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2017年12月8日金曜日

超高機能シーリングライト


http://tocana.jp/2017/11/post_14946_entry_2.html

将来なくなってしまう日用品のひとつにシーリングライトが挙げられていて、ちょっと驚いた。部屋に明かりは必要だろうし、床に置くのもなんだから、シーリングライトはなくならないだろうと思っていた。

だが、自分の過去の投稿を見返すと、シーリングライトの代わりにプロジェクタを搭載するアイデアが既にあって、ああなるほど、と思い直した。上の記事ではシーリングライトの代わりにLED電球が置き換わる、つまり巨大なシーリングライトではなく小さなものになるだろう、という予測だったのだが、そうすると天井のシーリングライト用のフックは無駄になる。冶具を生かし、それなりに重いものが置き換わるとすれば、多機能化が必要だ。プロジェクタはそれにフィットする。

さらに、それ以前でも「白い部屋の家」「家のOS」などでも紹介したように、カレンダーや時計などを投影で表示する機能は当然備えるだろうし、家族構成にあわせて何個でもテレビを出現させたり、PC画面を表示したりできるようになるはずだ。このように、シーリングライトを超高機能化することで、これだけ交換すればOK、という新ジャンルの家電を作れる可能性がある。「家のOS」では家を主体に考えていたが、シーリングライト単品という視点で考えたほうが製品化は早そうだ。

まず、機器構成を考える。シーリングライトに引っ掛けられる形状、重量もその範囲内、というのはまず最低限の条件である。次に、全方向へのプロジェクタ、マイク、カメラ、超指向性スピーカを内蔵するものとする。機器稼動のためのCPUは必要だが、恐らく大部分の計算能力はWiFiでホームサーバに委ねることになるだろう。つまりホームサーバとのセットになる。

次に機能を考えてみる。
  1. 壁から物理的なスイッチや操作パネルを取り去ることができる。すなわち、照明のオンオフ、冷暖房制御パネル、インターホンの親機などがなくなる。もちろんなくなった後は音声または投影による仮想パネルで操作する。そもそも操作パネルを壁に映す必要すらなく、手元に音声指示で表示したり、音声で直接指示したりできる。
  2. 家電だけでなく、あらゆるリモコンをこれで代替できる。リモコン画面の投影ないしは音声で操作できる。
  3. 防犯に使うドアや窓の開閉センサをなくすことができる。画像解析でできるようになるからだ。当然、不審人物の進入も、ガラスが割られたことも検知できる。
  4. 窓を開けっぱなし、鍵を掛け忘れ、などの通知に、その部分をハイライトする機能が加わる。直感的に動きやすくなる。
  5. タブレットの類はなくせるかもしれない。必要に応じて幾らでも大きさ自由なタブレットをテーブルに表示できるからだ。
  6. 壁に絵画、時計、カレンダーなどを表示することができる。スケジュールや天気予報、ニュース、株価まで、好きなものを同時に表示できる。
  7. 電話にその場で出ることができる。もちろん電話に出ている人だけに音が聞こえる。発信も当然可能だ。
  8. 当然テレビも投影で対応する。超指向性スピーカと連動することで、別の人が別のチャネルを同時に見ていても各々の音声は混じらないし、隣で電話を掛けている人がいても邪魔にならない。子供向けに用語規制をしたり、外国人向けに外国語で、また高齢者向けにスピードや音程や音量を調整した音を各々提供できる。補聴器が不要になったり、夜中に火事が起きても確実に通知できる。
  9. 何人と一緒に寝ていても、特定の人だけに目覚ましの音を聞かせて、あるいは目を照らして起こすことができる。
  10. 複数の人に同時に別々のBGMを提供できる。
  11. 音声に加え、ジェスチャーで機器を制御できる。例えば電話に出る際には親指と小指を伸ばした電話ジェスチャーで応答する。
  12. 近所に迷惑を掛けずに大音量大画面で映画を楽しめる。
  13. 部屋中をゲーム空間にしてゲームを楽しめる。
  14. テレビチューナーや録画機器はリビングに置かずに、普段は目にしない奥に設置するようにできる。これはホームサーバに内蔵させるのがシンプルだ。
  15. 火災報知機が不要になる。火事や煙は画像解析で分かる。ガス中毒だけは画像からは分からないので、ガスセンサが必要だ。都市ガスは軽いのでシーリングライトに設置してよいが、LPガスは重いので床近くに置く必要があり、別オプションになる。
  16. 留守でも人が部屋にいるような所作、いわゆる居留守モードが使える。明かりがついたり話し声が聞こえたりするような機能だ。
  17. 子供の危険動作、例えばコンセントにモノを突っ込もうとするとか、マッチや刃物をいじろうとするとかに対して、警告を出すことができる。
  18. 一度読んだ本は捨てられる。ページをめくるたびにカメラがそれを保存して、自動的にPDFを構築できるからだ。読みたくなったら再度投影させる。そのときには拡大や検索までできるようになっている。
  19. 映像で仮想人格を表示し、執事に話すように会話で指示を出せる。
  20. 緊急地震速報や自治体の避難情報などをリアルタイムで通知できる。
  21. 大画面でTV電話(Skypeなど)ができる。
  22. 環境表示(海岸や草原の動画を壁いっぱいに映すなど)ができる。寝るときには星空を映したり、花火大会の中継を自宅で見たり、プラネタリウム代わりにもなる。
  23. もちろん普通の照明としても使えるが、色温度を自由に変えたり、場所によって明るさを変えたりできる。食事をおいしくする、勉強をはかどらせる、夜中にトイレに行くときの最小限の照明、パーティーのミラーボール効果、映画を見るときに手元だけを照らす、などなど。
  24. 部屋に入れば全てはシーリングライト経由で操作できるから、事実上無線でつながるのはシーリングライトとホームサーバの間だけになる。これはセキュリティの向上に非常に有利に働く。そのうちシーリングライトに有線LANコネクタが付けば、それすら必要なくなるだろう。
こう考えると、超高機能シーリングライトは次世代の家電の要とも言ってよいほど将来性がある。テレビや防犯機器などを駆逐する可能性も高い。ただ、少なくとも初期には問題が山積みだ。高額になるのは仕方ないとしても、AIを駆使した高度なソフトウェアが必要なこと、重量が相当重くなりそうなこと、認識の精度が一定以上ないと使い物にならないこと、などが予想される。

2018年9月23日日曜日

見守りシーリングセンサ


https://www.toppan.co.jp/news/2018/06/newsrelease180611_2.html

床材に仕込まれた圧力センサで行動を監視する「未来の家」だそうだ。

いわゆるスマートホームを作る際に問題となるのは、配線だと思う。通信は無線でできるにしても、電源をどうするかは常に問題だ。無線給電という手もあるが、信号よりはるかに強い電波が常に飛び交っているというのは居心地が悪いだろう。

床材に埋め込むというのは良いアイデアだが、電源の問題は残るし、新築にしか応用できない。やはり天井、シーリングに埋め込むのが適切ではないか。シーリングなら電力は取り放題だし、センサも豊富に選べるからだ。

以前、「超高機能シーリングライト」という投稿をしたが、今思えば高機能に過ぎる。もっと簡単なものから始めて徐々に機能拡張すべきだろう。

上野の「未来の家」では、主に見守りや健康状態把握が見込まれているらしいが、そのために床材が選べないとか値段が倍になるのでは困る。採用率は低いだろう。ここではシーリングライト補助として、新たなセンサボードを考えてみる。

このボードは、まずシーリングライト側に取り付け、それを天井のコンセントに取り付けるようにする。シーリングライトと天井との間には隙間があるので、ここに主ユニットを配置する。それはシーリングコンセントを囲うドーナツ型で、中央付近にはCPUなどの回路が、周辺部は透明アクリルになっている。

ここが本来のシーリングライトより十分大きくないとセンサが見えないので、恐らく直径は50cm程度になるだろう。その先端には人感センサとWiFiアンテナが取り付けられていて、本体との間は細線で繋がれている。

シーリング用ソケットは、廊下やトイレにはないかもしれないので、電球ソケットタイプで同じものを作っておく。

これらは家のルータ経由でSaaSに繋がっていて、スマホから操作できる。これで検知できるのは人の動きだけだが、それだけでも
  1. 室内で普通に人がいて活動していることの確認(見守り)
  2. 留守中の異常検知(防犯)
  3. 活動の強弱から見る健康度推定
くらいはできる。

アクリルドーナツ周辺には、オプションのセンサ用コネクタが出ていて、人感センサ以外にも様々なセンサが取り付けられる。例えば温度湿度、照度、ガス、煙などだ。ソフトは簡単なもの(単にデータをサーバに送るだけ)にしておいて、分析は全部サーバが行う。

こうすれば、サーバの機能更新によって自宅の機能が強化される。あるいはプランを選ぶことで色々違うことができる。センサの組み合わせによって可能なことが異なるので、人は用途に合わせてセンサとプランを選ぶ。

また、リビングだけでなく様々なところに取り付けることで連携することもできる。家中に付けておけば人の追跡ができるから、例えば玄関から入ってこず、いきなりリビングに人が現れたら、外部からの侵入だと見なして警告を出すことができる。

スピーカーやマイクは本体標準設置で良いかも知れないが、ソフトでオフにできるようにしておく必要があるだろう。

超高機能シーリングライトは十万円を下らないだろうが、これなら基本セットで2~3万円でできそうな気がする。

2020年12月15日火曜日

一日中VR


 ブルース・ウィルス主演の映画で「サロゲート」というものがあった。現実世界では人間そっくりのロボットを動かし、自分は部屋の中でそれを操作している、というものだ。今見てみると、あまり現実的ではないな、と思うようになった。あの操縦法が許されるのなら、普通にVR空間にしてしまった方が遥かに簡単だからだ。自分も相手もVR、それで良いではないか。

別項でも示している通り、VRでの生活が長くなってくると、今のようなVRゴーグルでは都合が悪い。まず目の周りが蒸れるし、遠くの人は良いとしても目の前の家族と縁遠くなってしまう。電池も一日は保たない。これを解決する方法を考えてみる。

個人的に注目していたのは、Focals 2020だった。これは黒縁メガネとほとんど変わらない外観を持つ、MRグラスだ。しかしGoogleに買収された後音沙汰がない。

また、このFocalsとて一日中は動かせない。大きさを取ればバッテリや画面の質が落ちる、これは必然だ。これを何とかしなければならない。

そこで考えるのは、室内にいることを前提として、電源や映像を外部から供給することだ。そこで、こんなものを考えてみる。

Focalsと同じく、大きめのメガネ、あるいはサングラス程度の大きさの端末を想定する。基本的にはMRであり、つまりはグラスは透明で、向こうが見える。ディスプレイの形式もFocalsと同じである。但し解像度と視野角は改良してほしい。

また、普段はMR、アタッチメントでメガネを覆うことでVR兼用にしたい。これは他のVRグラスでも例があるので難しくないだろう。それがかなわないのであれば、VR用とMR用は別のグラスになる。この場合でも、従来よりは薄く軽くできるだろう。

基本的には、テレビと同じように映像を受信して垂れ流すだけとする。Miracastのような技術を使えば良い。電源も無線供給とする。ドコモが研究しているWi-Chargeは、4mの給電が可能だそうなので、これを使用する。ツルの部分には骨伝導スピーカを付けておく。後で述べるがマイクは不要である。

このシステムに置けるもう一つの主役は、天井シーリングに付けるコントローラである。このシーリングには、もちろん照明は兼用するが、その他にグラスのコントローラとしての機能が備わっている。

その一つは、言うまでもなく上の無線給電と画像データの送信である。天井からはせいぜい3mなので、Wi-ChargeもMiracastも能力としては充分だ。また外部との接続にはWiFiを使い、WiFiルータと接続する。

もう一つの機能は、グラス装着者の顔の向きや手の動きを解析することである。グラスにセンサを付けるとそれだけ複雑になり、電力も消費するため、その機能を移すわけだ。グラスに付けるのは再帰性赤外線反射材のような簡単なものに留め、カメラでその向きや位置を検知する。その解析結果はそのままシーリング内のコントローラが使うため、タイムラグは最低限に抑えられる。

カメラは2、3台を位置を変えて設置すれば、立体的に検知できる。また指先や手首にも反射材入の手袋ないしは腕輪や指輪などを付けておけば容易に検知できるので、CPU負荷を軽減することができる。これにより、コントローラを手に持たなくても操作ができるようになる。

室内で使う前提であるため、マイクをグラスに仕込む必要はない。シーリングに仕込んでおけば良い。一方で音声は一人ひとりに送る必要があるため、上のようにグラスを仕込んだ骨伝導を使用する。マイクがないことは、通信が一方向で良い(シーリングからグラスへ)ことを意味しており、グラスの構造の簡略化に貢献する。

Focalsクラスの軽量、また目の周りを厳密には覆わないものであれば、一日中掛けていても疲れず、また蒸れないで済む。初期にはここまで軽快なものは望めないだろうが、それでもグラスが大きめになる程度であり、シーリング側は変わらない。シーリングの能力が十分にあれば、部屋に4、5人いても同時に使える。グラスは端末なので安価に作れるから、この点でも合理性がある。

シーリングは新しい鍵になる、というのは以前も投稿したが、こうなるとホームサーバ機能も含め、シーリングに集約した方が良い気がする。例えばワイヤレスキーボードを机の上に置いて、ディスプレイはグラスに表示する、というような使い方をすれば、普通のPCと同様のことができるだろう。壁に仮想的なテレビを置くことで、テレビやビデオを見ようと思えば、そのための情報もシーリングに集中する必要がある。

ここまでくれば、以前提案したように「全てがVRで表現され、何もない部屋」が現実味を増してくることになる。固定電話、FAX、本、テレビ、カレンダー、掛け時計、置物、BDプレイヤー、スマホ、音楽プレイヤー、PC、タブレット、腕時計、等は全てバーチャルになり、棚に仕舞うべきものはどんどん仮想世界に逃げていく。朝起きたらまずグラスを付け、会社や学校もバーチャル世界で済ませ、趣味も雑用も全て同様にバーチャルで行い、一日中リビングから出ない。そんな社会が、あと十年もすれば来るのではないか。

2019年4月24日水曜日

シーリングライトコンセントだらけ


過去、何回か提案してきたように、シーリングライトを活用して様々な機能を提供するのは有望だ。ここに来て、これを実証するかのような機器が登場している。ひとつは「popIn Aladdin」で、これはシーリングライトにプロジェクタを内蔵したもの。もうひとつは「シャープのシーリングライト一体型空気清浄機」だ。

規格化なども提案しているが、もしかしたらこれは適切ではなくて、シーリングライトコンセント自体をただ多数設置することのみを推進すればよいのかもしれない、と思い始めた。シーリングライトコンセントはシーリングライトのためだけではなく、ただ天井に機器を設置し且つ固定するためだけに存在する、と考えるなら、空気清浄機もプロジェクタも、単独で存在していて良いはずだ。

他に考えられるものとしては、小型プロジェクタ多数(ポップアップなどで、カレンダー、インターフォン、緊急地震速報、テレビ電話などを表示するもの)、スマートスピーカー、リモコン、ガスセンサ(都市ガス用、環境モニタ用)、監視カメラ(防犯防災)、人感センサ(転倒・急病等通知)、スポットライト、電源(壁コンセント代替)、リフト(自動昇降棚)などがある。

シーリングライトはある程度の重さのものを吊るす強度が確保されているから、それさえ守れば色々な応用が可能である。空気清浄機などは床に置くと邪魔になるから、天井にあることは有用だ。これからはもっと天井を使うことを考えてもよい時代ではないか。そのためにはシーリングライトコンセントというのは重要な位置付けになるような気がする。

2018年11月4日日曜日

シーリングデバイス規格


以前何回かシーリングライトのインテリジェント化について議論したことがあった。シーリングライトはどうしてもその位置に明かりをとることが前提になっているから、シーリングライト側からすればいい迷惑だろう。

シーリングライトとデバイスの両立をするために、新しい規格を作ってみてはどうかと考えてみた。それは、プラグには新デバイスを接続し、その周囲を明かりが囲む形状だ。

シーリングデバイスの直径は20cm。このデバイスにあらかじめドーナツ型のライトを付けてから、天井に設置する。デバイスとライトの接続法を規格で決める。もしデバイスを使わないときは、真ん中も明かりにして構わないし、ダミーで穴が開いていてもよい。シーリングプラグと同じく、はめて回せば固定するようにしておく。

これはデバイスにとっても好都合だ。デバイスはライトに比べれば故障率が高いだろうし、バージョンアップもしたくなるだろうからだ。例えば二年に一回は更新したいとしたら、明かりとの寿命のバランスが保てない。

デバイスは、単なるBluetoothスピーカーでも良いし、プロジェクタでも良い。人感センサ、監視カメラ、ガスセンサ、地震感知など、色々あるだろう。キャリアLPWAと組んで防犯防災の機構を組み込めば、配線不要で即時サービスが開始できる。

スマホのように、お古を子供部屋に廻すとか、メルカリで売るようなこともできるだろう。これがシーリングライトごとだったら大変だ。その間明かりがないようでは困る。これならダミーをはめておけばとりあえず明かりは使い続けられる。

規格を業界が受け入れてくれるかどうか、またデバイスとライトの間の通信も可能だろうからそのやり取りなど、課題はある。まずはPanasonic辺りがセットで出して、業界にデファクトで広めてやるようなことができないだろうか。

2019年1月3日木曜日

指向性ジャミングと光通信


各国の大使館では盗聴器が仕掛けられているのが当たり前で、大使もそれを前提として対策をしているらしい。

大使館ならそれなりの資金を持って行う本格的なものだから防ぎようがない、というのも分かるが、近年では部屋の中に何も仕掛けずとも盗聴できてしまうような技術が色々と開発されていて、しかも安価にできるようだ。一般市民もうかうかとしていられない。

この対処は3種類考えられる。まずは素直に盗聴器を発見することだが、例えば遠方からガラス窓の振動を見るような仕掛けに対抗するのは困難だ。二つ目は、盗聴を妨害する技術。防音室や、逆に大音量で音楽を掛けるなどが相当する。そして三つ目は暗号化だ。ネットでなく日常会話で行うのなら、隠語(暗号名)や言い換えが相当する。

三つ目は相当に頭が必要なので、一般人には厳しい。ここはやはり一番目と二番目に期待したいところだ。

家庭用であれば、もし室内に盗聴器が仕掛けられるとすると、電波を出すことになる。さすがに有線では設置が厳しいだろうからだ。そこで、部屋全体をシールドで覆ってしまえば良いことになる。実は結構これは簡単で、何でも良いから、穴が開いていても良いから、金属で覆ってしまえばよい。この孔の大きさは、周波数に比例して小さくする必要がある。例えば1GHzなら全波長で30cm、半波長で15cm。金網の孔はせいぜい3cmだから、十分である。

窓では、Low-Eガラスという遮熱ガラスがあるが、これは金属膜を使っている。それでも不安なら、金属の格子で覆えばよい。外側でも内側でも可だ。

しかし、新築ならともかく、借家ではこの方法は使えないし、金網を隙間なく張り巡らせるのは別の不具合もある。断熱が悪くなってしまうし、錆びると厄介だ。窓に金網があるのも異様に見えるだろう。

そこで考えるのが、ジャミングだ。音のレベルでのジャミングが難しくても、電波をジャミングすることは可能なので、そういう方法もある。但しこの場合は、携帯電話や無線LANが使えないなどの弊害がある。また当然、ジャミングがダダ漏れになると近所迷惑にもなる。

ジャミング=電波妨害は、本来指向性を持つものではないのだが、ただ大電力でノイズを垂れ流すものではなく、アクティブサイレンサー(アクティブノイズキャンセリング)と同じ技術を使うことで、そういうことが可能になるのではないか、と考える。

つまり、受信した電波と同じで位相が逆の電波を、その電波が行くべき方向に流してやる。そうするとそこから先は電波が相殺されて消えてしまう。このような装置を部屋のあちこちに設置することで、部屋から出る電波を大幅に減らすことができる、というものだ。完璧に防ぐことは困難だが、一定以下のレベルになれば、他の電波ノイズに隠れて見えなくなるはずだ。

屋内の無線は、光通信で行う。シーリングライトであれば、部屋の隅々にまで光が届くし、端末側は赤外線で応答すればよい。シーリングライトの光は窓から漏れるが、端末側が漏れることはないだろうし、もし漏れても通信は暗号化しているので問題はない。

2017年9月22日金曜日

欲しいHA


昔からHA(ホームオートメーション)には興味があるのだが、いまいち実践できていない。その理由は何なのか考えてみると、
  1. 赤外線リモコンを何処に置いたらよいのか分からない。
  2. 単なるリモコン(ボタン)の置き換えかシーケンサー(一連の操作の流れ)登録程度しかなく、個別の機器の操作の面倒があまり解消されない。
  3. センサの電池を交換するのが面倒。
  4. センサの後付で見た目がダサくなる。
  5. 信頼性に疑問あり。特に火元廻りと防犯でコケると大変。
  6. 欲しいセンサがない。
  7. 欲しいアクチュエータがない。
こんなところだろうか。欲しいものを考えてみると、こんな感じになる。
  1. メインマシンは据え置きタブレットとする。普段はクレイドルに納まっていて、リビングから見える位置にある。サイズは7~8インチが適当である。普段は時計、カレンダー、フォトフレーム、天気予報表示、気温表示などをする。
  2. タブレットは、緊急地震速報などの非常通報のデフォルトの表示端末である。
  3. タブレットはSIMを内蔵しており、通常の家電話として使える他、単独でネットワーク通信も行える。家の各人の携帯電話番号を覚えていて、必要に応じ電話を転送できる。当然留守電や(仮想)Fax機能もある。
  4. 天井に赤外線リモコンが仕込んである。非常に強力であり、陰に隠れた機器も操作できる。また、一部の電波式リモコン対応機器にも対応する。リモコンで操作できる機器は全てこれで操作する。これは、シーリングを二重化しておいて長い手を出して照明器具の外にセンサ・発光機を出す、ないしはシーリングの光で発電する天井貼り付け型。
  5. ドア・窓の開閉センサ、窓のロックセンサ、玄関の電気錠、ドアスコープカメラ、屋内カメラ、モーションセンサ、火災センサ、煙センサ、ガスセンサ、天候センサ、ガレージドア開閉装置、カーテン開閉装置を備える。これらは基本的に埋め込み、電源配線済みないしは発電機構込みとする。発電装置を備える場合、電池寿命が5年以上ある場合はその限りではない。
  6. 屋内・ベランダ・庭等敷地内に家族の誰が居るか、家族以外の人間が何処に何人いるかを常に把握する。それは主にカメラ、モーションセンサを使い、顔認識で区別する。カメラ・センサは敷地内に無数に設置する。人の移動履歴を基にインテリジェントに行う。
  7. 基本的な操作は音声で行えるようにする。但しビデオ予約等複雑な操作は別でよい。音声認識は個人認識まで行う。
  8. 操作なしで玄関の施錠開錠ができる。人の移動を検知して自動で行う。但し外の人が家の人でない場合は手動とするなど、防犯は配慮する。外部からの開錠において、秘密のジェスチャーないしは合言葉で警察に通報する機能を持つ。(脅迫対応)
  9. 誰も家から居なくなったら自動的に留守モードになる。その直前には、窓の開閉だけでなく施錠も確認する。ガスの元栓を自動で締める。水道も、洗面所とシンクは止める。
  10. 風呂の空焚き、水の出しっぱなし、水溢れ、ガス漏れ、漏電などを検知し警告する。可能ならば閉栓する。
  11. 操作なしで照明をオンオフする。人が居るときは原則オン、居ないときはオフ。但し寝るときなど、は音声でオーバーライドできる。夜の廊下は常夜灯でオンオフする。また留守の場合は居留守モードにより自動でオンオフする。居留守モードではテレビや換気扇も連動する。
  12. あらゆる火災を検知して自動通報する。自動消火もしてほしい。
  13. 見守りをして欲しい。トイレや風呂で倒れた、赤ちゃんの大泣き、徘徊など。もちろんプライバシーは守った上でだ。
  14. 音声操作では、テレビやラジオからの音声をご認識しないようにする。
  15. 「ビデオの再生」と言うだけで、テレビを点け、ビデオを点け、入力切替をして、再生メニューまで出して欲しい。
  16. エアコンの操作も全て音声で完結して欲しい。扇風機もリモコンでやれば同じ。特に夏の夜の寝苦しさを双方連携で解消して欲しい。
  17. 風呂のお湯張りは勿論、風呂洗いも栓閉めも自動でして欲しい。浴室も自動で洗って欲しい。
  18. 掃除も自動でして欲しい。人の居ないことを検知して勝手に始める。溜まったゴミも勝手に捨てる。
  19. ガレージの開閉も、リモコン操作なしに音声だけでしたい。車にも音声センサを付けておく。
  20. エアコンの操作も音声のみで可能とする。
  21. テレビのオンオフ、チャネル変更もこれで行う。また、子供の見すぎにも警告を与えられる。
  22. Google アシスタントができるようなこと(調べ物、音楽再生、天気予報、スケジュール通知など)も行う。
  23. 複雑な条件分岐に対応する。ちょっとしたプログラミングだ。
ひとつひとつはちょっとしたことだ。Alexa連携でできることも多いだろう。だが、これを纏めてタブレット一つで操作できるように見せることはそれなりの労力が掛かるし、精度の確保も難しいだろう。その大部分は、センサではなく得られたデータの加工・判断である。画像解析・行動解析がかなり重要なファクターを占める。AIが絡む部分も多いはずだ。

これは即ち、当面はあまり信頼できる精度は出ないだろう、製品としても出てこないだろう、ということでもある。あと何年待てば出てくるのだろう。

2019年2月3日日曜日

音声リモコンの形態


家電のリモコンはほぼ100%赤外線だ。これを一元化して音声で操作するようにする機器は既に売られていて、Amazon Echoで起動するようにしているものが多い。

いつも思うのは、これを使う機器はどこに置くのだろう、ということだ。全ての機器に赤外線が届かなければならないし、中には双方向のものもあるのだが。部屋の中央のテーブルにでも置いておくか。でも障害物がないわけではない。届くかどうか心配だ。

赤外線リモコンは機器に近いところに置くべきだが、そうすると複数設置する必要があるだろう。となれば今度は電源と通信方法が問題だ。司令塔たる音声認識装置は、ではどこに置くべきなのか。

ここで考えるのは、太陽電池を使って屋内照明だけで発電し動作する、小型リモコンだ。これを部屋の複数個所に配置する。例えば壁に貼ればシーリングライトとエアコンが操作できて、AVラックの扉に置いてテレビとレコーダーを操作する。

音声認識をする親機は、シーリングライトに貼り付ける。これには裏側に太陽電池を付けておく。リモコンと親機の間は、LPWAを使えば良いだろう。これなら隣の部屋でも問題なく操作できる。

将来的には全てのリモコンはLPWAに移行すべきである。そうすれば直接操作できる。

2017年10月28日土曜日

家のOS


だいぶ前だが、有明のパナソニックセンター東京に行ったことがある。あそこには未来の家の展示コーナーがあるのだが、多くの情報は壁やテーブルなどに表示されていた。このために、各部屋の天井や壁などには多数のプロジェクタが埋め込まれていた。TRONハウスの時代はまだプロジェクタ投影はあまり現実的ではなかったが、今では安価なレーザープロジェクタが幾らでもある。恐らく未来の家は本当にあのようなものになるのだと思う。

ここをもう少し深彫りして考えると、部屋に汎用のプロジェクタが複数設置されていて、スマホのOSとは別のソリューションが動いている。これがスマホないしは本人識別と連動して、必要な情報を表示する。通常のOSは画面が定まっているが、こちらは画面の大きさや向きに様々なバリエーションがある。例えば映画を床に映されても困るだろうし、寝てもいないのに天井に映されても困る。だから表示域と解像度、人の位置についての情報から、何処に何を表示するかはインテリジェントな判断が必要になる。UIも音声と投影映像へのタッチが主流になるはずだ。

未来のコンセプトとしてデモをする人はいても、ここのOSを真面目に考えている人はどれほどいるのだろう。音声はそろそろ出始めているから、プロジェクタ投影も含めて総合的なOSを考えてみてもよい時期ではないだろうか。

従来の「何を映すか」に加え、「何処に映すか」を属性として毎回定めなければならない。それは、部屋の何処に誰がいるか、指示をしたのは誰か、あるいは誰に向けた表示なのかを配慮する必要がある。それは今まで無かった情報なので、付け加えるか推測するかをする必要がある。

もう一つは、映し出す大きさや形だ。場所によっては不定形(角のないテーブルなど)の場合もあるし、邪魔者(壁の時計やカレンダー)を避けて映す必要もあるはずだ。壁の色も色々だったり、立体的な意匠があるかもしれない。これらはリアルタイムで変化する可能性があり、つまりはカメラや距離センサなどでモニタする必要がある。

音声も、単純に部屋全体に聞こえるようにするのではなく、超指向性スピーカーを使って特定の場所にだけ出すようにする必要があるかもしれない。

これらの要素から、まず①部屋の何処に誰がいるかを把握するセンサ、②部屋の立体的な形状や色・明るさを把握するセンサ、③部屋に配置されたプロジェクタとスピーカーの位置や特性のインプット、④任意の形状のウィンドウ(穴空き、角欠けなど何でもアリ)に対して映したい情報(要素)を綺麗にレイアウトする技術、⑤個人を特定できる高度な音声認識センサ、⑥ユーザのジェスチャを認識するセンサ、⑦アプリ毎にその目的・提示対象・属性を類推するAI、が必要になる。

一般の部屋に簡単に導入できるようにするには、部屋の高い位置への設置が望ましい。これには、シーリングライトと交換する形や、高い棚の上への設置が考えられる。天井から吊り下げるのは、少なくとも賃貸では困難だ。

そうして設置しておいて、スマホを使ってキャリブレーションを行う。空間把握には、Project TangoやARKitなどが使われるのだろう。それが終わればいよいよ接続開始だ。

OSの基本は、アプリケーションが出す情報を、適切なタイミングで適切な場所に表示することだ。このため、アプリケーションはそれ専用になる。例えば画面設計は不要で、表示すべき要素個別の設計は必要だが、配置やサイズはOS任せになる。ボタンなど、GUIの入力は基本的には無くなる。音声又はジェスチャーでの操作になる。

複数のアプリケーションが表示されているときに、ユーザがどのアプリケーションに対して指示をしているかをOSが見極める必要がある。これは、表示されている画像に向かって行うことで実現する。また、少なくとも初期においては操作ミスやOSの判断ミスが頻発するので、一つ前の状態に戻す操作だけは確実に行えるようにしておく。

複雑な操作に関してはどうしてもタブレットなどが必要になるので、それも用意しておく。こちらは従来同等の操作体系になる。

基本ソフトとしては、カレンダー、時計、天気、スケジュール及びリマインダ、照明演出、静止画(フォトフレーム)、動画(環境映像・映画・テレビ・ネットテレビ等)、音楽、ニュース・キュレーション、レシピ、防犯防災、インターホン、音声/テレビ電話、コンシェルジェ(音声アシスタント:検索・問合せ・暇潰しなど)、旅行計画、くらいがあればよいだろう。HAはオプションでよい。

ソフトは基本的に独立ではなく、既存のスマホソフトやWebサービスと連動するようにする。スケジュールはGoogleカレンダーとか、防犯防災はYahoo!防災情報とかだ。表示のところだけをカスタマイズする。そうすれば既存のサービスも参戦しやすい。

シーリングライト型の場合、下向き(テーブル)、壁向き1~2箇所(方向可変)のプロジェクタを付けたタイプで、10万円以下くらいが初期のモデルであれば売れるだろう。少なくとも自分なら欲しい。

2018年2月25日日曜日

カメラ+プロジェクタ+QRコード


以前の投稿「超高機能シーリングライト 」で、任意の場所に時計やカレンダーを表示するアイデアを披露した。そのためには部屋の立体的な認識と表示場所・大きさの指定が必要だが、これをスマホの画面でちまちまやるのは相当に面倒だろう。それを簡単にする方法を考えてみた。

単なる円盤状の白い紙に、赤外線インクでQRコードを印刷しておく。すると、その紙を掲げることで、その位置に壁掛け時計が出現する。カメラがそのQRコードを認識して、その位置に時計を投影するようプロジェクターに指示するからだ。

QRコードには、投影内容に通じるIDが書いてある。そしてカメラは部屋の壁やその傾きを検知するので、そこに合わせてQRコードを読み取り、MRの容量でそこに映像を投射する、というわけだ。

もちろん、QRコードに書いてあるIDが意味するものは、「これは時計です」ではなく、その大きさや形、模様など全ての情報が入っている。このため、同じ円盤のように見えても、木目調、大理石風など、あるいはローマ数字・漢数字、針の形状、秒針のありなしまでカスタマイズできる。更には、正時で光ったり画像が変わったりと、本物の時計にはできないこともできるようになる。

もちろん、QRコードを変えることで、カレンダーや天気予報、ニュースなどを表示することもできる。QRコードを赤外線インクや紫外線インクで刷ると人の目には見えないから、不要な時は投射を止めるだけでよい。無駄にQRコードを見せつけられることはない。

これは、QRコードが任意の表示プログラムと結びつくという形でも表現できるから、時計やスケジュールに限らず、あらゆるアプリケーションの画面が表示できる。そうなると結構汎用性が出てくるので、様々な応用が期待できる。

2017年5月3日水曜日

一家に何台?LEDステージライト


一家にテレビやディスプレイは何台あるのだろう。リビングにテレビがあって、場合によっては寝室に小さいのがあって、後はPCやタブレット、スマホなどがちょこちょこ、というのがせいぜいだと思う。その用途は、テレビ番組を見る、ケーブルテレビやVODを見る、Webやアプリ、といったところだろう。その全てが一定の目的をもって見に行くためのものだ。
以前の提案、例えば
のように、もっと環境にディスプレイを積極的に使うようになれば、もっとディスプレイの売上げは増えるはずだ。その際に必要となるのが、長時間投影可能なプロジェクタである。
つまり、消費電力が少なく、映像素子の寿命が長く、発熱や故障が少なく、騒音が低く、価格も安いプロジェクタだ。用途にもよるが、必ずしも平面フルスキャンをする必要はなく、レーザーステージライト、例えば
に毛が生えた程度のもので充分である。一昔前に流行ったように、空中に霧を出して文字を描いてやるようなものだ。色もフルカラーでなく、単色ないしはLEDの数色(赤青黄緑くらい)で充分だ。
家庭用ならレーザーでなくともLEDで充分である。制御のためのDMD(デジタルミラーデバイス)にしても、プロジェクタ用の細かいものは必要ない。量産すれば、今の簡易ステージライトのように、1万円を切る価格で作れるはずだ。大きさも、少し大きめの電球程度にはなるだろう。つまり、スポットライト用の冶具を使って多数のLEDステージライトを装着し、壁のあちこちに様々な情報を映し出すことが、何十万何百万というレベルではなく、数万円で実現できるわけだ。他にも、シーリングライトの付加価値として組み込むこともできるだろう。
これに、初期に需要が予想される制御パッケージを付けて販売してやる。代表的には、天気予報、時計、カレンダー、スケジュール、インターホン・防犯防災センサの反応、アラートメール(地域の防犯情報や光化学スモッグなど)、熱中症情報、ソーシャルメディアなどのアラート、電話・Faxの着信通知、特定のニュース(キーワードで引っ掛けるなど)、AI音声会話の受け答え補助、などが主に使われ、更にはAPIを開放してやることで、工場や事務所で使うこともできるようになる。
大型ディスプレイやレーザープロジェクタだと高価だが、これなら安価に大画面が実現できる。情報を受け取るには必要充分だ。場所を問わず投影できるから、逆に言えば定番の置き場所があったようなものは不要になり、気分によって、あるいは時間や季節によって投影場所を変えたり、時計ならアナログとデジタルを切り替えたりもできるし、机の上がモノで溢れたり、何かというとスマホを触る必要もなくなる。
母艦が必要となるところは玉に瑕だが、これはスマホやPCで充分だろうし、あるいはAlexaのようなディスプレイなしデバイスが一台あればよい、ということも考えられるだろう。

2017年4月26日水曜日

Beam応用


似たようなプロジェクトが既にPanasonicからも出ているが、こちらの方が想像力をかきたてられる。だがHPにあるような、壁に映すために机に置くのはナシだ。カッコ悪い。
シーリングライト用の冶具に、複数の白熱灯を色々な向きに設定できるようなものがあるが、あれを使うことで壁や床、机などに色々と表示ができる。つまり複数使うことで応用が広がるはずだ。だからソフトも、複数が連動して使えるような工夫をして欲しいものだと思う。
  • 単純に大画面を複数プロジェクタで実現する。床いっぱい、壁いっぱいなど。
  • 通路に沿わせたいなど、単純な長方形でない、複雑な形状の投影空間が必要なもの。
    • 人に合わせて行先案内を床に投影する。例えば役所で、手続きによって窓口が異なるとか、シネマコンプレックスで見たい映画毎に誘導する。訪問者が来たとき、面会者のいるところまで個別に誘導する。
  • 人のいるところに合わせて情報を投影する。朝は寝室、昼はリビング、炊事中には台所など。防犯防災関連の警告は、全部一斉に表示することも考えられる。
  • 場所によって投影する位置を固定しつつ、人や状況に合わせてその情報を変える。壁掛け時計やカレンダーの位置の好み、欲しい情報の好みをその場にいる人に合わせて調整するなど。
  • 一昔前に流行り直ぐに廃れた、ディスプレイテーブルの復活。
    • 食事の内容に合わせた色調で美味しく頂く。テーブルクロスの模様替え、色温度の調節など。
    • 電子書籍を投影する。地図や絵画などは大きく投影する。
    • ボードゲームをする。将棋やオセロ、人生ゲームなど。
    • 大量の写真や資料の整理をする。
    • テレビで見ている情報の補助情報を表示する。dボタンの拡張のイメージ。
  • 簡易テレビ電話に使う。
    • 各部屋に設置しておいて「ごはんよ」コール。
    • 人のいるところに優先して表示するインターホン。
    • PCやテレビの画面を邪魔せずに第三者と打ち合わせる。
    • 単純に環境を表示する。単身赴任先の父親宅など。
    • 窓の代わりに使う。監視カメラで屋外を映したり、風光明媚な景色を映したり、天気を暗喩するCGを映したり。
値段が値段だけに複数買うのはまだはばかられるが、何れこれがこなれてくれば、こういった使い方をしてみたいものだ。

2018年4月17日火曜日

Alexa対応赤外線リモコンへの要求


Amazon Echo、Google Homeに加え、LINEも音声AIを始めた。だがこれらのうち、リモコンに対応しているものはゼロだ。もちろん色々組み合わせればできるのは分かっているが、標準で赤外線リモコンを内蔵していてほしかった。

これは家電側も悪い。ソニーはリモコンで電波を使っているが、全機種ではない。RF4CEという規格もあるのだが、一向に普及する兆しがない。

かつては壁スイッチだったシーリング照明も今はリモコンだし、TV、エアコン、扇風機、ビデオ、空気清浄機など。リビングにリモコン立てを置いている家庭も多いのではないだろうか。最近はそれが溢れてきて、ペン立てよりも遥かに大きなスペースを割いている。これはちょっと頂けない。

Alexaに繋ぐ汎用リモコンは、やはり赤外線になってしまうのだが、これは当然見通しでないとつながらない。このためその発信機が見通し位置になければならず、家電を全て見渡せる位置となるとリビングのテーブルなどになってしまう。その目立つ位置に設置して、電源ケーブルも這わせなければならないというのはちょっと困る。

改良すべき点は二つだ。一つは、リビングではなく、壁や天井などへの貼り付け型とすること。もう一つは電池で長時間作動することだ。リモコンとAlexaは、BLEで繋ぐことになるのだろう。通信と赤外線発光の消費電力を考えると、バッテリは相当大きくする必要がある。これは少々問題だ。

ここで提案するのは、無線LANなどで言うところのビームフォーミングである。スマホのソフトと連動して、DMDを使った反射角度調整と出力の最適化を行う。これによって、赤外線の出力は大幅に節約できる。また、ミラーボールやプリズムを応用した反射・屈折デバイスも合わせて使えば有用だろう。

恐らくはリビングの後方、オーディオラックやテレビのある壁と反対の壁に取り付けるのが良いと思う。こうすれば音声デバイスの敷居はぐっと下がり、使い勝手も向上するはずだ。

2024年10月5日土曜日

アルミガラス外枠の家

 

次のような建築を考えてみた。話は非常に単純で、

  • ガラスとアルミだけで作った、外枠だけの建物を建てる。
  • その内側に改めて家を建てる。

というものだ。

いったいこれが何になるのかというと、まず外枠をアルミとガラスだけで作ることで、半永久的にノーメンテで環境を整えることができる。どちらも錆びず朽ちない素材だからだ。そのためにも、例えばシリコンシーラントやゴムパッキン、(アルミではない)バネ座金のようなものすら使ってはいけない。あくまでもアルミとガラス、これだけしか絶対に使わないで済むよう、工夫をする。これに伴って、ガラスとガラスの間などに多少の隙間ができるのは許容する。

その中に家を建てるのなら、寒暖差と風雨の大幅な緩和が為されるので、家自体の耐候性が弱くても良いのだ。例えば屋根のシーリングがいい加減でも、あるいはなくても問題ない。殆どの雨は外枠が遮ってくれるからだ。断熱性も弱くていい。家と外枠の間に(あまり動かない)空気があるからだ。つまり、家の作りを簡素化できるのだ。例えば壁がなく殆ど窓の家を作れる。

現代の家は、透湿フィルムや断熱材など複数の層が重なった複雑な構造になっている。これは建築費を上昇させ、解体時の廃棄物の分別を難しくする。これは設計の難易度も上げるし、地球環境にも宜しくない。特に、屋根が大幅に軽くできることは、耐震性の向上にも貢献する。簡単に作れ簡単に壊せる家は、これからは望まれるものだ。

また、家の外壁や屋根は10年ごとに保守が必要だが、アルミガラス外枠の家には必要ない。外枠は水洗いだけで良いし、内側の家の外壁や屋根は風雨にさらされないので、従来よりもずっと長く保つだろう。これらは保守費の低減に貢献する。

家の外壁をアルミ・ガラスで作ってしまえば同じではないか、と思われるかもしれないが、少し違う。今回想定している外枠と家の間の空間は、庭になる。その庭も風雨に晒されないので快適に過ごせる。台風の日でも庭弄りができるし、洗濯物干しもできる。その干渉空間は十分に広く、家の中に匹敵する快適さがある。また、家の外壁をガラスで作ってしまうと、どうしても風雨は完璧に凌ぐ必要があるため、コーキング材は必須になる。このコーキング材の寿命は短く、保守間隔は5年になってしまう。これは一般的な外壁の保守間隔よりもかなり短い。一方本提案では、外枠と割り切ることでコーキング材を省略し、保守間隔を数十年単位に伸ばすことができる。

ガラス壁のメンテナンスは、美観を維持するという意味では面倒である。しかし近年ではロボット掃除機が発達しており、むしろこういった割り切った外壁のほうがロボットを使いやすいだろう。

2017年6月16日金曜日

家庭用フリーズドライ機再び


以前の投稿「家庭用フリーズドライ機」の続きである。

読者の方からのコメントで、家庭用フリーズドライ機は存在していることが分かった。

https://harvestright.com/product/small-freeze-dryer/

これがそうだ。現在のレートで25万円、サイズは電子レンジ2段重ねといったところだ。調べてみると、電子レンジが登場した当時は100万円なんてのもあったようだ。今は1万円を切る価格でも買えるから、今後の進展次第で家庭でもなんとか買えるようになる可能性はある。

低価格化を実現するには、1ガロン(約3.8リットル)という製造容量を1.5~2リットルにして、筐体を半分にするのがよい。ちょうど電子レンジと同じサイズになって、価格が10万円スタートなら何とか受け入れられそうだ。冷凍装置には以前も紹介したFPSCを使い、モーターを兼用して真空ポンプにしてはどうかと思う。

作った食べ物をどう保管するのか色々考えてみたのだが、家庭用真空パック器 真空パックん plusエージレスを組み合わせることが適切だと分かった。その理由は以下の通りだ。
フリーズドライしたものを長期保存するためには、酸素と湿気から守る必要がある。これにはただ袋に入れたり容器に保存するだけではダメで、密閉しなければならない。これには、真空パックをするのが最も簡単だ。だがこれにも考えるべきことがある。

まず、その袋自体に「ガスバリア性」が必要だ。ポリエチレンやビニールではこの「ガスバリア」性が弱く、たとえ口をしっかり閉じていても、袋自体を通じて徐々に酸素が侵入してくるため、例えば有名なジップロックは使えないらしい。ナイロンやアルミ蒸着がよいらしいのだが、アルミは逆にシーリングが難しく、家庭で使われるような安価な機器では使えない。結論としてはナイロン一択になる。

この手の真空パック用の袋はナイロンが使われているが、100%ナイロンではなく、多層の一部がそうなっているものが多い。このため、市販のものを何も見ずに使うのではなく、素材の表示を見て、ナイロンがしっかり使われているものを選べばよい。

もう一つの問題は、真空パックをすることは元々フリーズドライには向いていない、ということだ。食材自体に多数の空隙があるから、真空パックすると食材が潰れてしまうからだ。また、当然その空隙には空気(酸素)が入っているから、これが酸化の原因になってしまう。

そこで、緩く潰さないでシールするものとして、中の酸素を脱酸素剤で吸収するのが良いということになる。脱酸素剤として有名なエージレスの場合、Z-PKCのような「自力反応型」「低水分用」のものが必要になる。また、酸素吸収量は、隙間の空気の量を目分量で計算して、それを5で割り(酸素の量は空気の1/5)、更に数倍(余裕分)を掛けた量があればよい。多くの場合は最低のもので充分だろう。

除湿剤の必要性は微妙なところだ。あった方が良いが、長期保存に限る、といったところだろうか。脱酸素によって中の気体の量は20%減るので、その余裕を持ったシールが必要になる。

他に考えられる手法としては、中の空気を窒素ガスで置換することが考えられる。窒素ガススプレーは数百円で買える。簡易的にはコンマ何秒の噴出で充分だ。但し食材の空隙内までは瞬時に置換できるわけではないから、やはり脱酸素剤は必要だと思う。そう考えれば窒素ガススプレーの方が無駄だ。

真空パックんには、真空にせずにシールするモードもあるし、また、水戻しに対しても役に立つ。「マリネボタン」というものがあり、正にこれが水戻しにピッタリなのだ。これは、プラスチック容器に酢を満たして素材を入れ、蓋をして、蓋にホースを繋げて減圧するという仕掛けだ。素材がフリーズドライで周りが水なら、減圧と共に素材の空隙から気体が抜け、水が入る。これで水戻しの時間を大幅に短縮できる。

Small Freeze Dryerと真空パックんの組み合わせ、これは結構現実的な使い方だ。問題は、どれだけそれを魅力と感じるか、だ。

これはひとえにその利用シーンを想像し、また創造するに尽きる。電子レンジには「奥まで火を通す」「火を使わないので安全」「タイマーと出力などで管理でき簡単」などのメリットがある。だがフリーズドライ機は調理器具ではなく保存器具なので、冷蔵庫の代用ないしは補完を考えなければならない。また、フリーズドライすると、食品はかなり変容してしまう。これをどう扱うかを考えなければならない。以前にも色々提案しているが、肝になるのはどれだろうか。大まかに分類すると、
  1. 非常食として、あるいはランニングストックとして使用する。ある程度の長期保存を想定して、主に使うのは非常時。ランニングストックはあくまで入替をルーチン化してやりやすくするもの。
  2. 備蓄食材として使用する。ランニングストックと違い、副菜として例えば週末に多めに作っておいて、常に消費し続ける。
  3. 冷蔵庫、冷凍庫の補完として使用する。恐らく代替は無理。例えば多めに買ってしまい余った食材を保存する。あるいは、冷蔵庫を小さめにしておいて、その分を補完する。
  4. フリーズドライを応用した新しい料理や菓子のレシピを提案し、それを作るために使用する。ないしは、従来は買うしかなかった素材、例えば高野豆腐などを自宅で作れるようにする。
  5. キャンプや山登りでの食事に使用する。レトルトカレーではなく、フリーズドライ+お湯で作るなど。
  6. 同じく、日々の弁当に使用する。液だれがなく、軽い。
  7. 地球環境保護に貢献する。電力消費が冷蔵庫に対して少ない、期限切れの食料を無駄にしない、など。
この中で有効なのは2.と3.だろう。例えば味噌汁の具材だ。市販のものもあるけれども、家の好みもあるし、自分で下ごしらえすればいわゆる「手抜きの呵責」から逃れられる。また、生ものを大量に買うと痛んで無駄になるが、これを防ぐことができる。

また、3.の発展系として、積極的に使用することで買い物の間隔ないしは時間を広げ、余暇を別に活用する、ということが考えられる。日本ではまだ週末にドカ買いという習慣はあまり定着していないように思うが、その理由は家が小さいから巨大な冷凍冷蔵庫を置けない点にある。

今でも、惣菜一品を大量に作って小分けするというのを実践している人はいるが、その規模を拡大したり、時間軸を長くしたりすることができる。まとめ買い、まとめて作り小分けする、これは費用と時間の両方の節約になる。また、常温保管できるため、例えば期限順に並べ替える(「超」整理法的整理)ことができて無駄がおきない、棚からはみ出しても捨てなくてよい、などの利点もある。

問題なのは4.のレシピの少なさだ。楽天市場のフリーズドライ店舗を見ていると、どうもレパートリーは狭く、主菜として使いづらい。肉や魚がないからだ。自宅でできるのならこの問題は解決するので、まずはここを充実させてほしい。

2026年7月7日火曜日

シリカヒュームコンクリートの再考察

 

その後、シリカヒュームコンクリートの特性や製造法について色々検討していたのだが、当初の見込みは甘く、修正すべき点も色々と見えてきた。その改良も含め、製造法について検討していく。

ポゾラン反応の反応速度について

以前の検討では、シリカヒュームコンクリートは24時間で実用強度が出ると言っていたが、その後の調査により、これは極めて限定的な状況でしか起きないことが分かった。

もし何もしないと、通常のセメントの反応(水和反応)より遅く、数カ月掛かる。反応を早めるには、高温高圧(いわゆるオートクレーブ)を掛けるか、アルカリの混和、炭酸ガス吹付けなどが必要である。

消石灰ないしはセメントの一部を生石灰で代替することによって反応熱を引き出すという方法も考えられるが、生石灰が反応すると体積が大きく変化し、これがひび割れの原因になることもあるということだ。それを抑えるための繊維強化は有効であるが、繊維で無理に抑えている状態とも言え、あまり好ましいとは言えない。

またこのうちアルカリは、いわゆる強アルカリが必要で、扱いが難しく、現場施工は危険であり推奨できない。高温にするにしても一瞬とはいかず数時間は必要であるため、やはり現場施工は現実的ではない。

つまり、シリカヒュームコンクリートを作るには(オートクレーブを掛けられる)プレキャストにするか、現場打ちならセメント混入が現実解であり、消石灰(ポゾラン反応)ではできない。また、セメント混入の場合はシリカヒュームの割合は10%が理想で、つまりはシリカヒューム主体とはならず、シリコン発電残渣の効果的な消費にはならない。

また同じ理由により、コンクリートの梁や柱を結合するのに、平らな面同士をシリカヒュームスラリーを流し込むだけ、という方法は使えない。

ではどうするかというと、形状による嵌合、バサルトアンカーピン、シリカヒューム+セメントスラリーという組み合わせで行う。つまり、形状による篏合(凹凸を合わせる)を前提とし、更に篏合部の両側に穴を開けてアンカーピンすなわちホゾを噛ませ、スラリーで固定する。このスラリーはまずセメントの水和反応で初期強度を出し、その反応で出てくる二酸化炭素とシリカヒュームでポゾラン反応を起こして更に強度を増す、という方法になる。ホゾと篏合には溝を掘り、スラリーが流れ込む道を作る。バサルトアンカーピンは、この後で説明するバサルト筋を使用したものである。

無発泡酸化チタンスキンについて

前の説明では吹き付けとしていたが、もう少し厚さがあった方が良さそうだ。実際に光が届くのは0.1mm程度だが、物理的摩耗は100年で2〜3mmだそうなので、倍のマージンを見込んで7mmとする。またこのスキンには骨材は不要であり、酸化チタン混入率は重量比で1%とする。

プレキャストコンクリート製造時に、スキンの型を先に取っておいて、それを組み合わせて中に発泡コンクリートを流し込むというのが良いと思われる。

スキンと内部は同じシリカヒューム+消石灰で混合比率も合わせる。これによってスキンと内部もポゾラン反応で強固に接着し、容易に剥がれることは無くなる。

この表面スキンは酸化チタンによる光触媒効果と十分な耐水性があるため、外壁側にトップコートなどは必要なく、そのまま外壁として使える。またその性質より、色は塗るのではなく、あらかじめ練り込んでおく必要がある。この際、有機塗料は光触媒効果により色褪せてしまうので、無機顔料限定となる。また、表面加工(ツルツル以外の凹凸やザラザラ感など)は、あらかじめ最初から作り込んでおく必要がある。もちろん最薄部で7mmの確保が必要だ。

屋根材については、同じく無発泡酸化チタンスキンとなる。7mmの酸化チタン層と20mmの繊維強化無発泡のコアを使用する。スキンもコアも繊維強化は行う。この場合の混入率は2%とする。

形状としてはスレートと同じ感じになるが、結合はスラリー注入によるポゾラン反応で完全に一体化するため、水漏れの心配は無用となる。つまりはアスファルトシーリングが不要になる。

また、スレートや瓦など従来の屋根材では、雨漏りが発生したときにその水路が複雑になり特定しづらいという問題があった。これは、小さな屋根材が少しづつ重なる構成だったために起きるのだが、本手法では屋根は一体になっており、複雑な水路は存在しない。割れている箇所があればそこを直すだけで完了する。それも、割れた隙間にスラリーを注入するだけである。

繊維と発泡、配筋について

発泡比率はアルミニウム粉末の添加率で自在に変えられるが、当然ながら発泡率を高くするほど強度は弱くなる。また比重は軽くなる。繊維については最大2%ほどが限界で、発泡で梁にするには強度が足りず、無発泡にする必要がある。そうでない(発泡させる)なら鉄筋が必要になる。

ただ、必ずしも鉄筋でなくともよく、例えばバサルト筋は有用である。バサルト筋とは、玄武岩(バサルト)を溶解して線維化し、樹脂で固めたものだ。鉄筋は爆裂の危険があるが、バサルト筋はサビないためこの危険はない。また、鉄筋の二倍の引張強度があるため、更に元々超高強度コンクリートであるため、繊維強化も併用することで、筋数をかなり少なくすることができる。

以前、(表面無発泡・内部)発泡繊維コンクリートのみで梁を作れると言ったが、強度的には不足である。これも訂正する。

また、発泡による断熱効果についても盛り過ぎのようだ。比重0.6程度ではALCや木材、グラスウール並みの0.12W/(m・K)となる。ただこれでも、150mm程度の厚さがあれば十分な断熱性があり、断熱材が不要という点では同じである。配筋が鉄ではなくバサルトであることは、断熱に一役買っている。

先ほどの表面スキンのすぐ内側にバサルト筋を配置し、内部は繊維強化発泡コンクリートを充填する。この場合、繊維は0.5%で十分であり、曲げ・引張強度はバサルト筋が主に活躍する。通常のコンクリートと異なり被り厚は不要(スキンの7mmだけでよい)である。なぜならスキンは超高強度コンクリートであるため強固で、筋も鉄筋ではないので、ひび割れによる水によるサビの心配は不要だからだ。中性化も関係ない。このため配筋を従来よりかなり外側にできるので、配筋の数や太さを抑制できる。

シリカヒューム粒の製造について

次に、骨材としてのシリカヒューム粒について考える。

生成AIと色々議論した結果、シリカヒューム粒はセメントで結合するのではなく、消石灰でつなげるべきとの結論に達した。シリカヒュームと消石灰を75%:25%で混合し、これをパンペレンタイザ(転動造粒機)で水を吹き付けながら球状に太らせ、粒にする。その粒を、180℃・10気圧で数時間処理する(オートクレーブ)ことで完成する。

セメントの水和反応の副産物としての二酸化炭素ではなく、最初から消石灰の二酸化炭素を利用したポゾラン反応を主たる結合要素とする、という判断である。このためセメントは不要となる。強度はセメントよりこちらの方が高い。ただ引張強度と曲げ強度が相対的に弱いことに変わりはない。

無発泡・繊維なしの場合、比重は2.2、材料費(シリカヒュームはゼロとする)と製造費トータルで6.8円/kgとなる。粒のサイズは、0.15mm〜20mm程度で、段階的に製造する。これらを混合することで隙間を減らし、効率よくコンクリートを製造することができる。

アルミニウム粉末をごく少量添加してやると発泡し、発泡粒となる。発泡の度合いは自由に調整できる。発泡させることで強度は落ちるが、体積は増えるため、体積当りの材料費は下がり、断熱性が上がる。

繊維を混入することで引張強度や曲げ強度が向上するが、繊維はキロ単価が高い(1000円/kgなど)。混入は0.5〜2%ほどの間で用途に応じ行う。発泡と繊維の組み合わせは色々できる。

天然の砕石の単価はキロ10〜40円なので、これより十分に安い。また形状が全て球で安定している点、ポゾラン反応により砕石より強固に固着する点、性能を自在に設計できる点などがあり、全てにおいて天然砕石に勝っている。

価格については、シリコン発電の残渣たるシリコンヒュームの材料費がゼロである前提による。実際には、高炉スラグ微粉末(製鉄炉残渣)やフライアッシュ(石炭発電残渣)のように、キロ数円を積むのが現実的だと思うが、その程度であれば天然砕石と価格で逆転することはない。

また、シリカヒューム粒を骨材とした繊維強化コンクリートの製造においては、混入する側のみ繊維強化するので十分であり、シリカヒューム粒自体を繊維強化する必要はないそうだ。

安いこと以外に、セメント(ポルトランドセメント)に使う場合であっても、骨材とセメントとの間にポゾラン反応が起きて強固に接着する点、形状や素材特性が安定している点、必要に応じ機能性(発泡、繊維強化)を持たせられる点でも通常の骨材に比べて有利であり、こうなると通常の骨材を使う意味がほぼ無くなる。シリカヒュームの初期の用途として極めて有望と考える。

建築方法

プレキャストコンクリート建築において、基礎をプレキャストコンクリートで作ることは引き続き可能である。但しバサルト筋+形状篏合+アンカーピンは必要となる。これは柱、梁についても同様である。壁については強度は必要ないため、バサルト筋とアンカーピンは必要ないだろう。また壁だけは発泡率を最大にして断熱を確保する。

また、その結合の基礎強度は水和反応によるため、翌々日の施工は無理で、3日~1週間程度の間隔は必要となる。とは言っても、基礎、1階、2階、屋根の4段階程度で済むので、各々1週間としても1か月で建つことになる。しかもその間は放置で良いし、施工の1日で使うコンクリートは結合部に使う分だけなのでごく少量で良い。

スラリーを使った結合であることに変わりはないので、気密性については前回と同評価である。結合部からの空気漏れはゼロにできるし、もし穴が見つかればスラリーで塞げばよい。

この場合、ラーメン工法であるので壁は更に簡素化が可能である。厚さ150mm、無背筋、高発泡化(比重0.35)が可能となる。但し繊維は2%の混合が必要となる。

また、壁の4辺全てをスラリーで完全に固めてしまうと、気密性は問題ないが地震の際の変形で割れる恐れがある。この辺は既存の方法(カーテンウォール、隙間の弾性体による充填など)が使えるだろう。

また、前の検討では柱式(ラーメン構造)で考えていたが、工法としては壁式もあったのを忘れていた。超高強度コンクリートと発泡、ポゾラン反応によるコンクリート同士の強固な接続を考えると、壁式の方が有利な場面はある。2階建て程度の一般住宅なら壁式の方がよい。

これも一応計算してもらったが、壁式でも150mm+バサルト筋で対応できそうである。

コスト再計算

材料費については、バサルト筋・バサルトアンカーピンが登場したことと比率が変わった。また建築費については日数が増えたこと等を含め、再計算が必要である。

まとめて生成AIに算出してもらったところ、以下のような結果が出た。なお、今回はシリカヒュームは6円/kgで算出している。

建物規模 既存RC造(平米単価目安) 本システム(平米単価目安) 削減率 主な要因
2階建て住宅 約 350,000円 約 297,500円 15% 内装仕上げ・断熱工事の全廃
10階建てビル 約 500,000円 約 375,000円 25% 工場生産による工期短縮と現場労務費の削減

また、性能比較は次のとおりである。

性能指標 既存RC造(従来工法) 本システム(シリカ・モノリス) 評価
断熱性能 (U値) 約 0.40 W/m²K 約 0.20 W/m²K 2倍の断熱性能
気密性能 (C値) 1.0 〜 5.0 cm²/m² 0.1 〜 0.3 cm²/m² 極めて高い気密性
耐震性 (靭性) 鉄筋依存(腐食リスクあり) バサルト筋・繊維混入で永続性大 圧倒的優位
メンテナンス性 10-15年毎の塗り替え・補修 不要(100年無機質維持) メンテナンスフリー

心配したが、一般的なRCよりは安く仕上げることができた。また性能にも満足できる。

まとめ

こういうものは計算を細かく詰めていくとだんだん現実に近づいていくものだが、今回もそうなった。だが結論としては、有用性を強く主張できるレベルに留まってくれた。

本検討は遠い将来まで見込んで考えたが、1~100MW程度の実証レベルで出てくるシリコンヒュームの量なら全数はける程度の需要はあるので、さっさと試してみたら良いと思う。

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