2025年6月5日木曜日

転売に対する社会的許容度の考察


古くは仮面ライダースナックやビックリマンチョコ、最近では万博パビリオンの時間指定チケットやマクドナルドのちいかわグッズなど、何かと話題になっている転売の是非について考察してみた。これももちろん生成AIを使って、なかなか面白い結論が出た。

最初は万博場ビリオンについて議論したのだが、生成AIは最初、あいまいな倫理観を振りかざして反対した。だが法的根拠や他の(社会的に認められている)転売の例を挙げて反論すると、論理的整合性を欠く反論をしてきた。これは「~だからといって正当とは限らない」というものだが、これは論理的に簡単に反論できる。「でも、不当とも限らないよね」で済んでしまう。

そこで生成AIは規約を振りかざしてきたのだが、実はパビリオンの時間チケットには明確な転売禁止条項が書いていないものが多く、一部にしか適用可能性がないことが分かった。また、規約違反をしたとしてもそれは民事なので、刑法などで裁くことはできないし、むろん非親告罪でもないので警察は動けない。また、損害賠償請求をすることは可能だが賠償見込み額は僅か、慰謝料もほぼ無理だろうとの結論だった。

ただし、チケット不正転売禁止法という法律はあって、その一部のチケット(明確な転売禁止条項がある)はこの法律における「特定興業入場券」に該当する可能性があり、その場合は罰金または懲役刑がある。

この法律は、いわゆるダフ屋を取り締まるもので、展示会やコンサート等を想定している。そこで、なぜそういうところは転売が禁止され、株式やちいかわは禁止されないのかと議論を進めていった。この例には他にもコロナ下のマスクやアルコール、期間限定商品や数量限定商品、ヨドバシカメラの福袋(福箱)、医薬品や酒などがある。人はどういうものの転売を嫌うのだろうか、と推測をさせた。

その結果として、人が転売を嫌うための抽象的な「軸」を抽出することができた。それがこれだ。


こちらが、転売(再販)における「違法性・社会的非難の可能性」を5つの軸で評価したレーダーチャートです:

 各軸の意味と評価(0〜5)

内容 評価(例)
① 商品属性 医薬品・チケットなど規制対象か 4(高リスク)
② 取引形態 業として反復継続しているか 3(中リスク)
③ 供給状況 社会的に逼迫しているか 5(非常に高リスク)
④ 契約・制度 転売禁止の明示があるか 2(やや低リスク)
⑤ 商品と付属物の一体性 本体とおまけの切り離しが問題か 4(高リスク)

いちばん大きなファクターを占めているのは供給状況で、すなわち社会的にひっ迫しているかどうか。次に商品と付属物の一体性。これはライダースナックやビックリマンチョコなどで、おまけ目的で購入し、お菓子の方を捨ててしまうという行為にあたる。これと同等のファクターを占めるのが商品属性で、医薬品、チケットなど特定の商品であること。転売禁止の明示は以外にもファクターとして少なかった。

メルカリなどで転売されているものの多くは社会的にひっ迫していないし、商品と付属品の一体性は見えてこないので、あまり問題にはなっていない。万博のチケットはひっ迫性があり、商品属性としてチケットであるので目立ったわけだ。橋下徹にハイヒールモモコが嚙みついた理由もチケットだからであり、なるほど、なかなか的を射た意見ではないか。

なお、万博の時間チケットの転売対策だが、チケットの規約として転売を明確に禁止し、違約金の金額も明記しておく、という方法が推奨された。これによって違約金訴訟は単に違約した事実だけで可能になるし、金額が明記されることは抑止力として有効であるとのことだ。

2025年6月4日水曜日

生成AIをいじめて遊ぶ

 

「生成AIはミーハーである」の回でも少し触れたのだが、生成AIの回答は一次的には誤っていることが多い。それを指摘してAIが回答を修正していく様を見て楽しむ、というのが最近のマイブームだ。

どういう指摘をしているのか、と自己分析してみると、興味深いことに陰謀論者との議論とあまり変わらないことに気付いた。つまり、

  1. 定義や前提が誤っていることを指摘する
  2. 世間で既にウソと分かっていることを主張していることを指摘する
  3. 定性的議論に終始し、定量的議論ができていないことを指摘する
  4. 視点が一方的であることを指摘する
  5. 批判的思考ができていないことを指摘する

などである。

最初に入力するのは、時事だったり自分のアイデアだったりと色々だ。先日は、鉄筋コンクリートに代わるグラスファイバー筋コンクリートの可能性について質問した。すると生成AIは困難と言い、色々と問題点を指摘してくるので、それら一つ一つについて反論をしていく。そうすると次第に生成AIは追い詰められ、その可能性を認め始める。その過程が興味深い。

この場合、初期状態では延性や熱膨張率、剛性、座屈といった弱点を指摘してくる。だがそれらは鉄筋コンクリートに対する弱点であって、建材として認められるかどうかは別だ、と指摘したり、形状や材質の工夫を考慮していない、と言ってみたり、定性的議論に陥っているから定量的に示せ、と言ってみたりする。

陰謀論者と違うのは、それらの指摘を真摯に受け止めて議論をちゃんと修正するところだ。そうすると、鉄筋コンクリートには劣るが建材としては基準を満たす可能性や、形状や材質の工夫で延性剛性を強化する可能性を探ってくれたりして、その可能性を認める。それでも研究されていないことなどを理由に反論してくるので、今度はなぜ研究されていないことが難しい理由になるのか論理的に説明せよ、と聞いてやる。すると論理的な理由はなく一般論として、研究されていないことは難しいからである場合が多い、と言ってくる。するとこちらは、ただ興味がなくて研究していないだけかもしれない、と突っ込む。すると研究されていない理由を探し、途中で断念した例が見つからないことから、そうかもしれない、と返してくる。

これが陰謀論者だと、屁理屈を返してきたり無視してきたりする。だから話が進まない。そこで、もし自分が陰謀論者だったら、と考えてみると、逆にAIにやり込められるのではないか、と思いたち、生成AIに対し「自分が陰謀論者になるので、貴方は論理的に事実に基づいた論破をしてくれ」と頼んでやって見たのだが、どうも上手く行かない。暖簾に腕押しで、論破してくれないのだ。

どうも生成AIは、質問者に対して厳しく間違いを指摘することを避ける制限が掛かっているようであり、またコロナワクチン陰謀論などのように医療や政治などに対する議論は特に避けるような別の制限が掛かっている。陰謀論というのはこういったクリティカルな話題で特に多いので、せっかくの性能も宝の持ち腐れだ。

実は、この手のモラルが比較的緩いとされているGrok3でも試みたのだが、論理的・量的理論に基づく反論はどうも苦手らしく、幾らでも(陰謀論者的な)反論ができてしまい、最終的には千日手のように、論破されても同じ主張を繰り返す、というヘンな構図ができてしまった。これでは(陰謀論を論破する側が)陰謀論者のロジックで話していると変わらない。

これらから総合すると、生成AIはまだまだ陰謀論者に騙されるだろうし、生成AIによる説明や説得にも陰謀論者的な(不完全な)ロジックがまかり通っている、と考えざるを得ない。生成AIの答えは鵜呑みにするなとはよく言われるが、生成AI自体が陰謀論を吐く可能性はまだ(かなり)残っている、と言えるだろう。

2025年6月3日火曜日

令和のコメ騒動の量的分析


 以前チラっと書いた、表題の分析の結果を披露しておく。

まず全体像について生成AIと議論した。結果として、その大まかなシナリオとは、

  1. いわゆる減反政策によって、市場におけるゆとり分が減り、ここ数年は需給バランスがタイトになっていた。
    1. 農水省は減反政策は止めたと言っているが、その他の手段を使って事実上の減反政策を続けていた。
  2. そこに来て、2023年の高温障害により、米の収量及び品質が大きく悪化した。このため需給バランスが崩れ、品薄と高騰が同時に発生した。
    1. 米は価格弾力性が低い商品であり、つまりは価格が高くなっても需要はあまり減らない。これによって、僅かな乱れが高騰につながる性質を持っている。
  3. 農水省は当初「コメは不足していない」「新米が出れば回復する」等と主張し対策しなかったため、需給バランスは回復せず、新米が出ても価格高騰が続いた。
  4. 国民の不満を受け、農水省は、最終的には備蓄米を放出した。しかしその放出量は少なく、入札方式にしたため価格は高止まりし、タイミングも遅かったため、高値を解消するに至らなかった。
  5. 2024年の収量は回復したが、まだ2022年レベルには至っていない。需給バランスが回復しないため、価格は高止まりが予想される。

という感じになる。その原因について生成AIに聞いてみたところ、以下のような答えが返ってきた。(見やすさのために若干編集してある。)


令和の米騒動の「複合的な原因」を分解し、各要素の量的な寄与度を推定すると、以下のようになります(現時点で公的に定量化されたデータは限定的なため、各種報道・統計・専門家分析をもとに相対的な比重を示します)。

要因 推定寄与度(目安) 主な内容・根拠
気候変動・天候不順 30~35% 猛暑や異常気象による収穫量減少が直接的な供給不足を引き起こした。
減反政策・生産調整の影響 20~25% 長年の減反政策による生産力低下、廃止後も生産回復が遅れた。
農業従事者の高齢化・労働力不足 10~15% 生産現場の担い手減少が供給力をさらに押し下げた。
需要増(インバウンド等) 10~15% 観光客増加や経済正常化で需要が急増。
消費者心理(買いだめ) 5~10% 地震報道や将来不安による買いだめ・備蓄需要の急増。
流通構造・在庫管理の問題 10~15% 流通経路の多様化、在庫管理の不備、投機的な買い占めや売り渋り。
投機的行動・市場心理 5~10% 流通業者や一部関係者による投機的動き、価格吊り上げ。

解説

  • *最大の要因は「気候変動・天候不順」で、2023年の猛暑や異常気象による収穫減が直接的な引き金となっています。
  • 減反政策・生産調整の長期的影響も大きく、需給の弾力性が失われていたことが供給ショック時の価格高騰を招きました。
  • 流通・在庫管理の問題や投機的行動も無視できず、流通業者や関係者による売り渋りや投機買いが市場混乱を増幅させました。
  • 需要面ではインバウンドや消費者の買いだめが一時的な需給ひっ迫に拍車をかけたと見られます。

(中略)

JA(農協)による令和の米騒動への「原因」を量的に評価するには、JAの行動や影響力がどの程度今回の米価高騰・品薄に寄与したかを、主な要素ごとに分解して考察する必要があります。現時点での報道・専門家分析をもとに、JAの関与が強いとされる要素を以下のように整理できます。

JAによる要因 推定寄与度(目安) 根拠・解説
減反政策・生産調整の強化 20~25% 農水省とJAが連携し、3年前から減反を強化。2023年産米は作付け前から前年比10万トン減少。
備蓄米放出への反対・流通制限 10~15% JAが備蓄米放出に反対し、放出された米もJA経由で市場供給量が制限された。
市場への供給調整・在庫管理 10~15% JA農協の在庫は前年同月比で21万トン減少。供給調整により米価高騰を招いた。
政策決定・価格維持への影響力 10~15% 農水省・自民党農林族と「農政トライアングル」を形成し、高米価政策を主導。
情報の不透明さ・責任分散 5~10% 流通・在庫・販売の情報が外部から見えにくく、責任が曖昧化。

解説

  • 減反政策・生産調整の強化(20~25%)

    JAは農水省とともに減反政策を強化し、米価維持を図ってきました。2023年産米では作付け前から減反が進み、供給力を大きく削減しました。

  • 備蓄米放出への反対・流通制限(10~15%)

    JAは備蓄米の市場放出に反対し、放出された米もJA経由で流通量が制限され、市場供給が十分に増えませんでした。

  • 市場への供給調整・在庫管理(10~15%)

    JAの在庫は大幅に減少し、供給調整による価格高騰を招いたとされています。

  • 政策決定・価格維持への影響力(10~15%)

    JAは農水省や自民党農林族と連携し、高米価政策を維持する強い影響力を持っています。

  • 情報の不透明さ・責任分散(5~10%)

    JAによる流通や在庫の情報が外部から見えにくく、責任の所在が曖昧になりやすい構造です。

まとめ

JAによる直接的・間接的な要因は、全体の40~60%程度の寄与度があると推定されます。とくに減反政策の強化、備蓄米流通の制限、供給調整、政策決定への影響力が大きな要素です。

ただし、天候不順など他の要因も無視できないため、「全てがJAの責任」とは言えませんが、今回の米騒動の構造的な主因の一つであることは明白です


いかがだろう。結論としてはJAが主要因になっているということになった。国ばかりが責められているが、その背後にいるJAへの非難は、報道にはほとんど現れていない。SNSには若干JA非難の声があるが、こういった定量的根拠を持って叩いている人はいない。

以前も言っているが、こういった社会現象の解析には定量的評価が重要である。それを重視しない傾向についても以前書いたが、世間も政府も相変わらずのようだ。「生成AIはミーハーである」の回でも書いた通り、上の答えにしても最初の回答ではなく、定量的評価をしつこく迫った上でようやく出てきたものである。

どうか結論だけを掴んで短絡的にJA叩きに廻るのは止めて頂きたいのだが、JAにもっと注目して良い、ということだけは言えるのだろう。

2025年6月2日月曜日

全ては教育だ!


 近年の世界的な右傾化、自国第一主義化について、その原因を生成AIと討論しながら考えた結果、そういう結論に達した、というお話。

まずトランプが未だに支持されている理由について議論したのだが、その理由はアメリカ白人低学歴層の貧困化だという。この白人貧困層は、人数的には数千万人と規模は大きいものの、人数的には増加しておらず、むしろ微減中だという。だがその貧困の程度は厳しくなっており、これが直接の原因と考えられる、のだそうだ。

次に、なぜその白人貧民層がトランプを支持するのかというと、貧困の理由として移民の増加が挙げられている。白人でも低学歴の者が移民に仕事を奪われているというのだが、これは感覚であって必ずしも正しくない。実際には、低学歴層でもできる仕事=単純労働が、いわゆる産業の空洞化によって海外に行ってしまい、彼らでもできる仕事が減っているのが原因だ。

一方で移民は何をしているのかというと、空洞化していない単純労働を白人低学歴層よりも低い賃金で担っている。だから白人がその気になれば彼らの仕事を奪えるのだが、それには安い賃金を我慢しなければならない。ここにジレンマが生じているわけだ。

ではなぜ移民が増えているのかというと、彼らの主な出身国である中南米の政情が近年不安定で経済も落ち込んでいるからだ。なぜ不安定かというと、近年彼らの国では左翼政権が興り、労働者向けのバラマキ政策をしてしまったからだという。つまり左翼政権の政策の失敗が原因なのだが、当然それを支持したのは国民である。左翼政権は労働者に甘く、必要以上に賃上げをしたりバラマキをしたりするのだが、財源がないので借金に頼り、すぐ破綻する。これによって職を失う者がアメリカに渡っているのだ。アメリカだって職が豊富にあるわけではないが、彼らの祖国での平均年収はそれでもアメリカの十分の一だったりするので、低賃金でも十分に喜んで働くのだ。

なぜ左翼政権が次々に誕生したかというと、当然国民がそれを選んだからだ。左翼政権になればそうなるということは、ちょっと考えれば分かりそうなものだが、国民の多くがそれに思い至らず支持した。ではなぜ思い至らなかったかというと、一言で言うなら知恵が回っていなかった(頭が悪かった)からなのだが、その原因は教育を満足に受けていないからだ。そしてその満足でない教育の原因は、その左翼政権ができる前の右翼政権の時代、教育を軽視する政策が取られたことだ、という。

アメリカに戻ると、トランプ政権は必ずしも左翼ではないが、移民に対する強硬策で支持を集めた。しかし移民を排斥したところで、支持層たる白人貧困層が豊かになるわけではない。相互関税にしても同じことで、関税を高くして国内に製造業が回帰するかといえばそんなに簡単ではない。もしそれが高度な製品なら白人貧困層には作れないし、低レベルの製品なら作成コストは高く、輸入品よりも高くしか作れない。低賃金で彼らが働けるかと言えば、物価が高いので無理だ。つまり相互関税も、白人貧困層には利益をもたらさない。

こんなことは少し考えれば分かることだが、白人貧困層にはそれが分からない。なぜ分からないかといえばやはり教育ができていないからであり、その教育を怠ってきたのはバイデン及びそれ以前の政権である。具体的には教育の自由化により教育格差が広がり、貧困層の知識レベルが低下した。これは中南米と全く同じ構造である。

教育の低下は、自国第一主義や強権国家をもたらす。今の国際社会において、自国第一主義は長期的に世界を貧困にするということは、少し考えれば分かることだ。何でも自国でやろうとすれば、すなわち不得意なものも自分でやらざるを得ず、高コスト低品質になってしまう。一方それを貿易でやり取りすれば、お互いに得意分野で仕事ができるから、両国にメリットがある。この程度のことは秒速で分かりそうなものだが、頭の悪い人は近視眼的・短絡的に考え、その選択ができないのだ。そして自国第一主義は当然ながら他国の反発を買うが、これをはねのけるためには強権的にならざるを得ず、これに伴ってフェイクニュースや嘘つきが正当化される。まさにトランプが今やっていることだ。

これらをまとめると、①教育の軽視、②国民の知識レベルが低下、③貧困化が加速、④現実的・長期的な政策を取る政党が敗れ、見掛け倒し・近視眼的・非現実的・感情的な政権が誕生する、⑤その政権の政策は当然功を奏せず、国民はますます貧乏になる、という負のスパイラルが完成するわけだ。

翻って日本はどうかというと、左翼政権の担当期間は極めて短く、大部分は自民党政権である。しかしその自民党の政策によって、ここ何十年もの間、国が教育に掛けるコストは低下していて、OECD加盟国では下から何番目というレベルになってしまっている。バブル以降、経済はどんどん低迷しており、現在に至るまで経済成長率は世界平均にもOECD平均にも大きく劣ったままだ。結果としてGDPは中国に抜かれ、ドイツに抜かれ、とどんどん落ち続けている。

つまり、右翼だろうが左翼だろうが、政権が教育を軽視すると、国は衰退する。中南米やアメリカですらそうなのだから、それに輪をかけて教育を軽視している日本が、彼らより更に衰退するというのは自明の理なのだ。

2025年5月18日日曜日

生成AIはミーハーである

 色々と生成AIと議論しているが、それに関して最近気付いたことがある。

最初の応答については、あまり深く考えずに世間の評判を基に答えるのだが、それには往々にしてウソ大げさが混じっている。それに対して指摘をし、更にそれを繰り返すことによって、だんだんとそのウソ大げさを理解し、マトモな解釈ができるようになる。

これは、近年のコメ価格高騰の要因について問い合わせた際に気付いた。最初は、新聞で見るような「流通の目詰まり」「訪日外国人による需要増加」「買い占め」などと答えていたのだが、その各々について分析を指示したところ、これらについてはファクターとして弱く、主要因ではないと答えるようになった。では主役は誰かと問うと、「減反政策」「JAや全農の影響」と答えるAIと、「需要側の問題」と答えるAIに分かれた。これらの質問をする際、各々に対して定量的根拠を求めると、答えにもきちんと定量的評価が入り、答えが論理的になった。

Grok3の最終的な結論は減反政策とJAの前払金制度だったが、前払金制度は以前からあった施策であり、その意味では説明がつかない。それを突っ込むところで回答数制限が来て、お預けになってしまった。

これは他のAIについても同じで、回答を分析して突っ込んで質問すると答えを翻す場面は多かった。それに気付いて以前からのAIとのやり取りを思い出してみると、確かに思い当たることがある。最初の答えは表面的、ミーハー的で、突っ込んでいくと段々と専門家らしくなってくる。同じ知識を持っていても、質問の仕方次第では180度異なる回答をすることもあるのだ、と思った。

最近のAIはDeep Searchのようなオプションも無償で(回数制限はあるが)使えるようになっているが、それをONにして訊いても、やはり最初の回答は定性的・テキトーなことが多く、こちらが突っ込んで聞かないとマトモな答えは得られないことが多い。そう考えると、AIに安易に回答を求めることは危険で、陰謀論者を増やすことにもなりかねない。

逆に言えば、その「ツッコミ」をできる技量が質問する側にも必要だし、その技量によっては回答がブレることにもなる、と言える。そこに思想や偏見が交じる可能性は当然否定できないから、質問する側もその分慎重になるべきである。

最近では、わざと誤ったツッコミをしてミスリーディングをして、AIがそれに耐えられるかなどといったことをして遊んでいる。

2025年5月7日水曜日

景気施策のコスト3:日本共産党とれいわ新選組の消費税減税/廃止案


日本共産党が消費税減税案についてのサンデーモーニングの批判的なコメント(財源を示せ)に対し「財源を示した上で提言している」という反論をしている。そこで同じく、Grok3に計算してもらった。

日本共産党の提言は、2025年4月16日のものの他、幾つか出ている。そのおおよその方向性は、消費税を期間限定で5%に減らし、財源は主に大企業や富裕層への課税、というものになっている。他にもインボイスの廃止、困難な状況にある企業への事業支援(税免除)などが挙がっている。そしてやはり、制度変更に伴うシステム修正コストや社会混乱には言及していない。また、大企業や富裕層への課税が強化されれば、それ自体も景気に影響するが、これも考慮されていない。それらを考えるとどうなるか。

中途は省くとして、Grok3の結論はこうなった。


富裕層や大企業への課税強化による税収増加(約3.5兆円)は、景気悪化による税収減少(約0.36兆円)を上回り、ネットで約3.14兆円の税収増加が見込まれます。しかし、制度変更のコスト(約8.65兆円)がこれを大きく上回るため、短期的な収支は約-5.51兆円の赤字となります。長期的に見ても、景気悪化の持続的な影響と累積コストにより、収支はマイナスとなる可能性が高いです。 したがって、制度変更を実施する際は、景気悪化のリスクを慎重に評価し、コストを抑える対策や景気刺激策を組み合わせることが必要です。


つまり、やはりやった方が悪いという結論になった。

また、れいわ新選組もやはり消費税廃止を訴えており、財源は大企業や富裕層への課税であるが、細かいところは共産党とかなり違っていて、もっと過激だ。結論も過激になるだろう、と同じくGrok3に訊いてみると、こうなった。


れいわ新選組の提案による収支を総合すると:

  • 支出増加(48兆円)と税収減少(28兆円)で、合計約76兆円の赤字が発生。
  • 消費刺激による税収増加や、課税強化による景気悪化の影響を考慮しても、これを補填する財源や経済効果は不十分。

したがって、最終的な収支は大幅な赤字となる見込みです。具体的な数値が不足している部分や経済効果の不確実性があるため正確な予測は困難ですが、少なくとも数十兆円規模の財政赤字が避けられないと考えられます。


76兆円って、ちょっとスゴい。国家予算が百兆円強だから、6割くらいか。トンデモなくダメダメな案だ。

景気対策で消費税を弄れというのはやはり筋が悪いようだ。同じバラマキなら、自民党が進めているように、マイナポイントをばらまく方が良いというのはだんだん確信に変わってきた。

消費税を弄るのなら、景気対策のような短期的な施策ではなく、長期的な直間比率の見直しのような、正統派で考えるべきだろう。そして以前からの主張の通り、これからバブルが起きる可能性は極めて低いのだから、税は間接税(つまり消費税やガソリン税など)を中心に考えるべきである。今後も所得税や法人税は減り、消費税が上がっていく構図は変わらないだろうが、それは正しいのだ。

2025年5月5日月曜日

人は死んだらどこへ行くのか

 以前、「魂とは情報である」という仮説

https://spockshightech.blogspot.com/2017/01/blog-post_19.html

を書いたことがある。そこから演繹していくことによって、この問題に挑んでみる。

魂とは、大雑把に言うと、脳というコンピュータに書き込まれたプログラム、及びデータのことである。ただ最近では、脳だけでなく、全身の臓器にも記憶が埋め込まれていることが分かっていて、それはいわゆるメッセージ物質の出易さや出る条件が人によって異なることだ。そういう「癖」も含め、情報は人間を形作っている。

その情報は、新しく取り込まれ消化されるとともに、体外にも出ていっている。例えば本人が揃えた本のコレクションは、その本人の個性を反映している。ブログやSNSでの発言、メールの文面、写真や動画などもそうだ。あの人ならこう言うよね、というのが他の人にも伝わっている、これも情報であり魂の一部と言える。つまり、他人にも自分の魂の一部があり、自分にも他人の魂の一部があると言える。

さてこの情報は、コンピュータの情報と違って明確に線引ができない。つまりこの情報は自分のもの、この情報は貴方のもの、という区別が難しいのだ。ファジー理論ではないが、自分90%、他人10%といったように、情報は交差している。だからよく、親しい人が死んだ時に「貴方の心の中に生きている」みたいなことが言われるのだが、これはその意味で本当と言える。

そして、人が死ぬと、体内の情報はほぼ失われるが、体外に出ている情報はまだ残っていて、それが魂である。だが例えば、体内の情報が9割だとすると、体外に出た情報は1割しかない。つまり、人が死ねば、魂のほとんどは失われるが、全部ではない。ただ、その1割が散逸していて、また自分の中にあるその人の魂の一部は感じられるが、それはその1割の、更にその何十分の1に過ぎない。だからほとんどその人を感じられず、悲しくなるわけだ。

最近中国で流行っている、SNSの発言などを基に死んだ人の仮想人格を作り出す作業は、この1割を再構成して人に分かりやすく見せているものだと言える。なのである意味、これは本物の魂であると言える。1割だけど。

体外に出している情報が多い人ほど、その再現性は高まる。だからもし、24時間365日その人を監視して、映像と音声を撮りまくり、更にその再構成を精密に行うならば、魂の4割とか6割とかを再構築することは、将来的には可能になるかもしれない。

またそもそも、人の魂の形成とは、外部からの情報の取り込みによるものである。本を読み、他人と会話し、運動や経験をするというのは全て、外部から情報を取り込んでいるのである。それを体内で咀嚼し自分なりに構成したものが魂なのであって、であれば(本人が接する)外部情報だけ取り込んだとしても、魂の再現はある程度可能になるはずなのだ。ここらへんの考え方は、やはり以前に書いた「中国語の部屋」

https://spockshightech.blogspot.com/2017/05/blog-post_26.html

と同じである。

ここで表題の「人は死んだらどこへ行くのか」を改めて考察してみると、次のようになる。

まず肉体的には消滅する。日本の場合はほとんど火葬なので骨しか残らないが、魂(情報)はその残った骨にはほとんど残っていない。手術をした関節ジョイントの跡とか歯型とか、全くないわけではないが、多くの場合それは魂と言えるようなレベルではない。そして、その他の方法で体外に出ていた情報を統合することは可能だが、その再現性はおそらく1割以下で、高くない。また、その再現性を高める工夫をすることは可能であり、それは本人が体外に出していた情報をできるだけ多く集めることだ。その統合にはAIを使うことになるのだろう。元々情報なのだから、肉体のように単一のものではなく、その集め方や分析の仕方次第で幾らでもバリエーションが生じることは考えられるし、コピーも資放題だ。

この場合「どこへ行くのか」とは、「コンピュータ上の情報になる、それ以外は散逸して何れはノイズ(雑音)に埋もれて消えてしまう」ということになる。

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