2019年9月30日月曜日

嵩増し人造肉


Impossible Burgerがついに店頭販売されることになったそうだ。これは完璧に植物性のようだが、思想信条的な菜食主義者だけでなく、ヘルシー志向や環境保護(肉より野菜の方が環境負荷が小さい)志向の人に向けて考えた場合、必ずしも100%植物由来である必要はないように思う。そこにこだわるくらいなら、環境負荷を適度に低減しつつそこそこに旨く、そして安い肉の方が現実性がある。

安い肉を高級な味に見せるために、高級肉の牛脂を使う、という方法がある。これと同じく、若干の本物の肉を混ぜてやれば、高度な技術がなくとも美味しい人造肉を作れるのではないだろうか。例えば10%でも混ぜてやれば、後はおからそのものでも良いとか、そういった発想だ。

ビーガンには不評でも、これで安価になったり環境保護が進展するのであれば、それもまた良し、となってくれるはずだ。この条件で美味しく安い肉を作る技術は、日本人が得意だと思う。ぜひ研究してもらいたい。

2019年9月25日水曜日

デジタル遺産管理


ネット上に多くの情報を持つ時代になった。その数・種類は膨大であり、本人ですら覚えていないほどだ。自分が死んだとき、そういった全ての情報について辿って行って消去したり相続させたりする、という手段について、そろそろ国が動き出しても良いのではないだろうか、と思う。

それは、サービスとマイナンバーとの紐づけを実施し、本人死去の際の情報の扱いについて類型を登録するサービスである。

これには、大きく二種類の類型がある。一つ目は、相続贈与などの法律に基づくべきサービス。単純には有価証券、預金、借入証、土地権利書、といった有価物と紐付いているものだ。二つ目は、メールやキュレーションメディアなど、単純に削除する、あるいはアクセス権移管などをするサービスである。

デジタル遺産というと後者のイメージがあるが、なにも分離する必要はない。とにかく、本人が加入している全てのサービスを把握することが第一の目的であり、全てはそこから始まる。

問題となりそうなのは、一見無価値なサービスの中に有用な情報がある場合だろう。例えば口座のパスワードがメールに埋もれているとか、動画データの中に有償で買ったものが混じっているとか、芸術的価値のあるデジタルデータなどだ。これは別に検討が必要だろう。つまり単純にアクセス権を相続者に移すのではダメで、変更できないようにするとか、後から法的手続きができるようにするとかの工夫が必要と思われる。

これはなにも民間の利便ではなく、国としても情報の一元管理に便利であるはずだ。極端な話、これと結びついていない資産は本人のものとみなさず国庫に回収するなど、今ある相続関連の法の曖昧さを正すきっかけにもなるのではないか。

2019年9月24日火曜日

ハイブリッドクラウドの効率的構築法


Amazonが、AWS Outpostsというサービスを出している。オンプレミスのアプライアンスだが中身はAWS、というものだ。つまり、ソフトウェア的にはAWSと同じように使えるが、ローカルにハードウェアがあるため、高速レスポンスが可能であったり、データをローカルに置くことができたりする。これはもちろん本家AWSとつながっており、同じAWSコンソールから管理できる。Googleも似たようなものを出している。

さて、ハイブリッドクラウド、つまりパブリッククラウドとオンプレミスローカルを併用するシステムにおいて、ローカルをこのようなクラウドアプライアンスで作り、負荷分散やDR/BCMを自由に出来るように設計しておく、というのは、今後のシステムの在り方として妥当だろう。

つまり、高負荷の時や災害時だけに何か特別のことをするのではなく、普段から負荷調整をオンプレミスとクラウドの間でやり取りしておき、障害が起きたときの負荷移動は、普段の調整の一パターンに過ぎない、という運用だ。これには、ローカルを入れ替えたい時、ローカルが故障した時、クラウドにトラブルがあった時、何れもクラウドの機能で対応できるため、SIが簡単になるし、普段の運用も楽になる。

この際、もうひと手間掛け、常にローカルがフル稼働になるように構築する、というのが今回のアイデアだ。

AWS Outpostsをそのまま使うと料金体系を握られてしまうので、似て非なるOutpostsモドキを作っておいて、AWSコンソールと連携ができる外部システムとして構築しておく。そして、ローカルが常にフル稼働になるように設定すると、当然ローカルの資源使用効率が最大になる。もちろん手に余る負荷はAWSに逃がすわけだ。

こうする目的は費用の節約だ。従来の構成では、耐障害性や冗長性が必要だったが、AWSと連動して負荷を移動できるのであれば、この構成では不要である。また、AWSの品質基準を満たす必要はないので、安い部品を使ったり、保証を外すなどして、価格低減策が図れる。極端な話、UPSは不要か、ごく最低限(異常信号送出とシャットダウンができれば良い)で十分である。更に、これを最大負荷で安定して廻すことによって、掛けたハードウェアのコストを余すこと無く回収することができる。

この場合、クラウド側にトラブルがあった時に備え、リージョンを複数設けておく。また、最悪縮退運用できるように設計しておく必要は残される。

ピーク性能ではなくベース性能を元にオンプレミスを構築し、余剰は全てAWSにする、というのでも良いが、多くの場合は負荷曲線によって最適なオンプレミスの計算能力が計算できる。そういう計算方法とアプライアンス、そして配置ポリシーをセットで売れば、ヒットすること間違いない。

2019年9月23日月曜日

頭痛軽減装置


雨が近づくと頭痛が起きる、という人は多いが、これは気圧の低下が原因である。気圧が下がると血液の流れが拡張して、脳の血流が増し、それが神経を刺激する。

全身が入る気密室を作って気圧を調節すれば、頭痛が軽減するであろうことは容易に想像できるが、そんなことは一般人には無理だろう。そこで考えるのが、センサだけを騙す方法だ。

この場合、センサは耳にある。しかし、耳は喉や鼻と繋がっているので、これらをすべて覆うためには、フルフェイスのヘルメットが必要である。それはちょうど、アポロ11号の船内宇宙服のヘルメットのような、透明のプラスチックカバーになるだろう。首のところを気密にするように、低反発ウレタンフォームで覆っておき、内部にはバッテリ、ファン、気圧センサが内蔵されている。

ファンは、内部の気圧を晴天と同等になるように調節する。首からどうしても空気は漏れるので、ファンは回りっぱなしになる。多少うるさくなるかもしれないので、工夫が必要になるだろう。

四六時中必要なわけではなく、痛いときに使い、痛くなくなれば外す。また、携帯性を高めるため、ビニール袋のようなものでも良いだろう。

さて、こんなことで頭痛が治まるのだろうか、正直言って分からない。ただ、気密室の実験ではうまくいったそうだから、希望はあるだろう。

2019年9月16日月曜日

究極の災害用トイレ


災害に備えて準備するのは、水、食料という人が多いだろうが、トイレについてどれだけの人が準備しているだろうか。折り畳みのポータブルトイレや携帯トイレ、凝固剤などが売られているが、調べてみると結構大変だ。

その大変さとは、第一に費用だ。携帯トイレでは、1回の処理に100円から200円ほど掛かる。自宅に置いておく凝固剤とビニール袋の組み合わせでも、1回50円を下回るものは殆どない。備蓄の基準として、トイレは1人1日5回で計算される。大1回、小4回だ。1回100円であれば、1日500円掛かる。家族4人なら、2000円だ。これは結構な金額になる。トイレの復旧は、電気より遅い。大規模災害では数週間、数ヶ月と掛かることも珍しくない。たった2週間でも家族4人で3万円掛かる、と聞けば、結構抵抗感があるはずだ。

第二は、処理後の袋が膨大な量になることだ。基本的にこれらは溜め込むしかない。小は1回150〜250g、大が同量だと仮定すると、1人1日1kg。4人なら4kg。これが2週間続けば、50kgだ。臭いが完全に払拭できるとも思えないので、室内に積めば臭うだろうし、外に積めば近所に迷惑になる。吸水性ポリマーに頼る現在の方法では、このどちらも解決する見込みは少ない。

これに対して有望なのは、コンポストトイレだ。コンポストトイレは、おがくずに排便排尿してから撹拌し、場合によっては保温することで、糞尿を生物学的に分解するものだ。水分は分解の過程で蒸発するので大幅に減量され、有機物も分解されて臭わず無害なものに変わる。おがくずは何回も使え、最後には土のようになる。そうなったらおがくずを取り替える。交換は4ヶ月から半年程度のサイクルで行う。分解のための菌は、そこらへんにある自然のものがそのまま使われるため、必要ない。モノによっては菌を投入することで分解を促進するものもある。

これも一見理想に見えるのだが、細かく見てみるとまだ不満がある。必要なおがくずの量は、Wikipediaによると、1日あたり処理数✕0.01立方メートル(10L)だそうだ。これを上の回数に当てはめると、家族4人で20回だから、200Lとなる。これは風呂の大きさに匹敵する。そんなに大量のおがくずなど、用意できない。これに対して、実際に市販されている携帯用のコンポストトイレのオガクズの量は10L程度しかない。これは短期的にしか使わないことを想定している。週末利用や船上キャンピングカーでの利用などだ。一時的に容量オーバーしても、その後しばらく使わなければよいだろう、という発想だろう。

ここで考えるのは、非常時に役立つ理想のトイレだ。条件は、①賃貸でも使える、②ランニングコストが50円/回以下、③使用後袋が無制限に増えない、④電源不要、とする。

ここで、更にコンポストトイレの特徴について考えてみる。基本は微生物による分解なので、温度、酸素、水分が適切であれば早く分解する。ここで問題になるのは小の水分だそうで、小が入ると水分が多過ぎ、分解速度が落ちるのだそうだ。このため、海外では大小分離が一般的で、大はコンポスト処理にするが、小は別に溜めておいて、薄めて肥料にするのだそうだ。どうも、大だけであれば、10Lでも少人数なら大丈夫らしい。

賃貸やマンションではこの方法は使えない。小が流せるなら最初から苦労しない。下水道が破壊されている前提だから、大も小も(水も)流してはダメな状況での使用になるからだ。そこで、大に関してはこれで解決とし、小の処理を別に考えることにする。

市販のポータブルトイレの中には、水洗式且つ上下分離式のものが多い。便座の内部に水洗用の水を溜めておいて、ポンプで流して洗浄する。そして下部は汚水タンクになっていて、これだけを分離してトイレに持っていき、廃棄する(流す)わけだ。これを使う。

この下部のタンクに、浄水器を取り付けておく。一部は上部タンクの水洗水として戻し、残りは捨てる。この際、下水に流すのではなく、雨水の排水口に流す。もちろん心理的抵抗がなければ再利用しても構わない。飲用水、手洗い用、洗濯用などだ。

問題となるのは浄水器の性能だ。ここで使うのは、LifeSaverである。LifeSaverはイギリスのベンチャーが開発した浄水器で、従来の浄水器の性能を遥かに凌ぐ高性能なフィルターを持っている。泥水はおろか、し尿が混じった水さえ飲水にする、というデモンストレーションをしているので有名だ。これを使えば、外に排水して問題ないほどに浄水できるはずだ。ジェリー缶に移すのでも良いが、せっかく上下分離タンクがあるのだから、このタンクの下部を改造して取り付けるのが良いだろう。

また、大の方での工夫として、コンポストを生ゴミ処理機と兼用にする。世間では逆に、コンポストをトイレに改造したりしているが、発想は同等である。コンポストの蓋を、普段使う生ゴミ用と、非常時に使う大小分離便座に交換できるようにする。これなら普段は台所に置いておき、非常時にはトイレとして使えばよい。

生ごみ処理機兼用コンポストトイレと、浄水器付き分離タンクを付けたポータブルトイレの組み合わせ。初期費用はだいぶ掛かるが、これなら数ヶ月レベルで、家族4人のトイレ処理のランニングコストを、ゼロにすることができる。

2019年9月13日金曜日

冷凍置き弁


オフィス街には食堂と弁当売りが跋扈しているが、最近は配達弁当も多い。事前予約するものもあるし、大きいビルではその一角に販売コーナーを一時的に設けるようなところもある。

弁当は、廃棄の問題が常に付きまとう。原価が安くても、わざわざ持っていってしかも廃棄となれば、それは当然原価に組み込まれるわけだから、割高になってしまう。そこのさじ加減は店主の腕の見せ所でもあり、悩みどころにもなる。

ここにAIを使おう、などという話は当然あるものと思うが、ここではそれ以外の選択肢を考えてみよう。それが「冷凍置き弁」である。

既に「オフィスグリコ」のような置き菓子サービスは存在している。富山の薬売りのように、オフィススペースにあらかじめ少量の菓子を置いておいて、セルフサービスで売る、というものだ。一方、冷凍の弁当というものも存在する。これは主に、要介護者や高齢者、あるいは糖尿病患者などが利用することを想定しており、カロリーや栄養素が計算されている。一般的には冷凍宅配で届くもので、Amazonなどでも売られている。メニューは豊富で、毎日食べても飽きないだけの数はある。ただ、通常の弁当と違って新作の頻度は低いようだ。この二つを組み合わせる。

即ち、職場には冷凍庫と電子レンジと集金箱を置き、ここから冷凍の弁当を取り出して支払い、電子レンジで解凍して食べる、というものだ。冷凍であるので、置き菓子と同様、日持ちは十分だ。売れ残りはゼロにできるし、補充も毎日でなくてよい。LPWAセンサをつけておき、補充のタイミングを最適化するようなこともできるだろう。

この仕掛けには、もう一つ大きなメリットがある。それは、何時であっても、休日であっても、必要な時には食べられる、ということだ。これをビルに一つ付けておくだけで、残業や三交代の人、警備員なども、安心して食事をすることができる。

もちろん自動販売機でも良いのだけれども、こういった形の方がなんとなくよさげな気がするのは、日本人だからだろうか。

2019年9月12日木曜日

Near PWA


近年では、電子レンジや洗濯機など、白物家電をスマホで制御するようなことが流行っている。このためには専用のプログラムをスマホのストアからインストールした上で、機器とのペアリングをする必要がある。これは結構面倒ではないかと思う。

そこで、こんなものを考えてみた。家電側にBluetoothを搭載しておく。一方でスマホには、特定のBluetoothプロトコルを自動で検知してアラートを出す機能をつけておく。これはBluetoothでなくてもNFCなどでも構わない。とにかく近づくことをきっかけにしてアラートが出ることが必要である。

そのアラートに答えると、PWAが起動する。すなわちWebページである。インターネットのそれとは違い、アドレスは近接通信専用になる。後は一緒だ。

別にPWAでなくても単なるWebページでもよいのだが、要は汎用のWebブラウザで家電に入れる(家電の制御をWebページで作っておく)というところが重要だ。これならネットにつなぐ必要はなく、外部からの侵入も困難だろうし、ユーザ側としてもうっかり他人の家につないでしまうことはない。もちろん、家電にWiFiでもあれば、いったんペアリングした後に家の外から制御することも可能である。

普及のポイントは、規格化である。どの家電、どのスマホを使っても同じように使えないと、使い勝手は台無しになる。OSに組み込むなど、最初から普及策を考えておく必要がある。

2019年9月11日水曜日

自動車は消耗品になる


十年二十年と乗り続け、しまいにはボロボロになってもだましだまし乗るような車の形態は、自動運転の普及とともに消滅の危機にある。もちろんゼロにはならないけれども、自動車の新陳代謝は激しくなる、つまり古い車が残りにくくなるかもしれない。

その心は、自動車の使用効率にある。商業車はその程度が低いものの、一般的に自動車は駐車場で停まっている時間の方が遥かに長い。自動運転が一般的になると、カーシェアリング・リース・レンタルの割合が増え、また実際に効率も向上するため、自動車当たりの稼働時間が上がる。つまり、早く消耗するのだ。

大量の営業車を抱えるような一般企業であっても、各支店に常に余らせておくような配車にはならないはずだ。需要を予測して数台を配備し、使われたら更に均衡を図るように再配車する、というような運用にすれば、今までより台数を少なく抑えられる。

更に、ワンボックスカーくらいであれば荷物輸送にも使えるから、昼間は個人向けや企業向けとして、深夜になったら荷物輸送に使う、ということができるようになる。昼間に多く使う営業車なら、むしろそれで積極的に稼ごうとするかもしれない。こうなると、現状の数倍の稼働時間となる。例えばそれを3倍とすると、消耗も3倍のスピードで訪れることになる。

また、使用者の意思に関わらず、定期的なメンテナンスはしやすくなる。例えば何時間走ったらオイル交換、と定めておけば、自動で勝手に工場に行ってオイル交換するわけだ。これは車の品質を一定にする効果があると同時に、故障をごまかして走ることも困難になる。適切な寿命ではあるが相対的には平均的に早くなる、という現象が起こるはずだ。

五年十年で入れ替わるとは思わないけれども、ボロボロの車が町中を走るような光景にはお目にかからなくなる時代が、今後来るのかもしれない。

2019年9月10日火曜日

ネット切断という罰則


現代社会において、ネット接続というものは、必要不可欠にまでなってきている。これが切断されることは、現代人にとっては大きな苦痛だ。ということは、それを罰則にすることもできるのではないだろうか。

この罰則とは、その名の通り国の法に基づく罰則であり、懲役や罰金等と同列の、新たな罰則である。それも徹底して行う。受刑者は携帯電話やコンピュータへのアクセスを一切禁じられる。住居のネット回線は停止させられ、WiFiやネットカフェもダメだ。

抜け道が多く考えられるので、実質的にどれだけそれを防げるかがポイントになる。この一つとして考えられるのは、デジタルフォレンジックだ。つまり、本人のネット上での行動の癖をAIに覚え込ませておき、受刑前の活動と類似する行動をチェックするのだ。これなら、匿名で活動していても本人とバレてしまう。

音声電話を禁じるかどうかは思案のしどころだが、これは切っても良いと思う。外のアクセスは、郵送と訪問に限られ、受刑者からの行動も同じく郵送と訪問に限られる。罰金の支払いなど振込に関しては、コンビニや郵便局に出かけることで良しとし、その先でネットにつながっていること(電子送金)は不問とする。

日常生活でどれだけ支障が出るのか考えてみると、家賃の振り込みや電気料金など、あるいは食料などの買い物は問題なくできる。しかし、仕事でもネット接続ができないとなると、就職先はかなり制限される。例えばレストランのホールスタッフなら、皿洗いはできるだろうが、端末を使った注文取りはできない。

こうなると、過酷刑とは言えないまでも、かなりキツい罰と言えるかもしれない。

2019年9月9日月曜日

常識のマイクロサービス


人間の常識をAIとして実現すること、これは漫然と難しいだろうと思っていたが、もしかしたらそうでもないかも、と考え始めている。

例えば画像認識だ。この画面に映っているのは猫か犬か。これは最近、画像認識AIのおかげで、だいぶできるようになってきている。写真に写った人間の表情や声の調子から喜怒哀楽を推定する、ということも、結構できるようになってきている。こういった基本的なAIが、常時マイクロサービスとして供給されるようになれば、それらを組み合わせて新たな判断をするようなAIが出てきてもおかしくないのではないか。

例えば、サポートセンターにおいて、声の調子からその人が怒っていることが分かったとして、その原因を指定するようなサービスだ。そしてこれは階層化しうる。そのサービスは、当初は当然目的別に作られるのであるが、その数や種類が豊富になってくると、それらを組み合わせた新たなサービスも増え、そのうちネットを覆った「常識人」サービスが出てくることも、夢ではない、というのがその考えの主旨だ。

例えば、PM(プロジェクトマネジメント)において、PMBOKを知らなくても、どこの進捗が滞ってきそうか、その対策をどうしたら良いか、なんてことを示唆してくれるAIが、出てこないとも限らない。

これが確立するかどうかの肝は、個々のマイクロサービスが継続的に提供されることだ。階層化が崩れるとAIの精度が落ちたりサービスが止まったりするので、確実にするには垂直統合が必要、となると、やはり大手しか生き残らないのかもしれない。するとその会社の個性が出てきたりして、また面白いかもしれない。

2019年9月6日金曜日

IoTによる「取り締まり」の強化


世の中には、法的にはしっかり違法なのだが、監視する警官などがその場にいないことで見逃されている、というようなものはいっぱいある。道路の速度制限のように、実態の方が理にかなっていると思われるものもあれば、路上駐車や違法投棄のようないただけないものも存在する。

もし後者を、例えば監視カメラを取り付けることで後日発見できたとしても、その後の警察の動きは鈍いだろう。証拠があってもそこから犯罪者までたどり着くのはそれなりに手間がかかるし、何せ数が多い。それがまた犯罪を助長することになる。

そこで考えるのが、立件から犯人への通知、罰金回収まで一連の作業を全部自動化できないか、ということだ。言わば「犯罪捜査の自動化」である。

例えば、人物追跡だ。複数の監視カメラを連携して、人物を追いかけるようなシステムは、既に存在している。また、犯罪が行われた可能性については、監視カメラにAIを載せる、いわゆるエッジコンピューティングによってチェックできる。監視カメラが警報を出したらその人物を自動で追跡して、その後の行動や身体的特徴、人相などを自動で記録し、一つにまとめる。他の情報との突合で本人特定し、罪状とレベルまで自動認識して、ハンコを押す(承認ボタンを押す)前まで全自動で進める、というものだ。

各々のレベルや精度は、最初は低いだろう。しかしそれは、AIの進化で上げていくことができる。チェックポイントを複数設け、最初はその各々で多く人間が関わるように、信頼度が上がれば人を減らして、などとしてやる。重要度の高いものから数で制限してやれば、警官が忙しくなりすぎることもない。そして、システムの精度が上がれば、警官一人当たりの処理件数は大きく向上する。また、あらゆるところに監視カメラがあると思えば(逃れられないと思えば)犯罪の抑制にもなるはずだ。

プライバシーの問題は大きな懸念であり、その肝は「犯罪に限る」「恣意的なスクリーニングはしない」という点だろう。そのために、対策を二つ行う。一つはエッジコンピューティング、もう一つは公平な第三者の監視だ。

後者は明らかだろうから、前者について説明すると、要するにカメラ自体にAIを詰め込み、必要な情報のみをネットに流すようにすることだ。このAIも学習し自動更新するようにしておくことで、精度は上がり、余計な情報を出さず必要な情報を漏らさないように鍛えられていく。

細かい犯罪が確実に捕らえられるということは、いわゆるブロークンウィンドウ理論により、他の大きな犯罪も抑制することができる。これは好ましい変化だろう。

2019年9月5日木曜日

学校はもっとフランチャイズすべきだ


主に私学の話になるが、個々の学校の教育にばらつきがありすぎるのではないか、と思うようになった。

公立小中には学習指導要領があるが、それでも細かいところは殆どバラバラで、効率的でない。進み具合が違うだけでなく、補助教材がそれこそクラスによって違ったりするし、電子化が一向に進まないのは人材不足のせいだが、これも中央一括管理という手段が本来見込めるはずだ。

これを進めているのはむしろ塾のように思える。大手の進学塾は、教材や教え方、テストなどを中央一括管理しており、電子化も成されている。これをもっと学校でも進めるべきではないだろうか。

学校に個性を求めるというのは、それでありだ。だが、全部が個性というわけでもないだろう。国数理社英+音楽美術体育などというのは基本的に同じはずだ。共通部分の方が圧倒的に多いのなら、そこは纏める方が効率が良いはずだ。

学習指導要領は4年毎に改定されるが、私学なら毎年改定されるだろう。それも、電子化しておけば簡単なはずだし、全面改定ということはそもそもありえない。1+1が3になったりすることはないのだ。それも現場が全てフォローするのではなく、中央がマニュアルを作り、現場教師はe-ラーニングによって変更点をチェックする、といったようなことも、中央主導型ならできるはずだ。

これを進め、どうしても現場でできないことのみを現場で行い、なるべく中央が道具を揃える。これは、フランチャイズレストランなどで言う「セントラルキッチン」と同じ考えである。

この実際は、強力な教務システムとして提供される。Google Classroomではまだ大幅に機能不足で、これに学校側のシステムを大胆に付け加えることになるだろう。その多くは、教育コンテンツと教え方のセットだ。生徒用の映像やPPT、CGなどの他に、教師用の教え方教本(副読本、ノウハウ集等)が入っている。また、生徒の質問に対して素早く答えるため、教室の音声認識を常に行ってFAQを呼び出すシステムや、それを元に中央が生徒の疑問を吸収して、より良い教え方を研究するような仕掛けも欲しいだろう。

こういった仕掛けは、今の公立では難しい。データを取り、より良い教え方を進めるというのをもっと強烈に進めるべきである。更にこれは、個人の学習システムとしても成り立っていてほしい。つまり自分で自分を教えられるとか、個別に教えられるというシステムである。

2019年9月4日水曜日

ランサムウェアとスマートコントラクト


システムデータを暗号化して身代金を要求するランサムウェアに屈した団体が幾つか出てきているようだ。だが、身代金を払っても復号キーが入手できる保証はない。そんな中で、その復号をスマートコントラクトとして実現したらどうなるだろう、と考えてみた。

スマートコントラクトは、相手の信用情報を必要としない。従って、ランサムウェアがこれに結びつくと、身代金の支払いは必ず復号化を伴うことになる。これはランサムウェア側にとっては「信用を得る」良い使い方だ。

病院のようにリアルタイムで命を預かっているところでは、そこで「犯人を信用できるのか」といった余計な議論が長引くことがないのは、被害者側にも良いことだ。払うか払わないかの判断だけすれば良いからだ。

もちろん、ランサムウェア自体は犯罪であるのでダメなことではあるのだが、これを合法な用途に活用することは考えられる。

例えば、完成し納品したシステムにおいて、受け入れ側がテストし合格したにも関わらず支払いがない。そういった場合に、システムの一部を暗号化して機能不全状態にした上で、スマートコントラクトで支払いを解除のキーとする、といったことはどうだろうか。

あるいは、単なるシェアウェアであって、使用開始から一定期間が経つと自動的にこの機構が働く、というものも考えられるだろう。これならベンダ側の作業がゼロで済むし、ユーザとしても即時使用開始ができる利点がある。

こう考えると、スマートコントラクトの応用はもっと広がりそうに思える。色々と考えるのも面白そうだ。

2019年9月3日火曜日

室外機自動冷却


地球温暖化の影響だろうか。今年の夏、フランスで熱波が観測された。46℃とか、そのくらいまで上がったらしい。フランスはもともと冷涼な気候で、あまりエアコンが普及しておらz、このため死者も出たようだ。

転じて、日本のエアコンにしても、この温度ではさすがに動かない。世界にはもっと暑い地域があるから、技術的にできないことはないのだろうけど、今のエアコンを高温対応に改造したり入れ替えたりするのは、とんでもなくカネと時間が掛かる。

日本に46℃の熱波が来た時、湿度が高いことから不快指数は更に高く、もしエアコンが機能しなければフランスを超える死者が出ること疑いない。

そこで、現行のエアコンを活用して、且つ高温に対応できるような改良が必要である。このために、室外機をミストや液滴で室外機を冷やす機構を提案する。

室外機の上にタンクとミストシャワーを付け、室外機の吸気口や外壁にそれが当たるようにしてやるだけだ。ファンで吹き付けるのも良いと思う。そうやることで室外機の温度が下がれば、既設のエアコンでも更に高温に耐えられる。

それで世の中が持ちこたえている間に、家電メーカーはエアコンの高温対応を進めることができるだろう。

2019年9月2日月曜日

南北半球衣装レンタル


近年のサブスクリプションの進展は眼を見張るものがある。その中で、衣装レンタルは古くて新しいサービスと言えるだろう。昔は貸衣装と言えば晴れ着やパーティドレスだったが、これが普段着にまで降りてきている。これとは別に、冬服をクリーニングした後そのまま預かってもらうサービスや、ダンボール単位で預かってくれるサービスも出てきている。

ここで考えるのは、季節モノの服を効率よくレンタルする方法だ。話は簡単で、服の夏冬を北半球南半球で移動する、というものになる。つまり、例えば日本なら5月から9月までを夏服、11月〜3月までを冬服の期間として、オーストラリアでは逆の期間貸し出す。猶予の一ヶ月はクリーニングと移動に充てる、という仕掛けだ。

これなら、衣装はほぼ年中貸出中にすることができるから、通常の倍の高率でレンタルできる。その分安くできるから、ユーザも企業も嬉しい、となるはずだ。移動のコストがそれを上回るかどうかは不明だが、計算してみる価値はあると思う。

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