2019年6月12日水曜日

海上に住む権利


海の上に住む、川の上に住むという風習は、新しいものではない。しかし現代では、川岸や海岸にも権利があり、好き勝手に住むことはできない。埋め立てずに柱を立てて海上住宅を作るにも、船を係留してそこに住むにも、関連各所への許認可や費用は発生するだろう。
もし海岸に土地を持っているとしたら、その土地を掘って湖のようにしてから海と繋げ、敷地内に海を広げてしまうということは可能だろう。その海の上に船を浮かべ、そこに住むとしたら、法的な扱いはどうなるのだろう。
まず、そこが海とみなされるのかどうか。その海の占有使用権や漁業権、水利権、係留権はどうなるのか。掘った土地の面積は、税法や登記上、減るのか。そこにごみを捨てたらどうなるのか。浮かべた船は住居とみなされるのか。入ってきた海水は自由に扱ってよいのか。など等。
なぜこんなことを考えたのかと言えば、地震対策だ。地震が起きても水の上なら揺れは緩和される。もし津波が来ても、入り江になっているから津波がそこで高くなることはない。想定より高くなって溢れても船の中だから、基本的には係留を解いて海に向かって進んでいれば、たとえ内陸まで流されても水が引くまでには海まで脱出できる。海岸にいれば、流された建物などに当たることはないだろう。せいぜい流木に気をつけるくらいで済む。
更には、地震があったらその時点で沖に避難することもできるだろう。万一内陸に取り残されても、双胴船にしておけばひっくりかえることはなく、とりあえず命は助かる。その後の避難生活も、とりあえずはそこでできるだろう。
郵便物や宅配ピザは届けてくれるだろうが、インフラはダメだろうから自前である。これを例えば、トイレの汚物をそのまま海に流すとすると、敷地内だから勝手なのか、海だから不法投棄になるのか、などは、確認しないと設計できないことになる。ちなみに糞便は魚の餌になるので、ちょっとした漁場になる期待もある。もしダメなら入り口にゲートを設ければ何とかならないだろうか。
電源を太陽電池にして水を海水逆浸透膜にすれば、電気水道はOK。ただ、海水を勝手に使ってよいのか、ろ過後の濃い海水をその場に捨ててよいのかが分からない。
海岸には二束三文のところもある。船は仕方ないので特注で作るとしても、建築基準法は関係ないし固定資産税も安いだろう。権利や資金周りが上手くいくなら試してみたい気もするのだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: