タイトルのファンクションとは、AWSのLambdaのようなものを想定している。つまり計算機資源を気にせず計算を行うための仕掛けである。そのファンクションだけでOSを作ろうというのだが、いったい何のために作るのかというと、OSの移植性を最大限に高めるためだ。
ファンクションをローカルで実行できるPCを用意し、これにファンクションベースOSを搭載する。すると、ハードウェア性能に応じて高速にも低速にも動くOSができる。そしてこれは、容易にクラウドに移行できる、というわけだ。
仮想マシンでも良いのではないかというとそうでもない。ファンクションをローカルで実行できるPCというのは、要するに疑似クラウドなのだ。疑似PCではない。その違いとは、スケーリングをOSの判断とすることにある。アプリ(実行コード)からスケーリングの判断を取り除くことで、アプリはよりシンプルに、スケーラブルになる。
例えば、そのPCの設定によっては、(ある程度の課金制限の下で)高速に動かしたいアプリをクラウドに一部逃がして高速に実行することができる。また、PCからアプリを全部逃がしてやれば、PCが故障してもターミナル接続でOSを実行できる。そして別のPCを買ってくれば、またそこにOSを移行できるわけだ。
これは更に、ハードウェアのスケールによらず同じOSを使うことができることも意味している。つまりスマートウォッチでもWindowsが使え、重いデータベースを動かすことも可能になる。同じアプリを異なるハードウェアで動かすことも可能だ。
まあもちろん画面サイズは違うし通信速度も変わるので、制限は出てくるし、アプリも複雑にはなる。だが今のように、スマートウォッチとスマホとPCとサーバとで使えるアプリが違う、というような「常識」は破壊されるだろう。
細かく突っ込めばまだ色々不具合は出てくるだろうが、こういった発想のOSが出てくれないと、アプリもいつまで経ってもスケーリングとローミングから逃れられない。ぜひ検討して頂きたいものだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿