2017年2月1日水曜日

フリーズドライをもっと


生肉や生野菜をフリーズドライにできないだろうか。いきなり何を言うのかと思うだろうが、ここには重要な目的がある。それは地球温暖化の防止だ。もしフリーズドライが充分に普及したら、冷蔵庫が不要になる、ないしはごく小さいものでよくなる、また物流における重量やかさが随分と緩和される、というのがこの目論見だ。
野菜の70~90%は水分だ。まずこの無駄を省ける。また乾燥させるには下処理が必要だから、農家の収益は高くなるし、不要部分はそのまま農家の肥料となる。これも物流コストを下げる。運ぶもののサイズが統一されれば、ロボット化などにも道が開ける。下処理の初期コストは家庭の処理コストの合計より低い(効率的だから)ので、トータルでは得になる。
ドライフードになれば、通販で段ボールで買うことができるし、もし買いに行くとしてもかさばらず軽くなるので、出かける頻度は大きく落ちる。問屋にしても小売業者にしても、カネの掛かる冷蔵冷凍ブースを用意しなくてよいし、毎日卸しに行く必要もなくなる。食べる量が減るわけではないから、売上げに大きく響くこともないはずだ。
現状では、自宅でフリーズドライを作るのはほぼ不可能であり、生肉のフリーズドライはペットフードでしか見かけない。野菜に関しては一部見かけるが、味噌汁の具だったりおひたしだったりと、具体的な料理になってしまっていて、素材としてのものは業務用しか見かけない。それでも幾つかは楽天市場などで買うことが可能だが、生より大幅に高い。いくら保存性が良くても、冷蔵庫の電気代を押して更に高いのであれば普及は難しい。
値段の高さは、普及とともに解決できる問題だ。そのためには、使い方をもっと提案して欲しい。確かに素材だから後はご勝手に、なのだろうが、もう少し使い勝手を考えてくれてもよいのではないか。
問題として考えられるのは、まず料理によって切り方が違うところだ。さすがに大根一本丸ごとをフリーズドライにするのは不可能だし、もしできたとしても一部だけ戻すのはやはり困難なはずだ。従って、大根一つとっても複数の切り方のものが必要になる。
また、水で戻すところが適当に考えられているような気がする。確かにそこら辺の皿で充分なのだが、水切りが必要だし、毎日使うものなのだから、使い勝手に配慮があってもよいのではないか。また、僅か数分とはいえ、思い立って直ぐ調理に取り掛かれないのはストレスかもしれない。
前者に関しては、パウチの袋ではなく、サイズを揃えた缶で提供することにして、保護用の蓋を別に用意する、という形態はどうだろうか。大きさとしては4・5・6号缶、平3号缶を選べば直径が揃う。これなら他の缶詰と同じように扱うことができる。種類が少々多くてもやっていけるだろう。サイズさえ同じなら金属缶である必要はなく、ペット樹脂などでもよい。
また、水で戻すための専用の容器を作ってやる。水切りが簡単にできるようにしてやる(水きり口か網カゴ)、戻し中に重ねて置ける、用が済んだら重ねて仕舞える、などがあるとよい。タイマー付き、また脱気して素早く戻せるようなバリエーションもあるとよい。
野菜売り場に並ぶ代表的なものを、また大きいものは複数の切り方で数種類を揃え、想定に応じて適当な大きさの缶に詰めて売る。必ずしも全てを賄うのでなく、あくまで補助として使う。買い忘れたとか、想定外に量が必要となった時の足しにする。ちょっとマイナーな香味や珍しい野菜などを使って贅沢な演出をする。非常用としてランニングストックにする。もっと積極的に、出汁やコンソメで戻すことで下味をつけたり、戻す前に混ぜることで調理の手間を省いたり、キャンプ用のセットや水で戻す弁当、完全に戻さずサクサクの食感を持つ新感覚の料理、自動調理器とディスペンサーを組み合わせて全自動調理、と夢は広がる。

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