2019年6月13日木曜日

動く軌道上を走る列車


リニアモーターカーが車輪を使わないのは、車輪による摩擦力で前進できる速度の限界が300km/時とか350km/時とかで、それより早く走ろうとすると滑って速度が出ないからだそうだ。だとすれば、動く歩道(無限軌道)の上を走るようにすれば、その限界を超えられないだろうか。これが本提案の骨子だ。
話はこうなる。駅の中間地点を境にして、動く軌道を設置する。最初は停止しているが、列車が動き出すと、それに呼応して動く軌道も動き始める。こうすると、列車本来のスピードに加え、動く軌道の動くスピードが加算され、より速く走れるというわけだ。
もっと極端に言うと、列車自体はただ軌道上に乗っているだけで、車輪すらない、軌道だけで進むようなものがあっても良いかもしれない。原理的に考えれば、軌道を回す速度には限界はないからだ。だがまあ、空気抵抗はあるわけだし、動く軌道が500km/時で進めるとも思えない。なによりも、いざというときに自ら動けないのは不安だ。車体にも駆動機構をつけるべきではあるだろう。
軌道は端の部分で裏(下)に折り返すことになるので、従来のようなロングレールは使えない。これはいわゆる「ガタンガタン」という騒音の原因になる。これを緩和しないとうるさくてしょうがないし、磨耗の原因にもなる。これを解消するためには、軌道の上面では各レールを後ろから押すようにして動かすようにする。こうすると軌道上面ではレールがくっつくので音がしない。また熱でレールの長さに誤差が生じても常にくっついたままになり、下では離れるようになるので、曲がる心配がない。
但し、軌道と軌道の繋ぎ目では音がしてしまうのは仕方がなく、しかもその距離は通常のレールのつなぎ目より遥かに長い。そこで、レールは2本ではなく4本以上として、つなぎ目の位置を前後にずらす。これによって、一つの車輪が浮いても他の車輪が接しているために大きくは落ち込まず、音のタイミングが分散するので目立たなくなる。この二つの機構はカーブでも役に立つ。
欠点は線路のキロ単価だろう。リニアモーターカーよりはローテクだろうが価格は匹敵する可能性がある。耐故障性も気になる。だがまあ、空想の世界としては面白そうだ。

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