2026年1月27日火曜日

本並みの映像と再生機器

 意味不明と思われるかもしれないが、ちょっと我慢して聞いてほしい。

Youtubeの膨大な動画の中には、書籍を解説したコンテンツが多くある。15~30分程度の要約で、人にもよるが、わかりやすく解説してくれているものも多い。

また、教育コンテンツも多くある。とある男とかカーンアカデミーとか、小中学生向けのものが多いが高校大学向けのもの、企業向けや社会人学習に向けたものなども多数ある。

これらがあれば本は不要なのではないかと思う人も多いと思うが、個人的にはまだまだ本の出番が多くある。それには主に3つの理由がある。

第一は、コンテンツの「深さ」が足りないことだ。つまり、本を読めば書いてあることでも映像になると省略されてしまい、(コンテンツ制作者が考える)要点のみしか出てこないことだ。これには2つの欠点があり、一つはコンテンツ制作者のフィルターが掛かってしまい解釈がネジ曲がったり強調点がズレる、つまりは本の言っていることとは違ってしまう可能性があること(そして事実違っている映像も多い)。二つ目は省略された説明が故に納得感が得にくいとうことだ。

第二に、映像ではペースが変えられないことだ。つまり、本は興味がなかったり既に知っていたりするところは飛ばして読むが、映像はずっとおなじペースで続くので、時間効率が悪いのである。いや再生速度は変えられるとはいっても、Youtubeの場合はせいぜい2倍、有料版でも4倍である。しかもその操作はページめくりと違って非常に面倒だ。本は5倍10倍の速度で読み飛ばすことは可能だし、速読を身につければもっと高速に読める。しかし映像を5倍速にするとまず聞き取れない。

つまり欲しいのは、①簡単な操作で読み飛ばしができる、②省略されていない詳しい映像、である。②はオリジナルの作り方を変えれば何とかなるが、同じ作りだと①が実現できないので、ここには工夫が必要である。

実はこの実現方法は簡単で、画面の一部を固定にして「目次と現在位置」を常に表示してやればよいのだ。映像の中に織り込んでも良いが、ビュワーでこの「目次と現在位置」専用の表示スペースを作ってやるというのも一案だ。

映像の飛ばし見にはもう少し工夫してもらう。再生スピードは2倍が上限で、それ以上早くするときは自動的に飛ばし見になる。それも0.5秒は2倍速で再生し途中を飛ばす、といった再生にする。映像もそれに合わせる。つまり手を離していると1倍速再生、ちょっと動かすと2倍速、更に動かすと0.5秒毎に2倍速で1秒分を喋り5秒飛ばす、などとする。

またその調節は、できればスクロールバーではなく、ダイヤルやジョイスティックのようなハプティックデバイスを使いたい。Kindleのような専用端末にこれをつけてやるのがよい。

さて、3つ目の理由だが、これは単純に圧倒的にコンテンツの量が少ないことだ。Youtubeの動画数は50億本程度、本の数は2億冊ということらしいが、Youtubeの動画の半分は5分以下、40分以上のものは3%しかない。本にも色々あるが、一般的な書籍は250ページ以上あり、これを読むのには5時間は掛かる。それを映像化しようと思ったら、5時間では済まないだろう。簡単な試算だが、8時間は掛かる。まあ要するに、Youtubeの動画の殆どはゴミであり、書籍に匹敵するような良質なコンテンツは非常に少なく、本には遠く及ばないということだ。ただこれは、映像コンテンツの充実を待つしかない。これは鶏と卵の関係かもしれない。

映像コンテンツの使い勝手が本と同等以上になり、こういう専用デバイスとコンテンツが十分にあれば、本を捨てても良い。以後「本棚」は歴史に埋もれていくことになるだろう。

2026年1月26日月曜日

政治停滞のコスト


高市氏が、通常国会招集冒頭に解散することを決め、世間が混乱している。

現在、高市氏の支持率は高く、今解散すれば自民党が単独過半数を獲ることができるだろう、という読みなのだろう。だが解散により予算案を始めとする法案は全て廃案となる決まりなので、政治停滞に対する非難が起きている。

ではその停滞による損失はどのくらいなのだろう。こういうものは従来、プロが綿密に調査するしかなかったので曖昧だったが、近年は生成AIの進歩によってあっという間に概算できる。そこで分かったのは、この損失は結構大きい、ということだ。なお、この推測にはGeminiを使用した。

選挙費用や政党交付金の変動は合わせて千億円程度とのことだが、これはまだ小さい方である。大きいのはGDP押し下げ効果で、これは6千億から1.8兆円になるとのことだ。株価の時価総額は一時的に10兆円規模で下落するが、これはある程度戻るだろう。全体では、数兆から十数兆円が一時的に毀損し、戻った後でも最終的には1.2兆円ほどの損失になると出た。

では逆にメリットは有るのかというと、これは政治がその後スムーズに行くだろう、という予測になる。与党単独で過半数を取れればもちろんそうはなるだろう。だがそれが必ずしも日本の国益になるかは分からない。つまり、誤った政策がスムーズに進めば、それはマイナスに効いてくるからだ。以前、高市氏の「確証バイアス」について議論したが、どうも高市氏は歴代総理の中でも確証バイアスが突出しているようで、つまりは行くと決めたら突き進んでしまうため、ブレーキが効かず、危険だ。

公約の消費税時限撤廃もそうなのだが、高市氏はどうもマクロでの数字を見ていないように思う。じゃあ歴代総理が見ていたか、野党は見ていたか、というとそうでもないのだが、だから良いというわけではもちろんない。これも以前から言っていることだが、量的議論は大事だ。特に国のように大きな存在は、それを避けるべきではない。

今からでも遅くはないので、高市氏と閣僚には、全ての政策・全ての行動に対し、この考えを取り入れてほしいものだ。

2026年1月24日土曜日

ジャパンファンドとしばき忍者部隊


 中道改革連合が提案しているジャパンファンドについて調べてみた。

これを大雑把に言うと、政府が色々なところで細かく持っている資産を、一つの「バケツ」に集約し、それをGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用ノウハウをもって運用しようというものだ。資産総額は500兆円、目標は年1%ということなので毎年5兆円の利益になる。その「細かく持っている資産」を具体的に言うと、外貨準備金200兆円、日銀保有のETF80兆円、財政投融資の剰余金・基金220兆円、ということらしい。

さて、これをどう評価するかだが、実現性のところを除けば大変興味深い。しかも、1%というのはかなり控えめな数字で、一般的には6%くらいは(年平均として)」イケると思う。6%とすると30兆円だが、これは消費税を全廃してもお釣りがくる規模になる。国家予算に対しても四分の一程度と相当の割合になるので、かなりの助けになる。

但し、これは消費税を全廃するのに使うのではなく、千兆円の借金返済に使うべきである。年6%として30兆円、このうち20兆円を返済に当てるとしても50年以上掛かる計算だが、これで公債費は少しづつ減っていくはずだし、何よりも高金利時代に向けた貴重な防衛策になる。残り10兆円はその時々の緊急事態に使えば良いし、それがないなら全額返済すればよい。また、公債費はこれで毎年徐々に減っていくが、その差分をこのファンドに組み込むことで、ファンドを大きくし、年間利益も増やしていくのがよい。

一方で実現性は期待薄である。単純に、その資産を持っている部署が賛同するとは思えないからだ。もし賛同しても、大量の法律の書き換えが必要になるなど手間は大きく、年単位で時間が掛かるだろう。中道の公約というのも大きく、自民が表に裏に妨害するだろう。

また、本来の目的にすぐに使えなくなるという懸念もあるだろう。だがこれはファンドの一部を現金等価物で保持しておくことである程度回避可能である。

そして、一度実現したとしても、それを長期に渡って当初の目的通りに運用するのは困難だろう。つまり、目先の利益にそれを使おうとする輩は必ず現れ、それが国民を先導して世論を作り、実現してしまうだろうからだ。そして元本は徐々に削られ、ファンドの規模はなし崩しに縮小していくだろう。

これには前例がある。山田宏区長(当時)が1999年から2010年にかけて断行した「杉並改革」がそれだ。当時杉並区は1000億円もの借金(区債)を抱えていた。これに対し、山田区長は徹底した歳出削減と資産売却を行い、借金を400億円台まで劇的に減らし、公債費を抑制した。そして借金返済に充てていた資金を「減税基金」として積み立て、その運用益で将来の減税を目指したのだ。

だが、山田氏が退任した後、後任の区長たちによって、積み立てられた「減税基金」は、結局「減税」ではなく「一般財源(教育や福祉のハコモノ建設)」に流用されるようになった。現在では「公共サービスの拡充」という、全く別の用途に使われいる。そして借金は再び増え、600億円前後になっている。

大衆は眼の前のカネにどうしても目が行ってしまう。これを我慢して当初の目的を継続するのは、極めて困難だ。ましてや500兆ものカネにはそれなりのツワモノがぶら下がりたがるだろうから、その圧力は極めて大きい。極めて強い力で守り抜かないと、この目的は達成できない。そして中道にその力はない。

さて、個人的には、このファンドはぜひとも成功してほしいと思う。そこで考えるのは、このファンドが当初の目的通り、国債残高を減らし続けるための強力な仕掛けだ。そして、50年に渡って不変の原則を保つというのは、法律を作ったとしてもなかなか難しい。安倍やトランプのように、法を蔑ろにする輩は必ず出てくるものである。

そこで考えるのが「沈黙の艦隊」のようなシステムである。つまり、政府から完全に独立した攻撃部隊を創り、明示的なルールを定め、それを破ったら暴力による報復がある、またその報復は忍者のように誰がどこからしてくるかわからない、とするのである。ファンドの一部にこの財源を充て、その組織を運営する。つまり、このルールを破ろうと画策する者が現れたら、闇から忍者が現れてしばき倒すのである。これを仮にしばき忍者隊と命名する。

もちろん平時は何もしないので、誰が忍者かは分からない。政府要人、省庁の官僚、あるいはトイレ掃除人かもしれない。そしてそれは一人ではない。一人を倒しても、いくらでも代わりが現れ、しばきに来る。もちろんしばかれたことは公になるし、このしばきは合法なので再報復は許されない。

しばいてもしばいても我を曲げないようなら、忍者はその人物を政界から「排除」する。ある日突然行方不明になったり、重症を負い議員を続けられなくなったり。そうやってルールを守らせる。

かなり過激な案であるし実現性もゼロではあるが、このくらいはやらないとファンドの精神は3年も保たないだろう。

2026年1月23日金曜日

衆議院議員選挙の争点:消費税減税のコスト一覧

 

過去、

https://spockshightech.blogspot.com/2025/04/blog-post.html

https://spockshightech.blogspot.com/2025/04/blog-post_26.html

https://spockshightech.blogspot.com/2025/05/3.html

という検証をしていたわけであるが、高市政権が解散総選挙をすることになって、今までそれを否定していた自民党も消費税減税を公約に掲げる公算となってきた。1月22日時点での各党の主張を基に、その効果を定量的に分析してみたので披露する。なお、試算にはGeminiを使用した。

2026年衆院選:消費税減税公約の定量的比較表

政党・連合公約の内容2年間の歳入減(国・地方)2年間のGDP収支予想(正味)工学的・経済的リスクの所在
自民党(高市政権)食料品0%(2年時限)約 9.6兆円約 -2.5兆円 〜 -3.5兆円最悪の効率。 復路の増税ショックと2度のシステム改修コストがプラス分を完全に食いつぶす。
中道改革連合(立民+公明)食料品0%(恒久)約 10.0兆円約 +0.4兆円 〜 +0.8兆円復路のショックはないが、財源(ファンド運用)の不確実性が高く、将来の社会保険料増を招く懸念。
日本維新の会一律5%(2年時限)約 28.0兆円約 -8.0兆円 〜 -12.0兆円減税規模が大きすぎて、2年後の「5%増税」の反動が日本経済を恐慌レベルに冷え込ませるリスク。
国民民主党一律5%(実質賃金連動)約 28.0兆円約 -5.0兆円 〜 -9.0兆円期間が「実質賃金」次第で不透明。企業の価格戦略やシステム改修のタイミングが読めず現場が混乱。
共産党・れいわ5%以下・廃止(恒久)約 30兆 〜 50兆円推計不能(要・大幅増税)法人税・所得税の急激な増税をセットとするため、資本逃避や投資意欲減退によるGDP下押しが甚大。
意外にも、というか、中道改革連合の提案である「食料品0%(恒久)」のみが経済効果でプラスだった。自民案(2年時限)はその次にマシだが既にマイナス、維新・国民民主はダメダメ、共産党・れいわは問題外という結論になった。

以前にも話したことであるが、消費税全般を一律減税する維新・国民民主・共産党・れいわは財源の問題が大きすぎ、また自民党の案がダメなのは時限であるところだ。ただこれは2年間の比較であり、10年で見るとまた違った結果が出ると思われる。

一般大衆にはこういう計算は分からないから、(この政策に関しては)自民と中道で迷うのではないかと思う。中道の方が魅力的だが自民もそれほど悪くない、と見えるだろうし、なにせ自民は与党であるから実現可能性は高い。

そこで考えるのは、とりあえず時限ということで始めて、時期が来たらズルズル引き延ばせば良い。だから自民に投票しよう、というものになるのではないか。中道が勝っても自民が勝っても似たような結果になるのだし、どうせこの二党が上位二党になるのだろうから、どちらに投票しても大して違いはない。

なお、財源の10兆円だが、GDPの増加で対応できるとは考えないほうがよい。10兆円の財源を得るためにはGDPが10兆円増えれば良いのではなく、その数倍のGDP増が必要である。所得税の場合で平均6.5%程度だとされており、消費税では9.6%程度なので、逆算すると、10兆円税収を上げるためにはGDPを80~90兆円上げる必要がある。これは現在のGDP600兆円に対して15%ほどの増額になる。

GDPを15%、2年以内に上げる、しかも恒久的に、というのが財源確保の条件なわけだが、現在の日本の潜在成長率は0.5%である。つまりそれを10倍の5%にしたとしても2年ではまだ足りないわけだ。全くもって不可能であり、試算するのもアホらしい。

だがこういうアホな試算すらしないのが現在の日本の政府であり、日本国民なのだ。借金が千兆円を超えているのもそれが理由であることは言うまでもない。国民一人ひとりはそんなに無謀な借金はしないのに、なぜ国はそれをして平気だと思うのか、理解しがたい。

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