジを安全に管理できる。実行の記録も、自動的にブロックチェーンに溜まるので、不具合の監視もしやすいだろう。他にも、ローカルに溜まるものがないので、万一デバイスを盗難されても情報は盗まれないし、怪しいものと交換されてもそのデバイスは機能しない、といったメリットもある。
個人的にはブロックチェーンという仕掛けには懐疑的なのだが、こういう使い方もできる、という事例だ。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
砂の船
免震構造については過去いくつか提案しているが、これの新しい版である。 以前、難燃性の油の上に浮かべた船の構造を提案したことがある。あれの砂版である。つまり、砂のプールを作っておいて、その上に浮かべるというものだ。砂が抵抗となって振動を軽減する。 ただし、油や水と違って砂の...

人気の投稿:
-
屋根に超音波振動装置を取り付けておく。これによって屋根と雪の間の結合が破壊され、雪が滑り落ちやすくなる。これが題記装置の原理だ。角度によっては放っておいても落ちるだろうし、そうでなくても楽に雪下ろしができる。 まあ超音波でなくて低周波でも良いのだろうが、超音波の方が簡単...
-
ディーン・ケーメン氏が発明した浄水器「 スリングショット 」の原理は、いわゆる蒸留である。つまり水を沸騰させて水蒸気にした後、冷やして水に戻す。汚水と蒸留水の間で熱交換を行うことで効率を上げている。 日本では、防災用の浄水器としては中空糸膜や逆浸透膜が殆どだ。これと蒸留式には...
-
自分の知る限りでは、VRChatのワールドで青空文庫が読める図書館があったのと、N高の教室メタバースくらいしかマトモな例がないのが、メタバース内で本を読む方法だ。本や書類がメタバース内で苦も無く読めるようになれば、電子書籍も含めて全部メタバース内に落としてしまいたい、とすら思っ...
-
近年の若年層からの近視の増加傾向は、生活スタイルの変化と関係があると言われている。つまり、外を出歩かず、窓も締め切り、外出してもスマホばかり見ているという、要するに近くばかり見ている生活がその一因である。これは学術的にも証明されていて、外に出歩く機会が多い人ほど軸性近視の確率は少...
-
VAPEとは、液体を使うタイプの電子タバコだ。日本でも既に購入可能だが、あまり普及しているようには見えない。 PG(プロピレングリコール)とVG(ベジタブルグリセリン)からなる液体にフレーバーを混ぜたものを電気で加熱してその蒸気を吸うのだが、この加熱のところがいい加減な...
-
以前の投稿「 AI寿司職人は美味い寿司を握れるか 」と関連して、「AIには絶対できないこと」、と Googleで検索 してみると、出るわ出るわ。無名有名入り乱れ、色々な説が唱えられている。 だがどれも、技術的に不可能であることを証明・説明できていると言えるものはなかっ...
-
映画と言えば、今でも娯楽のジャンルの一つとして確立したものではあるが、近年では衰退の兆しがある。そのたびに3DやCGなどのテコ入れが入ってきたわけであるが、ここにきて更に新しい提案ができるようになった。それがタイトルにあるインタラクティブ性の導入である。 とは言っても、...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
AGIとは、 汎用人工知能 (Artificial General Intelligence)のことだ。今のところ、研究段階としてはまだ初期の初期だと思われる。一方で、限定的なAIは飛躍的な進歩を遂げている。そこで、AGIを実現するための一つの提案として、 弱いAI の弱い...
-
メタバースが主流の社会では、外出の機会が極端に少なくなる。これによって、大きなダメージを受ける業界が出てくる。それは大雑把に観光業と交通・運輸業、飲食業である。観光にはゲームセンターや映画館、大型ショッピングモール、スポーツ関係なども含まれる。また、雨具の需要も減るだろう。 ...
0 件のコメント:
コメントを投稿