2017年6月19日月曜日

フリーズドライ料理の可能性


フリーズドライならではの料理を考えてみる。ここでは、従来の葉物野菜中心の製品ではなく、ある程度大きい具材が使えることを想定して考える。
  • いわゆる煮込み料理。
    • カレー、シチューなど。具材をスープで戻し、ルーは顆粒を湯で戻して混ぜる。
    • 肉じゃが、筑前煮、おでんなど。大きな具材でも、直ぐに味が染みる。
    • 煮魚。煮汁も顆粒にしたものが市販されるかもしれない。
  • 漬物。漬物液で戻すだけ。
  • 手作りハム、ソーセージ。漬け込み工程が省ける。燻製も、そのような液を作れば不要になるかもしれない。
  • スープ作り。これは逆で、フリーズドライにしておいたものを粉砕して水に投入して煮込むことにより味を出す。漬け込み液の作成にも使える。ハーブなど。
  • 生の(フリーズドライの)肉、魚を使った料理。カレー肉に生肉を使う、あるいは牛の叩きなど。乾燥により病原菌は死ぬので、気軽に生肉を食べられる。
  • 刺身。水戻し後の食感が大丈夫かどうかが心配だが、魚だけでなく肉でも、また加熱用素材でも一旦フリーズドライすれば使える。生牡蠣などでも安全。
  • カッターや糸鋸での切断、手で崩すことによる不定形なブロックの作成など。これは素材の新しい形を提供するものだ。また、包丁を使わないで調理できるので、衛生面での有利もある。
  • もっと極端な話、ミリングマシンで相当複雑な形を作ることも可能だ。ブロックのように組み合わせたり、薄くスライスして張り合わせたりできる。
  • スティック状に加工しておいて、食べ進むごとに味が変わる料理が作れる。フランス料理のフルコースとか三角食べとか、菓子にも良い。非常食や登山食にも面白い。
  • 乾燥状態ではフードプロセッサやミキサーで簡単に粉砕できるので、ポタージュなどのスープやソース、ジュース、スムージーなどが簡単に作れる。
  • いわゆる介護食を簡単に作る。粉砕しておいてゼラチン(これも粉)と混ぜて型に入れてから戻せばよい。粉砕の程度も、ゼラチンの混ぜ具合も、味付けも、自分の好みにできる。そこまで行かずとも、喉が腫れたときの流動食にも使える。
  • かまぼこや揚げ天など、練り物の自作。白身魚をフリーズドライして粉砕して作る。豆腐も可能だろう。
  • ハンバーグ、餃子、散らし寿司、パエリアなどの自作。粉砕せずとも、混ぜるのを乾燥状態で行うことで、作業がずっと楽になる。
  • 皮や茎など従来捨てていたものを惣菜用などに再利用する。クッキーに混ぜて栄養価を高める。あるいは粉砕して、草木の肥料にしたりペットの餌にしたりすることもできるし、生ゴミだったのを燃えるゴミにすることもできる。
業務用があれば、こんなことも考えられる。
  • コンビニで期限切れ寸前の食品をフリーズドライすれば、再度別の商品になる。
  • 食品加工業者が加工クズをフリーズドライして部位ごとに分ければ、健康食品の材料や家畜の飼料として有用だろう。ただ単に燃料にもなるはずだ。
  • ドギーバッグをフリーズドライにすれば、軽く、液漏れせずに持ち帰れる。また生ものなど、ドギーバッグにできなかったものも持ち帰れる。
  • 食材宅配サービスの素材として提供する。冷蔵が不要だから宅配ロッカーが使えるし、薄く作ればポストに投げ込める。また、週末に纏めて段ボールで送ってもらうこともできる。もちろん専用の配達員も不要だし、送料も安くできる。生ものも使える。
  • 食材ではなく完成した弁当にも同じように応用できる。制限食、非常食など。こちらは水戻しに工夫が必要かもしれない。
  • スーパーでは余りモノで小分けセットが簡単に作れるので、一人用の果物や惣菜などの品数が豊富になる。
  • 大量に仕入れてフリーズドライで保存することで、流通を安定させる。
  • 輸出や輸入に応用する。コンク(濃縮)ジュースよりもフリーズドライ粉末の方が軽く、環境条件も緩く、船便も使えるはずだ。
考えてみて思うのは、コスト計算が全然できていないこと、水戻しでどれだけ戻るのかが不明なことだ。実際にはこの全てが実現できるわけではないだろうが、例えばフリーズドライ弁当だけでもできれば、介護や制限食、新たな備蓄としては非常に有用だ。もっとフリーズドライ市場が活性化してほしいものだと思う。

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