次のような建築を考えてみた。話は非常に単純で、
- ガラスとアルミだけで作った、外枠だけの建物を建てる。
- その内側に改めて家を建てる。
というものだ。
いったいこれが何になるのかというと、まず外枠をアルミとガラスだけで作ることで、半永久的にノーメンテで環境を整えることができる。どちらも錆びず朽ちない素材だからだ。そのためにも、例えばシリコンシーラントやゴムパッキン、(アルミではない)バネ座金のようなものすら使ってはいけない。あくまでもアルミとガラス、これだけしか絶対に使わないで済むよう、工夫をする。これに伴って、ガラスとガラスの間などに多少の隙間ができるのは許容する。
その中に家を建てるのなら、寒暖差と風雨の大幅な緩和が為されるので、家自体の耐候性が弱くても良いのだ。例えば屋根のシーリングがいい加減でも、あるいはなくても問題ない。殆どの雨は外枠が遮ってくれるからだ。断熱性も弱くていい。家と外枠の間に(あまり動かない)空気があるからだ。つまり、家の作りを簡素化できるのだ。例えば壁がなく殆ど窓の家を作れる。
現代の家は、透湿フィルムや断熱材など複数の層が重なった複雑な構造になっている。これは建築費を上昇させ、解体時の廃棄物の分別を難しくする。これは設計の難易度も上げるし、地球環境にも宜しくない。特に、屋根が大幅に軽くできることは、耐震性の向上にも貢献する。簡単に作れ簡単に壊せる家は、これからは望まれるものだ。
また、家の外壁や屋根は10年ごとに保守が必要だが、アルミガラス外枠の家には必要ない。外枠は水洗いだけで良いし、内側の家の外壁や屋根は風雨にさらされないので、従来よりもずっと長く保つだろう。これらは保守費の低減に貢献する。
家の外壁をアルミ・ガラスで作ってしまえば同じではないか、と思われるかもしれないが、少し違う。今回想定している外枠と家の間の空間は、庭になる。その庭も風雨に晒されないので快適に過ごせる。台風の日でも庭弄りができるし、洗濯物干しもできる。その干渉空間は十分に広く、家の中に匹敵する快適さがある。また、家の外壁をガラスで作ってしまうと、どうしても風雨は完璧に凌ぐ必要があるため、コーキング材は必須になる。このコーキング材の寿命は短く、保守間隔は5年になってしまう。これは一般的な外壁の保守間隔よりもかなり短い。一方本提案では、外枠と割り切ることでコーキング材を省略し、保守間隔を数十年単位に伸ばすことができる。
ガラス壁のメンテナンスは、美観を維持するという意味では面倒である。しかし近年ではロボット掃除機が発達しており、むしろこういった割り切った外壁のほうがロボットを使いやすいだろう。
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