以前も紹介したヒューマノイド家事ロボットだが、量産化で8万ドルを目指しているらしい。他にもテスラのOptimusやFigure 02など多くのヒューマノイドロボットが開発中で、2030年代中盤くらいには、こういったヒューマノイドロボットは量産化されていると予想されている。中国のもので250万円、ヨーロッパやアメリカのもので400から1000万円くらい。サラリーマンでも何とか買えなくもない、という値段だ。
これで何ができるのかというと、家の片付け、掃除、洗濯物の折りたたみ、荷物の受け取り、などだという。調理はさすがに難しいだろうし、買い物も困難だろう。掃除と言っても掃除機をかけるくらいで、ベランダの掃除や草刈りなどは無理だろう。数百万かける割には大したことはできないように思える。
ただ、もし家事全般すなわち買い物や炊事、食器洗い、子育てまで含めて家事全般ができるようになったとしたらどうだろう。そんなロボットが一家ないしは一人に一台あれば、どうなるか。
一家4人(共稼ぎ夫婦と未就学児、小学3年生)を想定した場合、平均的な家事育児時間は1日当り5~7時間、余暇時間は1日当り2~3時間と推定される。これにロボットを導入することで家事を70%任せられるとすると、夫婦の家事育児時間は1~2時間、余暇時間は5~6時間に増えると計算される。
これだけあれば、夫婦が子育てを負担に感じることはないだろう。ゆとりを持って生活できるし、余暇で更に副職をすることも可能になるはずだ。
だが一方で、ロボット自体のコストは増える。それを例えば500万円で10年と考えるなら、年間の追加コストは50万円で、年収500万円をすると1割になる。これは結構なコストだ。
家事育児の負担を減らすためにロボットを買う、そのロボットのコスト増加のために仕事を頑張る、というのは、本末転倒とまでは言わないが、プラスとマイナスの側面があるマッチポンプのようなもので、どちらが幸せか分からない。ただ、1割というのは結構微妙なところで、やろうと思えばできなくはないところがエグい。個人的には新しいモノ好きなのでぜひ導入してみたいとは思うが。
また、もしこれが本当に実用的なら、国や企業がその費用を補助することも考えられる。そうすれば従業員のQOLは向上するし、上手く行けば少子化対策にもなるかもしれない。
子供を持つことのコストは経済的なものだけではなく、親の時間を取られること、親の考え事や悩みが増えること、という側面もある。そこにロボットをあてがうことで、子供を持つことへの抵抗が薄れるというわけだ。
なお、その弊害はもちろん、子育てをロボットに委ねることの是非だろう。今のヒューマノイドロボットはあまり喋らず表情機能がなく目もないため、特に幼児期の精神の発達には悪影響があると予想される。このため、初期のロボットではそういった精神発達が歪んだ子供ができる可能性はある。だがそれは技術によって次第に克服できるだろう。
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