2018年6月7日木曜日
出張修理ロボット
匠の技術継承にVRが使われている、という話を最近よく聞く。それはそれで良いとしても、実際に現地に行くのが「人」という前提でよいのか、というのは疑問に残る。
地方創生の問題点の一つは、言うまでもなく効率だ。機械が故障したときに備えて全国にサービス拠点を配置するのは良いとして、その拠点に(VRで教育した)優秀な技術者を何人配置すればよいのか、というのは問題だ。コストに直結するからだ。
売れ行きに比例して業務が増えるから、人口が少ないところほど非効率になる、というのは自明の理だ。また、ゼロ人にするわけにはいかないが、一人では365/24対応は無理だ。電話サポートなどでは可能なことが、実務が発生するサポートではできない。
そこで登場するのが、遠隔操縦ロボットである。5G通信を搭載する手先が器用なロボットを拠点に配置し、電話サポートと同様に技術者を集中して管理する。
手先をいかに上手く動かせるか、感覚がいかに自然にできるかは課題だが、それでも技術的には不可能ではないし、徐々に向上できる性質のものになるはずだ。
ロボットが訪問するというのはちょっとシュールすぎる展開だが、初期にはVRカメラを着けたアルバイトでも良いだろう。その場合は音声指示がものすごくなるし、アルバイトとて全くの素人ではダメだが、それでも人件費は半減できるはずだ。
自動車・家電・コンピュータ等の修理及び保守において、この優位性が発揮されるだろう。修理にリアルタイム性が得られるとなれば、地方進出への抵抗感も減り、新しい需要を掘り起こすことも、地域への貢献もできるようになるだろう。
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