2017年8月17日木曜日

野菜の皮むき器とCAS冷凍


レストラン関連のトレードショーに行くと、業務用の厨房用機械が多数展示されていたりする。そんな中でも、日本のロボット技術のきめ細かさが際立つのが野菜の皮むき機だ。

従来は、大規模なレストランや、チェーンレストランの前処理工場などで活躍していたのだが、その用途としては直ぐに加工するための前段だった。つまり、皮をむいたらその後切って炒めて茹でて揚げて、という作業が直ぐに行われる前提だった。またこのため、中小レストランや一般家庭での導入は考えられなかった。

だが、これとCAS冷凍が組み合わさった時、また更にそれにフリーズドライが組み合わさった時は話が別になる。業務用冷凍野菜は今でも出回っているが、それはミックスベジタブルやブロッコリーなど、冷凍に支障のないものだけであり、種類も限られていた。例えば野菜の千切りなどは、業務用でも売っていない。これができるようになる。

野菜が殆ど全て冷凍可能になるなら、前処理の最初の一歩たる皮むき器の需要は一気に高まるはずだ。それこそ農家に設置して、その場でどんどんCAS冷凍するようなことも起こりうることになる。

こうなれば、例えば小型トラックの後部に冷凍庫と皮むき器が並んで搭載されたようなものが大量に出回り、あるいは農協で共同購入されるようなことが起こるかもしれない。今でも農家の収穫期は大忙しだが、皮むきや冷凍の工程が入れば更に忙しくなるので、人材の流動化(農家の会社化)にも拍車が掛かるかもしれない。

更に、品質の自動チェックや袋詰めまで自動でできるようになれば、農家は自前で大容量の冷凍庫を買い、楽天で直接売るようなことまで始めるところも出てくるだろう。これは中間マージンを減らす意味で役に立つし、天候不順などの影響を軽減し、価格の安定にも貢献する。

皮むき後の加工についても機械の導入が考えられるから、同じ野菜でも千切り専門やらいちょう切り専門やらの農家が出てきて協業する、などもあり得る。

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