2017年11月18日土曜日
海洋高度差発電
パナマ運河とスエズ運河のように、大きな大陸で隔たれた海洋同士の間には、必ず海面の高低差がある。この高低差を利用して、単純に水力発電をしようというのが、題記の発電法だ。
経路は膨大な長さになるが、完成してしまえば水門の開け閉めと日々のメンテナンス程度の問題で済むため、コストはあまり掛からない。一般的な潮汐力発電と異なり、水流の速度をかなり自由に調節できるため、海水への暴露に伴う付着物の問題は相対的に小さくなる。高低差がなくなったり逆転することがないため、構造もシンプルになる。
生物学的汚染は若干考えられるが、元々運河が通っているところでもあり、それほど大きな問題には思えない。また、相手が大洋であるため、発電程度の水量で高低差が埋まることは考えられない。取水口排水口付近の環境が若干変わる程度で、大きな問題にはならないと考える。
最初のトンネル掘りが問題になりそうにも思えるが、今の運河と同等、取水口と排水口の高低差があればよく、多少であれば途中経路が海抜より上になっても問題ない。パイプを敷設した後に中を海水で満たせばよい(出口を塞いで最高部から海水を注入するだけ)。また、同じ原理により、何本でも併設できる。パイプは、石油パイプラインの技術がある程度流用できるはずだ。
日本でも、日本海と太平洋の高低差を利用した発電ができないかと考えてみたが、高低差が少なく途中の山越えが困難に思える。その苦労の分を超えて経済的効果があるかは厳しそうだ。
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