2019年1月3日木曜日

指向性ジャミングと光通信


各国の大使館では盗聴器が仕掛けられているのが当たり前で、大使もそれを前提として対策をしているらしい。

大使館ならそれなりの資金を持って行う本格的なものだから防ぎようがない、というのも分かるが、近年では部屋の中に何も仕掛けずとも盗聴できてしまうような技術が色々と開発されていて、しかも安価にできるようだ。一般市民もうかうかとしていられない。

この対処は3種類考えられる。まずは素直に盗聴器を発見することだが、例えば遠方からガラス窓の振動を見るような仕掛けに対抗するのは困難だ。二つ目は、盗聴を妨害する技術。防音室や、逆に大音量で音楽を掛けるなどが相当する。そして三つ目は暗号化だ。ネットでなく日常会話で行うのなら、隠語(暗号名)や言い換えが相当する。

三つ目は相当に頭が必要なので、一般人には厳しい。ここはやはり一番目と二番目に期待したいところだ。

家庭用であれば、もし室内に盗聴器が仕掛けられるとすると、電波を出すことになる。さすがに有線では設置が厳しいだろうからだ。そこで、部屋全体をシールドで覆ってしまえば良いことになる。実は結構これは簡単で、何でも良いから、穴が開いていても良いから、金属で覆ってしまえばよい。この孔の大きさは、周波数に比例して小さくする必要がある。例えば1GHzなら全波長で30cm、半波長で15cm。金網の孔はせいぜい3cmだから、十分である。

窓では、Low-Eガラスという遮熱ガラスがあるが、これは金属膜を使っている。それでも不安なら、金属の格子で覆えばよい。外側でも内側でも可だ。

しかし、新築ならともかく、借家ではこの方法は使えないし、金網を隙間なく張り巡らせるのは別の不具合もある。断熱が悪くなってしまうし、錆びると厄介だ。窓に金網があるのも異様に見えるだろう。

そこで考えるのが、ジャミングだ。音のレベルでのジャミングが難しくても、電波をジャミングすることは可能なので、そういう方法もある。但しこの場合は、携帯電話や無線LANが使えないなどの弊害がある。また当然、ジャミングがダダ漏れになると近所迷惑にもなる。

ジャミング=電波妨害は、本来指向性を持つものではないのだが、ただ大電力でノイズを垂れ流すものではなく、アクティブサイレンサー(アクティブノイズキャンセリング)と同じ技術を使うことで、そういうことが可能になるのではないか、と考える。

つまり、受信した電波と同じで位相が逆の電波を、その電波が行くべき方向に流してやる。そうするとそこから先は電波が相殺されて消えてしまう。このような装置を部屋のあちこちに設置することで、部屋から出る電波を大幅に減らすことができる、というものだ。完璧に防ぐことは困難だが、一定以下のレベルになれば、他の電波ノイズに隠れて見えなくなるはずだ。

屋内の無線は、光通信で行う。シーリングライトであれば、部屋の隅々にまで光が届くし、端末側は赤外線で応答すればよい。シーリングライトの光は窓から漏れるが、端末側が漏れることはないだろうし、もし漏れても通信は暗号化しているので問題はない。

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